5号館を出て

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移入種優勢の我が家の庭

 北海道に夏の終わりをつげる北海道マラソンが行われました。幸い雨は降らなかったようですが気温は意外に高く午後2時6分に29.9℃が記録されています。我が家の庭も夏の終わりらしい風情になってきています。
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 秋の一番乗りに名乗りを上げたのはシュウメイギク。秋明菊の名の通り、代表的な秋の花です。
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 たたずまいは日本的ですし、英語では Japanese anemone と言われるのですが、中国からの移入種だそうです。
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 家屋と塀の間のの砂利のところでもこのくらいたくましく花を咲かせる姿は、まさに移入種魂を感じますが、美しい花を駆除しようという意見は聞いたことがありません。

 そう考えると、我が家の庭で勝手に繁茂している花の多くは帰化植物です。
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 ここに写っている、ムクゲ、ノウゼンカズラ、オオケタデはいずれも大陸原産の帰化植物です。アサガオは残念ながら北海道では自生することができず、毎年私が室内で発芽させているものですが、それをを除くと、雪と氷をものともせずに育つもの(ノウゼンカズラ、ムクゲ)、あるいは種で冬越しして時には邪魔になるくらいどんどん芽を出してくるもの(オオケタデ)は、ヒトがいなくなっても北海道で生き続けることができるものだと感じられます。

 それに対して、夏から咲き続けているシモツケはどうやらもともと日本にも自生していたもののようです。
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 コデマリやユキヤナギと同じ属のようですが、コデマリは帰化植物です。ユキヤナギは諸説があるそうですが、シモツケが日本固有種であることには異論はないようです。

 このように園芸植物や農作物で日本に導入され自生するようになって、ついには帰化してしまったものは、数えきれないくらいのものあるのだと思いますが、いつのまにかそれが「日本の風景」になっていくのかもしれません。たとえばニセアカシアのように、1873年と移入された年まで特定されているにもかかわらず、札幌の街のシンボルのようになっているものさえあることを考えると、動物とはまた違った植物の移入種問題の難しさが浮かび上がってきます。

 ヒトもその中の一員である生態系と付き合うのはほんとうに難しいと思います。







【追記】この記事、昨日の動物学会で高校生の移入動物の発表を聞いて影響されたのかもしれません。
by stochinai | 2012-08-26 22:16 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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