5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

Gmailも一般公開

 昨日、Googleがワープロの使用権を一般公開したというエントリーを書いたところ、本日はあのGmailも一般公開されたというニュースが飛び込んできました。

 私はかなり前にGmailに関して否定的なエントリーを書いたことがあります。その時には、使ったことがなかったので憶測で書いたのですが、実をいうと今はユーザー登録をしていますので、もう少し具体的に書けます。

 先ほど、私が所属する動物学会とメールでやりとりしたものを、Gmailで表示させたところ本文を表示する画面の右に、医学書販売会社、研究職人材派遣会社、医学電子辞書、大学情報の日経進学ナビなどの広告が掲示されました。これは、差出人の所属などを含めたメールの内容に関連づけられているものに間違いないことは、すぐにわかります。

 もちろん人間が読んで宣伝をつけているわけではないのですが、機械が「読んで」内容を「解釈」しているということは、Googleも認めています。それは「Google 検索結果ページに表示される広告や、Google AdSense プログラムでウェブ上のコンテンツ ページに配信される広告と同じ仕組みで表示され」ているのだそうです。説明を引用します。

Gmail は技術ベースのプログラムで、広告および関連情報は完全に自動化されたプロセスで表示されます。Gmail では、AdSense プログラムと同じコンテキスト型広告配信技術を使用して、システムにより自動的に関連性の高い広告を抽出し配信しています。この技術により、電子メールや日々のニュースなどの動的に変化するコンテンツに関連した広告が表示されるようになっています。

広告や関連情報を表示する際に、電子メールの内容を人間がチェックすることはありません。
 つまり、メールの内容の文脈を解析しているということです。これが、メールに広告を付けるためだけに利用されている分には、ほとんど危険性はないと思われますが、もちろんメールユーザー全体の傾向などを解析するためにも使えますし、その目的に使っていないということはないでしょう。それは、Googleに限らず、先日書いたMicrosoft の Demographic Prediction でも、そうした手法を用いていると思われます。

 ただし、microsoftやGoogleといった大きな会社は、もしもそれが発覚した場合には倒産を覚悟しなければならないくらい非難されるでしょうから、個人を特定した情報利用をするとはとても思えませんので、多少は信頼してやっても良いかなと思っています。

 私が卒業生に推薦されてGmailを使い始めたのは、比較的最近のことですが、使ってみるとその便利さには捨てがたいものがあることがすぐにわかりました。

 もちろんどこからでも読み書きできるウェブメールとしても使えるのですが、普通のメーラーでpopダウンロードしたり、世界中どこからでも使えるsmtpサーバーが提供されていたりと、それだけでもかなり使い勝手が向上しそうです。しかも、Gmailに転送されてきたメールに、Gmailの中からもとのアドレスを使って返信したりすることもできるのです。

 さらに、貸してもらえるメールボックスの容量が8月23日現在では約2.7GBです。このくらいの大きさがあると、毎日どんなにメールをたくさん受け取っている人でも、3-4年分の全メールを削除せずに保存できます。つまり、普通の人だと一生分のメールを保存してもパンクしないようなサイズです。私も毎日受け取っている100通以上のメールをすべて転送して実験しているのですが、2ヶ月たってようやく6%が使われただけです。いずれにしても、容量を気にせずにあらゆるメールを転送できますので、ちょっと長めの外国旅行などの時などには重宝するはずです。

 このGmailは、日本では昨日までは招待制をとっており、誰かが紹介してくれないと利用できないしくみになっていました。私は外国の知らない人から招待してもらったのですが、ユーザーになる時に1名を招待する権利をもらいました。中味を読まれているみたいで気持ち悪いという人が多いので、つい最近まで招待する人がおらず持ち腐れになっていたのですが、先週末にようやくもらってくれる人に巡り会いました。

 しかし、今日からはそんな苦労がいらなくなりました。

これまで、Gmailは一般からのサービス申し込みを受け付けておらず、他のGmailユーザーからの招待を受けたユーザーのみ利用できる「招待制」を採用してきたが、23日からは日本のユーザーについて「登録制」による一般からの申し込みが可能となった。
 Googleでは、今後さらにサービスを充実させていくと言っているようです。このソフトの危険性も十分理解した上で、危険を避ける賢い使い方を心がけるならば、その可能性を利用することも悪くないソフトだと感じています。

 さて、あなたはどうしますか。申し込みサイトはこちらです。
Commented by マルセル at 2006-08-25 00:40 x
個人メール以外に例えばブログに公開するメールとして使うという用途はあります、その場合何らかのトラブルが想定され、メアドを変えたいというときは変えられるのですか?ブログで公開しているから意味ないということもありますが...
Commented by stochinai at 2006-08-25 00:52
 誰でも取れるようになったのですから、いらなくなったらあるいは困ったら捨ててしまえば良いのではないでしょうか。改めて別の名前で取れば、アドレス変更と同じことになりませんか。
Commented by Juny@「卒業生」 at 2006-08-25 01:49 x
Gmailが一般公開された今、公開用と非公開用の二つのアドレスを持つことを考えています。Gmailは転送機能もありますし、スパムメール、ウイルス対策もありますので、二つのアドレスを使い分けるようにすればかなり便利だと思います。Google earthやGoogle scholarも含めて、Googleは面白い無料サービスが多いなぁと思います。ちょっと転職して見たいです…。
Commented by ヨシダヒロコ at 2006-08-25 07:26 x
以前stochinaiさんに薦めたものです。gmailにはたしかに、不思議なほどスパムが来ません。一度gmailを通して、いつも使っているアドレスに転送するという使い方をしてる人もいるそう。

困ったメールはもしかして、ブロック機能があったのではないでしょうか。ログイン最近してないので分かりませんが。他プロバイダでもその手の機能はありますので。
Commented by stochinai at 2006-08-25 10:50
 そうでした。ありがとうございました。スパムの自動学習機能があるようで、ルールを入力しなくてすむのが楽です。Gmailのスパムフィルターを利用した後で転送するというのも賢い使い方だと思いますが、時々間違いも犯しますので過信はできないようです。
by stochinai | 2006-08-23 21:55 | コンピューター・ネット | Comments(5)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai