5号館を出て

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書斎を修理に出す

 愛用していた移動書斎の Toshiba Dynabook SS S8 をついに修理に出しました。

 去年の9月はじめにモデムが使えなくなってから、カード型モデムを入れたりしてだましだまし使ってきましたが、最近になってタッチパッドでスクロール(縁の金属を触りながら動かすと画面が上下や左右にスクロールする)機能がダメになったり、さらには液晶の上部にドット落ちや常時点灯ドットがたくさん現れるなど、いろいろ調子が悪くなってきていました。あちらこちらに障害が多発するというのは、人間で言えば老化現象というところなのかもしれませんが、一度ドック入りさせねばとずっと思っておりました。

 講義やセミナーなどの年度内スケジュールが一段落したこともあり、思い切って修理に出すことにしました。

 買ってから、まだ1年半くらいしか経っていないのですが、毎日リュックで背負って自宅と大学を往復するという過酷な使用方法に耐えられる機種ではなかったのかもしれませんが、ともかく正常状態に復帰してもらってから、その後の使い方を考えようと思っています。

 修理に出す前に、まずはプログラムやシステムを除き、ハードディスクの内部をすべて外部ハードディスクにコピーしました。基本的にはマイ・ドキュメントの中味です。しかし、メールソフトの鶴亀はCドライブに TuruKameData というディレクトリを勝手に作り、そこにすべてのデータが入っていたりしますので、それもコピーしておかなければ、過去のメールが失われる恐れがあります。

 修理に出すに当たって、それより何より心配だったのは、ハードディスクの中に個人に関する情報の入ったファイルがあることです。毎日のように起こっている個人情報流出による事件を考えると、修理に出す時にはそれらを削除しておかなければならないと、つくづく思いました。メールはもちろん個人情報の塊なので、ディレクトリごと消しておきました。

 その他に、アドレス帳やシリアルナンバー控え、さまざまな私的文書はあちこちのディレクトリに分散して入っています。できる限り消したつもりですが、チェックのし忘れがないとは断言できません。何10ギガバイトなどというデータの中に何があるかなどということを、人間ひとりの脳で管理しきれるものではありません。不安になります。(それに、消したつもりになっても普通にはアクセスができなくなったというだけで、実はデータのほとんどはそのまま残っているのです、、、。)

 これほど大容量・高性能になったノートパソコンを修理に出すということは、自宅の書斎の中の一切合切を入れたままに、大工さんを入れて家のリフォームをお願いするようなものだと思いました。

 大工さんなら、素性のわかった人がひとりかふたりでしょうし、横で家族が「見張って」いることもできるし、信頼関係がある業者が相手ならそれほどの心配はないかもしれません。

 しかし、パソコンの場合には修理に出してしまった後は監視することがまったく不可能ですので、かなり気持ちの悪いものだと(出してしまってから)つくづく思っています。修理の下請けがあるという噂も聞いたことがあります。

 磁気カードならば5秒で情報のスキミングができるということですから、修理業者がその気になれば、修理を依頼されたコンピューターのデータをどんどんと蓄積することも可能です。優秀な検索ソフトを使えば、修理に出されたあらゆるコンピューターの中から「金になる」データを探し出すことも簡単なのかも知れません。そういうことをやっている「修理業者」がいないとは断言できません。

 医者や公務員などは、業務上得た情報の内容に関する守秘義務があります。そういうところで使っているコンピューターを修理するケースもたくさんあるに違いありません。私はもはや公務員ではありませんが、学生に関する個人情報なども持っておりますので、外に出ないように気を付けているつもりです。しかし、コンピューターが立ち上がらなくなって修理に出す場合などは、バックアップやデータの消去もできないのですから、データ機器の修理業者などにもそうした法的規制をかけておく必要はありそうな気がします。

 こういう時には流出したことがわかるような「おとりのデータ」を忍び込ませておくと良いんでしょうか?ともかく、今回関係すると思われる生協と東芝さん、事故が起こらないように、よろしくお願いします。
by stochinai | 2005-01-26 20:57 | コンピューター・ネット | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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