2005年 06月 15日
論文博士の廃止
今日行く審議会さんが、何度も議論されているし、ここでも何度も議論になりましたが、中央教育審議会が最終的に論文博士の廃止を答申しました。
参考
論文博士の廃止について
論文博士の廃止について<続>
また中教審
また中教審2:博士課程への囲い込み
論文博士の廃止について<続> from 今日行く審議会
まあ、我々がブログで何をほざこうが中教審には届かないというのはわかるような気がします。また、たとえ届いたとしても、その意見は採用できないということになることも十分あり得るでしょう。
今日行く審議会さんが言うように、論文博士だけではなく日本の博士号が国際的に信用されていないという中教審の認識がいったいどこから来たのか資料を見せてもらいたいと思います。
100歩譲ってそれが事実だとしても、それが論文博士のことではなく普通の博士のことも含めているのですから、論文博士の廃止は論理的に整合しません。
また、国際的に通用しない博士を作ってきた大学・文部省・文科省の責任は問わないまま先へ進んで良いのでしょうか。
そもそも博士号の取得方法の国際基準ってどこにあるのでしょうか。アメリカの基準を国際基準と呼んでいるのではないでしょうね。
文科省は「現在、論文博士を目指している人を切り捨てるわけではない。社会人などが何らかの形で大学院に戻り指導を受けられるよう検討していく」と言っているようですが、すでに職を得て博士をめざしておられる方の多くは、休職してまで大学院に戻ることのできるような恵まれた職場におられるとは思えません。大学教育を考えたりする私さんのような、教育の現場で働く方から夢ばかりではなく、働く意欲までも奪ってしまう政策を出してばかりでは、日本の教育環境は良くなるとはとても思えません。
大丈夫か、文科省!
参考
論文博士の廃止について
論文博士の廃止について<続>
また中教審
また中教審2:博士課程への囲い込み
論文博士の廃止について<続> from 今日行く審議会
まあ、我々がブログで何をほざこうが中教審には届かないというのはわかるような気がします。また、たとえ届いたとしても、その意見は採用できないということになることも十分あり得るでしょう。
今日行く審議会さんが言うように、論文博士だけではなく日本の博士号が国際的に信用されていないという中教審の認識がいったいどこから来たのか資料を見せてもらいたいと思います。
100歩譲ってそれが事実だとしても、それが論文博士のことではなく普通の博士のことも含めているのですから、論文博士の廃止は論理的に整合しません。
また、国際的に通用しない博士を作ってきた大学・文部省・文科省の責任は問わないまま先へ進んで良いのでしょうか。
そもそも博士号の取得方法の国際基準ってどこにあるのでしょうか。アメリカの基準を国際基準と呼んでいるのではないでしょうね。
文科省は「現在、論文博士を目指している人を切り捨てるわけではない。社会人などが何らかの形で大学院に戻り指導を受けられるよう検討していく」と言っているようですが、すでに職を得て博士をめざしておられる方の多くは、休職してまで大学院に戻ることのできるような恵まれた職場におられるとは思えません。大学教育を考えたりする私さんのような、教育の現場で働く方から夢ばかりではなく、働く意欲までも奪ってしまう政策を出してばかりでは、日本の教育環境は良くなるとはとても思えません。
大丈夫か、文科省!
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inoue0 at 2005-06-15 21:31
人文社会系では、通信制という「解」があるのじゃないですか?放送大学も大学院を持っているのだし。ただし、実験科学系ではそうもいかないでしょうから、企業研究者が余った時間を使って実験して論文を書いて博士号をもらうというシステムが閉ざされるのは困ります。
それと、Ph.Dという肩書きもそろそろ無条件で信用するのはよした方がいいと思いますね。とくにUSAの博士号は金で買えるものがたくさんありますから。もともとUSAでは大学設置基準がないし、中央政府による監督も弱いから、怪しげな大学や大学院がいっぱいあるんです。大学の格付けをする機関も民間団体としてありますが、格付け機関ですら複数ありまして、格付け機関の格付けが必要です。
結論として言わせるなら、博士号については、USAよりも日本の方がはるかに中身の信頼性は高いと思うのです。
論文の中身が代筆だった人(大学学長)もいますけど。
それと、Ph.Dという肩書きもそろそろ無条件で信用するのはよした方がいいと思いますね。とくにUSAの博士号は金で買えるものがたくさんありますから。もともとUSAでは大学設置基準がないし、中央政府による監督も弱いから、怪しげな大学や大学院がいっぱいあるんです。大学の格付けをする機関も民間団体としてありますが、格付け機関ですら複数ありまして、格付け機関の格付けが必要です。
結論として言わせるなら、博士号については、USAよりも日本の方がはるかに中身の信頼性は高いと思うのです。
論文の中身が代筆だった人(大学学長)もいますけど。
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blue
at 2005-09-20 12:22
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この問題ですが、これ米国からの圧力からなんですかね?どうも郵政民営化も米国の圧力の影がちらちらしてますが、この論文博士廃止論と質をあげて国際的なスタンダードと言いつ米国流の御仕着せですね。なんか背景が見えてきたような気がする。
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stochinai at 2005-09-20 13:37
私はよくわからないのですが、日本では「外圧がある」と主張するといろんな意見が通る雰囲気があることを利用して、必要以上にアメリカの要求とか、国際標準とかいう言葉を振りかざす人(官僚?)が多いような気もします。
いずれにしても、いろいろ議論をする時に「実はこうじゃないのか」ということがあったとしても、それを持ち出すと話がややこしくなることが多いので、私は日本にとって博士とはなんなのかという議論をしたいと思います。
同じように、国際標準とかいう言葉で議論を封殺し、なにかを正当化するという行為もやめてもらいたいと思います。
いずれにしても、いろいろ議論をする時に「実はこうじゃないのか」ということがあったとしても、それを持ち出すと話がややこしくなることが多いので、私は日本にとって博士とはなんなのかという議論をしたいと思います。
同じように、国際標準とかいう言葉で議論を封殺し、なにかを正当化するという行為もやめてもらいたいと思います。
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blue
at 2005-09-20 15:01
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by stochinai
| 2005-06-15 21:08
| 科学一般
|
Comments(4)