5号館を出て

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今日のスズメ: 心理学と脳科学

 実は今日ではなく、一昨日の朝に見かけたスズメの夫婦(?)です。
今日のスズメ: 心理学と脳科学_c0025115_22415584.jpg
 私の勘では、上にいるのが毛艶も良く滑らかに見えるのでメス、下にいるのがバサバサした毛の感じからオスに思えるのですが、どうでしょうか。

 哺乳類と鳥類のオスメスに関しては、この判断は意外と普遍性を持っているように思えるのですが、どなたかご存じの方がいらっしゃいましたら、是非ともコメントを頂きたく思います。ホントに直感に過ぎないのですが、犬猫や家禽なんかだとかなりの程度まで適用可能な気がします。

 前にウマの気持ちがわかるような気がするという話を書いた時に、コメント欄で板倉昭二さんの『「私」はいつ生まれるか』(ちくま新書597)を推薦していただいたので、読んでみました。なかなかおもしろかったです。

 心理学というのは、動物の心理を研究していても、研究者の心理が見えてくるような気がして、とても興味深く思うことがあります。心理は脳の活動だという点に大きな異論はないのだと思いますが、脳というものをブラックボックスにして、中で何が起こっているかは推測するだけで、入り口と出口だけを客観的に操作し、中のブラックボックスは推測するだけというように見える心理学には、どことなく好感が持てます。

 一方、脳科学という学問が最近もてはやされているようですが、脳細胞の活動を「見る」ことによって、そこで起こっていることを「こうである」と断定しているように見える脳科学というものに、私は一定の距離を置きたくなってしまいます。

 脳の特定の部位にある細胞が活動しているということを証明することと、だからこうなんだという説明の間に何かとても大きな欠落があるような気がしてならないのです。

 もちろん、これは脳科学というものに対する私の無知から来ているに違いないと思いつつ、心理学は好きだけれども脳科学は今ひとつ好きになれない私の「感情」のようなものだと思っています。

 とりとめもないですが、この辺で。
Commented by くり at 2007-03-08 00:37 x
面白いです。私は逆に脳科学がとても興味深く思え、心理学が今ひとつ好きになれません。きっと理屈じゃなくて、「感情」なのでしょうね。

心理学が好きじゃない理由はうまく説明できないのですが、この「好きじゃない」という感情も脳が起していると思うと、脳の中がどうなっているか見てみたい気がします。

ただあくまでも好奇心であって、「頭をよくする〜法」のような実用理論には興味が持てません。そう簡単ではないだろうという気がしてしまって。
Commented by ぬるぽっぽ at 2007-03-08 00:59 x
鳥の場合、基本的に見た目が美しい方が雄で求愛性能に関係するという先入観が。
孔雀なんかが実際そうですが、雀も同じかどうかは知りませんです。
Commented by kk at 2007-03-08 04:45 x
こんにちは。たしかに元気の良い時は毛のつやは雌のほうが良く見えますね。わたしの判別方法は、お腹がふっくら丸いのが雌。(ほ乳類の場合はさらに乳腺の発達も判断の基準になります)。だから上の写真では上の枝にいるのが雄で、下にいるのが雌だと思ってました。どうでしょう?
Commented by さなえ at 2007-03-08 06:20 x
私も、ぬくぬくとのんきに毛艶の良いのがオスで、やつれてばさばさになっているのがメスだと、独断と偏見で言ってみたい。ちなみに、外野である私には脳科学も心理学も動物行動学も植物の世界も学者の世界も(^^)とっても面白いです。
Commented by Kay at 2007-03-08 07:59 x
はじめまして。ためになる情報が沢山でいつもありがたく拝見させていただいています。
私はイギリス在住なのですが、こちらにも日本のすずめに良く似たすずめがいます。House Sparrowという種類なのですが、オスは日本のすずめにそっくりです。でもメスは随分模様が違ってまるで別種かと見まがうばかりです。House Sparrow male femaleでググってみてください。
日本のすずめにこちらのHouse Sparrowのメスのような模様のすずめが居たかどうか思い出せないのですが、居ますでしょうか??
また動物、にゃんこネタ楽しみにしています。
Commented by lib at 2007-03-08 09:02 x
>Kayさん
これどうぞ。
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10019760166.html
このサイト、最高に楽しい。
Commented by M姫 at 2007-03-08 14:44 x
脳科学ってどちらかというと理系なのに、心理学はどちらかといえば文系というイメージですよね。確かにけっこう近い分野だと思うのですが。
○脳で起こっていることと、○脳の活動の結果をして現れる「心理」、この2つの間というか、2つを結びつける研究が必要となってくるのではないかな。と、思いました。
Commented by kay at 2007-03-08 18:48 x
>libさん
興味深いサイトのご紹介ありがとうございます!
読んでいて思ったのですが、確かにHouse Sparrowは街中に居る種です。田舎や農場に行くともっと小ぶりなTree Sparrrowが居ます、確かに。あれが日本の種に近いのかもしれません。それだと雌雄同形ですね。
ヨーロッパのすずめが日本に飛来して住み着いているなんてびっくりでした。
Commented at 2007-03-08 21:07 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by melo at 2007-03-09 23:50 x
はじめまして。いつも、大変楽しく読ませていただいております。

私のはやとちりかもしれませんが、少し気になる点があります。
私は神経科学を専攻している大学院生ですが、学部生のころは、
心理学を学んでましたので、二つのことが一応分かっているつもりです。「脳の特定の部位にある細胞が活動しているということを証明することと、だからこうなんだという説」に関しては、ゲーム脳とか脳トレーニングとかの方たちが主張していることだと思われます。しかし、脳科学者の多くは「脳のどこが活動しているから、だからこうだという」ことを短絡的には言いません。細胞が活動しているとしたら、なぜその活動が起きるのか因果関係が本当にどこまであるのか厳しく考えます。

また、心理学実験に関しては「客観性」に関しては実は大変難しいのです。例えば、心理実験をする前に実験の説明をする場合には、その説明の仕方によっては実験結果が意図せずとも変わってしまう場合があります。

脳科学者にとって脳はブラックボックスであり、現段階では多くの場合、入り口と出口を客観的に評価し、中の脳に関しては”推測”しているに過ぎないと思います。
Commented by stochinai at 2007-03-10 01:13
 meloさん、ご指摘ありがとうございました。おっしゃるとおり、私は心理学に対しても脳科学(神経科学?)に対しても正確な情報を持っているわけではなく、さらには独断と偏見によって歪んだ見方をしていると思います。
 しかし、いずれの学問もマスコミに注目されるとともに、かなり危ない扱われ方をされていることも多く、そういう状況に対して、心理学者や脳科学者も責任がまったくないとは思えません。誤解や曲解する方が悪いという「正論」もわからないではありませんが、第2第3の「あるある大事件」は、このあたりから出てくるのではないかとも推測されますので、それを阻止するためにはmeloさんのような方からの、発信を大いに期待しております。
 今後とも、私の軽率な言動を監視していただくとともに、冷静なアドバイスを頂けると幸いです。
by stochinai | 2007-03-07 23:09 | スマイル | Comments(11)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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