5号館を出て

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IT'S YOUR MONEY

 jabberwockさんのブログ「HERIKUTSUなる日々」に、「スポンサー意識の欠如という罪」というエントリーがあります。

 jabberwockさんがおっしゃるように、我々「多くの日本人は、『自分が税金を払っている国家のスポンサーである』という」意識は希薄だと思います。

 それは、国民の多くが税金を払う方法として源泉徴収を選ばされているからという事情もあるようで、我々は給料をもらう時に天引きされてしまったお金は、もらわなかったものと考えがちです。もらわなかった、あるいはもらえなかったお金はもともと自分のものではないと考えておかないと辛すぎるという、自己防衛反応なのかもしれません。

 それはさておき、冷静に考えると国が集めたすべての税金(NHKの受信料や、年金の保険料なども同じようなものだと思います)は、我々が国にサービスを委託する代金として支払われているものですから、もちろん国会議員や官僚が勝手に使って良いものではありません。使う時には、我々に許可を取ってもらわなくてはならないというのが、民主国家の大前提です。

 そのことを考えるたびに、ABCニュースのワールド・ニュース・トゥナイトの中で税金の使い方を監視するコーナーがあり、そのコーナーの最後にアンカーマンであるピーター・ジェニングスがいつも「IT'S YOUR MONEY」と言って締めくくるシーンを思い出します。アメリカ人にとっては、税金は使い終わるまで自分たちのお金であり、最後まで使われ方を見届けるという姿勢があるのだと感心するシーンです。

 我々は払う時から、税金は「もともともらえなかったもの」と思う傾向がありますし、税金を自由に使うのは「政府・議員・官僚・お役所の特権」だとあきらめている部分もあり、逆に減税でお金が戻ってきたら「ラッキー」と思い、たとえ明らかに不公平な使い方をしていることがわかっても、自分たちの利益になる税金の使い方をされたときには「しめしめ」と喜ぶ風潮の中に生きていることは認めざるを得ないと思います。

 しかし、最後に使い切られるまではIT'S YOUR MONEYなのだという認識は、やはり大切だと思います。

  スポンサー意識というよりは、「俺の金を無駄遣いするなよ」意識とでもいうものを持っていたいですね。

 でも、税金の使い道を監視するのって大変なんですよね。私は、そういうためにマスコミにもNHKにもお金を払っているつもりなのですから、事実関係くらいは責任持ってしっかりと監視してもらいたいものです。それが、わかれば我々だって意見を言えます。

 マスコミとブログとのいい関係はそうやって作っていければと思うのですが、どうでしょうか。
Commented by KEN-NYE at 2005-02-23 13:45 x
はじめまして。ジャバさんのところから飛んできました。

どうもね、都合のいいときだけ「自分の金」あつかいする傾向もありますよね。「自己責任で捕まった奴を助けるのに税金使うな」とか。自分は税金の恩恵受けてないのか、と言いたいです。

税金の恩恵を受けている部分も実感しつつ(日々使っている道路だって税金でできている訳だし、死なない程度に環境が維持されているのも一部は税金のおかげだし・・・)、その中できちんと「私たち市民の利益になる使い方がなされているか」を監視しないといけませんよね。
Commented by stochinai at 2005-02-23 14:25
 ですよね。
 財布から出ちゃった後でも、その金の使われ方に責任があるという言い方もできますよね。
 まあ、最後の最後まで自分の金だって言い張っていれば、いいのかもしれませんね。
 あなたのお金でもあり、私のお金でもあります、ですね。
by stochinai | 2005-02-22 14:32 | つぶやき | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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