5号館を出て

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素晴らしい対応(事務系礼賛)

 いつも大学の批判ばっかりしている私ですが、今日は思いっきり(?)褒めてみたいと思います。

 昨日の入学試験がJR事故の影響で2時間遅れになったために、日帰りを予定していたかなりの数の受験生が帰れなくなってしまうことになる事態を受けて、大学は急遽、航空券や、JR乗車・特急・指定券の変更や宿泊先の確保のために相談窓口を設置したのだそうです。

 しかも、1教科目の試験が終わった時点で受験生に対して、各種切符の変更の仕方や相談窓口を書いたプリントを配布したという迅速な処置があったようです。

 その時までに、北大当局は航空各社とJRに本来ならば変更不可能な受験パック旅行などを利用している受験生に対しても、無料で変更できるように交渉をしていたといいますから、なかなかの対応だったと思います。

 ホテルに関しても北大生協の協力で確保したといいますから、ほぼ完璧と言っても良いほど素晴らしい対応だったと言えると思います。

 ここからは想像なのですが、この処置に関しては事務系の職員の方々がかなりの活躍をしたのではないかと思われます。

 我々大学の教員というのは、ほとんどの人が研究には自信がありますが、教育に関しては義務だからやりますという程度の人が多いです。まあ、研究と教育まではなんとかできるのですが、それ以外のいわゆる「社会的活動」は苦手な人が多く、今回のような機転を利かせた対応というものはおそらく間違いなく事務系職員の方の主導および実働で行われたものではないかと思います。

 こういうことがあると、大学というものを動かすのに事務という存在がいかに重要であるかがはっきりするのですが、普段は大学というものの主役は教員・研究者であると思われているフシがあります。フシだけではなく、大学の運営方針を決めているのは教員を中心とした教授会や評議会です。今のところ学長も教員ですから、大学の運営は教員がやっていると言っても良いと思います。

 そして、去年まで公務員だった国立大学では、文科省から定員削減の命令がくると、まずは事務職員を削減するということを続けてきましたから、教員の減り方よりも事務系職員の減り方はずっと早かったのです。

 その結果、どんなことが起こってきているかというと、改めて言うまでもないことですが、会計処理や備品や薬品の管理などのさまざまなサービスを、教員自身でやらざるを得ないということになってきています。しかも、我々が自分でやると何がなんだかわからないだけではなく、時間もかかるし間違いも多いということになります。その分、研究や教育に割く時間も減ってしまいます。

 まさに、我々教員が自分の首を自分で締めているということなのですが、そういうことがここまで来てようやく気がつき始めたというところも間抜けな話です。

 人員の削減をしなければならなくなった時に、誰を削減するかということを決める組織が教員だけで構成されているといういびつな運営体制をとっている限り、教員と事務職員のどちらが優先的に削減されるかなどということは、中学生でもわかることだと思います。

 法人化した大学をうまく運営していくためには、事務系の職員も経営に参加していくしくみにしていかないと、単なる差別の問題だけではなく効率的な運営というものも期待できません。

 どうせやるなら徹底的にやってみませんかね、北大だけでも。
by stochinai | 2005-02-26 23:59 | 大学・高等教育 | Comments(0)

日の暮の背中淋しき紅葉哉            小林一茶


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