5号館を出て

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支柱なしの雪囲い

 我が家の庭にある木は、冬になっても防寒のためにムシロなどで冬囲いするということはありませんので、寒さの厳しい年には冬の眠りから覚めることができずに枯れてしまうものもあります。

 10年ほど前に、中古の住宅を庭木ごと購入したのですが、その後何本かの木はそのようにして枯れてしまいました。

 ただ、たとえ耐寒性はあったとしても木が小さなうちは雪に埋もれて、枝がボキボキと折れてしまい。時には幹までも折れてしまいますので、それはかわいそうということで、かなりいい加減なものではありますが、雪に埋もれても折れてしまわないようにと雪囲いをしてやります。

 まじめにやろうとすると大変な作業でもありますので、老人の家庭が多い我が家の周辺では庭師のプロにお願いするお宅もあるのですが、結構な値段がするようです。中にはこのお宅のように、自分で立派な囲いをするかたもいらっしゃいます。

 私は、お金をかけるのもいやですが、手間をかけ過ぎるのもいやということで、最小限の労働で最大限(?)の効果を狙って、省エネ雪囲いをします。だいたいは、こちらのお宅のようにひもでしばって枝をまとめてやるだけでも大丈夫なのですが、木が小さいうちは幹ごと折れてしまわないようにと、竹などで支柱を添えてやる必要があります。

 それでも、だんだんと木が生長してくると支柱はいらなくなってきます。そうして、今年はすべての木が支柱から解放(?)されました。

 春夏秋の間に、木の剪定作業をするのですが、その時に考えることの主なことが冬を越すときに支柱なしで過ごせるような樹形にするということです。

 なかなか思ったように樹形を整えることは難しいのですが、冬に降る雪の高さや、枝振りが雪をためにくいような形になるようにしたりと、適当にやっているように見えると思いますが、いろいろと考えています。

 そして、「苦節十年」ようやくすべての木が今年、支柱から解放されました。

 実は開放されたのは木ではなくて私のほうなのですが(笑)、何年もかけて雪に負けない木に成長してくれた木をみると、人を育てるのも木を育てるのも同じだという感慨もあります。支柱なしで雪に負けないように育てておけば、私がいなくなっても、木は一人で冬を越せるようになるのですから。
by stochinai | 2009-11-10 22:35 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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