5号館を出て

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クンシラン真っ盛り(一枚目の写真にヒトの顔が・・・)

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 昨日、平田オリザさんの講演会のことを取り上げた中で、書こうと思っていながら書き忘れたことがひとつありました。

 講演の冒頭に近いところで話されたことですが、文科省が日本の大学を世界のベストテンに入れたくていろいろなことをやっていることに関して、日本の大学はベスト30位くらいには確実に入れるとは思うけれども、決してベストテンにはなれない理由のひとつに挙げたのが、日本の大学(国立大学を頭においていたのだと思いますが)には、美術館も映画館も教会もないことでした。そんな「文化」のない大学が世界のベストテンになどなれるはずがないというようなことを言っていたと思います。

 私立のミッション系の大学なら教会はあると思いますが、確かに常設の映画館や国宝級の作品を並べた美術館を持っている大学というのはあまり聞いたことがありません。日本の大学はもともとが西欧の文化・産業に追いつくために作られたものなので、いまだにその「追いつけ追い越せ」の精神が染み付いているようなところがあります。そのため、せいぜいの目標が「ノーベル賞」の獲得という、いわば卑近なものになってしまいがちであり、最初から世界の文化を牽引するなどという壮大な目標自体が、大学の存在理由とそりが悪いものとなっているという気すらします。そんな中で、いわば「ムダの象徴」のような存在とも目される美術や芸術が日本の大学から阻害されているのは理由のないことではないのだと思います。

 その結果、「新しい文化」が日本の大学から生まれてこないのは、当然といえば当然で、オリザさんは「そんな大学が世界のベストテンになれるはずなどない」とおっしゃるわけです。

 まあ、ノーベル賞の数を増やすなどということはそんなに簡単ではないにしても、大学院が次々と重点化した当初は、大学からの論文数が着々と増加した時期もありましたが、金も人も増やさずに次々と要求課題だけを増やしていった結果、その論文数すらも減り始めているというのが今の状況で、このままではベスト30どころか、どんどんと脱落していく大学が増えるばかりだと、私も思います。文科省はまだそのことには気が付いているのかいないのか、さらに大学に対する要求は増えこそすれ減る気配は見られませんので、消耗戦の中からギブアップの声が聞こえてくる今日此の頃ではあります。

 さて、冒頭に掲げた写真は我が家の植物のうちで数少ない誇ることのできるもののひとつクンシランです。屋外の天候不順など知らぬげに例年通り連休の前から咲き続けてくれています。実は上の写真を撮るときに、不思議なことにデジカメの「顔認識機能」がはたらき、ある花が顔として認識されていたのですが、わかるでしょうか。

 中央よりちょっと左上に花芯に強い光があたっているのがそれなのですが、どうやら2つのオシベ(葯)が一銭に並んでいるところが左右の目と判断されてヒトの顔と認識されたようです。確かにそう言われれば(言われてないですが)そう見えないこともありません。

 もうちょっと引いた全体写真も挙げておきます。
クンシラン真っ盛り(一枚目の写真にヒトの顔が・・・)_c0025115_23193545.jpg
 昨日ほどではありませんが、今日も曇天の一日でどうも春が進行していることを実感できない日が続きます。

 こちらは一昨日、今年としては千載一遇のような春の一日に撮ったエゾムラサキツツジです。
クンシラン真っ盛り(一枚目の写真にヒトの顔が・・・)_c0025115_23193394.jpg
 手前の一番しょぼいのが我が家のもので、右奥のお宅のものはかなり立派に咲き誇っており、左のお宅のものは標準的な株ですが、札幌ではサクラやウメよりも早く咲く早春の代表的な木で、多くの家の庭には必ずと言っていいほど植えられているものです。

 そういう意味では、こちらではサクラよりもポピュラーな佳木なのかもしれません。
by stochinai | 2013-05-12 23:52 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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