5号館を出て

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ついに出た変異型ヤコブ病

 牛海綿状脳症(BSE)から、ヒトに感染したと考えられる「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)」の日本人患者が確認されました。たとえばこれをご覧下さい。

 「厚労省によると、男性は2001年12月に発症。当時40歳代で、発症時は焦燥感などの軽い精神症状だけだったが、その後、認知症や運動機能障害などの症状が現れた。昨年半ばごろから寝たきりの状態となり、同12月に死亡した」とのことです。

 「男性は89年ごろ、英国に約1カ月の渡航歴があり、同省は英国で感染した可能性が高いとみている」とのことですが、例によって厚労省の希望的観測に過ぎないのではないかと思われます。

 産経新聞によれば、「発症者は英国が153人と圧倒的に多く、カナダなどでも英国居住歴のある人の報告がある。わずか1カ月の英国滞在で発症した例は過去にないという」ことです。

 冷静に考えてみれば、その頃1ヶ月くらい英国に滞在した日本人などは、何百人・何千人といるのではないでしょうか。もしも、英国滞在中に感染したのだとしたら、今後も同じような経歴を持った人から複数の患者さんが出ることが予想されます。

 それより、恐ろしいのはたった一ヶ月ではなくその人の生活のほとんどを過ごした日本国内での感染の可能性でしょう。そうなると、関係者を絞ることすら難しくなります。

 日本でウシの全頭検査が始まったのが2001年10月で、この男性が発症したのが同じ年の12月というあたりの、時期的符合にはとても不気味なものを感じてしまいます。

 もちろん、いたずらに不安をあおる必要はありませんが、さりとてこの男性の感染場所をイギリスと断定してしまう姿勢も、危機管理能力の甘さを示していると思います。

 ここは一つ、冷静にありとあらゆる可能性を検証していってもらいたいものです。

 しかし、アメリカからの検査なしでの牛肉輸入再開を控えたこのタイミングでの発表ですから、影響はかなり大きいでしょうね。
by stochinai | 2005-02-04 23:09 | 生物学 | Comments(0)

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