5号館を出て

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キバラヘリカメムシ登場

 最近は、見たことのない明らかに南方系と思われる動物が出現しても、それほど驚かなくなりましたが、こんな派手な連中が大量にいるのを見るとさすがにドキッとしてしまいます。
キバラヘリカメムシ登場_c0025115_22545335.jpg
 北海道にいる昆虫は地味なものが多いのですが、これはどう見ても南方系の連中に思えます。

 ついていたのは我が家のニシキギです。何かの幼虫だということはわかるのですが、図鑑では良く見かける連中のように思われ他ので、写真さえとっておけばすぐに身元は割れるだろうと思いました。成虫と思われる個体もいました。
キバラヘリカメムシ登場_c0025115_22544722.jpg
 幼虫と思われる個体の派手さと比べると、成虫は意外なほど地味ですが、それもまた種を同定する際には手がかりになりそうです。

 というわけで、幼虫と成体と思われる個体の大写しの写真を撮っておきました。
キバラヘリカメムシ登場_c0025115_22544382.jpg
 このくらい特徴のはっきりしたものだと、ネットだけでもすぐに種名がわかります。

 キバラヘリカメムシ
体長14~17mm
分布本州,四国,九州
出現期4~11月
エサニシキギ科(マユミ,コマユミ,ニシキギ,ツルウメモドキ)などの実
幼虫も同様。
コメント腹部が黄色いヘリカメムシ科の仲間。上から見ると黒い体色で地味ではあるが、腹部周辺のはみ出した部分が黄色と黒の縞模様となって見える。足の途中まで真っ白、触覚の先端部が赤とはっきりとした模様をしている。横から見ると腹部の黄色が目立つ。本種の黄色と黒の縞模様や先端が赤い触覚を見ていると工事現場を連想させる。本種が群れていると、さながら工事中といったところである。幼虫は前翅が短いため、黄色い腹部がむき出しとなり、非常によく目立つが、普段はマユミの実に乗っているので、同じ黄色で保護色効果となり、あまり目立たない。ニシキギ科のマユミやニシキギの実などに集まり、多数の本種が実や葉上に成虫・幼虫共に多数集まっていることが多い。
 「本種が群れていると、さながら工事中といったところである」と、発見したのがニシキギということで、ほぼ間違いなくこの種だと思います。

 分布が「本州,四国,九州」ということで、今まであまり見たことがなかったものが、最近北海道に侵入してきたものと思われます。

 こういう派手な昆虫が増えてくるのは、北海道が温暖化していることの象徴という感じがします。
by stochinai | 2010-09-11 23:12 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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