5号館を出て

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A型インフルエンザなう

 土曜日に友人達との新年会があり、暴風雪の中をタクシーが途中で動けなくなったため、最後の数百メートルを「八甲田山」顔負けの行軍をして帰ってきました。最初はその疲れのせいかと思っていたのですが、どうも熱っぽい感じもしましたので体温計を脇にはさんでみると38℃くらいあります。私はもともと発熱には弱く、37℃を越えるともうフラフラしてしまうため、その温度を見ただけで寝込んでしまいました。

 そして、翌朝になっても熱は下がりません。不思議なのは、熱が出ると普通は「悪寒」という寒気を感じるはずなのに、とても暑くて大量に汗をかきます。過去の経験から、汗が出るのは発熱が治まる証拠みたいな先入観を持っていたので、しばらくしたら熱も下がるだろうと思って寝ていましたが、はかる度に熱は38度前後を行ったり来たりで、時として39℃近くになったかと思うと、38℃を切ったりすることもあります。

 よくわからないまま、週明けの今朝になってから判断をしようと思っていましたが、やはり今朝になっても体温はほとんど下がっておりません。意を決して近くの大きな内科クリニックへ。

 どうも、巷ではA型インフルエンザが流行しているらしいのですが、このインフルエンザがいままでのいわゆるインフルエンザのように「急激に熱が出て」「関節や筋肉が痛くなり」「吐き気や嘔吐を伴う」というものに比べるとマイルドな症状を示すもののようで、病院でインフルエンザの簡易検査を受けて始めてインフルエンザとわかるケースが多いのだそうです。

 逆にいうと、巷には自分がインフルエンザだという自覚もなくウイルスをまき散らしている人も多い可能性があります。

 私も高熱を除くと、あまり激しい症状がなかったため話を聞いてもらった段階では医師の方も、普通の風邪ウイルスによるものかインフルエンザウイルスによるものか断定することはできない、とおっしゃっていました。

 鼻の奥に綿棒を突き刺されて1分後に取り出したサンプルの検査結果は、A型(+)でした。

 先生は申し訳なさそうに、インフルエンザでしたとおっしゃられていましたが、その申し訳なさの原因は、今日からしばらくの間、できるだけ家を出ないようにしてくださいという宣告をしなければならないからだったようです。幸い、私は良い同僚や学生に恵まれておりますので、このような急な事件でしばらく休ませてくださいと申し出たら、すぐにOKが出るのですが、世の中にはなかなかそうもいかないところもあるのかもしれません。

 そもそも、私がインフルエンザはおろか風邪もあまりひかずに冬を乗り切ってきたのは、自転車通勤のおかげだったのかもしれないと思い出しました。このところの連日の大雪で、毎日バスと地下鉄という公共交通を利用していたことでウイルスをもらってしまったような気がしてなりません。

 公共交通を利用する方々ならびに、学校や会社などたくさんの人が集まるところへ出かける人は、自分がインフルエンザウイルスを持っていると自覚したら速やかに、出勤や登校を停止すると共に、そうしたことを寛容に受け入れる世の中であって欲しいと思います。

 というわけで、まさかのタミフルを飲むことになりました。
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 タミフルなどのノイラミニダーゼ阻害薬は発症後48時間以内に飲まなければ症状の進行を阻止あるいは緩和する働きはないといわれていますが、機能的に見てウイルスの増殖は抑えられるのですから、患者個人の症状はさておきウイルスの増殖を阻止し、ひいては社会全体へのウイルスの拡散を防止するという「社会的意義」を考えるならば、これは飲まねばなるまいと思っております。

 不思議なもので、病気というものは原因がはっきりするだけでも症状が軽く感じられるような気がするものです。

 明日の朝は、もう1℃体温が下がっていてくれるとうれしいのですが・・・。
Commented by うに at 2011-01-17 22:21 x
お大事になさってください。そして、ブログなんか書いていないで、休まなくては! でも、ダーウィン医学のstochinaiさんがタミフル服用というのが、今ひとつ腑に落ちません… あっ、窓から飛んで逃げようとしちゃダメ!
Commented by 週刊金曜日な日々 at 2011-01-17 22:22 x
おだいじに。

九州でもインフルエンザでの学級閉鎖のニュースが。

例年、冬休み明けからインフルエンザが流行するようですが(年末年始のお出かけで感染するようです)今年の冬は、年末からずっと寒波におおわれ、人出が少なくて流行期がずれたのではないかと思います。
Commented by リィ at 2011-01-18 00:15 x
自分も同じものに1日からかかって、1週間自宅監禁でした。三種混合の予防摂取は受けたのに!と思いましたが、もしかしたらそのお陰であまり苦しまずに済んだのかも知れません。どうかお大事にして下さい。
Commented by mamekichi at 2011-01-18 04:39 x
いつも楽しみに拝読しております。インフルエンザではいけませんので、しっかりとご休養になり、早期のご回復をお祈りしています。どうぞ、お大事にしてください。
Commented by stochinai at 2011-01-18 09:25

 皆さま、あたたかいお見舞いをありがとうございました。実は、この記事を書いた後、ずっと昏睡しておりました(まだ、病気だということです)。今朝起き出して、札幌が快晴であることもあり、かなり体調の回復を感じております。

 うにさん: 確かに、タミフルを処方された時には、私も一瞬目が白くなりましたが(笑)、医療現場は基礎医学・生物学の原理論争をする場ではありませんので、ありがたく受け取ってきました。また、おっしゃるような異常行動誘発副作用に関しては今期はまったくニュースにはなっていませんね。私も「人体実験」をしてみましたが、高熱のせいで悪夢を見ることは確認できましたが、タミフルの副作用は実感できませんでした

 それはさておき、タミフルを使うということは、耐性ウイルスの進化に手を貸しているということはしっかりと自覚しておかなくてはならず、劇症期を過ぎたらやめることにします。
Commented by stochinai at 2011-01-18 09:25
(続き)


 週刊金曜日な日々さん: やはり感染性の強い病気には、ヒトが行動パターンを変えることで対抗するのがもっとも効果の高い作戦だと思います。子どもの冬休みはそのためもあったと思うのですが、どんどん短くなっているような・・・。

 リィさん: いわゆる「三種混合」にはインフルエンザははいっていないと思いましたが、まあ病気を口実に家でのんびりと静養させてもらうことにしましょう。

 mamekichiさん: 寝ていて、どんな病気でも徹底的に休養すれば治るくらい、ヒトのからだはうまくできているのかもしれないと感じています。それをうまくサポートするのが医学であってほしいですね。
Commented by さなえ at 2011-01-18 09:58 x
遅まきながらお見舞い申し上げます。お大事に。実はワタシは熱がひどくなると医者には行けなくなる、備えとして必要と説得〈脅?)しましてタミフルを入手、常備しております。が、年末にも39度超の熱を出しましたが、なんのこれしき、これくらいではインフルではないだろう、もうちょっと我慢と我慢している内に熱が下がり、タミフルは未体験のまま。この分ではのまないまま消費期限を迎えそうです(^^;)。
Commented by stochinai at 2011-01-18 11:14
 おそらく、高熱期を耐えられる体力と気力がある人はタミフルなどの抗ウイルス剤は必要ないのだろうと思います。そもそも、ほんの15年くらい前までは、人類はウイルスに対する薬剤を何一つ持たずに生き延びてきたのですから、たとえ今タミフルがなくなってもパニックに陥る必要はないわけです。
 考えてみれば、病院は感染源のるつぼですので、感染性の病気の場合、他人への感染を防ぐために家を出ないというのは生物として非常に正しい行動パターンだと思います。
 さりとて、個々人はヒトという種のために生きているわけではありませんので、あくまでも利己的に己の生存だけを考えて生きていけば、全体としては最適化された結果になるはずですので、心配することもないのですが。
Commented by リィ at 2011-01-18 13:52 x
間違えました!「三種混合」ではなく「3種類のインフルエンザ用混合ワクチン」ですね。恥ずかしい…
Commented by stochinai at 2011-01-18 14:02
 そういうのがあるんですね。了解しました。でも残念にも、外れたというわけですか。また、すべてのインフルエンザに共通な部分を取り出してワクチンとする、「汎流行インフルエンザ・ワクチン」の開発も進んでいると聞きますが、なんとなく外れも出そうな気がします。そう考えると、何の先入観もなしに、進化し続ける相手と戦える我々のからだの免疫システムというのはやはりすごいものだと思いますので、その能力を100%発揮できるようにしているのがもっとも効率的ではないかと思っています。
by stochinai | 2011-01-17 21:41 | 医療・健康 | Comments(10)

日の暮の背中淋しき紅葉哉            小林一茶


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