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ブルーバックス2000番突破

 1938年創刊の岩波新書は別格として、1962年の中公新書に続き、ブルーバックスは1963年に創刊しました。そして今年1月に出版された山崎晴雄・久保純子著『日本列島100万年史』で2000タイトルを突破したのだそうです。

 ブクログ通信で14日・15日と現在のブルーバックス編集長の篠木和久さんのインタビューが特集されています。



 私もブルーバックスには2006年と2009年に書かせて(編著者と著者として)いただいているので、ブルーバックスには人一倍の思い入れがあります。

 上に挙げた篠木さんのインタビュー記事の中にある「創刊(1963年)〜90年代まで」と「2000年代〜現在まで」のブルーバックス歴史スゴロクがとてもおもしろく、いわば日本の市民が興味を持った科学の歴史が描かれているように思います。

 まずは前半部分がこちらです。(上のインタビュー記事の中のスゴロクはもっともっと大きくなります。)

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 この時代は私を育ててくれたブルーバックスの時代とも言えます。

 そしてこちらが後半部分。

ブルーバックス2000番突破_c0025115_21574212.jpg

 ちょっとおこがましいですが、この時代には私も書かせていただいていますので、いわばこちらが伝える側になったブルーバックスの時代でもあります。

 そして、ちょっとテレますが後半のスゴロクには思い出深い「新しい高校理科(物理・化学・生物・地学)教科書」も中央部にドカンと出ています。それだけではなく後半のインタビューでは「21世紀のブルーバックスの一大看板「検定外教科書」シリーズ」として大きく扱われています。

―2000年代は『超ひも理論とはなにか』など定番の科学ものもある一方、確かにそういう傾向が出てきていますね。その他、「検定外教科書シリーズ」も目立ちます。
いわゆる「リメディアル」つまり「学び直し」という、大人がもう一度高校の物理や歴史、数学などを学び直そうというブームがあって、その流れに乗ってよく読まれたシリーズです。2006年に『新しい高校生物の教科書』(栃内新/左巻健男編著)、『新しい高校化学の教科書』(左巻健男編著)、『新しい高校物理の教科書』(山本明利/左巻健男編著)、『新しい高校地学の教科書』(杵島正洋/松本直記/左巻健男編著)の4冊を刊行しました。
―今でも「大人の学び直し」ブームは続いていますよね。
そうですね。いずれも通常のブルーバックスの倍近い分厚さで(笑)、多くの現役教師を執筆者に起用しましたので、編集作業はとても大変でしたが、項目に絞って「なるほど!」と思わず膝を打つようにこだわった本づくりが功を奏して、科学教養書として現在も版を重ねています。「検定外教科書」シリーズはブルーバックスの一大看板ですね。

 そして写真も。

ブルーバックス2000番突破_c0025115_22033063.jpg

 このことを知ったのは実は紀伊国屋の電子書籍ショップKinoppyのセールでした。Kinoppyではブルーバックスの通巻2000番出版記念ならびに同時に達成された電子版のブルーバックス配信点数の500点を突破を記念して、2017年1月末までに配信された電子版ブルーバックスを対象に特別価格によるフェアが始まるというニュースからでした。

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 この電子版の中には2009年に出版された拙著「進化から見た病気 「ダーウィン医学」のすすめ 」も含まれていて、通常価格885円のところが619円になっています。実は私自身がこの電子版を持っておらず安くなったので購入しようかと考えているところです。私は電子書籍の多くはAmazonのKindleで買うことが多いので、ふと気になってそちらもチェックしてみたところ、なんと広告もなしに通常価格886円のところが620円になっていました。Kinoppyの方が1円安いのですが、どちらで買おうかちょっと悩んでみます(笑)。

 それはさておき、講談社ではブルーバックス2000番を記念して、電子版小冊子を無料で配布しています。これはKinoppyでもKindleでも無料でダウンロードできます。

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 この本は無料にするにはもったいないくらいの中身が満載ですので、まずはこちらのダウンロードをおすすめして本日のシメといたします。(余談:この中には書かれていませんが、我々の検定外教科書は21世紀発行部数のベスト10には入っていませんが、それぞれがほぼそれに次ぐくらいの冊数が出ているはずです。意外とすごいんだと、ひとりで感心しているところです・・・笑。)







by STOCHINAI | 2017-02-17 22:21 | 科学一般 | Comments(0)

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