5号館を出て

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コルチカムの謎はすべて解消

 2年前の春に繁茂したコルチカムの葉の中に「つぼみ」のようなものを見つけました。

 2012年 05月 19日 コルチカムの不思議な「つぼみ」

 今年もたくさん見つかりました。

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 ブログに書いたように、結局その「つぼみ」は花を咲かせることはなかったのですが、一月ほどしてすべての葉とともに枯れた「つぼみ」の中に、「種」のようなものを発見しました。

 2012年 06月 18日 コルチカムの不思議な「つぼみ」:その後

 その時の写真を再掲します。

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 これはどうみても「種」に見えますが、その時は蒔いてみても発芽しませんでした。コルチカムは秋に葉のない花だけが咲きます。(2011年09月28日撮影)

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 多くの花では、花弁の中に雄しべと雌しべがあり、種は雌しべの基部にある子房の中に作られます。子房は花弁の内側にあることが多いですが、花弁の基部(ガクの部分)あるいはウリ科のようにさらに下側にあることもありますが、コルチカムの花は咲いてまもなく根本からしおれて枯れてしまいますので、種を作らずに終わるものだと信じきっていました。

 今年も不思議なつぼみを見たのでまたまた気になり、今回はちょっとしつこく日本語のサイトでは見つけられなかったコルチカムの謎を英語サイトにまで拡張して調べてみました。さすがに、欧米には筋金入りの園芸ブロガーがたくさんいて、そういう方のところには日本では手に入れることのできない情報が満載です。今回もとあるブログ記事から、私の積年の疑問はあっというまに氷解してしまいました。

 ブログ Cold Climate Gardening Hardy plants for hardy souls 記事
Colchicum Foliage
By Kathy Purdy September 17, 2005 – Posted in: Colchicums, Plant info


 それによると、コルチカムの花の子房はなんと球根の中深くにあるというのです。そして秋に受粉されても春までそこでじっと耐え、春になって葉が伸び出すと葉の中に種を持った「実」が形成されるというのです。

 な~るほど、それですべての謎が解けました。

 そして、その様子が古くに描かれたため著作権が消滅しパブリックドメインとなっている、とても美しい細密画で英語版のWikipediaに載っていました。この絵を見るだけで、すべてが飲み込めると思います。

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 欧米の園芸文化の奥深さとその知識の豊富さに、生物学者を含め日本ではまだまだ学ばなければならないものがたくさんありそうに思えたエピソードでもありました。
by stochinai | 2014-06-08 19:00 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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