5号館を出て

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カテゴリ:生物学( 348 )

 今日も一日曇り時々雨という天気でしたが、花は蜜や花粉を出しているようで、ハチは大忙しでした。

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 シャクナゲの花はマルハナバチ(セイヨウオオマルハナバチ?)に大人気です。

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 天気がすぐれないので、私の屋外作業は最小限となり、写真も少なくなりました。というわけでもないのですが、おもしろいニュースをご紹介します。あちこちで出ているのですが、これはBBCの科学ニュースです。


 両生類は恐竜などの爬虫類よりも先に地球上に現れていますが、現存のカエルやサンショウウオなどはごく最近になって進化してきたことは以前から知られていました。

 遺伝子を比較することで現存のカエルのほとんどのものが、いずれもごく最近(6600万年前以降)になって急速に進化してきたらしいことが示されました。

 上の記事の元ネタとなっているのがこちらのPNASの最新論文です。


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 この論文の中にあるカエルの系統図を引用します。

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 大きな図なのでわかりにくいかもしれませんが、左側に系統樹、右側にカエルの絵が書いてあります。系統樹の中の右よりのあたりに赤い点線がありますが、これが6600万年前のいわゆる中生代白亜紀と新生代古第三紀の境目にあたるK-Pg境界と言われるもので、現存のカエルのほとんどがこのポイントの後に分岐して出現してきていることが示されています。

 ご存知の方はご存知だと思うのですが、この6600万年前(6500万年~6700万年前)というのは恐竜が絶滅する原因となった巨大隕石が地球に衝突するという大事件が起こった時です。その時にできた巨大なクレーターは今でもユカタン半島に残っています(そのイメージ図がこちらで、これはBBCの記事からの引用です)。

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 両生類は恐竜よりもはるかに古くから地球にいたのですが、恐竜の時代には我々哺乳類の祖先と同様、両生類もあまり繁栄することはできなかったようです。それが恐竜がいなくなったことが直接原因かどうかわかりませんが、恐竜がいなくなる原因となった地球環境の大きな変化と恐竜という捕食者がいなくなったことこととが相まってカエルやサンショウウオそして我々の祖先の哺乳類そして恐竜の子孫の鳥類が繁栄する今の地球になってきたということのようです。

 最近の論文は一般の方向けに短い「論文の意義」を載せているものも出てきていますが、この論文にもありましたので引用しておきます。このくらいの英文なら高校生でも十分に理解できると思いますので、あえて解説しないでおきます。

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 論文にここまで解説されていると、科学コミュニケーターの出番はなくなるのではないかという気もしますが、BBCやScienceDailyの記事のレベルにまでしようとするとやはり科学ライターの存在は必要となります。

 そしてBBCのニュースにも載っていたアカメアマガエルの写真(下図)のような、話の本筋には関係がないけれども記事を人の目をひくデザインに仕上げるのもまたそういう人たちの仕事です。

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 科学者と市民をつなげる人の層はまだまだ厚くても、いろいろなレベルでその媒介をする余地のある領域だと思います。

 がんばりましょう。








by STOCHINAI | 2017-07-04 22:21 | 生物学 | Comments(0)
 北海道のキツネは俗にキタキツネと呼ばれることが多いですが、アカギツネ(Vulpes vulpes schrencki)の亜種なのだだそうです。情報はWikipediaからですが、写真もWikipediaからお借りしました。

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 北海道大学の増田先生を中心とする研究グループが新しい論文で、札幌市内および近郊に生息するキツネの集団構造を解析していました。

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 最近は少し少なくなってきたのですが、キタキツネは北大構内にも住んでいますが、ほぼ札幌中の住宅地のどこでも見られます。その集団がどういう遺伝子を持っているのかを調べるとその集団の交配の状況がわかります。

 著者らは2002年から2014年の間に交通事故死した578個体のキツネの死体を入手して遺伝子を調べました。北海道のキツネはエキノコックスに感染していることがあるので、まずはサンプルを取るために70%アルコールにつけた筋肉を70℃で3日間処理することでエキノコックスの卵を殺してから解析するというところが北海道のキツネ研究らしいところです(笑)。

 結果は極めて明快でした。

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 キツネの集団はJRの函館本線の北側集団と南側集団に分断され、さらに南側集団は豊平川の西と東でくっきりと三分されていると言って良い結果です。臆病なキツネは鉄道や太い川を越えるのは嫌なのかもしれません。

 さて、今日はおそらく今年になってはじめてほとんどマイナスの気温が記録されなかった一日だったと思います。

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 毎正時に記録されている気温はマイナスだと青、プラスだと緑の点で表されています。実は記録上は午前0時24分にマイナス0.2℃の最低気温が記録されているらしいのですが、ほぼそれは無視しても良いくらいプラスの一日となり、この時間になってもそれが続いています。

 これはチャンスということで昼頃に玄関前のカーポートの下とドアまでのアプローチのインターロッキングの部分にあった氷を除去してしまいました。

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 まわりはまだ結構厚い氷が張っていますが、カーポートの下だけはなんとかきれいになりました。

 そこから玄関までも処理しました。

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 この後、チラチラと雪が降ったりもしたのですが、積もることはなかったです。

 この先遅かれ早かれどうせ解ける氷や雪を無理やり割って処理するのは年寄りの証拠だと思っていましたが、どうやら自分もそういう領域に入ったということかもしれません(笑)。







by STOCHINAI | 2017-02-12 21:20 | 生物学 | Comments(0)

岡田節人先生没

 何年も前からあまり体調がすぐれないという話を聞いていたので、いつ訃報が来ても不思議はないとは思っていたのですが、やはりいざ届いてみるとショックなものです。(記事はもっとも充実している朝日コムから引用させていただきます。)

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 岡田先生のすごいところは、生物学だけじゃなかったところではないかと思い出します。クラシック音楽に対する造詣の深さや、麻雀が大好きというところや、洋服のセンスや京大へスポーツカーで通っていたという話など、いろんなポイントで誰もがかなわないと思ってしまうところがあり、研究者でもこれだけ恰好よく生きることができることを身をもって見せていただいたことは、我々後進にとってとても大きなロールモデルとなってくれていました。

 Googleの画像検索で岡田節人を検索してみると、これまたなかなかいいのです。

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 ほとんどが節人さんご本人の写真ですが、紙細工があったり、南伸坊との対談本があったり、ノーベル賞の田中さんと並んでいるものがあったり、同じくノーベル賞の増川さんや、今は亡き笹井さんが出てきたりと、節人さんの日本の学術文化全体への影響の大きさがぱっと見でもわかります。

 最近は身体もあまり自由に動かなかったのではないかと思われますので、ここからごゆっくりとお休みになられることをお祈りいたしております。

 さて札幌の様子ですが、昨日久方ぶりに真冬日を脱したのですが、今日また真冬日に戻ってしまいました。とは言っても最高気温はほぼ0℃と言っていい0.3℃でして。最低気温はそこそこ寒いですが、この最高気温なら道路の雪も解けます。

 朝の光もまぶしく部屋に差し込み、幻想的な影絵を見せてくれました。

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 こちらは昼過ぎに通りかかった、日本一おいしい回転寿司のトリトン伏古店です。

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 前のトリトンをご存知の方は右側の建物がトリトンだったはずだが、と不思議に思われるかもしれませんが、このトリトンは道をはさんで南側に引っ越したのであります。

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 そして旧トリトンは「ごはん屋 うお福」になっています。

 右奥に道を挟んだトリトンの新店舗が見えると思います。

 このあたりもグルメ街としてどんどん変わっているようです。







by STOCHINAI | 2017-01-17 21:11 | 生物学 | Comments(0)

原稿締切過ぎ

 実は昨日が締切の原稿を抱えていました。昨日一日頑張ったのですができませんで、編集者にお詫びのメールを書いて今日も一日原稿書きでした。インフルエンザさえなければ先週、余裕のうちに仕上げられる予定だったのですが、やはりギリギリの予定はなにが起こるかわかりません。完全敗北となりました。

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 というわけで、昨日今日と原稿三昧だったので、わかる人にはすぐわかるプリンターのパネル部分が上の写真です。

 昨日メールを出して、今日中には送りますと約束してあったので、そこそこがんばりましてなんとかギリギリ間に合いました。

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 ふと階下を見下ろすとマッチ売りの少女のように、暖かそうな室内を感じさせる窓の光です。

 この時、外の気温はマイナス6℃くらいでした。

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 窓を開けて写真を撮ってみましたが、長くは窓を開けていられません。

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 寒いです。

 明日の朝はマイナス8℃になるようです。

 さて、年賀状をどうするか・・・。






by STOCHINAI | 2016-12-27 21:48 | 生物学 | Comments(0)
 札幌は予報を越えて朝からアラレやミゾレが間欠的に降っており、誰もが見逃すはずもない正真正銘の初雪日となりました。

 そして以前から水面下で動いていると聞かされていた論文が発表になりました。表紙も取りました(^^)。

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 アフリカからスイスのバーゼルさらにアメリカを経て、日本で群馬大学さらに北海道大学で継代飼育されてきたアフリカツメガエルJ系統(最初は群馬由来なのでG系統と呼んでいました)の全ゲノム解析の結果が発表になりました。

 Natureの論文はオープンアクセスになっているので、どなたも全文を読むことができます。


 日本語バージョン(タイトルと要約だけですが)はこちら


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 いきなりNature論文を英語で読めと言われても、生物学科の4年生でも戸惑うかもしれませんが、東大のプレス・リリースがわかりやすく解説してくれています。

 2016/10/20

 私が北海道大学の理学部動物学専攻の大学院に入学したのが1973年でした。その時に実験動物として与えられたアフリカツメガエルの飼育個体がここで解析されているJ系統のもとになっています。
注6 J系統
片桐千明と栃内新(北海道大学)によって1973年からオスメス一番(ひとつがい)を用いて樹立された、アフリカツメガエルで唯一の高度に純化された近交系。近交系とは、兄弟姉妹の集団から近親交配を繰り返して得られた、父親由来のゲノムと母親由来のゲノムが同じになった系統のことである。JはJapanから命名。現在その系統が井筒ゆみ(新潟大学)により維持され、免疫学の実験に用いられている。
 当時からこの飼育個体群はある程度近交化が進んでいたことはわかっていたのですが、私が当時与えられていた免疫学をテーマとする研究のためにはできる限り遺伝子の均一化が進んだ「純系」が欲しかったので、とりあえずという感じで始めた兄妹交配による近交が現在に至るまでなんと40年以上も続いてきたことになります。外から見たら「ただ飼育していただけじゃないか」ということですが、やはり継続は何かを生み出すということですね。この論文に私は直接の関与はしていませんが、非常におもしろい結果に大満足しています。

 もともと、アフリカツメガエルの種は異種交雑によって染色体が倍加することを繰り返してきたと考えられていました。いわゆるアフリカツメガエルとして広く使われているXenopus laevisは36本の染色体を持っていますが、これは18本の染色体を持つ祖先となる2つの近縁種の交雑によって「4倍体」の新種となったものだと言われていました。こういう交雑で新種ができると同じ働きをする遺伝子が4つある状態になります。我々の持つ遺伝子(染色体)は通常2つずつでうまく働くようになっているので、3つでもうまくいかないことがあります(ほとんど問題がない場合でもダウン症と呼ばれる状況になることもあります)。ましてや4つになるとうまく生きてはいけない可能性がかなり高くなってきますが、その時に多すぎる遺伝子(染色体)を眠らせることによって異常の出現を抑えるとともに、その眠っている遺伝子を今度は別のはたらきを持つようにすることによって今までにない能力を獲得することもできるだろうとも考えられていました。スーパー新種の誕生です。

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 今回のゲノム解析ではXenopus laevisの持つ36本の染色体がもとは別種のカエルに由来すると考えられる18本組の染色体が2セットからなることが見事に示されています。

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 赤っぽく染められた染色体のセットと、青っぽい染色体のセットが異なる祖先に由来するセットだということを示唆しています。

 世界中の研究室(とくに動物発生学の研究室)で使われているため、あらゆる両生類の中で世界でもっとも分布域が広まったと言われるアフリカツメガエルですが、その遺伝子の複雑さから分子遺伝学的解析が遅れていると言われてきました。しかし、今回のJ系統のゲノム解析の終了によって再び生物学研究の先頭に立つことが期待されています。

 私はすでに現場を引退していますが、昔育てたカエルたちの子孫が世界中でこんなにたくさんの研究室で使われているのかと思うと、なんとも言えない思いになるものではあります。






by STOCHINAI | 2016-10-20 22:25 | 生物学 | Comments(0)
 「山火事にあわないと発芽しない」などという噂をきいておりましたので、ユーカリの種をいただいてもなかなかチャレンジする勇気がわいてこなかったのですが、さすがにこのくらいの時期での室内ならばオーストラリアの砂漠に負けない温度条件にななっているだろうということで、5月31日に種をまいてみたのですが、5日後の今日になって微妙な発芽が確認されました。

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 種だと思われる大きめの黒い粒から赤い芽(あるいは根)と思われるものがいっせいに伸び出しています。今朝、最初に発見した時には思わず目を疑って何度も見直したのですが、たくさんの種が同じような赤いものを伸ばしているのを見るとこれは発芽(発根)とみて間違いないと思います。

 画像を思いっきり拡大してみたところ、赤いものの先に放射状に広がった構造が見えるので、これは根なのかもしれません。

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 最初の関門は突破したというものの、これが「苗木」にまでなるにはまだまだ遠い道のりだと思われますので、あまり期待せずに見守りたいと思います。

 気温はまだ低めですが天候が回復したので、今日もまた我が家から車で10分以内にある「さとらんど」に行ってきました。

 天気が良いのでウシたちもまったりと日向ぼっこです。

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 我が家でも成長しつつあるカツラの木がここにもありました。実はカツラという木を知ってみると、意外とあちこちにあることが最近になってわかった木です。

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 そして巨大な木になることが有名な「生きた化石」と言われるメタセコイアの小さな木(笑)もここにあります。

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 さて、我が家のユーカリはこの後どうなりますか、期待せずに続報をお待ち下さい。








by STOCHINAI | 2016-06-05 21:55 | 生物学 | Comments(0)

カメの引っ越し

 先月「えぞホネ団」の団長さんから分けていただいたカメの透明標本、「ファンシーな入れ物」を探すという約束でいながらなかなか良いものが見つからないでいましたが、これならなんとかというものが見つかったので引っ越しをしてもらいました(さらによい家が見つかったらまた引っ越しますよ^^)。

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 ふたつきのホーローのカップです。

 まだ光の条件がうまく整えられないので写真はいまいちですが、白いホーローのバックに繊細な骨格がきれいに観察できます。

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 心なしかのびのびと泳ぎまわっているように見えます。

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 この次は照明をバッチリ工夫してもっときれいに撮りたいと思います。

 2階のベランダに出てみると、フジの蕾がたくさんふくらんでいました。

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 ふっくらとした房のつぼみはいつ見ても「おいしそう」に思います(笑)。

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 屋内ではいつのまにかハオルチア(十二の巻)も花芽を出していました。

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 こちらが油断しているうちに花芽をどんどん出してくる植物たちは、ほんとうに「かわいい」と思えるものです。







by STOCHINAI | 2016-05-10 21:30 | 生物学 | Comments(0)

寒い季節に暖かい話題

 寒いです。暖房は目一杯入っているのですが、最高気温がようやくマイナス3℃。熱が虚しく湯気となって外に逃げていきます。

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 こんな季節ですが、体温を上げて卵を温めるトカゲが発見されました。



 南米に住むテグ・トカゲ (tegu lizard) です。体重は2キロぐらいですが、このきれいな皮のせいでバッグなどに珍重されてきた、可哀想なトカゲです。

 南米のトカゲなので春の10月頃に卵を産み温めるそうですが、その頃だけ「恒温動物」になるのだそうです。

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 http://advances.sciencemag.org/content/2/1/e1500951.full 全文がこちらで読めます。

 繁殖期以外はほとんど発熱していないようなので、体温が高くなるということが見つかりにくかったのかもしれません。

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 緑が巣穴の温度、茶色が日向の温度、そして黒いのがトカゲの体温で、10月に巣穴の温度よりも10℃くらい高くなっているのがわかります。この頃、卵を産んで温めるのです。

 こちらがトカゲの顔。

 そしてこちらがサーモグラフィーで撮った発熱しているトカゲです。

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 見事ですね。

 今まで、鳥類と哺乳類だけが恒温動物で、恒温の爬虫類が見つかっていなかったので、鳥類と哺乳類の高温性は収斂進化なのかと言われていたり、恐竜は恒温だったものがいたに違いないとか言われてはいましたが、現存の爬虫類で恒温と呼べるものがいなかったため、動物進化の謎のひとつと言われていたのですが、これで爬虫類も熱産生が十分にできるものがいることが証明され、爬虫類・鳥類・哺乳類という羊膜類の共通祖先が恒温だったということが簡単にそうぞうできるようになりました。

 大昔のことが現存の動物で次々と明らかにされていくのを見ているのは痛快です。






by STOCHINAI | 2016-01-29 19:07 | 生物学 | Comments(0)
 そこそこ気温が上がったものの、0℃の壁を破ることはできず真冬日が続きました。この時期にあまりにも雪が少ないと不安になってくるほどなのですが、今日は時折本格的な雪になった時間帯もありました。

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 今もちょっと降っていますが、それでも札幌でいうところの「ドカ雪」にはなりません。そんな穏やかな雪が降るのをみて懐かしいと思うのもなんだかなあという感じですが、今年は本当に変です。

 というわけで、夕方になるまでに5センチまでは積もっていないと思います。

 外の気候とはまったく無縁に、元日に発見されたシイタケの芽はここまで大きくなりました。

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 今までシイタケをここまで育てたことはないのですが、驚いたことにカサの縁に白いへりが形成されてきました。

 上は朝の暗い光の中で撮ったものですが、ちょっとたって日差しが当たり始めたのがこちらの写真です。

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 茶色が濃く見えてくるとなんとなく力強く見えてきます。

 もうひとつ生えてきていたものと一緒のフレームに入れて撮って見ました。朝の写真です。

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 下の方にアンパンのように見えるものも、ぐんぐん成長中です。

 明るい光のなかで見ると、ほんとうに焼きたてのパンのようでおいしそうです。

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 このくらい急速に育つのを見ていると、これは生物の教材としてかなり有望に思えてきます。今までのように、ほだ木で育てなければならないといろいろな制限からとても実験教材にはならなかったでしょうが、菌床で供給されるようになってくると俄然教材として現実味を帯びてきます。

 菌床栽培できるようになってくると、シイタケ自体の値段も安くなり、自給自足のために育てても経済的にはあまりメリットはなくなってしまいましたが、教材として考えると俄然違った価値が出てくるように思えてきました。

 どなたか本気で教材化に取り組んでもらえないですか?






by STOCHINAI | 2016-01-06 19:13 | 生物学 | Comments(2)
 1っヶ月ほど前のニュースになりましたが、「国文学研究資料館が、古典籍を自由に研究・活用してもらうため、国立情報学研究所の協力のもと、同館所蔵の日本の古典籍350点の全冊画像データ(画像約6万3千コマ)とその書誌データを、同研究所の「情報学研究データリポジトリIDR」より、データセットとして、2015年11月10日から一般公開する」というニュースがありました。朝日新聞(北海道版)では今朝の朝刊に載っていたようです。

 私は個人的にこうした「超古い図鑑的なもの」に興味を持っていて、今日もさっそくアクセスできるようになった昔の図録をこちらからダウンロードしてみました。

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 膨大な画像が公開されていますので、おもしろそうなものだけを見て回ることにします。最初に目に止まったのがこのヘビでした。「理学」の中にあったような気がします。

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 薄い紙に印刷されているので、裏の図も透けて見えるところがまた味があります。近くにあった亀です。

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 身の回りで実際に見られる動物が載っているのかと思ってみているといきなり、「龍」が出てきたりするのも興味深いところです。

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 かと思うと、道端に寝転がっているようなネコの親子が出てきます。

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 続いて、おそらく噂話だけを聞いて描いたのではないかと思われるゾウもあります。

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 究極はこちら。想像上でしかあり得ない鳳凰です。

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 こうしたものの「著作権」の権利者などはいないのが当然ということで、これらの図版は「クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンス(CC BY-SA)で提供される」ということなので、意識のある皆様方におかれましては、是非とも自由に活用されて学問的意義を発展させられますように期待しております。

 というか、こうしたものはただ眺めていても十分に楽しめますので、個人が楽しむものとしても公開されることを大いに歓迎いたしております。







by STOCHINAI | 2015-12-19 23:12 | 生物学 | Comments(0)

青鬼灯 秘かに育ち 居りにけり      中島たけし


by stochinai