2010年 04月 25日
懲りずに出てくる3D動画
我々が住んでいる世界が3次元なので、3Dというのはヒトの感覚にフィットしていると思います。写真や映像はそのほとんどが平面に描かれたり投影・表示されたりすることが多いので、平面に描かれたものをどうにかしてリアルに見せたいという努力が絵画の発展の歴史とともに今日まで続いているのでしょう。
中学校の頃にならった遠近法というものが平面に描かれた絵に立体感を出すということははるか昔からわかっていましたし、絵に適切な陰影をつけることでいわゆる立体感が出ることもあまりにもあたりまえで、それを3Dなどとあえて言うことはあまりないと思います。
普通のレンズで風景写真を撮れば、自然に遠近法になって写ります。
(C) photoXpress
ヒトの場合には、両方の目でものを見た場合少しずれた映像になり、それが脳の中で再構成されることで3次元を知覚する「立体視」を行っているため、一本のレンズで撮影された普通の写真に写った映像を見ると、立体感という意味でリアルさに欠けると感じられるのはそのせいかもしれません。
しかし、ことさら立体感を強調するように絵を描くことはできます。
(C) photoXpress
こうした画像を動画にすることも可能で、十分に立体感のある動画映像はディズニーなどの動画でかなり古くから確立されていると思います。
ところが、なぜか左右の目からちょっとずつことなる映像を入れることによって立体感を出そうという試みが繰り返し繰り返し現れてきています。右目と左目に赤と青のフィルターを入れためがねをかけることで右目と左目で異なる画像を見るという手法で静止画や動画を立体的に見るという手法により作られた映画は、50年以上も前から繰り返し登場してきたと思います。
最新の3D技術を使っているというアバターでは、そこまで露骨な方法ではなさそうですが、めがねをかけなければ立体感を味わえないという意味では、本質的進歩はないということのように思えます。さらに、次のテレビは3Dテレビだなどという声も聞こえてきておりますが、それもやはりめがねをかけて見るもののようです。
私としては、本当の意味での次世代の3D映像というのはめがねなしで感じられるものであり、さらにその次の世代の3D映像ではこちらが頭を動かすと(あるいは移動すると)対象物の見え方も変わるというのが本当の進化だと思っていますので、めがねをかけて見ると聞いたとたんにアバターを見るモーティベーションも失せてしまいました。
そもそも、我々の脳は適当な入力でも3Dの世界で起こっていることであるというふうに再構成してくれる機能がありますので、何も疲れる努力をして入力のところを3Dにする必要はそれほどないのではないか、というのが正直な感想です。
新しもの好きの私なのですが、こういうわけで3Dに対してはクールでおります。
普通のレンズで風景写真を撮れば、自然に遠近法になって写ります。
ヒトの場合には、両方の目でものを見た場合少しずれた映像になり、それが脳の中で再構成されることで3次元を知覚する「立体視」を行っているため、一本のレンズで撮影された普通の写真に写った映像を見ると、立体感という意味でリアルさに欠けると感じられるのはそのせいかもしれません。
しかし、ことさら立体感を強調するように絵を描くことはできます。
こうした画像を動画にすることも可能で、十分に立体感のある動画映像はディズニーなどの動画でかなり古くから確立されていると思います。
ところが、なぜか左右の目からちょっとずつことなる映像を入れることによって立体感を出そうという試みが繰り返し繰り返し現れてきています。右目と左目に赤と青のフィルターを入れためがねをかけることで右目と左目で異なる画像を見るという手法で静止画や動画を立体的に見るという手法により作られた映画は、50年以上も前から繰り返し登場してきたと思います。
最新の3D技術を使っているというアバターでは、そこまで露骨な方法ではなさそうですが、めがねをかけなければ立体感を味わえないという意味では、本質的進歩はないということのように思えます。さらに、次のテレビは3Dテレビだなどという声も聞こえてきておりますが、それもやはりめがねをかけて見るもののようです。
私としては、本当の意味での次世代の3D映像というのはめがねなしで感じられるものであり、さらにその次の世代の3D映像ではこちらが頭を動かすと(あるいは移動すると)対象物の見え方も変わるというのが本当の進化だと思っていますので、めがねをかけて見ると聞いたとたんにアバターを見るモーティベーションも失せてしまいました。
そもそも、我々の脳は適当な入力でも3Dの世界で起こっていることであるというふうに再構成してくれる機能がありますので、何も疲れる努力をして入力のところを3Dにする必要はそれほどないのではないか、というのが正直な感想です。
新しもの好きの私なのですが、こういうわけで3Dに対してはクールでおります。
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はやおか
at 2010-04-26 09:31
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アバターを見たところでは、めがね自体も昔よりはシンプルでかけやすくなっているようです。「最先端のCGを体験する」という意味では、興味深い映画です。
あと映画館という特別な場所ではかけても良い気がしますが、自宅のリビングではちょっと…という感じですね。
NHKなんかは1990年頃からずっとやっていて、眼鏡不要のシステムも開発しているようですが、その場合、立ち(座り)位置を制限されます。
↓NHKの3D撮影機材の様子です
http://www.nhk-mt.co.jp/nts/3dhdtv/machine.html
私も、一般には普及するとは思ってませんが、遠隔医療など医療・産業分野での応用はあると思っています。
3Dではないですが、高画質ハイビジョンの学術・医療分野への応用を考えるワークショップを6月に、理学部で開催する予定です。
あと映画館という特別な場所ではかけても良い気がしますが、自宅のリビングではちょっと…という感じですね。
NHKなんかは1990年頃からずっとやっていて、眼鏡不要のシステムも開発しているようですが、その場合、立ち(座り)位置を制限されます。
↓NHKの3D撮影機材の様子です
http://www.nhk-mt.co.jp/nts/3dhdtv/machine.html
私も、一般には普及するとは思ってませんが、遠隔医療など医療・産業分野での応用はあると思っています。
3Dではないですが、高画質ハイビジョンの学術・医療分野への応用を考えるワークショップを6月に、理学部で開催する予定です。
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stochinai at 2010-04-26 13:06
頭の位置を固定されるということは、一画面を見ることができるのは一人ということになってしまいますので、それならメガネの方が自由度が高いですね。
脳の働きで立体をイメージするのも「脳力」の一種のような気がしますので、そういう力があまりない人とか、子どもに対する「教育的補助具」としての3Dは有意義だと思います。医療・産業分野での応用もそれに似ているような気がします。
3Dよりも高画質映像の方がずっと実用性も将来性もありそうですね。
脳の働きで立体をイメージするのも「脳力」の一種のような気がしますので、そういう力があまりない人とか、子どもに対する「教育的補助具」としての3Dは有意義だと思います。医療・産業分野での応用もそれに似ているような気がします。
3Dよりも高画質映像の方がずっと実用性も将来性もありそうですね。
運動視差を利用した3Dというのがありますが、これが本来あるべき姿の3D映像実現のヒントになるかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=89OoXyuxTLM
http://www.youtube.com/watch?v=89OoXyuxTLM
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stochinai at 2010-04-27 08:56
おもしろい。不思議な箱という感じですね。一頃話題になった、レーザーホログラム方面からの進歩ってどうなっているのでしょうか。
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omaru
at 2010-04-27 22:36
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先日ヨドバシカメラで3Dテレビの体験展示を行っていたので見てみました。ゴルフの映像を流していたのですが、ゴルフコースはくっきり立体的に見えるし、砂やボールがこちらに向かって飛んでくるなど、これが家で見れるのか!となかなかの衝撃を受けまして、これから3Dテレビが普及していきそうな印象をもちました。メガネはサングラス程度の軽いもので楽でした。
5号館さんのおっしゃるような全く新しい3Dも将来登場するのかもしれませんが、今の3Dテレビも結構すごいものだと思います。3D番組が充実することが大事なのかもしれませんね。
5号館さんのおっしゃるような全く新しい3Dも将来登場するのかもしれませんが、今の3Dテレビも結構すごいものだと思います。3D番組が充実することが大事なのかもしれませんね。
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stochinai at 2010-04-27 22:42
番組のことはおおきなネックになるでしょうね。テレビがカラー化された初期の頃やHQやハイビジョン番組が始まった初期の頃は、数えるほどしか新しい方式の番組はありませんでした。今はすべてがカラー化(やHQ化も?)されているようですが、将来はすべての番組が3Dになるという時代がやってくるのでしょうか・・・。
by stochinai
| 2010-04-25 23:59
| コンピューター・ネット
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