5号館を出て

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人体600万年史(上・下):科学が明かす進化・健康・疾病

 今朝、パフィオペダルムが一輪、完全に開花しているのを見つけました。

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 函館に行く前に開きかけていたのは確認していたのですが、完全には開いていなかったので写真は撮ってありませんでした。でも、これなら完璧な開花です。例年はクリスマスから正月にかけて咲いていたような気がするので(「女神のスリッパ」でこのブログを検索)、今年は1ヶ月以上も早いということになりますが、例年と違ってミズゴケ栽培にしたことが影響しているのかもしれません。

 さて、今朝の朝日新聞の書評欄に目が止まりました。

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 最近は私が看護系の生物学を担当していることもあり、またそうでなくても多くの初年度大学生は生物学をヒトと関連付けて教えられることに強い興味を持ってきていることもあり、ヒトを生物学的に読み解くということに私自身の初年度学生に対する生物学教育も大きく傾いています。そうした成果のひとつがブルーバックスの「進化から見た病気~ダーウィン医学のすすめ」だったのですが、その後もヒトの進化学研究は格段に進み、ヒトがどのように進化して、今日の姿になったのかということと、その結果として生じたヒトの生活パターンの変化と、その変化に追いついて進化しきれていないヒトのからだの構造的・機能的制約に由来する疾病や健康問題に関する理解が進んできています。

 本書はそうした最新の情報もふくめて、ヒトの進化とその結果として生まれてきた新たな文化・文明・農国・畜産・産業といったものがヒトの「生物としての身体」に対してどのような影響を与えて来たのかを現時点までの知見をまとめてくれる良書だと感じました。

 というわけで、早速オンラインで購入しようと思ったのですが、しばらく悩みました。

 なにしろ、紙の本はハードカバーで に分かれている大著です。

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 それぞれが、2376円ずつしますので、上下で5000円近くなってしまいます。それよりなにより、家に本を極力増やさないという最近の我が家の方針に反します。というわけで、同じものならKindle版を買おうと思いました。それだと重さはありませんし、価格も2138円ずつです。紙の本より、上下でわずかに400円位しか安くありませんが、家を狭くしないということでそちらを買おうと思っていました。

 ところが、Amazonの書評を読んでいると英語のKindle版では上下に分かれておらず、さらに全部で1148円というではありませんか。

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 早速、サンプルをダウンロードしてみて、ちょっと読んでみてそれ以上は悩むことなくポチッとして、すぐに読み始めています。

 Kindleには辞書機能もありますので、英語版でわからない単語が出てきてもその場で解決しながら読み進めることもできますし、画像もスクリーンショットで問題なく引用できますので、これは大変に満足のできる買い物でした。

 この本に関しては日本語版の翻訳をチェックしていないので、その巧拙について何かを言える筋合いではないのですが、翻訳版でしばしば出会う意味不明の文章が英語版では「な~んだ」というふうにわかることもあり、一般論としてですが、できるならば英語のまま読むのが良いと思いますし、しかも安くて軽い(無重量)ということで二重三重のお買い得品だと思いました。

 ひさしぶりに、ワクワクしながら英語の本を読んでおります。






by STOCHINAI | 2015-11-15 20:35 | ダーウィン医学 | Comments(0)

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