5号館を出て

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自殺が減らない

 警察庁が自殺統計を発表したので、各紙がいっせいに扱っています。中日新聞にわかりやすい図がありますので、転載させていただきます。(元データは警察庁発表です。)
自殺が減らない_c0025115_21434791.jpg
 いくつかポイントが指摘されていますが、なんといってもこの図をちょっと見ただけでわかる衝撃的な事実は、1998年に自殺者数が急増したことと、去年に至るまでずっと高止まっているということです。年齢別には「60歳以上が前年比8・9%(987人)増の1万2107人で、50歳代の7046人、40歳代の5096人がこれに次ぎ、中高年の割合が高い傾向」が続いているものの、読売新聞の記事によると、昨年はそれに加えて30歳代の自殺が6%も増えているのが特徴的ということです。
 昨年の自殺者を年齢別でみると、60歳以上が一昨年比8・9%増の1万2107人と最も多く、全体の36・6%に上った。50歳代は2・8%減の7046人だったが、40歳代は1・8%増の5096人、30歳代は6%増の4767人で、働き盛りの30~40歳代だけで全体の29・8%を占めた。20歳代は2・5%減の3309人、19歳以下は12%減の548人で、小学生は8人、中学生は51人、高校生は215人だった。男女別では男が2万3478人、女が9615人。
 政府も去年から「自殺総合対策大綱」を作って対策に乗り出したものの、自殺者はむしろ増加してしまいました。
 特に、見逃せないのが30歳代の自殺者が過去最多に上ったことだ。この世代は就職氷河期に社会人になったため、地方を離れ、大都市で不安定な生活を送っている非正規労働者なども少なくない。昨年は一昨年より東京で382人、大阪で289人、神奈川でも206人、自殺者が増え、国の自殺予防総合対策センターの竹島正センター長は「30歳代の自殺が増えた背景を考えるうえで、いわゆるワーキングプアとの関係についても調べる必要がある」と指摘する。
 話題のキーワードを安易につなげて解説してしまっているという気がしないでもないのですが、さまざまな理由で自殺しようとする人を止めるためには、なんでもやってみる価値はあるのだと思います。

 それまで自殺率が全国最悪だった秋田県は、県をあげて対策に乗り出した結果、自殺率を下げることに成功し、ワースト2位になったそうです。秋田県と言えば、小学生の学力テストが日本一になったり、博士を学校の先生に招き入れたり、いろいろなことを工夫してなんとかしようとがんばっていると思います。成功している例があるのならば、とりあえず見習ってみることは無駄ではないと思います。

 私などは、どんなに貧しくても苦しくても死ぬよりはマシだと思うように育てられた気がするので、なかなか自殺へ向かう人の気持ちを理解するのは難しいのですが、とりあえず河島英五の「生きてりゃいいさ」でも聞いてみて欲しい気がします。
自殺が減らない_c0025115_22114497.jpg

生きてりゃいいさ
http://jp.youtube.com/watch?v=jVij9LgYbJY
酒と涙と男と女
http://jp.youtube.com/watch?v=-4m1GPE35rg&feature=related
時代おくれ
http://jp.youtube.com/watch?v=mAPHSAoPE1E&feature=related
Commented at 2008-06-19 22:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by stochinai at 2008-06-19 22:59
 すみません。コピペの失敗です。直します。
Commented by たれぱんだ at 2008-06-20 20:58 x
こんにちは
たれぱんだと申します。

私も河島英五さんが好きです。
英五さんも30年前のライブのMCで、
社会問題について語っています。
「英五さんからのお願い」という題で、
私のHP版「てんびんばかり」に書いています。
http://eigo-hp.hp.infoseek.co.jp/
私は「てんびんばかり」「忘れもの」・・・
すべて好きです。
その想いをブログに書いています。
http://plaza.rakuten.co.jp/eigosan/
Commented by stochinai at 2008-06-20 22:12
 たれぱんださん、コメントありがとうございました。河島英五博物館ですね。死にたくなった時には、とりあえず一晩、彼のいろんな歌を聞いてみて欲しいと思います。そんな時に、自分が一緒につきあってあげられる友達でいられるといいのですが・・・。
Commented by ヨシダヒロコ at 2008-06-21 12:26 x
音楽は好みがありますよね。わたしは苦しくなると歌のないもの(クラシックとか)を好んで聞いていました。

「死にたい」と思わない人には分かりづらいと思いますが、「死にたい」と言い続ける人をサポートするのは本当に難しいです。自分まで流されそうになってしまうので。結局相手から電話を切られたり、友達づきあいを解消されてしまいます。健康な人はみんな忙しいんですよ。なので、自殺者が増えるのはわたしにはよく理解できます。

一応書いておくと、「死にたい」と言う人は自殺しない、と言う俗説はウソです。
Commented by ヨシダヒロコ at 2008-06-21 13:18 x
文章がちょっと分かりにくかったので。

>結局相手から電話を切られたり、友達づきあいを解消されてしまいます。

「死にたいと思っている人」が主語です。
Commented by stochinai at 2008-06-21 14:36
 身近に該当者がいる可能性がかなり高いという現実がありますので、応急処置と同じように最低限すべきこと、してはいけないこと、などについての知識などを一般の人々に普及させることも必要なのでしょうね。
Commented by ヨシダヒロコ at 2008-06-21 15:03 x
やっちゃいけないこと……「説教」ですかね。価値観の押しつけとも言います。
Commented by 通りすがり at 2008-06-22 00:23 x
下記に平成18年の死因の統計があります。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii06/deth2.html

驚いたのですが、20-39才の死因のトップが自殺です。
40-49才でも死因の2位になっています。

男女別の統計は出ていませんが、自殺は男性の方が多いので、男女別にしたら、おそらく20-50才まで男性の死因のトップは自殺でしょう。

諸外国で、こんな国はありません。日本は余程unhappyにしか暮らせない国なのでしょう。

戦前、満州事変以前に戦死し、靖国神社に祀られた軍神は12万4000人だそうです。

平和国家となった戦後の自殺者の増加分の方が、太平洋戦争期を除く戦前の戦死者数よりも、多いのです。

戦前、戦争で兵隊をコマのように扱い命を粗末にしたのと同様に、現代の企業は、従業員をコマのように扱い、自殺を促しているのかなと思いました。。
by stochinai | 2008-06-19 22:24 | 医療・健康 | Comments(9)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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