5号館を出て

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大物はゆっくりとやってきた eLIFE

 eLIFEというオープンアクセス・ジャーナルが発刊準備中です。私も最近まで知らなかったのですが、A医科大学図書館のSuzさんに教えて頂きました。

 eLIFE
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 オープンアクセスジャーナルも続々と発刊されており、今更珍しくもないと思われるかもしれませんが、すごいスポンサーがついているこれは一味違うと感じました。
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 HHMI(ハワード・ヒューズメディカル・インスティテュート)、マックス・プランク協会(ゲゼルシャフト)、そしてウェルカム・トラストという米・欧・英の雄が並んでいるのです。

 開始前のメーリングリストに登録しておいたところ、本日6月のニュースが届きました。
We’re preparing to issue the call for papers later this month. As a member of this list, you’ll be notified as soon as we go live. In the meantime, eLife Editor-in-Chief Randy Schekman has offered three reasons to prepare your best works for eLife.
 カウントダウンと言っていますが、今月中に論文原稿の募集が始まり、今年度中には出版までいくということです。

 eLIFEというタイトルから想像されるように取り上げる分野は「the most basic and theoretical work in life and biomedical science through to translational, applied and clinical research」基礎的および理論的な生命科学および生物医科学に関連する幅広い分野を扱います。重要だと判断されれば、(年間に出す?)論文数や原稿の長さや形式は問わないと言っています。

 さすがに、大きなスポンサーが付いているので、当面は投稿料なども取らず、つまり出すのも読むのもタダで行くということです。これは、うれしい。

Frequently Asked Questions

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 ただし、この文章を読めばおわかりのように、将来は「投稿料」に近い article processing charge (APC) という「料金」を徴収するようになるようです。

 PLoSone などとどう違うのかという問いには、レビュープロセスの厳格化を挙げて差別化を図ると主張しています。
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 成功しても「値段の高い」ジャーナルにならないように、もっとたくさんのスポンサーが付いてくれることを期待したいものです。

 ちなみに論文の質を左右するエディトリアル・ボードには日本からは東大免疫学講座の谷口維紹先生が参加されています。
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 投稿料も安く、質の高いオープンアクセス・ジャーナルになってくれることを期待したいものです。
by stochinai | 2012-06-04 19:52 | コミュニケーション | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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