5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

中国での臓器移植90%のドナーは処刑囚

 前から噂されていたこととは言え、公式に発表されるとやはりショックです。

 日本語翻訳版 WIRED NEWS 「中国での移植手術、臓器の90%は処刑された囚人から」:『Lancet』が報告

 英語原版 WIRED SCIENCE China Needs to Rein in Out-of-Control Organ Market

 おおもとの情報はイギリスの The LANCET という医学雑誌で、オンライン版の Web focus というところで中国特集をやっています。読むためには、無料ですが登録が必要です。

 Government policy and organ transplantation in China

 それを見ると、中国は臓器移植の先進国であることがわかります。この図をごらんください。腎臓と肝臓移植の件数の年次推移です。
c0025115_214812100.jpg
 腎臓は万に届く数、肝臓も千を軽く越えています。日本では、臓器移植法がありますが、せいぜい年に10数例です。

 世界一の移植大国アメリカには及ばないようですが、あっさりと世界第2位になって、アメリカに肉薄する勢いになっています。あまり報道されることはないようですが、これを受けて中国で臓器移植を受けようと外国からの「移植ツアー」が大きなビジネスになっていたこともニュースで流れていた記憶があります。

 ところが、この移植臓器のドナーのなんと90%以上が処刑された死刑囚だというところで、大きな国際的非難を浴びています。さすがに、中国でもそれではマズイとおもったのか、2006年頃からドナーの同意を取ったり、脳死の診断をしっかりするようにという規制がかかるようになったようです。グラフを見ると、確かにそのあたりから臓器移植の例数が減ってきています。2007年にはようやく法律もできたようです。逆にいうと、それまでは法規制もなしに移植をしていたというのですから、考えるだけでかなり恐ろしいことです。

 規制がかかる前には600以上あった移植をする病院が今では、正式に許可されたものが87にまで減り、77が「仮免」で営業中だそうですが、1年間に4分の1にまで減ったのは歓迎すべきことでしょう。移植ツアーも公式には禁止されたようです。

 こういう倫理のグローバリゼーションは大歓迎です。
by stochinai | 2008-10-22 22:15 | 医療・健康 | Comments(0)

ひとくきの 白あやめなり いさぎよき     日野草城


by stochinai