2009年 11月 08日
週末DVD劇場 「ラスベガスをぶっつぶせ」
札幌では、何度目かのGEOとTSUTAYAのディスカウント戦争が続いており、旧作DVDはもう100円以上を出す気はしなくなっている今日この頃、久々に週末DVD劇場を開くことができました。この戦争が始まってから、異常に「準新作」というカテゴリーのものが増えていて、見たいとおもうものの多くはそこに入っているのですが、なんとか見つけた一作がこれです。
21 (「ラスベガスをぶっつぶせ」)
(C) photoXpress
これが、実話に基づく話という売りがなかったら、ただの安上がりに作られた映画で終わってしまったと思うのですが、公開時には全米で2週続けてトップになったそうです。
現代の21(twenty-one)は、「ブラックジャック」として知られている単純なトランプゲームで、4組あるいは8組のカードを使いますが、一度使ったカードはもとの集団に戻しませんので、次に出てくるカードの確率はどんどん変化してくるので、コンピューターを使えば「ほぼ確実に」勝てる確率で勝負ができるというゲームのようです。
コンピューターを使わずにその確率計算を瞬時に頭の中で行う「カウンティング」という手法を考え出したMITの教授がラスベガスで大もうけをしたという話は聞いたことがありますが、この映画はその実話をもとに作ったものだそうです。報道では教授が一人で考え出した理論を実践してもうけたというようなことだったように記憶していましたが、この映画を見ると本人はすでに身元がばれて出入り禁止になっているので、学生達を使って仕事をしているということになっています。実際にもそうだったのかもしれません。
共犯(?)の学生も、天下のMIT(マサチューセッツ工科大学)の中でも飛び抜けた頭脳の持ち主という設定になっていましたが、この映画を見ているとアメリカという国においてMITのようなエリート大学の学生がどのように見られているのかということがわかるような感じがしました。
日本でたとえば東工大に、この映画に見られるような天才的な学生がごろごろといると考えられているかというと、どうもそうではないような気がします。もちろん実際のMITにも天才だけが入っているわけではなく、大多数は普通の「良くできる」学生なのだと思いますし、ひるがえって東工大にもおそらくMITに匹敵するくらいの天才学生もいることにはいるのだろうと確信しています。
しかし、違うところは世間の目が、アメリカでは「MITには天才がいるぞ」というふうになっていてある種の「畏敬の念」が感じられるのに対して、日本では「東工大には数物系に強い学生がいる」というだけの認識になっていて、そこに日本の歴史を変えてしまうかもしれない天才の卵がごろごろいるかもしれないという「尊敬の念」はほとんど感じられないと言う違いがあるのではないでしょうか。
また、この映画の主人公はMITを出て、ハーバードのメディカル・スクールに入るのでそのために30万ドルを準備しなければならないという設定になっていましたが、この大学を出て医学校に入るという制度も日本人にはなじみのないものなのであまり良く状況のわからない人が多いのではないかと感じました。アメリカでは医者になるためには普通の大学を出てから「メディカルスクール」に進学するというコースをとりますので、普通の大学と平行して入学試験をする日本の医学部ととは状況が違います。
などなど、この映画はギャンブル・サスペンスとしてみると、「ん?」ということになるかもしれないものですが、アメリカの大学でもMITとかハーバード・メディカル・スクールがどういうふうにとらえられているのかとか、そういうところに入学できる学生というものが社会的にどのように捉えられているのか、というようなことを知るにはなかなか興味深いものだと思いました。
暇があったら見ても良い映画かもしれません。
21 (「ラスベガスをぶっつぶせ」)
これが、実話に基づく話という売りがなかったら、ただの安上がりに作られた映画で終わってしまったと思うのですが、公開時には全米で2週続けてトップになったそうです。
現代の21(twenty-one)は、「ブラックジャック」として知られている単純なトランプゲームで、4組あるいは8組のカードを使いますが、一度使ったカードはもとの集団に戻しませんので、次に出てくるカードの確率はどんどん変化してくるので、コンピューターを使えば「ほぼ確実に」勝てる確率で勝負ができるというゲームのようです。
コンピューターを使わずにその確率計算を瞬時に頭の中で行う「カウンティング」という手法を考え出したMITの教授がラスベガスで大もうけをしたという話は聞いたことがありますが、この映画はその実話をもとに作ったものだそうです。報道では教授が一人で考え出した理論を実践してもうけたというようなことだったように記憶していましたが、この映画を見ると本人はすでに身元がばれて出入り禁止になっているので、学生達を使って仕事をしているということになっています。実際にもそうだったのかもしれません。
共犯(?)の学生も、天下のMIT(マサチューセッツ工科大学)の中でも飛び抜けた頭脳の持ち主という設定になっていましたが、この映画を見ているとアメリカという国においてMITのようなエリート大学の学生がどのように見られているのかということがわかるような感じがしました。
日本でたとえば東工大に、この映画に見られるような天才的な学生がごろごろといると考えられているかというと、どうもそうではないような気がします。もちろん実際のMITにも天才だけが入っているわけではなく、大多数は普通の「良くできる」学生なのだと思いますし、ひるがえって東工大にもおそらくMITに匹敵するくらいの天才学生もいることにはいるのだろうと確信しています。
しかし、違うところは世間の目が、アメリカでは「MITには天才がいるぞ」というふうになっていてある種の「畏敬の念」が感じられるのに対して、日本では「東工大には数物系に強い学生がいる」というだけの認識になっていて、そこに日本の歴史を変えてしまうかもしれない天才の卵がごろごろいるかもしれないという「尊敬の念」はほとんど感じられないと言う違いがあるのではないでしょうか。
また、この映画の主人公はMITを出て、ハーバードのメディカル・スクールに入るのでそのために30万ドルを準備しなければならないという設定になっていましたが、この大学を出て医学校に入るという制度も日本人にはなじみのないものなのであまり良く状況のわからない人が多いのではないかと感じました。アメリカでは医者になるためには普通の大学を出てから「メディカルスクール」に進学するというコースをとりますので、普通の大学と平行して入学試験をする日本の医学部ととは状況が違います。
などなど、この映画はギャンブル・サスペンスとしてみると、「ん?」ということになるかもしれないものですが、アメリカの大学でもMITとかハーバード・メディカル・スクールがどういうふうにとらえられているのかとか、そういうところに入学できる学生というものが社会的にどのように捉えられているのか、というようなことを知るにはなかなか興味深いものだと思いました。
暇があったら見ても良い映画かもしれません。
by stochinai
| 2009-11-08 23:59
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Comments(2)