2005年 05月 27日
トリインフルエンザ警報
ロイターのニュースで鳥インフルエンザで渡り鳥1000羽以上死ぬが流れてきました。
「中国北西部で致死性の鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染して死んだ渡り鳥が1000羽を超え、当初報じられた数の5倍以上となった」とのことです。
日本では、昨年のようなニワトリ感染事件も起こっていないので、あまりニュースとして流れていないようですが、事態は楽観を許さないものになってきているようで、昨日発行(日本時間では今日からウェブで読めるようになった)Natureでは、1冊のかなりの部分を割いてトリインフルエンザの総力特集にあてています。事態の深刻さからか、有料の定期購読サイトであるNatureですが今週号のトリインフルエンザ関連の記事については、そのほとんどが Free accessつまり無料で公開されています。
今アジア各地ではやり初めているH5N1型のトリインフルエンザウイルスでは、すでに50人を越えるヒトが死んでいるのだそうです。そして、その病原性はどんどん強くなってきており、ジャワではブタにも大量に感染が起こっているそうです。
ブタのの身体の中では、他のインフルエンザウイルスと遺伝子の交換が起こり、ヒトへの大感染が起こるウイルスへと「進化」することが知られているため、きわめて憂慮すべき状況だというのがThe Royal Institution World Science Assemblyと協同で本特集を組んだNatureの判断のようです。
このウイルスの拡散状況はかなり良く追跡されています。この先どうなるのか、とても心配です。WHOや国にだけ任せておくのではなく、我々の防御対策も必要になってくると思います。
H5N1型トリインフルエンザウイルスの軌跡
1997年3月21日
香港でヒトから初めてH5N1型トリインフルエンザウイルスが発見され、6人が死亡。香港のすべてのニワトリが処分された。この時には、ヒトからヒトへのウイルス感染は起こっていない。
2003年2月
香港でH5N1型トリインフルエンザウイルスにより、1人死亡。
2003年12月
韓国でニワトリにH5N1型トリインフルエンザウイルスが大感染。
2004年1月
日本では1925年以来はじめて、ニワトリにH5N1型トリインフルエンザウイルスが大流行。タイとベトナムで8人死亡。この時も、ヒトからヒトへの感染はなし。タイ、ベトナム、日本、韓国、中国でニワトリ、アヒルに発生。
2004年3月
さらにアジア各地で感染が広がり、23人死亡。
2004年6月
アヒルから採取されたH5N1型トリインフルエンザウイルスの毒性が以前より増していることが、実験により証明された。
2004年7月
タイ、ベトナム、中国、インドネシアでH5N1型ウイルスが確認された。
2004年8月
ベトナムで3人死亡。ブタの身体の中でH5N1型トリインフルエンザウイルスとヒトのインフルエンザウイルスと遺伝子を交換していることが中国で確認された。東南アジア全域で1億のニワトリが処分。ベトナムとタイで、26人死亡。
2004年11月
WHOはH5N1型トリインフルエンザウイルスで、100万人単位のヒトが死ぬかも知れないと警告。
2004年12月
9月以来はじめてH5N1型ウイルスの感染者がベトナムで発見。
2005年1-2月
ベトナムで12人死亡。
2005年2月
カンボジアで最初の感染確認。ベトナムでヒトからヒトへの感染があったらしいとの報告。
2005年3月
ベトナムで15人、カンボジアで1人の感染報告。トリの感染は北朝鮮を含む10カ国に広がり約5000万羽のニワトリが処分された。
2005年4月
ベトナムでは、これまでの感染についてのまとめを報告。60人が感染を確認され、そのうちの35人が死亡と発表。タイは17人の感染とそのうち12人の死亡を確認。カンボジアでは2人の死亡確認。
「中国北西部で致死性の鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染して死んだ渡り鳥が1000羽を超え、当初報じられた数の5倍以上となった」とのことです。
日本では、昨年のようなニワトリ感染事件も起こっていないので、あまりニュースとして流れていないようですが、事態は楽観を許さないものになってきているようで、昨日発行(日本時間では今日からウェブで読めるようになった)Natureでは、1冊のかなりの部分を割いてトリインフルエンザの総力特集にあてています。事態の深刻さからか、有料の定期購読サイトであるNatureですが今週号のトリインフルエンザ関連の記事については、そのほとんどが Free accessつまり無料で公開されています。
今アジア各地ではやり初めているH5N1型のトリインフルエンザウイルスでは、すでに50人を越えるヒトが死んでいるのだそうです。そして、その病原性はどんどん強くなってきており、ジャワではブタにも大量に感染が起こっているそうです。
ブタのの身体の中では、他のインフルエンザウイルスと遺伝子の交換が起こり、ヒトへの大感染が起こるウイルスへと「進化」することが知られているため、きわめて憂慮すべき状況だというのがThe Royal Institution World Science Assemblyと協同で本特集を組んだNatureの判断のようです。
このウイルスの拡散状況はかなり良く追跡されています。この先どうなるのか、とても心配です。WHOや国にだけ任せておくのではなく、我々の防御対策も必要になってくると思います。
H5N1型トリインフルエンザウイルスの軌跡
1997年3月21日
香港でヒトから初めてH5N1型トリインフルエンザウイルスが発見され、6人が死亡。香港のすべてのニワトリが処分された。この時には、ヒトからヒトへのウイルス感染は起こっていない。
2003年2月
香港でH5N1型トリインフルエンザウイルスにより、1人死亡。
2003年12月
韓国でニワトリにH5N1型トリインフルエンザウイルスが大感染。
2004年1月
日本では1925年以来はじめて、ニワトリにH5N1型トリインフルエンザウイルスが大流行。タイとベトナムで8人死亡。この時も、ヒトからヒトへの感染はなし。タイ、ベトナム、日本、韓国、中国でニワトリ、アヒルに発生。
2004年3月
さらにアジア各地で感染が広がり、23人死亡。
2004年6月
アヒルから採取されたH5N1型トリインフルエンザウイルスの毒性が以前より増していることが、実験により証明された。
2004年7月
タイ、ベトナム、中国、インドネシアでH5N1型ウイルスが確認された。
2004年8月
ベトナムで3人死亡。ブタの身体の中でH5N1型トリインフルエンザウイルスとヒトのインフルエンザウイルスと遺伝子を交換していることが中国で確認された。東南アジア全域で1億のニワトリが処分。ベトナムとタイで、26人死亡。
2004年11月
WHOはH5N1型トリインフルエンザウイルスで、100万人単位のヒトが死ぬかも知れないと警告。
2004年12月
9月以来はじめてH5N1型ウイルスの感染者がベトナムで発見。
2005年1-2月
ベトナムで12人死亡。
2005年2月
カンボジアで最初の感染確認。ベトナムでヒトからヒトへの感染があったらしいとの報告。
2005年3月
ベトナムで15人、カンボジアで1人の感染報告。トリの感染は北朝鮮を含む10カ国に広がり約5000万羽のニワトリが処分された。
2005年4月
ベトナムでは、これまでの感染についてのまとめを報告。60人が感染を確認され、そのうちの35人が死亡と発表。タイは17人の感染とそのうち12人の死亡を確認。カンボジアでは2人の死亡確認。
by stochinai
| 2005-05-27 22:53
| 生物学
|
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