2006年 03月 28日
札幌にニホンイタチ
今日の昼頃、札幌市民の方から電話がありました。
電話は最初、大学の事務にはいったそうなのですが、どこへ回したら良いものかわからず私のところへ転送されてきたものです。いつも、何かわけのわからない質問の時には私のところへ回される傾向があります。困った時には彼に頼もうをと思われていることは悪いことではないのでしょうが、しばしば私の手に余ることがあります。というよりは、手に負えない質問の方が多いようなものです。
今日の質問も、かなり苦手なもののひとつでした。札幌の南にある山がちな地域に藤野というところがあります。そこに「昨年暮ころから庭先の雀などにパンくずを与えている土間に現れ、そのうちいなくなると思っていましたが現在でもときどき姿を現」す哺乳類がいるというのです。ついては、それが何に教えて欲しいと頼まれました。
北海道では昔ミンクの養殖が盛んだった時期がありました。今ではほとんどなくなったようなのですが、当時に逃げ出したミンクが野生化してカワウソと見間違えられたりする「事件」はたびたび起こっているので、多分ミンクではないかと思ってそう答えたのですが写真があるというので、とりあえずそれをメールで送ってもらうことになりました。良い時代になったものです。
そうして送られてきた写真がこれです。
かわいいのです。ミンクはどちらかというと凶悪な顔をしているので、どうも違うかなと思ったのですが、悲しいことに素人のできることはせいぜいネットで画像検索するくらいです。
ネット検索の結果、ミンクというよりはテンかイタチではないかという仮の判断が出せましたが、もちろん結論など出せるわけもありませんので専門家おふたりにメールで問い合わせを出してみました。
3時間半ほどして返事が来ました。専門家のうちの一人が、もっと専門の方に尋ねてくれた結果、あっさりと結論が出ました。
もともとニホンイタチは北海道にはいなかったらしいのですが、明治初期に函館にはいって以降、全道に分布を広げたということですので、札幌にいるのは決して不思議なことではないようです。
それにしても、こんなにかわいいお客さんが庭先に来てくれるのはうれしいですね。
電話は最初、大学の事務にはいったそうなのですが、どこへ回したら良いものかわからず私のところへ転送されてきたものです。いつも、何かわけのわからない質問の時には私のところへ回される傾向があります。困った時には彼に頼もうをと思われていることは悪いことではないのでしょうが、しばしば私の手に余ることがあります。というよりは、手に負えない質問の方が多いようなものです。
今日の質問も、かなり苦手なもののひとつでした。札幌の南にある山がちな地域に藤野というところがあります。そこに「昨年暮ころから庭先の雀などにパンくずを与えている土間に現れ、そのうちいなくなると思っていましたが現在でもときどき姿を現」す哺乳類がいるというのです。ついては、それが何に教えて欲しいと頼まれました。
北海道では昔ミンクの養殖が盛んだった時期がありました。今ではほとんどなくなったようなのですが、当時に逃げ出したミンクが野生化してカワウソと見間違えられたりする「事件」はたびたび起こっているので、多分ミンクではないかと思ってそう答えたのですが写真があるというので、とりあえずそれをメールで送ってもらうことになりました。良い時代になったものです。
そうして送られてきた写真がこれです。
かわいいのです。ミンクはどちらかというと凶悪な顔をしているので、どうも違うかなと思ったのですが、悲しいことに素人のできることはせいぜいネットで画像検索するくらいです。
ネット検索の結果、ミンクというよりはテンかイタチではないかという仮の判断が出せましたが、もちろん結論など出せるわけもありませんので専門家おふたりにメールで問い合わせを出してみました。
3時間半ほどして返事が来ました。専門家のうちの一人が、もっと専門の方に尋ねてくれた結果、あっさりと結論が出ました。
写真は、「(ニホン)イタチ」ですね。この上品な顔つきは、アメリカミンクではないと思います。顔の黒色と口の周りの白毛はニホンイタチの特徴です。
もともとニホンイタチは北海道にはいなかったらしいのですが、明治初期に函館にはいって以降、全道に分布を広げたということですので、札幌にいるのは決して不思議なことではないようです。
それにしても、こんなにかわいいお客さんが庭先に来てくれるのはうれしいですね。
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ぜのぱす
at 2006-03-28 09:24
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>いつも、何かわけのわからない質問の時には私のところへ回される傾向があります。
ちょっと笑ってしまいました。stochinaiさんの人柄を反映するエピソードかと。
いたち、可愛いですね。うちのアパートのテラスにエサを置いておくと、去年まではオポッサムが来てたのですが、最近姿を見なくて心配しております。その辺で工事をやってたんで、住処がなくなってしまったのかも(註:北米の話です)。
ちょっと笑ってしまいました。stochinaiさんの人柄を反映するエピソードかと。
いたち、可愛いですね。うちのアパートのテラスにエサを置いておくと、去年まではオポッサムが来てたのですが、最近姿を見なくて心配しております。その辺で工事をやってたんで、住処がなくなってしまったのかも(註:北米の話です)。
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ぢゅにあ
at 2006-03-29 01:12
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うちの庭でも最近、なんだろう?という小動物をみかけたのですがオポッサムかもしれませんね。イタチっぽいけどちょっと違うし、と思ってました。
こちらではいくらかわいくても野生動物には近づかないというのが原則です。アライグマやリスなど狂犬病の危険性があるためで、以前N.Y.のセントラルパークでリスに咬まれた人が救急車で運ばれてました。
日本では大丈夫なんでしょうか?
こちらではいくらかわいくても野生動物には近づかないというのが原則です。アライグマやリスなど狂犬病の危険性があるためで、以前N.Y.のセントラルパークでリスに咬まれた人が救急車で運ばれてました。
日本では大丈夫なんでしょうか?
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stochinai at 2006-03-29 19:51
UCLAでもリスにかまれた人が救急車で運ばれたという話を聞きましたが、それは日本人でした。セントラルパークの話も日本人だったりする可能性ありませんか。猛獣と出会うことが少ない日本人は、動物をみると「あらかわいい」と手を伸ばしがちなのですが、向こうの地リスはかなりの猛獣ですよね。
野生動物とは、つかず離れずで住み分けるのがいいのでしょうが、ついつい「あら、かわいい」となっちゃいますよね。
野生動物とは、つかず離れずで住み分けるのがいいのでしょうが、ついつい「あら、かわいい」となっちゃいますよね。
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Hiroko_Y
at 2006-04-01 16:10
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お久しぶりです。すごくかわいいのですけど。この写真。
ニホンイタチを写真だけで判別できると言う方がいらっしゃるのには驚きました。本土ではチョウセンイタチが多いそうですが。
日本は数少ない狂犬病のない国なんで、動物に寄って行っても比較的大丈夫だそうですね。
ニホンイタチを写真だけで判別できると言う方がいらっしゃるのには驚きました。本土ではチョウセンイタチが多いそうですが。
日本は数少ない狂犬病のない国なんで、動物に寄って行っても比較的大丈夫だそうですね。
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stochinai at 2006-04-01 18:14
動物たちのすみかを人間がどんどん浸食してしまったのですから、なんとか共存できる道を模索したいものですね。
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at 2006-04-02 09:26
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by stochinai
| 2006-03-28 02:40
| 生物学
|
Comments(6)