5号館を出て

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フキノトウ

 そう言えば今年の春はまだフキノトウを見ていなかったことに気が付きました。北大にはあまりにもたくさんフキノトウがあったので、フキノトウを見たかどうかなどを気にすることもなかったのですが、我が家の周辺には意外と少ないのです。人が住んでいるとフキはあまり歓迎されない雑草として処理されてしまうからでしょうか。

 今日になってやっと出会いました。

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 やっぱり春はフキノトウですね。と言いながら、暦の上では大寒の第70候が「ふきのはなさく」ですから、春になる前に咲くのがフキノトウということだとすると、東区の春はこれからということになりそうです。

 ちなみにこちらは1月20日に「くらしのこよみ」に掲載されていたフキノトウです。

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 フキは日本原産ですから、絵にも昔からよく描かれていたようで、メトロポリタン美術館にもパブリック・ドメインになっている作品がありました。窪 俊満(くぼ しゅんまん)という江戸時代の浮世絵師の木版画です。

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 「稲つむ春、ふきの臺 Rice Plant and Butter-Burs」だそうです。

 今は野草としてフキノトウやフキの茎を食べますが、もともとは薬草として用いられていたもののようです。


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中山呉子善『質問本草』(1789 稿成立)
「野鮬 欵冬 フキ
辛-丑ノ之冬清舶漂-到ス採一テ此ノ種一ヲ問レフ之ヲ
野鮬 鄭-茂-慶」

 説明があります。

「質問本草」は沖縄産の種々の植物を,図や標本を中国人に示して,その名を質問して漢名を記録した書.「フキは琉球列島の北のほうにはあるが、沖縄にはない.漂着清人の鄭茂慶にこの種を採って聞いたとしているから,標本は栽培品であろう.相国寺跡に設置された薬草園のものである可能性が高い.」

 同じページのこちらもすごいです。

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内藤尚賢『増補古方薬品考』(1842)
天保11(1840)年に稿が成り翌年に刊行。

傷寒論、金匱要略に収載された薬物220余種について、その薬性、効用を論じる。また、挿図は写実性に富み、江戸末期における薬物基源を知るうえで大いに参考になる、まさに江戸後期の代表的薬物書といえる。

 こうしてみるとフキ(フキノトウ)と日本人の関係は切っても切れないもののようです。あまりにも身近なので気にすることも少ないものですが、日本の文化や歴史を探る上でかなり重要な位置にあるものかもしれないと思えてきます。






by STOCHINAI | 2017-03-29 21:25 | 札幌・北海道 | Comments(0)

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