5号館を出て

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形骸化するメーリングリスト

##  すみません。昨日はとうとう更新できませんでした。このエントリーは日曜日になって書いていますが、土曜日ポストということで偽装しています。  ##

 土曜日はちょっと風がありましたけれども、絶好のアウトドア日和で札幌市内のかなりの小学校で運動会が行われたようですが、良い一日だったと思います。今日の日曜日は一転して冷たい雨が降り風も強く、残りの小学校で今日が運動会の予定だったところは中止せざるを得なかったと思います。たった一日が明暗を分けた昨日と今日です。

 さて、私も昨日は朝時半から12時45分からまでは、北大ガイド・センター&グッズショップ「エルムの森」の前のテーブルで、コーステッパーの無敵トリオの皆さんと楽しいピクニック・カフェでした。(その後、1時から5時まで科研費「科学技術者の倫理教育」の班会議、その後懇親会と非常に濃い土曜日でした。)

 ピクニックカフェといっても、もちろん内容は超まじめなものでconyさんの発案で、立ち上がろうとしているペンギンカフェおよびその運営母体となるペンギンカフェ倶楽部の相談です。

 さわやかな風が吹き抜ける木漏れ日の下で、Salsaさんが用意してくれたサンドウィッチほか以下が「おしながき」です。「ランチを一緒にしましょう」というメールをいただいていたので、生協食堂へでも行くのかと思っていた一同、感涙!
ドリンク: カフェ、ペリエ、ROSSO DELLA CASA(赤ワイン)。
メイン: アスパラと小エビとチーズのサンドイッチ。
パン: Moulin de la Galette。
添え物: 生ハム、オイルサーディン、ハーブ入りクリームチーズ。
 こんな豪華なランチを前にしたら、次々と良いアイディアが爆発的にわいてくるのは当たり前というものでしょう。会議を成功させようとしたら、まずは参加者を幸せな気分にさせることという、基本にして結論でありながらほとんどの会議では実現されていないことを、あっさりと実行してしまえるSalsaさんは、(あまりたくさんは知らないのですが)私の知る限りバイオカフェのSさんに並ぶコミュニケーターの達人のおひとりと言えるでしょう。(もちろんそれには大変な準備が必要なのですが、それを楽しそうに行ってしまえるというところが達人の達人たる所以です。

 いろいろな話が進んだのでいずれあちこちから報告があると思いますので、私はペンギンカフェの連絡網としてのメーリングリストに関する話題についての感想を書き留めておきたいと思います。

 ペンギンカフェは、今までいろいろと試行錯誤しながらやってきた「サイエンスカフェ」では、何か物足りないと感じたconyさんが、コーステッパーの無敵トリオとともに形にしようとしている、会員制あるいは登録制あるいは招待制のカフェです。今までのカフェだと、広報によって一般市民に呼びかけ、先着順で入れなくなった場合を除き参加者を制限することはなかったと思います。ペンギンカフェでは、予告の一般公開はせずに「人間の鎖(友達の輪)」でつながった人だけでカフェをやってみたらどうなるだろうかという試みです。

 その連絡網はどうしたらよいかという話になって、期せずして全員が「メーリングリストはダメ」という意見であることがわかったのです。今では、何かの連絡網を作る時には誰でもが気軽にメーリングリストを作り、あとはそのアドレスに連絡事項を何でも投げ込むことで便利に使っている人が多いと思います。

 しかし、受け取る側の身になって考えてみるとどうでしょう。毎日のようにいろいろなメーリングリストから大量のメールが来て、ほとんどが「読み流し」の状態になっているのではないでしょうか。場合によってはメーラーで振り分けて読まない設定になっているケースも多いのではないでしょうか。

 どうしてそうなるかというと、メーリングリストに送る場合も受け取る場合も「多対多」の連絡であることに慣れすぎてしまっていて、メールの基本であるはずの、「ある人から特定の人への個人的通信」に込められている「心」が薄くなっていることも一因だと思います。

 出す方はメーリングリスト全員の顔を思い浮かべて出すわけではないでしょう。また、受け取るほうも自分一人で宛てられたメールでないことを知っていますから、一所懸命に読もうという気が失せていると思います。

 本当にペンギンカフェに来て欲しい人への連絡は、そんな「心のない」手段で行ってはならないということが話し合いの中での合意だったと思います。

 カフェに来て欲しい人には個人的にメールを出して、参加してくれるかどうかの返事を必ずもらえるような相手にだけ呼びかける。参加したい人はその意志をかならずメールで連絡する。そういうシステムになっていると、できあがるカフェは必然的に「招待制ソーシャルネットワーキングカフェ」になってしまうでしょう。

 広報活動によって参加を呼びかけた場合に来てくださる方はほんとうにありがたいのですが、札幌180万人市民の中でさえホンの数百人の方に固定されてしまいそうな気配があります。一方、人と人のつながりはほぼ180万人すべての方が複雑にからみなっているはずです。サイエンスカフェという形を用意して人を待つという形のほかにも、いろんなことを試してみる価値はあるだろう。

 コーステッパーの夢は次々と形になっていきます。
Commented by cony_keyco at 2006-05-30 23:24
salsaさんのブログにもありますが、私が発案したというわけでもないんです
Commented by stochinai at 2006-05-31 00:02
 いやいや、最初のきっかけがconyさんであることは間違いないのですし、SalsaさんやM姫との共同作業で形ができつつあるのは、みんな知っています。が、こういうものには担がれる人というもの必要なので、その役割をconyさんに負わせているというのが実態ではないでしょうか。
 でもまあ、そんなことはどうでも良いことで、良いものができあがったらそれですべてがOKなのだと思います。
 みんなで楽しみましょう!
Commented by Salsa at 2006-05-31 21:16 x
さすがです。見抜かれていますね。そういう私も担がれているのかもしれません。(笑)
by stochinai | 2006-05-27 23:59 | コンピューター・ネット | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai