5号館を出て

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手稲の嶺黄昏こめぬ

 日が落ちると、ジャケットなしではつらいくらい寒くなってきました。

 札幌に西にそびえる手稲山(ていねやま)の山頂にはたくさんのアンテナが立っており、札幌の西を示すランドマークになっています。夏の間は石狩湾に落ちていた太陽も、最近は手稲に落ちるようになってきました。そのせいもあって、日が一気に短くなってきた感じです。理学部5号館の私の部屋から見た光景です。
手稲の嶺黄昏こめぬ_c0025115_1739199.jpg
 北大関係者ならば、この光景をみると恵迪寮歌「都ぞ弥生」の二番を思い出すのではないでしょうか。



豊かに稔れる石狩の野に 雁遥々沈みてゆけば

羊群声なく牧舎に帰り 手稲の嶺黄昏こめぬ

雄々しく聳ゆる楡の梢 打ち振る野分に破壊の葉音の

さやめく甍に久遠の光り

おごそかに 北極星を仰ぐ哉

 漢字の読みがあっていないと、雰囲気が出ませんので、失礼かとは思いますが、ルビ入りも載せておきます。


豊かに稔(みの)れる石狩の野に 雁(かりがね)遥々(はるばる)沈みてゆけば
羊群(ようぐん)声なく牧舎(ぼくしゃ)に帰り 手稲(ていね)の嶺(いただき)黄昏(たそがれ)こめぬ
雄々しく聳(そび)ゆる楡(にれ)の梢(こずえ) 打振る野分(のわき)に破壊(はゑ)の葉音(はおと)の
さやめく甍(いらか)に久遠(くをん)の光り
おごそかに 北極星を仰ぐ哉(かな)

by stochinai | 2006-09-30 17:46 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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