5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

日通えころじこんぽと東横イン

 今朝のワイドショーも主題はライブドア関連ばかりでしたが、ホテルつながりということでか東横インの無断改造問題と個人的にはニュースだと思っていない一夫多妻のタコ親父関連ものと、局による特徴のないテレビでありました。

 そのワイドショーの中で流れたコマーシャルでひさびさに見たのですが、見るたびに腹が立つものがあります。ゴミの出ない引っ越しということで、特別な輸送容器を使った日通の「えころじこんぽ」という商品の宣伝なのですが、日通の人が忙しく働いている引っ越しの現場で奥さんとおぼしき人が、手伝いもせずベランダで外を見ながらキャンディーズ(30歳より若い人は知らない?)の「微笑みがえし」を口ずさんでいるのです。

 もしもし奥さん、引っ越しの時くらい手伝ってくださいよ、といつもこのコマーシャルを見るたびに思ってしまいます。とてもきれいな人で、からだつきも華奢なので力仕事は無理みたいに見えなくもないのですが、それにしても引っ越しの時に外を眺めながら歌を歌っている奥さんの図って、コマーシャルには向いてないんじゃないでしょうか。

 その奥様はとても美しい方であることはまちがいなく、調べてみると岡崎モデルズという事務所に所属するマリエスタ(MARIE-ESTHER)さんという方であることがわかりました。趣味がドイツ料理で特技がドイツ語ということなのでドイツ系と思われるのですが、出身が京都造形芸術大学で「微笑みがえし」の日本語も普通なので、ハーフなのでしょうか。どうやらそのようで、お子さんもいらっしゃる方のようです。

 それほど本気で腹を立てているわけではないのですが、思い出したので忘れないうちに書いておきます。

 さて、コマーシャル後のワイドショーでやっていた、東横インの不正改造問題は今ひとつ状況がつかめません。発覚の端緒は横浜市の条例で定められた身障者用の駐車場や客室を撤去していたことがばれたことのようですが、全国の東横インでもホテルの建物の完了検査を受けた後で、ロビーなどの改造工事をやっていたことが続々と明らかになってきています。

 「完了検査とは、建物が完成したときに、その建物が建築基準法と関連規定に適合しているかどうかを調べる検査のこと」だそうですから、検査のあとで改造が行われた建物は建築基準法に適合していると認定される前の振り出しに戻るということになるのでしょうか。

 それにしては、横浜市役所で会見した東横インの社長の態度に緊迫感がまったくなかったのはどうしてなのでしょう。

 どんなちっちゃな条例違反でも、違反は違反だから、軽く考えてはいけない。時速60キロ制限の道を67~68キロで走ってもまあいいかと思っていたのは事実。これからは60キロの道は60キロできっちりと走ると肝に銘じる。

 条例違反にしても建築基準法違反にしても、おそらくスピード違反程度の罪悪感しかないことが良くわかる発言だと思います。いずれの違反も注意かせいぜいがスズメの涙程度の罰金ということで、まわりを見渡しても普通に違反が見いだされるという実態が彼をして、これだけの余裕を持たせているのだと感じました。みんなやっているよ、だと思います。

 価格破壊とインターネット無料接続サービスで急速に売り上げを伸ばし、毎年のように続々と新しいホテルを開業しているのが東横インで、私も良く利用しています。以前は、近くにコンビニのないところだけがやっていた朝食の無料サービスも、今はどこの東横インでもやっていると思います。おにぎり(パン)とみそ汁とコーヒーくらいですが、豪華な朝食バイキングで千数百円とられる普通のホテルのことを考えると、無料でとりあえず飢えがしのげるサービスは大好評です。

 ホテルの量販店みたいなものと言えばいいのでしょうか。量販店の店舗が建築基準法に違反していたり、駐車場問題で近隣の人達とトラブルを起こすようなことと類似の犯罪なのかもしれません。

 もちろん悪いことは悪いのでしょうが、直接の被害者がひょっとするとホテルを使うかもしれない身障者の方々(この事件がありましたから、おそらくもう使おうという人はいなくなったと思います)と、メンツをつぶされた国交省というところが事件としては小さいものだと感じられるところです。

【追記】とりあえずここに「チェッカーズのメンバーを増強しよう」という建設的提案がありますので、その気になれば解決はそんなに難しくないように思えます。

 それより何より、この事件の最大の影響は例の耐震偽装事件のニュースがまたまた隠されているということだと思います。ホリエモン事件や一夫多妻事件など、ともかくワイドショー・ネタになりそうなニュースで、昨日や今日起こったことではないことがこのタイミングで次々と提供されて大騒ぎされるのって、いったい何なのかと思ってしまいます。

 こういうことが続くと、耐震偽装事件の陰にそんなに大きな黒幕がいるのかと誰しもが思い始めているのではないでしょうか。
Commented by マルセル at 2006-01-28 19:39 x
やぁあの会見オソマツ君ですネ、いくらオーナー社長でも経営からは退いていただくしかない、いや申し訳ございませんついフツーのお客様の便利を最優先に考えてしまいましたと言わないとネ、危機管理なさ過ぎです、ボクもまさかと思いました、行政が無理な条例を設けているのではないかと...健常者が障害者の部屋に泊まってもいいじゃないですかと思いますネ、ま今度出張のときに再度作り直した障害者用の部屋に泊めろと言って見ますワ
Commented by azarashi_salad at 2006-01-29 11:02
♪こんにちは。
本当に、私もあのCMと会見はどちらも「どうかなあ」と思いました。
自分のブログびこの記事をリンクしましたが、ただいまTBできない環境なのでコメントでお知らせします。
Commented at 2006-01-29 19:45 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2006-01-30 00:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rabbitfootmh at 2006-01-30 12:38
CMの方ですが、日通ではなくパンダマークのところで「荷造りお任せ」のサービスを利用したことがありますが、ほんとうに、「やることが無い」んです(苦笑) 幼かった娘と、真冬に暖房のきかない部屋の中を、作業のジャマにならないようにウロウロしてたことを思い出します。
Commented by stochinai at 2006-01-30 13:15
 azarashi_saladさん、引用ありがとうございました。こちらにazarashi_saladさんのエントリーのアドレスを書いておきます。
http://azarashi.exblog.jp/3104916/
Commented by stochinai at 2006-01-30 13:39
 rabbitfootmhさん、お任せサービスというものはまさにそういうサービスをお金で買うということだということは良くわかります。でも、小さなお子さんがいるとかいう事情があるならばともかく、自分でできることでもサービスとして買ってしまうということには、やっぱり後ろめたいとこってありますよね。
Commented by hal at 2006-01-30 15:08 x
「病気だったり小さい子供がいたりとか、特にそういう理由がなくてもどうぞお任せサービスに申し込んでくださっていいんですよ、ラクをすることは後ろめたくないんですよ」というのが、あのCMで業者がまさにアピールしたいことなのではないかと思いますが。
Commented by stochinai at 2006-01-30 16:21
 そういうメッセージはわかるのですが、我々のような古い人間だとそのメッセージを素直に受け入れることのできない抵抗感を持つように育てられております。
 で、そうした抵抗感(倫理観)を持っていると、耐震強度偽装とか牛肉産地偽装とか認可後改造とかに対しても、ある程度の歯止めがかかり易いのではないかという感覚もあります。そこらへんはどのように思われますか。牽強付会でしょうか?
Commented by すみたろう at 2006-02-02 10:18 x
「そういう感覚」が知らず知らずのうちにに旧弊や差別を助長することもあると思います。本人に悪気がないのでよけいやっかいです。
Commented by stochinai at 2006-02-02 11:35
 すみたろうさん、コメントありがとうございます。
 ご意見は、なんとなくわかるような気もするのですが、たとえばどんなケースが想定されるでしょうか。また、どのように意識すると旧弊や差別の助長を防止できるでしょうか。ヒントでもいただけると幸いです。
Commented by すみたろう at 2006-02-02 11:57 x
stochinaiさんは、この女性を「奥さん」といっていっらっしゃるけど、じゃあ、旦那さんはどこにいるのですか?引っ越しの日なのに、不在なのですか?それは、おかしくないのですか?
Commented by stochinai at 2006-02-02 12:08
 それは思いました。夫は普通に会社に出勤していて、引っ越しは会社のお金で「お任せコース」ということなのかと思っていました。前にもどこかの引っ越し会社の宣伝で、出勤する家と帰宅する家が違う(その間に引っ越しが終わっている)というのを見た記憶があるのですが、引っ越しの日に休めないほど日本の会社というのは社員をこき使うのかと感じたものです。
Commented by すみたろう at 2006-02-02 13:58 x
私は一度しかそのCMを見ていないのですが、非常にCMとしてうまく出来ているという感想を持ちました。
女性のまわりを透明でさわやかな空気が包んでいて、その近景で作業員たちが働いている。その二つの空間のあいだの連続性がほとんどなくて、まるで見えない壁があるかのような感覚を覚える。そして、実際には汗と埃と生活臭にまみれたものである「引っ越し」が、まるでセレブなイベントのような雰囲気に造られている。その結果、女性顧客に対する好感度アップ&会社のイメージもアップということが見込まれるのでしょう。
だけど、「なんか変だ」という感覚は残ります。女性の周りをつつむ違和感。それが、2つ目のポイントです。違和感があるから、人の記憶に残る。それだけで、CMとしては非常に優れているということです。
(長いので続きます)
Commented by すみたろう at 2006-02-02 14:00 x
(続きです)
stochinaiさんも、おそらく、このトリックのせいで違和感を感じられたのでしょう。それは、最初は必ずしも「嫌悪感」ではなかったはずです。だからわざわざ出演女優の経歴まで調べていらっしゃる。だけど、その違和感が無意識下から意識下に出てくる段階で、適切な変換ができなくて、「怒り」という形で出力されたのではありませんか。
怒りをプログに書いたstochinaiさんも、それを読んで、わざわざ出勤前にTVをチェックしてコメントしている私も、日通にまんまと踊らされたというわけです。
日常の中である感情に捕われたとき、その原因を外に求めるだけでなく、自分の内面に原因があるかもしれないと省みることも、時には大切なことではないかと思います。
(こんをつめて文章を書くと疲れますね。これを1年も続けてこられたstochinaiさんを心から尊敬しております。これからも頑張ってください。)
Commented by stochinai at 2006-02-02 15:25
 すみたろうさん、お忙しいところを丁寧なコメントをいただきまして、感謝するとともに申し訳なく思っております。すみませんでした。
 私の感じた気持ちは「嫌悪感」とか「怒り」というほど激しいものではありませんでしたが、確かに何ともしれず感じた違和感を説明しようとした時に、すみたろうさんのおっしゃるようなプロセスで出力されたという可能性はあるかもしれません。
>ある感情に捕われたとき、その原因を外に求めるだけでなく、自分の内面に原因があるかもしれないと省みる
 はい。この点については、肝に銘じておきたいと思います。お付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
Commented by rabbitfootmh at 2006-02-10 11:04
>自分でできることでもサービスとして買ってしまうということ・・・
夫はサラリーマンではありませんが、引っ越しのために「わざわざ」仕事を休むタイプではないので、私一人で荷造りをするとなると、おそらく10日間~2週間くらいかかるし、その間、段ボール箱だらけの家の中で家族全員が不自由な暮らしを強いられると思います。
「自分でできること」を買っているのではなく、10分の1の時間でできる能力のある専門家に任せることで、「時間」を買っているという発想でしょうか。荷解きは自分でやりましたが、生活に最低限必要な空間を確保するのに3日、すっかり片づくまでには3週間ほどかかりました(急がなくて良いということはありますが)。
家電製品なども、「家事にかかる時間」を節約するサービスと言えるかもしれませんね。
by stochinai | 2006-01-28 18:25 | つぶやき | Comments(17)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai