5号館を出て

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ウポポ

 北海道に住んでいるとやはりこの島はアイヌのものだったということを感じることがしばしばあります。今日も北海道ニュースリンク経由で流れてきたニュースに目が止まりました。


 カムイはアイヌ語で神のことで、トウは湖、ウポポは座って歌われる歌のことだそうですが、カムイトウウポポとは帯広でアイヌ民族の古式舞踊伝承などに取り組む「帯広カムイトウウポポ保存会」(酒井奈々子会長)のことです。その会が伝統的な知識と踊りを継承するハワイアン・フラグループ「ハラウ・キアウェクウポノ・オ・カ・ウァ」の9人を招待して交流したというニュースなのですが、私の脳の奥にあった記憶を刺激したのはこの「ウポポ」という言葉でした。

 昔々の話なのですが、テレビ放送が夜中になると意外と早い時間に「終了」してしまうのでついつい放送終了まで見てしまうことがありました。そんな中で、HBC北海道放送のテレビの放送の終了のことを異常に良く覚えています。

 すべての番組が終了しても、画面が真っ暗になったり、砂嵐になったりする前に「テストパターン」という画面がある時間流れていました。今のように液晶ではなく「ブラウン管」という電子線を走査させて画面を表示させるテレビでは、電子線の走査状態を調節して、画面の縦横比や歪み、濃度などを受像機ごとに調節してきれいに映るようにする必要があり、その調整のために使われるのがこのテストパターンです。HBCのものはこれだったかもしれません。(写真はこちらからお借りしました。)

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 これがただ表示されていても味気ないということなのか、「テストパターン・コンサート」などと称してこのバックに音楽を流している局もあったと思います。

 その背景曲としてではなく、HBCの放送が終了する時に流れていた音楽の名前が「ウポポ」だったと記憶しています。響きからアイヌ語だろうということと、楽調がアイヌ的だったのでアイヌと関連したものだろうくらいに思っていたのですが、好きなメロディでした。

 そして今日、ウポポという言葉に反応してあの音楽が聞きたくなって探してみました。すると見つかったのです。しかも、その音楽の作曲家があのゴジラのテーマミュージックを作った伊福部昭さんだということもわかりました。

 YouTubeではHBCラジオで流れていたウポポを京都で受信したというレア物の音源で聞くことができます。



 これを聞いて懐かしいと思う年代は確かにいるはずだと思います。

 この音源ではちょっとと思われる方には、新しいきれいなものも見つかりました。



 もう少し調べてみると、実はこの曲には戦前に作られたオリジナルがあることがわかりました。

古典風軍楽「吉志舞」
 「ゴジラ」で知られる伊福部昭の吹奏楽曲。帝国海軍の依頼によって作曲され、1943年(昭和18年)2月に完成、初演は同年4月8日・服部逸郎指揮・東京放送吹奏楽団によるNHKの放送とされる。(中略)
 既に忘れ去れ、曲も舞も残っていない「吉志舞」の名と故事から、独自にイメージして作曲したものである。全体の構成はロンド風形式をとっており、このうち行進曲調の第2主題は、戦後、ゴジラ等の映画で自衛隊の出動する場面などに背景音楽としてよく使われた。『ゴジラ』の「フリゲートマーチ」(海上保安庁の巡視船や防衛隊のフリゲート艦隊のテーマ)、『宇宙大戦争』の「宇宙大戦争マーチ」(映画のメインテーマ)などといった異なる編曲が使用されたが、なかでも『怪獣大戦争』での編曲(映画のメインテーマ)が「怪獣大戦争マーチ」として知られるようになった。「怪獣大戦争マーチ」の再演奏版は、製作側の要望で伊福部の代表曲を使用した『ゴジラvsビオランテ』でも流された。
 この曲自体は、戦後忘れられていたが、1990年代になって「再発見」され、2001年(平成13年)5月に蘇演された。現在は陸上自衛隊中央音楽隊による演奏などを聴くことが出来る。

 とまあ、なかなかの歴史ある曲だということがわかるのですが、このオリジナルをオーケストラ演奏で聞くことができます。



 こうして聞いているとたしかにあのゴジラの音楽に通じるものがあるととてもよくわかりますが、私にとっては伊福部昭もゴジラも関係なく、HBCのテストパターンと一緒に思い出すアイヌ音楽のウポポなのでありました。

 それにしても、ネットサーフィンだけでここまでわかる時代って、やっぱりスゴイです。







by STOCHINAI | 2017-08-06 21:50 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の暮の背中淋しき紅葉哉            小林一茶


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