2017年 04月 04日
「ニトリ小樽芸術村」探訪
今日も暖かく天気が良い一日になりそうだったので、退職者の特権である平日を日曜日のように使えることを利用して小樽まで遊びに行ってきました。
前から行きたいと思っていた「ニトリ小樽芸術村」を中心に据えた小樽散策です。
JRの小樽駅から有名な小樽三角市場は通らずに、そこから海側へとつながる小樽中央市場の中を歩いて運河の方まで行きました。
運河の手前の道で右に折れて歩いてしばらく行くと「小樽芸術村」というバス停につきあたりましたが、その前にあったいかにも芸術村らしい建物にはシャッターが降りていて、なんとも心細い出だしとなりました。
それがこちらでした。
後でわかったことですが、これは現在鋭意改築中の「日本近代会議美術館」だったのだそうで、まだ開館前のものでした。訝りながらも、この建物の横の駐車場を歩いて運河の方へ進んで行くとどうやらそちらに「芸術村」の入り口がありそうな感じです。
これも後でわかったことですが、こちらが全体像のパース図です。
私たちはこの図で左から右へと構内を歩いて運河側の道路まで抜けたことになります。そしてようやくたどりついた、レンガ作りの芸術村の入り口。
なんということはなく、最初から運河側を探索するべきだったのでした(笑)。
それでもたどりついた入り口をくぐり、芸術村の主(?)であるW邊さんにご挨拶してから館内を見せていただきました。これが「ニトリ小樽芸術村」のウェブサイトのメインページです。
まずはこちら「旧高橋倉庫 ステンドグラス美術館」からです。
正直言って、小さな建物だったので少数のステンドグラスが展示されているのかと軽く思っていたのですが、これでもかこれでもかという数のステンドグラス、それも「19世紀後半から20世紀初頭にかけてイギリスで制作され、実際に教会の窓を飾っていた」といういわばピンポイントで似たような背景を持ったコレクションを次々と見せられることのパワーを感じさせていただきました。
これは言葉で説明することはほとんど不可能で、実際に行って圧倒されることでしか感動はできないものだと思いました。一応館内には「撮影禁止」の掲示があったので(うるさいことは言われなさそうな「いい雰囲気」だったのですが)、コソッと撮った一枚だけ(作品を撮ったものではないので許しくください(笑))をお見せしますが、この一枚でもかなり雰囲気はおわかりいただけることと思います。
行ったり来たり、また戻って見たり、ということを繰り返しながらたっぷりと時間をかけて堪能させていただきました。ステンドグラスの「宗教画」に現役の兵隊さんの肖像が並んでいたのにはびっくりしましたが、イギリスにおける当時のイギリス国教会のキリスト教の重要な位置づけもたっぷりと感じさせていただきました。
これでもうかなりお腹いっぱいになったのですが、もうひとつ美術館が併設されているので見ないわけにはいきません。あのステンドグラスの後なら、さらりと見流せるかなと思っていたのですが、こちらの「旧荒田商会 アール・ヌーヴォーグラス館」もまた行ったり来たり、また戻って見たり、ということを繰り返すことになりました。
こちらで私の個人的興味をひいたのは動物たちがたくさん登場していたことです。
これは家具の装飾に描かれていたカエルです。
こちらは花瓶のカエル。
そしてものすごく生物学的にも正確でリアルなハエ。
多くの博物館や美術館は長い歴史をすべてカバーしようと、歴史的にいろいろな時代のものを少しずつ「教育的」に並べて見せてくれることが多いのですが、それだと受け取る我々の側は「あ~、そういうこともありましたよね」とさらりと受け流してどんどん見ていくことが多くなりがちなのですが、似たような時代背景のものが重ね合わされるように次々に出てくるのもおもしろいし、インパクトが強いものだということを今回教えられたような気がします。
私はあまり骨董品の価値はわからないのですが「お宝発見」の常連のようなガラス細工や家具が並んでいるのを見るのもなかなか楽しい経験でした。
何より、骨董品として価値の高いものは「美しい」ということも教えられた気がします。
ガレとかいうとそういうものの中でも逸品が多いのだそうですが、それはさておき天井からぶら下げられた照明のカバーがまるで満月のように美しいと思わされたのがこちらです。
工事が遅れ気味と聞きましたが、旧三井銀行の建物の中にできるという「旧三井銀行小樽支店 日本近代絵画美術館」がどんな仕掛けでこちらの心を揺さぶってくれるのか楽しみです。
まだ行ったことがない方は、自分でグリグリと動かせるYouTube映像をどうぞ。
by STOCHINAI
| 2017-04-04 22:55
| 札幌・北海道
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