5号館を出て

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「水をください」と鉢植えの植物から電話が

 ニューヨーク大学の大学院生たちが、Botanicalls というシステムを開発しているというニュースが入ってきました。ロイター配信で、ITメディアニュースに載っています。
「水をください」――植物が電話で訴える技術
無線ネットワーク経由で信号を送る湿度センサーを使って、植物がヘルプコールをかけてくる技術を大学院生が開発している。(ロイター)
2007年07月26日 15時41分 更新
 技術的には、それほど難しいことはないと思います。鉢植えの土の中に湿度センサーを挿しておき、それぞれの植物に適する湿度を設定して、鉢内の湿度が設定を越えたり下回ったりした場合に、無線ネットワーク経由で電話をかけてくるというしかけです。
「植物が電話をして、乾燥しているから水がほしいと伝えてくる。それもかなり礼儀正しく」
 こちら CNET Japan には、電話で植物と会話している「やらせ写真」と、セットアップのプロトタイプ、それに開発チームの写真が出ていま。

 鉢のひとつひとつにセンサーを埋め込み、それぞれに別の設定をしておくだけではなく、植物が「かけてくる」電話の声もそれぞれの植物に応じて変えることもできるそうです。「例えば、スコッチモスは本当はスコットランド生まれの植物ではないが、人工のスコットランドなまりが割り当てられている。繁殖力の強いオリヅルランは親しみのある元気な声」なのだそうです。日本でだと、あちこちのお国なまりバージョンができそうですね。外国語なまりの植物もおもしろそうです。

 大学院生たちは、物理やITではなく双方向コミュニケーションを学ぶ院生なのだそうで、ある意味でテクノロジー的には大したことがない技術ですが、植物と対話するという発想はなかなかユニークなものだと感心しました。「せっぱ詰まった電話がかかってくるだけ、というふうにはしたくなかった。だから、水をあげたら感謝の電話をかけさせるようにしている」と、なかなか念が入っています。

 同じアイディアで、水槽の魚やカエルなどから、「餌くれコール」や「水換えてくれコール」がくるようにすることもできそうです。そんなふうに考えていくと、意外と実用的な使い方もできる予感がします。
Commented by 図書館退屈男 at 2007-07-27 00:51 x
日本でも「フィールドサーバ」(http://model.job.affrc.go.jp/FieldServer/default.htm)という技術があり、これを無線LANで接続可能な箇所に置くと、
・接続した各種センサ、カメラの記録を定期的に管理用サーバに送信
・他のフィールドサーバとのブリッジ接続
・無線LANのアクセスポイントとして機能
などのサービスを提供でき、その気になれば自分の畑一帯全部をホットスポットにすることもできます。
計測は畑などに設置したフィールドサーバに任せて、一定条件になったら管理用サーバで判断してアラートを電話やIRCで送る、というのはできそうですね。
Commented by ものぐささなえ at 2007-07-27 17:57 x
最初はすごく面白いと思ったのですが、やはり、黙っていて貰った方が心は平安なような気が。例えば忙しさに紛れて水やりを忘れたまま旅行に出かけてしまい、出先で携帯で、水くれ~とか、水、水という電話がかかってきたら、もう何も手につきませんヨ。知らぬが仏と言うことも。「モエレ沼公園」の情報をありがとうございました。イサムノグチの公園とはずいぶんモダンですね。娘から許可がでたら是非いってみたいです。
Commented by suz at 2007-07-27 19:34 x
すごーい!まずこのアイデアを思いついてカタチにするところが素晴らしい!あとから、こんな風にも使える、こんなのもって思うのは簡単なんだけどなー。
難しくない技術で楽しいものを作って魅力を伝えるという点では、彼女たちはサイエンスコミュニケーターでもあるなーと思いました。
元気が出ました。
by stochinai | 2007-07-26 22:05 | スマイル | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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