2014年 11月 18日
アメリカヤマボウシとジャパニーズ・ドッグウッド
アメリカの科学ニュースで、この度ハナミズキ(ドッグウッド)の新しい園芸品種が3種類発表されたという記事を見つけました。(これは Science Daily の記事ですが、アメリカの科学ニュースでは、こぞってとりあげられていましたので、アメリカ人にとってハナミズキは重要な木なのだと思います。
この記事を読み解くために、いろいろと調べているとおもしろいことに気が付きました。
ハナミズキは日本ではアメリカヤマボウシと呼ばれることもあり、ヤマボウシの変種というような扱いなのですが、なんとアメリカではヤマボウシのことをジャパニーズ・ドッグウッドと呼ぶことがあるとのことです。
ヤマボウシは Kousa dogwood と呼ばれるのがもっとも一般的らしいのですが、この kousa というラテン語はなんと日本の箱根地方でヤマボウシがクサと呼ばれていることに語源があると書かれているものを発見しました。
こちらがウェブ上にあった解説記事です。
そして、これがその記載部分。
後で気がついたのですが、なんとこれは北大の地球環境研究院の露崎史朗 先生(TSUYUZAKI Shiro, 植物生態学・環境保全学)の作られたページでした。灯台下暗し。
さらにウィキペディアによるとこの Kousa dogwood は他に Chinese dogwood 、 Korean Dogwood そして Japanese dogwood と呼ばれることもあると書いてあります。
我々はハナミズキのことをアメリカヤマボウシと呼んでいるのと逆に、彼らはヤマボウシのことをニホンハナミズキと呼んでいると知り、どこの国でも自分たちを標準と思うものなのだと笑ってしまいました。
さて、こちらが夏に撮影した我が家のヤマボウシです。
そして、アメリカで今回発表された新品種のうちの一つがこちらです。
これはただのヤマボウシに見えますが・・・(笑)。
どうやらハナミズキは病気に弱く、ハナミズキ炭疽病やウドンコ病に弱いということで、20年位前からそれらの病気に抵抗性のあるヤマボウシとの雑種を作ってきて、この度3種類の品種を公開できる運びとなったということが論文になって、ニュースにもなったということのようです。
論文はこちらですが、残念ながら読めません。(2年後にはオープン・アクセスになるそうですが、まあとりあえずは読まなくても大丈夫と感じました。)
Three New Cultivars of Cornus kousa: Empire, Pam’s Mountain Bouquet, and Red Steeple
Phillip A. Wadl, Mark T. Windham, Richard Evans, and Robert N. Trigiano
HortScience September 2014 49:1230-1233
論文のタイトルは、「ヤマボウシの新品種が3種確立された」というようなもので、結局ハナミズキの遺伝子が導入されたかもしれませんが、できたものはどうみてもヤマボウシそのものというものではないかと思います。
それらの品種の名前は以下のようになっています。
・ Empire 「帝国」 (大日本帝国をイメージしているのでしょうか??上の写真がそれです。)
・ Pam’s Mountain Bouquet 「パムの山盛りブーケ」(Pam は女性の名前か?花びらのように見える苞葉が融合している?なぜかこの品種はパテント登録がペンディングだそうでまだ不安定なのかもしれません。他の2種は、特に書いていないので品種登録されていると思われます。)
・ Red Steeple 「赤い尖塔」 (若葉が赤い)
と、こういうニュースが大々的に報道されるということは、アメリカは大園芸国なのかもしれません。とりわけハナミズキ(ヤマボウシ)は人気が高く、毎年3000万ドルの商売が成立する市場になっているということは経済的に見ても大きなニュースなのでしょう。
いずれにしても、所変われば名も変わるということで、異国から見たハナミズキとヤマボウシの話はとてもおもしろいものでした。
この記事を読み解くために、いろいろと調べているとおもしろいことに気が付きました。
ハナミズキは日本ではアメリカヤマボウシと呼ばれることもあり、ヤマボウシの変種というような扱いなのですが、なんとアメリカではヤマボウシのことをジャパニーズ・ドッグウッドと呼ぶことがあるとのことです。
ヤマボウシは Kousa dogwood と呼ばれるのがもっとも一般的らしいのですが、この kousa というラテン語はなんと日本の箱根地方でヤマボウシがクサと呼ばれていることに語源があると書かれているものを発見しました。
こちらがウェブ上にあった解説記事です。
そして、これがその記載部分。
後で気がついたのですが、なんとこれは北大の地球環境研究院の露崎史朗 先生(TSUYUZAKI Shiro, 植物生態学・環境保全学)の作られたページでした。灯台下暗し。
さらにウィキペディアによるとこの Kousa dogwood は他に Chinese dogwood 、 Korean Dogwood そして Japanese dogwood と呼ばれることもあると書いてあります。
我々はハナミズキのことをアメリカヤマボウシと呼んでいるのと逆に、彼らはヤマボウシのことをニホンハナミズキと呼んでいると知り、どこの国でも自分たちを標準と思うものなのだと笑ってしまいました。
さて、こちらが夏に撮影した我が家のヤマボウシです。
そして、アメリカで今回発表された新品種のうちの一つがこちらです。
これはただのヤマボウシに見えますが・・・(笑)。
どうやらハナミズキは病気に弱く、ハナミズキ炭疽病やウドンコ病に弱いということで、20年位前からそれらの病気に抵抗性のあるヤマボウシとの雑種を作ってきて、この度3種類の品種を公開できる運びとなったということが論文になって、ニュースにもなったということのようです。
論文はこちらですが、残念ながら読めません。(2年後にはオープン・アクセスになるそうですが、まあとりあえずは読まなくても大丈夫と感じました。)
Three New Cultivars of Cornus kousa: Empire, Pam’s Mountain Bouquet, and Red Steeple
Phillip A. Wadl, Mark T. Windham, Richard Evans, and Robert N. Trigiano
HortScience September 2014 49:1230-1233
論文のタイトルは、「ヤマボウシの新品種が3種確立された」というようなもので、結局ハナミズキの遺伝子が導入されたかもしれませんが、できたものはどうみてもヤマボウシそのものというものではないかと思います。
それらの品種の名前は以下のようになっています。
・ Empire 「帝国」 (大日本帝国をイメージしているのでしょうか??上の写真がそれです。)
・ Pam’s Mountain Bouquet 「パムの山盛りブーケ」(Pam は女性の名前か?花びらのように見える苞葉が融合している?なぜかこの品種はパテント登録がペンディングだそうでまだ不安定なのかもしれません。他の2種は、特に書いていないので品種登録されていると思われます。)
・ Red Steeple 「赤い尖塔」 (若葉が赤い)
と、こういうニュースが大々的に報道されるということは、アメリカは大園芸国なのかもしれません。とりわけハナミズキ(ヤマボウシ)は人気が高く、毎年3000万ドルの商売が成立する市場になっているということは経済的に見ても大きなニュースなのでしょう。
いずれにしても、所変われば名も変わるということで、異国から見たハナミズキとヤマボウシの話はとてもおもしろいものでした。
by STOCHINAI
| 2014-11-18 18:21
| 生物学
|
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