5号館を出て

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コルチカムの不思議な「つぼみ」

 細胞分裂の時に染色体が現れる中期と呼ばれる時期に、染色体を2つに分ける微小管という細胞内の構造を破壊して、染色体の分離を阻止し、結果的に細胞の分裂を止めるコルヒチンという薬物がありますが、その薬剤を抽出する原料となる植物がコルチカムです。

 このコルチカムという植物はとても不思議な生活史を持っていて、秋に花が咲く品種では北海道だと雪が解けてから土から葉が顔を出し、その後グングンと葉が成長して今がピークに近い状況だと思います。
コルチカムの不思議な「つぼみ」_c0025115_17495391.jpg
 その後、花を見せることなくこの葉は枯れてしまい、夏が過ぎて秋になると今度は葉が出ることなく花茎だけが土から伸び出して花を咲かせて枯れてしまいます。

 葉と花が完全に分離して出ては消えるという生態の意義は良くわかりませんが、そういうものだと思っていました。ところが、この葉の中にどうみてもは花のつぼみのように見える「もの」があるのを数日前に発見しました。上の写真にも写っているのですが、わかるでしょうか。画面の左上側です。拡大したのがこちらです。
コルチカムの不思議な「つぼみ」_c0025115_17495120.jpg
 どうですか。ちょっとシワシワしているのが気になりますが、ガクに包まれた花のつぼみに見えないでしょうか。

 これが開いて花だったらニュースではないかとドキドキしています。

 そもそも、コルチカムだって大昔の先祖は普通の花のように葉が茂った中に花が咲くという生活史を持っていたのではないかと、想像しているのですが違うでしょうか。

 もし、この「空想」が正しいとすると、この「花のつぼみ」はコルチカムの「先祖返り」なのかもしれません。花が開いたら、あるいはこのまましぼんでしまったならば解剖して、ご報告させていただきます。

 コルチカムの手前に置いたプランターでは、ミックスレタスが芽を出し始めました。よく見ると、そのあいだにヒシバッタが休んでいます。
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 こちらは数日前に通ったエルムの森の「球根中学教室」の裏です。冬の間に屋根からの落雪でダメージを受けたと思われるエアコンの室外機です。
コルチカムの不思議な「つぼみ」_c0025115_17494734.jpg
 こんなところに室外機を設置したらこうなることは目に見えていたはずです。施工業者は、北海道育ちの人じゃありませんね。多分。

 春にはいろんな発見があるものです。
by stochinai | 2012-05-19 18:09 | 趣味 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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