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年収300万円の豊かな暮らし

 今朝の朝日新聞に、特集「10年後」という連載の5回目として、脱サラ・コメ農家の戸辺秀治さんという方のインタビュー記事が載っていました。

 「日本一高い」と評判のコシヒカリ(5キロ1万4700円)の生産をしている方なのだそうです。完全無農薬で機械は使わない人力農法で作っているのだそうで、そう考えると決して高くはないようです。

 「いざという時でも安全な食べ物をつくり、家族を守ることができるようにと始めました」という動機は、それほど珍しいものではないと思いますが、「私の田は70アール。人力では最初はきつかったですが、体が鍛えられ、安全なものを食べるから病気にもならず、安上がりですよ」とおっしゃる55歳はとても頼もしいというか元気づけられます。

 「昨年は肥料を使わず、収穫は16%伸びた。根がすごく張った。肥料がたりないくらいがイネも強くなります。人と同じですね」には、現場の人の強さを感じます。

 それよりなにより、感動したのは身の丈にあった生活を送っていることに自信を持っていることを感じさせられる次の言葉です。多くの農家の人が未来がないと嘆いているという記者の問いかけに答えて、
年収300万円の豊かな暮らし_c0025115_13362912.jpg
 米作りの収入だけでは生活できないので、副業とアルバイトをしているのですが、自分のことをワーキングプアと嘆くのではなく、生活を楽しんでいる様子が伝わってきませんか。

 都会では年収300万円だとギリギリの「苦しい」生活になってしまい、心までも貧しくなってしまいそうですが、なんだかうらやましさすら感じさせられるこうした生き方に学ぶことはたくさんありそうです。

 彼よりも高額の所得を得ている人で、「満足感が高く、食べるものがおいしく、お金がかからない生活をぜひやってみてください」という言葉を笑い飛ばせる人はどのくらいいるのでしょうか。私は負けている気がします。

 生きるということの意味を考え直させてくれる素晴らしい人(家族)だと思いました。

 きちんと取材してこういう記事を書いてお金を取るならば、新聞にも未来がないわけではないとも感じました。朝日新聞の小山田研慈さん、これからも良い記事をお願いします。
Commented by miw at 2008-01-05 15:52 x
うーん、お父さん以外のご家族がどう考えておられるのか・・・
そっちが気になりますね。

Commented by inoue0 at 2008-01-05 16:09
 紹介いただいた記事を読んで、ますます、
「ああ、もう、日本では穀物生産で生活するなんて無理なんだな」
という確信が深まりました。
 「日本一高い米」を作っていて、一戸でたったの160万円。
 副業といっても、農業関係ではなく、手製のモチ販売以外は、福祉施設での労働であったり、やっぱり政府から補助金の出ている博物館で働いてたりして、ようやく暮らせているのです。
 むしろ、稲作は放棄して(160万円は利益ではなく収入)、福祉施設などで働いた方がずっと儲かるはずです。
「心の豊かさが」ああ、そうではそうです。労働から得るものは金だけじゃない。しかし、いったん病気になったらどうするんですか?一戸が年収300万円では現代医療を賄えません。医療保険があるといっても、結局、その金は国民全員が連帯して支払うんだから。
 「清く貧しく」生きてきた時代は過去にあったけれど、その悲惨さを忘れてはならないと思います。「おしん」山形編でも衛星で見直してはどうでしょう。
Commented by 花見月 at 2008-01-05 23:56 x
今住んでるところより都会で、今得ている年収の半分以下で、つまり300万円ぐらいで、子供を2人育てて生活していました。必要なかったので、車もテレビも携帯電話も持ちませんでした。必要なかったので、乗り物にもあまり乗りませんでした。必要なかったのでショッピングセンターで買い物もしませんでした。ましてやデパートなどでは。途中病気もしたし、出産もしましたが、とくに不都合もなく、幸せに暮らしていました。ボランティアなどもやっていました。inoue0さん、案ずるよりやってみるが安です。実践してみなくっちゃ!
Commented by 貧しさは心の問題 at 2008-01-06 00:59 x
仮に年収が1000万あっても一億あっても、病気、災害、火事、事故、考え出したらいくらあっても足りません。300万の収入で充実した幸せな生活を送っている人には勝てません。清く貧しくといいますが、年収一億でも、明日の病気や災害や株の損を考えてびくびく暮らしている人の方がよっぽど貧しい生活ではないですか。
Commented by 心を豊かに保つのはよいですが at 2008-01-06 02:45 x
バイオ系のアカデミック関係者については年収500万円+研究費1000万円/年ではとても不足だと主張している(それは正しいと思います)一方で、こういう貧乏賛歌みたいなこと書かれてもちょっと納得できないような…精神論は基本的に自分たちに向けて言うべきもので、他人に押し付けるのはどうかという気がします。とくに社会的に地位のある人(大学教授など)が言う場合は要注意。stochinai先生が善意の方なのは理解しているつもりですし、元記事の戸辺さんは立派だと思いますけど。
Commented by 海月 at 2008-01-06 03:00 x
300万-240万=60万円。55歳で子供二人がいて大学生だった場合、子供の学費や生活費の援助はほとんどできない。結果、子供たちがアルバイト漬けになって勉強や大学生活に色々制約ができた時、子供たちはどう思うのだろう。妻も夫をどう見るのだろう。。。。
Commented by inoue0 at 2008-01-06 05:30
 記事にあるとおり、消費支出は年間240万円。家族が5人いるので、所得税や住民税はかかってないでしょう。しかし、地域によって異なりますが、家族5人いる場合は33万円程度の健康保険料がかかります。さらに消費税、公共料金などを考えると、カツカツです。
 しかも、こういう低所得家庭が一部であるなら、所得再分配でなんとかやっていけますが、大半の家庭がこうなると、もはや社会保障も社会資本も維持できなくなり、生活水準は低下します。
 「一部の人だけが清貧な生活」は可能でも、それは高所得者のおかげなのです。立派でもなんでもないですよ。やむをえず低所得であるなら仕方がないが。
Commented by inoue0 at 2008-01-06 05:49
>仮に年収が1000万あっても一億あっても、病気、災害、火事、事故、考え出したらいくらあっても足りません。

 「安全学」という学問を村上陽一郎は提案しています。今や現代人は飲み水の確保や排泄物の処理までもアウトソースするようになった。「安全」もまた個人の基本的人権であり、社会が保障すべきものであるというのです。
 その思想に私は基本的には賛成します。しかし、「社会が安全を保証する」ためにはコストがかかるのです。誰が負担するのですか?一戸300万円程度で保証される「安全」は、その程度のものでしかないでしょう。
 戸辺秀治さんは、他人の支出で自分の「安全」が保証されていることをどれだけ意識していらっしゃるのか。
 どんなライフスタイルだって選択は自由です。しかし、「自分はそのモデルケースになりたい」だの「地方への移住者が増えて活性化につながるでしょう」だのといった発言をみると、経済というものをまったくわかっていないようです。みんなが同じことを始めたら、清貧な暮らし「すら」できなくなる。
Commented by 海猫 at 2008-01-06 05:56 x
ぜいたくをしなければやっていける、と言う一方で作っているものはぜいたく品のコシヒカリ。他の人が彼に倣ってつつましやかな生活をすれば、贅沢品であるコシヒカリは売れなくなる。結局は、コシヒカリというものを通した所得再分配の享受を受けようとしているだけなのかもしれない。
Commented by ui at 2008-01-06 06:04 x
外国との輸出入のやりとりのようなものなのかもしれませんね。相手にはたくさん輸出するけど、こちらへはまったく輸入しない。こちらの国の人はお金が入って潤うけれど、相手の国は他のところでお金を稼がないといけない。そういう関係をつつけていられるのは、相手国が寛容である(相手に依存している)場合だけ。
Commented by inoue0 at 2008-01-06 07:22
 農業者がタダ同然で使っている農業用水や農道は誰が作ったのですか?人力とモッコとツルハシで作ったのでしょうか?物流は牛車でやってるのですか?
 有機肥料のみで、化成肥料なしでも収穫できるのは、窒素固定を過去に工業的に行った蓄積があるからであり、かつてはチリ硝石が人口の上限だと考えられていました(マルサス)。
 農薬を使用しないと、反収は良くて7割、地域や年度によってはゼロになります。コシヒカリはイモチ病に弱く、決して病虫害に強くありません。
 肥料不足や農薬不使用で反収が低くても、ある程度収入が得られるのはブランド米だからです。5キロ14700円。私の食べる米は5キロ1680円です。
 70アールあれば、現代農法ではコシヒカリなら10アール約10表で、70俵取れます。ところが20俵しか出荷していない。自宅消費や縁故米もあるといはいえ、明らかに収量は少ないのでしょう。工業から得られる莫大な農業基盤整備がなかったら、さらに収量は落ちるはずです。

 そんな都市生活者の贅沢と、巨大工業社会の恩恵にタダ乗りした上で、「300万円でも人は生きていける。他人にも勧めたい」などと主張する人をポジティブに紹介する朝日新聞の見識を、私は疑いますね。
Commented by stochinai at 2008-01-06 11:25
 私がこの記事を読んで感じたのは、年収200万円以下の労働者が1000万人を越えている今の日本で、年収を500万円以上ないと幸せになれないのだとすると、多くの人には決して幸せになれないという現実を前にして、「そんなことはない」たとえ金持ちを「だまして」コシヒカリを売りつけたり、足りないお金を稼ぐためにアルバイトしたり、生活を工夫したりということは、貧乏ならば誰でもがやっても良いのではないか、そしてどうせやるならばそれを楽しんだ方が良いのではないかということでした。

 inoue0さんなどがおっしゃることは世界の社会体制(グローバリゼーション)が改められなければ変わらないということで、それでは今この時代を生きている人は救われないのではないかと思うのです。

 それで、とりあえずどんなことをしてでも300万円をかせげば今の時代でも何とか生きていける、しかも人生を楽しむことだって「可能」なのだというサンプルとしては貴重な実例だと、確信しています。

 どうでしょうか。
Commented by inoue0 at 2008-01-06 11:54
 stochinaiさま。
 「伊藤家の食卓」のような生活の知恵としてご紹介なさったのなら、了解しました。話を広げて申し訳ありませんでした。

 私は森永卓郎みたいなことを言ってるのかと思いました。「みんなが年収300万円で耐久できればナントカなる」と彼は言うのです。
Commented by stochinai at 2008-01-06 12:43
 inoue0さん、コメントありがとうございました。私も300万円と聞いて森永さんの本「年収300万円時代を生き抜く経済学」を思い出しました。みんながそうなるからあきらめろ、とは私も全然思っていません。

 いろいろな方のコメントを読んでみて、最初に書いた私のエントリーだけを読んだだけでは、必ずしも私が言いたかったことが伝わらないことを反省しております。ただ、逆にそうしたいろいろな感想で出てくるという意味で、最初に引用した新聞の記事はそれなりに意義深いものだとも思っています。
Commented by 小市民 at 2008-01-06 14:37 x
できる事なら誰でも収入を多く得たいが、それが難しい時に、仕事の工夫をしながら明るく生活する例を紹介する当記事に感銘を受けます。

[心を豊かに保つのはよいですが]さんのコメントの感想
> 精神論は基本的に自分たちに向けて言うべきもので、他人に押し付けるのはどうかという気がします。

記事の中に、「他人に押し付ける」ような箇所は見当たりませんが。

> とくに社会的に地位のある人(大学教授など)が言う場合は要注意。stochinai先生が善意の方なのは理解しているつもりですし、

意見が相違する時に、上記は良い言い方ではないと思います。どんな話題にもそれなりの反対意見があり、上記が真ならば、stochinai先生は一言も言えなくなりそうです。

ところで評判のコシヒカリ(5キロ1万4700円)と新聞紙の[米一俵(60キロ)あたり平均8万円で譲ります](5キロ6700円弱)と二つの数字がありますが、もし両方とも真ならば、戸辺さんはどこかで盛られていませんか?
Commented by miw at 2008-01-06 16:22 x
朝日はとってないので、原文はよんでません。
でも、ぼくはこの記事はいい加減だなと思います。

”みんなで幸せになろうよ”って感じの記事ですが、
その方法は”みんなで貧乏になろうよ”だし。
Commented by enceladus at 2008-01-06 22:33 x
 年収300万円で「苦しい」とかそんなことを言うと、四丁目の角から赤木くんが来ちゃうぞ!
http://news.livedoor.com/article/detail/3449968/
 
 それにしても、顧客が数軒て貴族のパトロン付きの芸術家じゃないですか。あんまり気分のいい暮らしじゃ無さそうだ。
Commented by 金ではなく人が社会をつくる at 2008-01-07 00:20 x
金持ちがなぜ金持ちなのかを考えたら、収入の少ない人が社会や金持ちにただ乗りしているとかいう批判が全く的外れであることがわかるのではないですか?実際に社会を回しているのは底辺層なのですから。金は人を動かすための道具にしか過ぎません。
Commented by ポスドクX at 2008-01-07 01:01 x
確かに「貧乏人が金持ちにただ乗りしている」みたいな意見は
貧乏人には愉快なことではありません。
Commented by S at 2008-01-07 03:06 x
日本の金持ちを見ると「なぜドネーションやチャリティーにお金を回そうとしないのだろう」などと思ってしまいます。

しかし、これまで親の金や奨学金で学問をおさめることができたことを考えると、現在は正真正銘の貧乏人である私も、結局は社会の他の皆様のお金でここまでこれたのだなあと居心地の悪いような妙な気持に襲われます。

いつかまともな仕事にありつければ、「これで社会に貢献できる」という前向きな気持になれるのでしょうが。

もちろん、今の仕事だって、それなりに社会貢献しているわけですが、結局、世間の人間を判断する基準は、収入なのです。人柄も重要な要素ではありますが、それなら、どうして親に反対されて結婚に踏み切れなかったり別れを告げられたり婚約解消されたり自殺に走ったりするポスドクや非常勤講師が後を絶たないのでしょうか?

世間の目をはねかえすほど楽しく貧乏暮らしをエンジョイすればよいのでしょうが、人間は社会の中で生きているので、なかなかそこまで吹っ切れません。




Commented by S at 2008-01-07 03:07 x
また、同じ貧乏でも、この記事に挙げられている農家の方と非常勤(または任期付き)研究職の立場は、「自分の仕事へのプライドが保てるか否か」という点で非常に隔たりがあるように思われます。

記事にとりあげられている戸部さんは、「日本一高い」と評判のコシヒカリの生産者として社会的に認知されている。また、昔サラリーマンだったことから、「社会性はある(まともな人間である)」と世間に受け取られやすい。

かたや多くの低所得博士持ち研究者は、特に社会的にその価値を認知されることもなく、研究室では使い勝手のよい低賃金労働者として扱われ、研究室の外では投資したわりには回収率の悪い高学歴者と見下される。しかも、その多くは会社などに属したことが無いので、「社会性が劣る」などと嘲笑されているのです。 すると、はじめのうちは持っていた研究や学問や教育に対するプライドも次第にズタズタになっていきます。

世間に嘲笑されてもプライドを保って楽しく生きる境地を目指す・・・。院卒とはかくも厳しい修行なのですね。私は解脱には程遠いです。
Commented by コメント at 2008-01-07 03:25 x
>>ポスドクxさん
> 「貧乏人が金持ちにただ乗りしている」みたいな意見は
> 貧乏人には愉快なことではありません。

確かにそのとおりだ。でも、俺もポスドク時代に会社員に
「院生なんて半人前、会社員の俺たちにただ乗りしている」
みたいなことを、よく言われ、随分嫌な気分になったものだ。

職に就き、それなりに収入が得られる様になり、立場は逆転。いま、
「貧乏人が金持ちにただ乗りしている」
みたいな書込みに、会社員が反応しているのをみて、滑稽だと思う。
会社員の院生に対する書込みと、言い方は違うが同じことだから。
Commented by コメント at 2008-01-07 03:36 x
例えば、”金ではなく人が社会をつくるさん”の書込みを
収入の少ない人→科学、基礎研究
社会や金持ち→日本の繁栄
に変えて、少し書き直すと、
「日本が何故、繁栄したかを考えたら、科学や基礎研究が、ただの無駄使いという批判が全く的外れとわかるのではないですか?
実際に日本を繁栄に導いたのは科学技術なのですから。」
となる。でも、こんなことを、書いたら、”無駄な研究なんて止めちまえ”
みたいな書込みが会社員からたくさんあったな。

自分たちが”ビンボー人”として、同様の批判にさらされたら、
”世の中は金ではない”みたいなことを言い出すのか。滑稽だな。
Commented by inoue0 at 2008-01-07 08:53
 話の発端を作ってしまった者として、フォローしますけれども、低収入でもこんな豊かな暮らしができるという事例を紹介することは、新聞の話題としてはアリでしょう。
 どんな人でも、他人に依存しあいながら、社会が動いている。小学生でもわかる理屈ですね。日本一高いコシヒカリを作る人も必要なら、ポスドクも小説家も音楽家も医者も風俗嬢も必要です。
 しかし、あまりにも特殊な人を紹介して、「10年後」だなんて書くのは、強引すぎるという感想を持ちました。同じ職種の人が2倍に増えただけで、供給過剰で破綻するんですから(ポスドク業界もそうなってるし)。
Commented by pgr at 2008-01-08 00:27 x
大学の先生って頭使わないお仕事なんですね。
それとも単に頭悪いのでしょうか。

高校生(18歳)
Commented by stochinai at 2008-01-08 00:48
 はははは、このコミュニケーション力(自分の言いたいことを伝える能力)のなさはなんとかしないとダメですね。高校生なら、今からがんばればなんとかなります。精進してください。
Commented by 寝島 at 2008-01-08 00:58 x
さあどうでしょうか。一度ネット上で嫌がらせのような悪戯をしても何のおとがめも無いと覚えてしまった今時の中学生高校生が社会人になる頃の日本は、誰も見てない夜の赤信号でも人が止まる、いまの日本とは違ったものだと思いますよ。

ある子が近所のガラスを割っても罰せられず、次の日にいくと刺激されたよその子によって他のガラスも割られている事を見るとします。この街区はスラム街となり、この子はきっと犯罪者になる確立が高いでしょう。
Commented by コメント at 2008-01-08 04:13 x
随分辛辣な事を書き込んだが,俺は大学教員ではない.
念のため..
Commented by てんちゃん at 2008-01-08 14:04 x
この記事の要点は、
「収入の少ない生活でも満足している人がいる。そうしたい人はそうすればいいことあるかもよ」だと思う。全員がそうなればいいとか、そうでない生活を否定するとか、そういう類いのものではないですよ。そう目くじら立てることでもない。「モデルケース」という言葉に反応して社会論をぶつのもどうだろうか。個人論としてもどうしてもできない受け入れることが出来ない、というレヴェルでもないと思いますね。
Commented by stochinai at 2008-01-08 14:24
 私もそうだと思いました。
Commented by msx at 2008-01-09 08:45 x
>うーん、お父さん以外のご家族がどう考えておられるのか

期待のプロ棋士(戸辺誠さん)
http://blog.livedoor.jp/matunoyma_sato/archives/50461653.html

マスコミに追われる(こだわりの戸邊秀治さん)
http://blog.livedoor.jp/matunoyma_sato/archives/cat_10008389.html

まったく、おせっかいが多いな。
正真正銘の魚沼産コシヒカリがほしいって客が多いんだからそれでいいんじゃない

>農業者がタダ同然で使っている農業用水や農道は誰が作ったのですか?人力とモッコとツルハシで作ったのでしょうか?物流は牛車でやってるのですか?

この辺の棚田なら山の雪解け水でしょ。そんなムキになってキイキ言うほどのことか?

物流コストは売り手と買い手の問題だろ。それとも農産物(農家)の移動に道路を使わせたくない?

>有機肥料のみで、化成肥料なしでも収穫できるのは、窒素固定を過去に工業的に行った蓄積があるからであり、

なんか、変なこと言ってるな。歴史の教科書が書き換わるか?
Commented by msx at 2008-01-09 09:19 x
朝日が取り上げたというのが気に入らないというのであれば
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20071102/139544/
Commented by inoue0 at 2008-01-09 09:57
 わかってないな。
 農業のインフラは農業の利益から出ているのではなく、他産業から得られる利益で、おんぶに抱っこの形で作られ、維持されているわけで、直接的な補助金以外にも莫大なコストがかかっているのに、低コストで作れるのは自分の工夫だなんて、思い上がりもいいところだと言いたいわけですよ。
 水が自分で流れてくるのか?水路を自分で掘削したのか?

>歴史の教科書が書き換わるか?

 あなたは農学の教科書の1冊でも読んだのですか?でなければ書き換わるもなにもない。窒素源が収穫量の上限を規定するって問題は19世紀に真剣に議論されてました。
Commented by ポスドクX at 2008-01-09 12:48 x
元の記事をみると「思い上がりもいいとこ」という強い非難を
浴びせるほどの箇所がどこにも見あたらないのですが、
なぜそんなに大声をあげているのかよく分かりません。
Commented by A at 2008-01-09 13:27 x
社会が用意したインフラに乗っかているとしても、そういった隙間(ニッチ)を見つけてうまく嵌るのは「才覚」だと思います。ただ、自慢するほどのものでもなく、多くの人が真似するべき仕事でもないと言うのはそうでしょう。

この記事におけるメッセージというのは、こう言ったニッチを見つけることができれば、自分一人くらいの居場所は作れますよ、だから、視野を広くして、自分自身の居場所を探してみたら、自分の望む生き方を選択できるかも知れませんよ、ということだと思います。これ自体は悪くない考え方だと思います。
Commented by てんちゃん at 2008-01-09 14:03 x
> 水が自分で流れてくるのか?水路を自分で掘削したのか?

こういうのは「農業インフラ」というコストを持ち出すための、我田引水だと思うなぁ。だって、自分で用水路作ったかもしれないよ。うちの母だって、ユンボ使えるしねぇ。
「疑問符」付の論理展開ではaudienceが納得しないと思います。

だいたい、社会が用意したインフラに乗っかるのは、了解事項でしょう。
7Kmの通勤路を徒歩で通っているけど、歩道、信号機、ガードレールの整備によって、安全に歩行している。そして、健康に生活出来ている。僕は、お前の健康法は、多大な社会的コストの上に成り立っている、と非難されるのだろうか?
Commented by akihiroino at 2008-01-10 09:23
 「物には限度がある」という言葉があります。
 日本の農業の総生産高はたかだか8兆3千億円それに使われている補助金、公共事業費は国だけで3兆円。たったの1.8倍のGDPしか生んでいないのです。地方農業予算も計算に入れれば、さらに効率は下がる。
 これだけ多くの補助金が突っ込まれて、それでも日本の農産物は世界一高いのだから、結局、農業をやること自体が「贅沢」なんです。
 遊歩道やサイクリングロードを作るような金なんてビビたるものです。文部科学予算をご覧ください。地方含めても、数十億円ってところです。
Commented by M at 2008-01-10 10:02 x
農業関連の補助金は、国防費や社会保障費の一種だと思ってます。そのうち世界中で食料、資源の取り合いになるでしょうから。小学校で習った時の世界人口が、今では倍以上ですし。
Commented by akihiroino at 2008-01-10 10:53
>農業関連の補助金は、国防費や社会保障費の一種だと思って
 食料安全保障論って、よくある誤解です。
 それじゃ石油は?鉄は?石炭は?
 石油や鉄は国内で産出しようがないから仕方がないが、石炭は無理すれば自給可能です。北海道や九州に十分な炭鉱があります。
 でも、コストが引き合わないから、全部閉山したでしょ?それで浮いた金を別方面に回したんで、経済が発展して豊かになった。
 食料も同じであって、自給は人口と農地との関係で絶対に無理なんで、最初から輸入を前提に安定供給先の確保をした方がいい。

 簡単に数字を挙げると、カロリー自給率が70%あった1960年の人口は1億人ですが、現在は1億2700万人。そして、食事の内容は米をあまり食べない構成になっています。
 60年当時の食事構成に戻しても、人口が増えているから、自給率はどうやっても50%そこそこしかありません。輸入せざるをえない。

>資源の取り合いになるでしょうから。

 だからこそ、農業や水産業なんかは切り捨てて、GDPを増やし、経済力を高める必要があるんですよ。金で買えないものなんかないんだから。
Commented by akihiroino at 2008-01-10 11:07
 「世界全体が突然凶作になる」ことは、隕石でも降ってこない限りありません。凶作地帯もあれば豊作地帯もある。
 しかし、日本全体が凶作になることは、ままあるのです。江戸時代の飢饉がそれですし、最近では93年に米が足らなくなった。
 では、なぜ日本人が飢えなかったのか?輸入したからですよね。但し、日ごろは輸入してなかったので、日本向けのジャポニカ米は手に入らず、インディカ米で我慢した。
 日ごろから、分散して輸入してれば、ジャポニカ米を食べられただろうに。しかもずっと安いコストで。

 大体、石油やウランの確保の方が、国民の安全保障にとってはずっと致命的です。エネルギーさえ確保できていれば、肥料も農薬も作れるし、農業機械も動かせますが、エネルギーなしには食料生産さえできない。
 件の農民が機械を使ってないといっても、耕作に直接使ってないだけで、灌漑や輸送には機械は不可欠です。肥料も絶対に必要。1年や2年、肥料なしで収穫できたといっても、ずっと続けることはできない。

 自由貿易によって国際分業を行って比較優位産業に特化して、もっとも国を安全かつ豊かにするのです。
Commented by でめきん at 2008-01-10 16:46 x
これから何十年、百年とその外貨を十分稼いで行ける保証はどこにあるのですか?
農業は安全保障の一部であるということを理解されているのでしょうか?

もうすこし長期的な展望ももたれた方が良いかとおもいます。

もしかしてakihiroinoさんの職業はポスドクですか?
Commented by alchemist at 2008-01-10 16:57 x
どれだけの効果があるのか良く存じませんが、栽培農業を二酸化炭素削減策の一つと考えることは出来ないのでしょうか?
Commented by akihiroino at 2008-01-10 19:24
>栽培農業を二酸化炭素削減策の一つと考えることは出来ないのでしょうか?

 alchemistさんとも思われない発言ですな。
 炭酸ガス削減が植物によって行われるには、シベリアの泥炭層のように、枯死物が分解されずに堆積していく必要があります。あるいはアマゾンのように、生物としての現存量が増えていくとか。
 農業は、毎年、収穫して更地に戻してしまうので、同じことの繰り返しです。何も変化がない。
Commented by akihiroino at 2008-01-10 19:59
>これから何十年、百年とその外貨を十分稼いで行ける保証はどこにあるのですか?
 そのために劣位産業を捨てて特化する必要があると書いてるんです。リカードの比較生産費説ぐらい高校の教科書引っ張り出して読んだらどうですか?
>農業は安全保障の一部であるということを
 江戸時代の日本は自給率100%でしたが、恒常的に飢饉に見舞われてましたよね?なぜですか?人口過剰?2000万人ですよ。
 太平洋戦争末期に飢饉になりましたが、あれって農業を軽視したからですか?機雷封鎖されて鎖国状態になってしまったからじゃないですか。
Commented by 小市民 at 2008-01-10 23:17 x
昔は昔の農業事情、現代は現代の農業技術。両者は文字通り同日に語れないと思います。

食は人間の基本。農地があるのに農業をしない国は聞いた事がありません。
農業以外を発展させたいなら発展させても良し、農地があるなら農業を発展させても良し。フィフティ・フィフティ。バランスが大事。
Commented by ProDoc at 2008-01-10 23:31 x
ぼくの友人は、大学を卒業してから10年以上マスコミや出版広告関連の仕事をしてきましたが、最近農業に転身しました。
彼は、「カネ(金融)とか言葉(情報)の世界は虚業だ。生きている実感を得るには、大地の恵みを感じて農作物を作ることだ。」と熱く語っていました。
愛国心とは、自分達を育んでいる大地(自然)の暖かみ(厳しさと優しさ)を実感するところから始まるのだと思います。決して、「経済大国」や「美しい」などという言葉(観念)ではないのです。
ちなみに彼の畑は無農薬です。
Commented by でめきん at 2008-01-10 23:52 x
リカードの比較生産費説を根拠に、農業を放棄するリスクはあまりにも高いと思いますが。。。。勇気ありますね。
弱肉強食の世界がお好きなようですが、教科書どおりにはいかないのが現実ではないですか。
業績があるからといってアカポスにつけるわけではないように。世の中は理不尽なことであふれていますから、より安全な道をよりたくさん用意しておくのは当たり前な事だといいたかっただけです。劣位産業を捨てて特化したからといって、うまくいくとも限りません。政治的な力も働けば、戦争、天災など予期できない事がたくさんあります。
農業をたいへん軽視されているようですが、一度途絶えさせると復旧はかなり難しいですよ。とくに稲作については。

ずいぶんと農業を酷評されていますが、理屈だけではないものを感じます。akihiroinoさんのご職業にたいへん興味がありますので、支障がなければ教えてください。
Commented by msx at 2008-01-11 00:07 x
辻元さん - 2005-08-11 21:14
http://shinka3.exblog.jp/2479897/

Commented by akihiroino at 2005-08-11 22:53
akihiroino=inoue0ですが、続けます

akihiroino=inoue0=小池田君
Commented by msx at 2008-01-11 00:07 x
池田信夫 blog
Inoue site:http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/

池田信夫 blog 環境省にとって不都合な真実
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/1c3853529fcf69961723f74b11dd1060
池田信夫 blog 食料自給率という幻想
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/dc1ed23cfded932bbfe48b6e39058e5e
池田信夫 blog こうすれば農水省は廃止できる
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/494a8e58b04842880c1862a561b3a400
池田信夫 blog 民主党は「松岡利勝」になるのか
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/3aa844e37322d40ad5d539aa3d3b3d34
Commented by msx at 2008-01-11 00:08 x
大石英司の代替空港
Inoue site:http://eiji.txt-nifty.com/

大石英司の代替空港: 日本の農業は末期癌状態
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2007/10/post_ee21.html
大石英司の代替空港: エコフィード
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2007/11/post_e365.html
米経済に秘策ありや
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2008/01/post_8dc0.html
Commented by msx at 2008-01-11 00:09 x
ブログ時評 - 団藤保晴
inoue0 site:http://dando.exblog.jp/

敢えて一石を投じてみた理由
http://dando.exblog.jp/7836339/
専業農家の救出を急がねば稲作は崩壊
http://dando.exblog.jp/7826917/
Commented by コメント at 2008-01-11 00:13 x
国民が死なない程度の農作物を自給することは必要だろ。

食料を輸入に頼る国は、国力も弱い。

武器や金や技術があっても、国の周囲が封鎖され、兵糧攻めに
されたら、それで終わり。

これじゃ駄目だろ。

新聞記事の手作り農法は、支持する気は無いが、農業は大事。
Commented by akihiroino at 2008-01-11 01:13
農業って石油がないとどうにもならないだろ?
周りが封鎖されたら石油もウランも手に入らないだろ?
農業は大事だが自分がやる必要はないだろ?
医者は必要だけれど、自分がやる必要がないのと同じように。
Commented by akihiroino at 2008-01-11 02:02
>一度途絶えさせると復旧はかなり難しいですよ。とくに稲作については。

 北海道や九州の炭鉱が閉山するときにも、同じ理屈が反対派から言われてましたよ。「炭鉱を一度閉山してしまうと技術が伝承できなくなって、エネルギー危機に対応できない」とかね。
 現代の日本に必要不可欠なものは食料だけではないのです。農業擁護論は要するに情緒論なのです。日本人の原風景を守りたいというやつですね。私はそれは共感するんだけれど、コストの問題を考えると、せいぜい、天皇陛下が田植えをするのを見るぐらいで満足しておくべきじゃないかと思います。
Commented by コメント at 2008-01-11 02:39 x
あの、石油が不要なんて書いてないのだが。。。

「石油も、食料も、海外に頼る国」と、
「石油は海外に依存するが、食糧は自給する国」
経済封鎖されたら、どちらが、より困るか明白だろ。。

実際に、先進国は食料自給率を一定の水準以上に保っている。。
各国はそれなりにコストを掛けても、自給率を維持している。
Commented by akihiroino at 2008-01-11 03:23
>先進国は食料自給率を一定の水準以上に保って
 それが可能なのは農地が広いから。日本の地形は、欧米諸国とぜんぜん違うんです。米国と違うってのはみんな知ってると思うけれど、独仏英とくらべてすら、農地は狭い。人口あたりで、独の3割しかない。
 地形ばかりはどうしようもないですよ。日本アルプスや関東の山地を削って平らにできますか?奥羽山脈を発破かけて崩せますか?ってレベルの話です。google mapでも使って地形を見れば一目瞭然。
 今の日本の人口と地形では、自給は絶対に無理。本気で自給したけりゃ、出生率をさらに下げて、1以下で1世紀ぐらい経過させると、なんとか西欧諸国なみになる。
Commented by S at 2008-01-11 09:53 x
経済学談義で盛り上がっているところ、全く違う話題の書き込みで、議論の流れに棹さします。すみません。

上で、私は、「確かに、低収入でも一人一人の心がけ次第で、心豊かに生活できるかもしれない。しかし、脱サラ農業者とポスドク・オーバードクターの違いは、その仕事に『誇り(プライド)』を持てるかどうかだ」という主旨の発言をしました。あまり反響は無かったですが(ここの方々には当たり前過ぎたのか?)。

つい最近、「なぜ大学院は学生を増やしたのか」のエントリーに書き込まれた「食い詰め博士」さんのコメントは、私の考えを裏書きする、現場からの声です。ご一読ください:

http://shinka3.exblog.jp/7183356/
Commented by T at 2008-01-11 10:51 x
脱研究農業者はプライドもてないの?
Commented by S at 2008-01-11 11:22 x
Tさん

脱研究農業者だったらプライド持てると思います。自らの強い意志でそう決断したわけですから。

一方、PDやバイトドクターは、今の仕事に満足していません。PDは今の仕事が将来の研究職につながっていくかもしれないと思うことで、かろうじてプライドを保っていることが多いですが、バイトとなるとそうはいきません。

「雇われPDでもバイト君でも、研究者(あるいは立派な社会人)だ」と自ら強く思えばよいのでしょうが、毎日の雑務や経済的不安に加えて、周囲の目(高学歴のくせにいい年して定職についていないとは、やはりドクター持ちは使えない人間なのだろう)に常にさらされており、プライドを保っていくことは容易ではありません。海外はともかく、日本では。
Commented by S at 2008-01-11 11:43 x
補足: プライドというか、「PD/OD生活を自ら選んだ」という感覚がPDやODには少ないと思います。「研究者になる道を選んだ」という自覚はあるにせよ。特に30代半ば以上の人々には。 なぜなら、その世代以上の人々にとっては、PD・OD生活は「一人前の研究者になる前の一時的な状態」という位置付けであったからです。

それが、ここ数年で急速に状況が変化しました。これからドクターを取る人々は状況の厳しさを知った上であえて進学するのですから、PD・ODになろうとそこには自分自身の決断の結果という感覚があることでしょう。しかし、上の世代のPD・ODは、自分で責任が持てる以上のことに対して後から「自己責任」を押し付けられているのです。

それでも、もちろん、現状では、実存主義的にそんな状態をも「自ら選んだ」ものとして受け入れて前進していかねばならないのでしょう。しかし、世間や周囲の目は高学歴非常勤労働者には厳しいのです。
Commented by きりり at 2008-01-11 12:03 x
akihiroinoさん

米国には農業が不可能な砂漠地帯や極寒地帯が、日本よりはるかに多くありますよ。
日本の、荒れたまま放置されている耕作地や、人の入りも少ない大型ショッピングセンターの敷地、立体になっていない駐車場、といった土地を有効活用すれば、自給率はかなり上がると思います。

農学研究者ではないですが、農業は大事だと思いますね。。。
Commented by T at 2008-01-11 12:07 x
じゃあPDは農業をやればいいんじゃない?
Commented by at 2008-01-11 12:11 x
>Tさん
PDで農業やりたい人が農業やるならともかく、それ以外のPDにとってはなんの解決にもならんでしょ? 
Commented by T at 2008-01-11 14:31 x
脱サラ農業の人も最初から農家目指したわけじゃないのでは。
Commented by akihiroino at 2008-01-11 15:05
きりりさん。
 そんな細かい工夫でどうにかなるような差ではありません。人口あたりでの日本と米国の農用地(草地を含む)の差は、40倍あります。耕地に限っても20倍あります。同じような温帯の島国で人口稠密な英国ですら、日本の7倍の農用地を持ちます。
「農業経済学」(荏開津 典生)
Commented by 小市民 at 2008-01-11 15:44 x
akihiroinoさんの「農業不要論」は、一読者として説得力を殆ど感じません。
将来「国連」が地球を管理できる事になって、「軍備不要論」、「国境不要論」等が先に実現されたなら、「農業不要論」にも説得力があると想像します。

惜しいかな、akihiroinoさんは50年早く生まれたでしょう。
Commented by akihiroino at 2008-01-11 17:26
 それじゃシンガポールはどうなんでしょう。とっくの昔に農業を放棄してますけれども。
Commented by msx at 2008-01-11 17:29 x
資料

瀬戸際に立つアメリカのコメ
http://worldfood.apionet.or.jp/kuwabarafujihara.pdf
米っ子ZENさんのアメリカ米研修(前編)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~zenshow/RONBUN/USA1.pdf
Commented by alchemist at 2008-01-11 17:49 x
>農業は、毎年、収穫して更地に戻してしまうので、同じことの繰り返しです。何も変化がない。
なるほど、それで農水省あたりが稲わらなどを鋤き込んだらどうかと言ってるわけですね。では果樹園あたりはどうなんでしょう?やはり下草がない状態では効果が薄いのですか?
Commented by at 2008-01-11 19:23 x
http://lin.lin.go.jp/alic/month/fore/1996/aug/top-sp04.htm
シンガポールは農業捨ててないよ
Commented by qsat at 2008-01-11 21:10 x
akihiroinoさんは、国産のうまい農産物を食ったこと無いのかなぁ。
日本の農産物は工業製品並みに品質が良いと思いますよ。
それを捨てるなんてもったいなさ過ぎる。
土も水も豊かな場所で農業やらないなんてねぇ。
諸外国に比べたら農地は狭いのだろうけれど、国内の平地の大部分はまだ農地が占めています。この広大な平地を農業放棄後にどうするのでしょう。たとえば、荒廃させないために原生林並みの森林に戻しますか? もしそうするとして、そのためには百年単位の綿密な計画と管理とそのための人員が必要で、工業製品を売って外貨を稼いで賄いましょうか。そうやってノウハウが貯まるうちに農地を拓く人が少なからず出てくると思います。農業はそもそも自然を利用するものなので。農地を適当に配した植林地のほうが苗木の活着が良いともいいますし。それに日本人はうまいものを食うために知恵を絞って工夫するのが大好きです。
Commented by 鶏肋36歳PD at 2008-01-12 00:55 x
農業経済には疎いのですが、これだけの技術とリソースを持つ日本が農業を捨てるわけはないとは思います。日本の農学は、それほど底が浅いものなのですかね。
とはいえ、今後農業でやっていくには、大規模経営か付加価値を見出していくかのいずれかが必要になるとは思います。そのための工夫も努力も必要でしょうし、「年収300万円」で満足できるかどうかの問題ではないと思いますが。
もちろん、どの仕事でもあっても誇りを持てるならば、「年収300万円」で満足できることは、論を俟ちませんが。
Commented by msx at 2008-01-12 17:23 x
マルサス?

チリ硝石 - Wikipediaから左側のEnglishを選択

Nitratine - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Nitratine

It has been known since 1845 from occurrences in the Confidence Hills, southern Death Valley, California and the Atacama desert, Chile.

トマス・ロバート・マルサス - Wikipedia
トマス・ロバート・マルサス(Thomas Robert Malthus,1766年2月17日 - 1834年12月23日)はイギリス経済学における〈古典派〉の代表的経済学者、人口学者。リカードの親友で、かつ最大の論敵として知られる。

>有機肥料のみで、化成肥料なしでも収穫できるのは、窒素固定を過去に工業的に行った蓄積があるからであり、かつてはチリ硝石が人口の上限だと考えられていました(マルサス)。

なんで、マルサスがチリ硝石を知ってるんだ?
Commented by msx at 2008-01-12 18:22 x
輪栽式農業 - Wikipedia

>輪栽式農業(りんさいしきのうぎょう)とは、18世紀から19世紀にかけて西ヨーロッパで導入された耕作方式の一つ。イギリスではノーフォーク農法の名で知られる。

>小麦などの「冬穀」→かぶ・てんさいなどの「根葉類」→大麦・ライ麦などの「夏穀」→クローバーなどの地力を回復する性質を持つ牧草と、ローテーションを組んで耕作するのが特徴。それ以前の三圃式農業に比べ、穀類の作付は減少するが、根葉類やマメ科植物の作付が増加する。特にカブなどの栽培を導入したことにより、飼料不足が解決され、冬季の家畜飼育が可能となった。その結果、家畜の堆肥と牧草による地力回復により、休耕地を廃することが可能となった。
Commented by msx at 2008-01-12 18:23 x
農業革命 - Wikipedia

>農業革命とは、輪作と囲い込みによる農業生産の飛躍的向上とそれに伴う農村社会の構造変化を指す。特に言及がない場合は18世紀イギリスで起きたものを指すが、同様の現象は同時期の西ヨーロッパ全域で起きている。カブなどの根菜と栽培牧草を特徴とする新農法は、従来の三圃制では地力回復のために避けられなかった休耕地を必要とせず、農業生産の増加と地力の回復を両立させ、また一年を通じた家畜の飼育が可能となった。

>農業革命にて導入された輪作は特にノーフォーク農法の名で知られる輪栽式農業が有名だが、軽土質地域以外では牧草栽培期間を長くした改良穀草式農法が採用された。どちらも小麦の他に、クローバー、サインフォイン、ライグラスなどの地力を回復させる性質を持った栽培牧草と家畜飼料となるカブ、ジャガイモなどを生産した。

クローバーは窒素固定するな。
Commented by msx at 2008-01-12 18:23 x
窒素固定 - Wikipedia
>自然界での窒素固定は、いくつかの真正細菌(細菌、放線菌、藍藻、ある種の嫌気性細菌など)と一部の古細菌(メタン菌など)によって行われる。

>生物学的窒素固定はオランダの微生物学者、マルティヌス・ウィレム・ベイエリンク(1851年3月16日 ~ 1931年1月1日)によって発見された。

メタン菌も窒素固定するんだ、これなら、水田と畑では窒素の動態は異なる。
Commented by msx at 2008-01-12 18:39 x
W.Crookes卿

アンモニア合成法の成功と第一次世界大戦の勃発
http://www.tky.3web.ne.jp/~ashigal/ww1/topic/nh3g.html

原文著者=廣 田 鋼 藏
原文=現代化学1975年2月号に掲載

1898年にイギリスのBristolで行われた大英学術協会の集会で、W.Crookes卿が行った有名な会長演説は、以上の危機を感知した人々の声を反映したものと思われる。彼は説いた;……今年はマルサスが「人口の原理」を出版してから満百年であるが、今や窒素肥料の不足のため食料不足の時代到来が迫っている、そのため彼が警告した事態が現実化する恐れあり……と。そして解決策として、無尽満というべき大気中の窒素をアンモニア・硝酸またはそれらの塩に、何らかの方法で変化させることを提案し、その研究の緊急性を強調した。

1902年に空中電弧法がK.BirkelandとS.Eydeによりノルウェイで工業化され、1905年には石灰窒素法がA.FrankとN.Caroにより工業化された。
Commented by 小市民 at 2008-01-12 19:01 x
> それじゃシンガポールはどうなんでしょう。とっくの昔に農業を放棄してますけれども。

シンガポールは国の端から端までタクシーでおよそ20分、自然の河川もないので、60%の水を輸入に頼る都市国家だそうです。そうしますと「放棄」というより、農業をしたくてもできないと思いますが、草さんのリンクにもある通り、それでも健気に努力しているのは流石です。

旅行者曰く
「シンガポール旅行でびっくりしたのは日本産の野菜がたくさんあったこと。リンゴ、梨、胡瓜、茄子。。。」とてす。
日本の農業が無くなったら、シンガポール旅行でびっくりする事が無くなるじゃん。。。(笑)
Commented by msx at 2008-01-12 19:25 x
>エネルギーさえ確保できていれば、肥料も農薬も作れるし、農業機械も動かせますが、エネルギーなしには食料生産さえできない。

バイオ燃料農業が燐の消尽を早める 燐なしでは農業もバイオ燃料もないとブラジル専門家

農業情報研究所(WAPIC)
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/agrifood/agriculture/news/07121301.htm

まあ、人間の死体から取り出せばなんとかなるかも?
Commented by msx at 2008-01-12 21:01 x
環境バイオテクノロジー学会誌 Vol. 4, No. 2, 87?94, 2005

リン資源枯渇の危機予測とそれに対応したリン有効利用技術開発
http://www.jseb.jp/jeb/04-02/04-02-087.PDF
Commented by  M at 2008-01-13 08:08 x
アメリカ穀倉地帯の地下水、オガララ帯水層も大分減少したみたいです。私は少しだけ農地を相続する可能性がありますが、更に買い増ししておこうかと思ってますよ。核シェルターや自家用船も欲しいですね、、。
Commented by taro at 2008-01-15 10:01 x
農業経済学の本を読むと我々の発想が,いかに戦後の官僚が描いたプランに毒されているかわかりますよ。
世界の農業生産に対して,貿易額はごくわずかです。つまり農産物は余剰のものを売っているにすぎません。上の方で金で買えないものはないといっている人がいましたし,専門家でさえ世界のどこからも買えないことはないように友好国を増やしているといっているが,家族が飢えているときに友人に食べ物を分け与える人はいないわけで,世界的に食料が逼迫すれば食料輸入は途絶える可能性がある。すくなくともそのリスクを計算していない政策は,だめな政策でしょう。
Commented by taro at 2008-01-15 10:10 x
もうひとつ我々の毒されている誤解を,
「食料輸出国は広い農地で安価に生産でき,補助金を使っていない」と思いこまされているが,アメリカも農業補助金をざぶざぶ使っている。
価格保障の保険や,余った農産物を政府が買い上げて食料援助に使うなど,要は,「安く売らせるために農家に直接補助金をあたえる」のが世界のやり方。
日本は補助金で価格を上げる,世界の国は補助金で価格を安くして競争力を増す。
今は自民党も民主党も基本的には補助金の路線転換をめざしているようだが,高価格維持政策のおかげで生きてる農協などをいかにしてときふせて有効な制度改革が出来るか,ずるずる時間だけ過ぎて手遅れにならないことをのぞむ。

以上は主として山下一仁氏の論の影響を受けているのでぜひご一読を。
by stochinai | 2008-01-05 14:07 | つぶやき | Comments(83)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai