5号館を出て

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再生可能エネルギー?

 原発事故の後、いろいろな言葉が飛び出してきて、頭が混乱しています。

 自然エネルギーはまだわかりやすい気がします。もちろん、ウランも石炭も石油もガスもすべて自然にあるものでそれを「自然エネルギー」と呼ぶことも可能かもしれないのですが、自然エネルギーという言葉はそれらを指すことはなく、太陽光による熱吸収や太陽光発電、風力発電や水力、海流・潮汐、地熱発電などの「無理のない」物理力利用のことを言っているのだろうということは、比較的理解しやすいものです。

 水力発電に関しては、巨大ダムがゼネコンと政治の癒着を生んでいるとして否定される流れにありますが、巨大ではない小さな水車的発電ならば自然エネルギーの利用として歓迎されるのではないかとも思います。

 わからないのは「再生可能エネルギー」なるものです。

 Wikipediaによると、「「再生可能エネルギー」という用語の定義は統一されていない」とは言うものの、「比較的短期間・自発的・定常的に再生される自然現象に由来し、極めて長期間にわたって枯渇しないエネルギー源(または、そこから発生するエネルギーそのもの、もしくは、その利用形態)を指す」と書かれています。対義語として化石燃料(石油、天然ガス、オイルサンド、メタンハイドレート等)やウラン等の埋蔵資源を利用するもの(原子力発電など)を指す「枯渇性エネルギー」が出てくるとなんとなくわかるような気がします。

 しかし、そうであるならば「再生可能」という言葉はあまり適切ではなく、やはり「自然エネルギー」が良いのではないかと思われます。

 生物学を専攻する立場としては、再生可能エネルギーというならば、生態系の中でリサイクル可能なエネルギーすなわち植物の光合成を使ったものだけをそう呼ぶのが適切ではないかと思われます。あるいは北海道のような寒冷地ならば、冬に降り積もった雪や氷を夏にエネルギー源として使うことならば、気分的にしっくりきます。夏が暑い地方では、その暑さを蓄積しておくことができれば、それも再生可能エネルギーとして使えるのですが、そういう研究をしている方はいるでしょうか。

 再生可能エネルギーとか自然エネルギーとかもそうなのですが、自然科学用語が政治や経済の中でもとの意味を変えられ、戦いのためのスローガン用語として使われることにはとても違和感を感じる日々です。

 そんな時に、きれいな夕日などを見ると、人間が何も手を加えなくてもこんなにきれいな夕日が繰り返し「再生」されることに自然の雄大さを見せつけられる気がします。
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 そうした大きな力を持つ自然に対して、浅はかな人間がそれを支配しようなどと考えていると、今の我々のように罰をくらってしまうのだと感じてしまいます。

 謙虚にならなければ、滅亡があるだけではないでしょうか。
Commented at 2011-06-22 23:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by stochinai | 2011-06-16 20:47 | 科学一般 | Comments(1)

今日二つ三つ朝顔の通り道          稲畑廣太郎


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