5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

「梅雨明け宣言」は必要か

 さきほどの日本の状態をtenki.jpの雨雲レーダーで切り取ってみました。
「梅雨明け宣言」は必要か_c0025115_16593388.jpg
 北海道にかかっている停滞前線は梅雨前線と言ってもよいものなのかもしれません。

 九州や関東などはだいぶ前に「梅雨明け宣言」が出されたようですが、その後になって北九州や関東は何度も豪雨に見舞われているようで、被害に遭われた方々はなんとも割り切れない気分になっていることとお察しします。

 天候状態の良い年には、「梅雨明け宣言」は夏が到来したことを意味する楽しい言葉でもあるのですが、最近は梅雨明け宣言の後で「もどり梅雨」などというのんきなことを言っていられない災害的な豪雨が降ったりすることも良くあるような印象を感じています。

 ここ数日の九州・中国地方の豪雨は信じられないほどの大きな被害をもたらしていますが、梅雨明け宣言には罪がないのかもしれないと思いつつも、「なんでそんなものを宣言しなければならないのか」という思いもわいてきます。

 よく考えてみると、気象庁という組織はいろいろと宣言をする組織です。サクラの開花宣言、梅雨入り宣言、梅雨明け宣言、初降雪宣言などなど、思いつくままに上げていくつはすぐに思いつきます。どこにこのような「宣言」をする必要性があるのでしょうか。

 まあ、多くの宣言はそれほど罪がないもので季節の風物詩程度のものとも言えますが、日本ではしばしば災害をもたらす梅雨の豪雨に関して言えば、梅雨入りや梅雨明けの宣言というものが時として大きな罪作りなものに思えます。

 梅雨などは、終わってから何ヶ月後たってから、「**地方の今年の梅雨は、*月*日から*月*日まででした」というような発表でも、何の問題もないのではないかと思います。

 そろそろ、貴重庁も様々な勇ましい「宣言」から脱却してはどうでしょう。

 それはさておき、こんな雨の中を大通りビヤガーデンに行こうとしている私たちって・・・・?
Commented at 2009-07-25 20:53 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by js at 2009-07-25 21:34 x
九州の梅雨明けは南部までで、北はまだです。しかし関東の梅雨明けについては、勇み足としか思えませんよね。戻り梅雨なんて、便利な言い回しがあるもんだと皮肉の一つも言いたくなります。
Commented by ガンバレ気象庁 at 2009-07-26 00:22 x
「宣言」はあっていいと思っています。季節の変わり目を楽しむ日本の文化・風習の一つとは考えてはいかがでしょうか。

災害などにつながる情報はそれとしてきちんと出しているわけですし、「宣言」が誤りだったとしても、「梅雨に戻っちゃいました。ごめんなさい。」で済むような話です。また、「宣言」が外れて、受け手側は「また外しやがって。(笑)」と楽しんでいる面もあると思います。自然が相手ですから。

批判に耐えかねた気象庁は、かつて「いついつに梅雨が明けたらしい。」と何とも煮え切らない発表をしていた時期がありました。ちょっと何かあると、寄ってたかって叩きのめす最近の風潮こそ問題ではないでしょうか。(無論、内容と程度によりますが。)

これからも、そんな批判にめげずに気象庁は堂々と「宣言」を出して欲しいと思いますし、受け手側も「宣言」が外れても楽しめるような心の余裕を持ちたいですね。
Commented by henry at 2009-07-26 00:58 x
確かにw
閾値近傍で不安定な中、梅雨明けかどうかを宣言するのはナンセンスに聞こえてきましたww
Commented by fn.line at 2009-07-26 21:46 x
予算がそれほどかかってないならまあ放置でよいでしょう。
仮にかかっていても、閾値設定が難しいとはいえ、気象の調査や研究では重要なのかもしれません。
「安全宣言」ならともかく、「梅雨明け宣言で安心して対応できなかった。」など、大人の言うことではありません。
Commented by qsat at 2009-07-26 23:23 x
気象庁では「宣言」はしていなくて、梅雨明けなどの「発表」をしているだけです。「宣言」と勝手に読み替えているのはマスコミです。
おそらく梅雨入りや梅雨明けの時期が近付くと、各種マスコミがひっきりなしに気象台に電話を掛けてきて、気象台職員は大変だろうと同情します。
梅雨入りや明けの発表担当は各地域の週間予報担当者だそうです(友人の職員から聞きました)。実際、九州南部や関東の梅雨明け発表後約1週間は晴天が続いたと思います。それ以降までびしっと予測しろというのは、担当としては少々酷かもしれません。それなら、1か月予報など長期予報担当者がやればよかろうということになりますが、それも難しそうです。客観的なデータでなく私見ですが、1か月予報がそこそこ当たっているのは発表日から2週間までのようです。特に梅雨前後の予報が難しい時期では2週目の予報もかなり怪しくなってきます。したがって、現状では梅雨明けが空振りに終わるのはあり得ることと受け入れるしかないでしょう。実際、夏の終わり頃に、必要な場合は修正を行っています。
Commented by qsat at 2009-07-26 23:23 x
では、そんなあやふやなことはしなくてもいいではないかという論が出ますが、「要求が高い」から出しているという面もあるようです。1か月予報でもあやふやなのに、3か月予報や6か月予報(正式には暖・寒候期予報)がずっと以前から出されています。こういった予報の利用者(商売に気象条件が強く影響される人たち)は予報の当たらなさを一般人よりずっとよく認識しているはずですが、それでも毎年使っていてニーズはあるのだそうです。もしかしたら、予報のゆらぎや誤差をよく分かってうまく使っているのかもしれません。
Commented by 蛙女 at 2009-07-27 10:46 x
初めまして。
同様の事を思っていました。大雑把に6月~7月は梅雨で良いんじゃないかと思います。各方面からの問い合わせの対応や、宣言(発表)をいつにするか検討したり、通常業務にしわ寄せがあると思うのですが。発表した・しなかったからといって雨量が変わるわけでもないのに。
Commented by もよおしだいこ at 2009-07-28 16:27 x
でも、万人がそれぞれ思えばいいことを、無理に宣言or発表でくくりつけるってのもいかがなものかと。
業務用向けで梅雨明け発表をリリースすればいいと思うんですけどね。
Commented by stochinai at 2010-03-25 22:45
 話題とあまりにも関係のないコメント(たかし at 2010-03-25 22:27)を削除させていただきました。
Commented by Piichan at 2010-06-13 14:55 x
気象庁が梅雨予想をする必要性はないとおもいます。民間気象予想会社がやればいいのです。
Commented by stochinai at 2010-06-13 20:38
 私もそのように思います。
by stochinai | 2009-07-25 17:18 | 札幌・北海道 | Comments(12)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai