5号館を出て

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カテゴリ:生物学( 354 )

シノブ

 多分、今日は年が明けてから一番の寒さの真冬日でしたが、それでも最低気温がマイナス8.7℃で、最高気温がマイナス1.4℃です。夕方からは雪が降り出しましたが、日中は昨日までと同様、日差しの暖かい一日でした。

 数日前にFacebookのBiodiversity Heritage Libraryで見つけたこの図版。

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 着生する茎の様子からまちがいなくシノブの仲間だと思います。解説ではこうなっていました。

Hare's-foot #Ferns (Davallia canariensis) for #FernFriday! #SciArt from James Britten, European Ferns (1879-81). Contributed for digitization by #HarvardBotany Libraries of Harvard University: http://s.si.edu/2EwTrxL

 Hare's-foot Fernsは「ウサギの足のシダ」という意味になりますが、最近はrabbit's foot fernと書かれていることが多いようです。hareもrabbitもウサギのことです。squirrel's foot fernという表記もみつかりますが、英語のWikipediaではdeersfoot fern, hare's foot fern, shinobu fern, rabbit foot fern, ball fernなどと呼ばれているものもあるようで、要するにウサギやリスやシカなど哺乳類の足のような茎をもったシダの仲間ということでいろいろに呼ばれているようです。

 上の図はヨーロッパのシダ類図鑑からのものですが、世界中に近縁のシダがあるようです。

 我が家にも100均で買ってきたシノブ(おそらく台湾原産のトキワシノブだと思います)があります。

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 ほったらかしにしていますが、元気に育っています。特徴的な哺乳類の足っぽい茎がこちらです。

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 その茎からいかにもシダらしい葉が伸びてきています。

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 本当に手のかからない植物で、乾燥と寒ささえ避けていれば、こうしてどんどん伸びていきます。最初に我が家に来たときには茎が2本で葉が3枚くらいだったと思います。2年位たってもこのくらいにしか成長していないのは私の世話が悪いのかもしれませんが、枯れもせずによく生き延びてくれています。

 今日もまた昼間の明るい光の中で植物の写真を撮りました。そろそろ花芽をのばしてくるはずのクンシランです。気持ちよさそうです。

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 そしてまた、今日もまた日向で寝呆けている武蔵丸の耳です。

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 ネコは太陽からやってきた天使なのかもしれないですね(笑)。









by STOCHINAI | 2018-01-13 22:33 | 生物学 | Comments(0)
 欧米ではMarbled crayfishと呼ばれ、日本ではミステリークレイフィッシュと呼ばれているメスしかいない単為発生のザリガニがいます。アメリカの南東部、フロリダに生息するヌマザリガニ(slough crayfish, Procambarus fallax)の単為生殖型ではないかという論文が出ていて、そうかなあというふうに思われていたのですが、これはそれとは異なる独立した新種であるという論文が出ました。

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 オープンアクセス論文ですので、どなたでもpdfをダウンロードして読むことができます。

 内容はストレートで、ミステリークレイフィッシュとProcambarus fallaxを比較して、別種であると結論しているものです。

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 上の図のAではメス(ミステリーはメスしかいない)の受精孔の形を比較しています。左からミステリー、fallaxそしてalleniという3種を比較しています。ミステリーとfallaxはよく似ていますが形は違います。さらにBでは甲羅の長さと一腹の卵の数を比べています。赤線で示したのがミステリーですが、fallaxとくらべて明らかに大きく、たくさんの卵を生みます。

 おもしろいことに、fallaxのオスとミステリー(全部メス)を交尾させることができるのですが、その結果生まれてきた子どものDNAを調べてみると全部がミステリーの遺伝子型を持っていました(下図C)。つまりfallaxの精子のDNAは子を作るときに使われていないということです。そしてさらにミトコンドリアの全DNAを比較してみても、fallaxとミステリーが系統樹の別の枝に分かれます(下図D)。

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 そして、分類学的に必要とされる細かい形態計測のデータを出して、やっぱり違うことを示して、最後にこれは新種として良いだろうと結論づけています。

 こちらがその新種の記載に使われたholotype標本の写真です。

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 そしてこの業界では写真よりも大切なスケッチです。

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 最後に遺伝子マーカーも載っているのが今風の記載論文ですね。

 私達も論文をいくつか書いているミステリークレイフィッシュですが、論文を書くたびに「種はまだはっきりしていない」と書くことになんとなくわだかまりがあったのですが、今回の論文を持って以降はとりあえず新種として学名をかけるのは喜ばしい限りです。

 この感覚って、業界以外の人にはなかなかわかってもらいにくいかもしれませんね。「なんだかんだいったって、ただのザリガニじゃねえか」というところでしょう。まあ、それはそのとおりなんですけどね(笑)。








by STOCHINAI | 2017-12-28 21:42 | 生物学 | Comments(0)
 今日で3連続の真冬日となっています。今日は出かけたこともあって写真がないので、1週間ほど前にオープンアクセスになっていた論文を読んでみましょう。

 タスマニアタイガー(日本ではなぜかフクロオオカミと呼ばれる)の胎児(有袋類で胎盤はないので袋の中で育ちつつある赤ちゃん)のゲノムを解析した論文です。


 タスマニアタイガーは最後の1匹が1936年までは動物園で飼育されていた肉食の有袋類で、動画も残っていて今でもネットで簡単に見ることができます。一見してわかるように、有袋類ではありますがカンガルーなどにはまったく似ておらず、真獣類(有胎盤類)イヌ科のオオカミやイヌによく似ていることから、肉食に適応した結果形態などが収斂進化(収束進化)した典型的な例とされています。100年前には生きていたということで標本もたくさん残っており、今回ゲノムDNA解析を行ったのはアルコール標本で保存されていた赤ちゃんです。Fig.1にタスマニアタイガーとヒトと一緒にオーストラリアに導入されたイヌ(オオカミ)の仲間のディンゴ、それにタスマニアタイガーの赤ちゃんのアルコール標本の写真があります。

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 たしかにタスマニアタイガーとディンゴの外見は尾と背中の縞模様を除くとそっくりです。有袋類と有胎盤類は共通の祖先から進化してきたことはたしかで、その共通祖先は小型のネズミ(有袋類ならばオポッサム、有胎盤類ならば食虫類のネズミのようなもの)と考えられていますから、そこから進化してきたタスマニアタイガーとオオカミが似ているということは、似たような形態を持つ動物が独立に進化してきたと考えるしかなく、これを収斂と呼ぶわけです。

 ちょっと出典が見当たりませんが、哺乳類の進化を扱った教科書から有袋類と有胎盤類の放散進化のイメージ図をお借りしました。まずは有袋類の系統樹。

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 右上にタスマニアタイガーがいます。

 そして有胎盤類(祖先は有袋類と考えられています)の系統樹。

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 中央の真上あたりに肉食類(イヌ・ネコですね)が位置しています。

 このように別々の経路を経て進化してきたタスマニアタイガーとオオカミのような肉食胎盤動物の頭蓋骨の形態を比べてみると、その類似性は一目瞭然です。精密に計測してみてもタスマニアタイガーの頭蓋骨は有袋類のどの仲間ともあまり似ておらず、有胎盤類の肉食類とよく似た形態をしていることが示されています。

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 一般に有袋類や有胎盤類では食性が少しくらい違っても似たような頭蓋骨の形態をある程度維持していて、図でも左側の一群が有袋類そして右側の一群が有胎盤類と分かれるのですが、タスマニアタイガー(ともうひとつ緑の丸の肉食動物)に関しては頭蓋骨の形態がほとんど有胎盤類の肉食類と同じような形態になっている(星印)のは驚くべきことです。

 一方、この収斂と同じようなことが遺伝子にも起こっているのかと調べてみると、それはなかったようなのです。いくつか遺伝子レベルで似ているものが見つかりましたが、それはたまたま似ていただけで、今回観察された形態的収斂を説明するものは見つからなかったといいます。つまり、タスマニアタイガーがオオカミに似た形態をもつようになったのはタンパク質の設計図となる遺伝子に収斂進化が起こったからというわけではなく、骨や筋肉を作る遺伝子をいつどのように働かせるかを調節する遺伝子に起こった選択の結果、収斂が起こったのだろうということのようです。

 遺伝子の調節部位に起こった変化によって、結果的に収斂が起こる例は他の動植物でも見つかっているようで、今回の結果もそういう例のひとつということになりました。

 それにしても、同じ機能を果たすためには祖先が全く違っても長い進化という選択をへると結果として同じような形態になってしまうというのは不思議な現象であることに違いはありません。

 もう一つ今回の論文では標本というものの重要性が再確認されています。過去には単なるアルコール漬けの珍しい動物の赤ちゃんの標本ということで保存されていたのかもしれませんが、それが現代のゲノム科学の発展により生きていたときにもっていたすべてのDNA配列が決定できて、他の動物と比較することができるということは、アルコール標本を作った研究者には想像もできなかったことだと思います。科学が発展するにつれてそのもつ意味が一緒に発展して大きくなっていくということが「本物」である標本を保存維持することの大きな意味であることが証明されたこともこの研究の大きな意義だと思います。

 博物館で本物を保存維持することは、過去の地球から未来への贈り物としてのタイムカプセルになっているということを、もっと大切に考えていいのだと思います。









by STOCHINAI | 2017-12-19 23:02 | 生物学 | Comments(0)
 寡聞にして私は知らなかったのですが、Maria Sibylla Merianという超有名な女性昆虫学者が300年前に活躍していたということです。今朝のFacebookでtheguardianの記事の紹介があってこの方のことを始めて知りました。ウィキペディアにかなり詳しい日本語の紹介文(マリア・ジビーラ・メーリアン)があります。

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 FacebookはBiodiversity Heritage Libraryのタイムラインだったのですが、上の写真でも読めますがこう書いてあります。

Don't have £120,000 to spend on Merian's masterpiece, "Metamorphosis insectorum surinamensium"? Don't worry. You can access a digital copy for free in BHL, digitized by Smithsonian Libraries: http://s.si.edu/2zHM7hB

 メリアンの名作「Metamorphosis insectorum surinamensium(スリナム産昆虫変態図譜」を買う12万ポンドのお金を持っていなくても問題ありません。スミソニアン図書館にあるその本のデジタル版にアクセスしてください。

 ガーディアンの記事はこの本がサザビーで競売にかけられて12万ポンドの値がつくだろうというものです。

 早速デジタル版にアクセスしてみました。こちらが扉です。

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 南アメリカのスリナムの昆虫(幼虫と成体)と植物をそのまわりにいる動物や自然とともに芸術の域に達するレベルの技術で描いた図版が圧巻です。

 これにはパイナップルとそれを食草とするチョウの幼虫、サナギ、成虫が描かれています。

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 ほとんどがチョウやガの鱗翅目昆虫の成長過程を描いたものなのですが、最後のあたりに不思議なことにカエルが2種類描かれています。

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 タガメと思われる昆虫が変態前に、これまた変態直前のカエルを捕食しているところが描かれています。変態後のタガメが空を飛んでおり、カエルの方は卵塊からオタマジャクシそして成体が描かれています。カエルの種類は私にはわからないのですが、次には南アメリカ産のコモリガエル(ピパ)が描かれていてびっくりしました。

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 ピパは背中で子供を育てることで有名ですが、実に細かく観察されて描かれていることがわかります。

 これは銅版画なので、拡大すると線の一本一本が見えるくらいの精細度でデジタル化されているので感激しました。

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 こんな貴重な図版集がネットでフリー・アクセスになっているのはまったくもってありがたいことです。

 この本は世界中の図書館が競って集めているようで、あちこちでデジタル公開されているようですが、同じ本のはずなのに同じ絵をみても色合いなどがかなり違うように見えるのは、デジタル化の際の技術的問題だけではなく銅版画に手描きで色がつけられていることによる差もあるような気がしてなかなか興味深いものです。








by STOCHINAI | 2017-11-15 23:12 | 生物学 | Comments(0)

生物多様性遺産図書館

 Facebookにも登録されていますが、Biodiversity Heritage Library という組織があります。あえて訳すと生物多様性遺産図書館とでもなるのでしょうか。生物多様性に関する古典的文献をデジタル化してオープンアクセスで世界に公開しようという運動をやっています。

 こちらがFacebookのカバー写真です。

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 生物学の研究は生物多様性の研究から始まったと言えると思います。生物多様性の研究というのは世界中にどんな生き物がいるのかということを記載して報告するということで、生物学の夜明けの時代から現在まで延々と「種の記載」を続けています。世界中にどのくらいの数の生物がいるのか定かではありませんが、現在までに種の記載が終わっている数百万種類の生物は地球上にいる生物のほんの一部であることだけは認識されています。

 生物種の記録は時として地味な研究ですが、初期の頃は珍奇な生物を世界中からかき集めて報告するという傾向が強かったのではないかと思います。ヨーロッパにはいないゾウやキリンやラクダなどを紹介して人々を驚かしたというのが、最初の頃の活動だったと思います。現在はそうした「すごい新種」の報告は珍しくなってきたので、地味な研究と思われがちですが、もともとは「山師」のような派手さを求めた研究者達をひきつけていたような気がします。

 それはさておき、このサイトで紹介される古典的動植物の絵画(もちろん芸術というよりは生物学の図版として描かれたものなのですが)がとてもいいので、時々見に行っています。

 もう一枚のカバー写真がこちらでした。

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 一昨日でしたか、もうひとつの私の好きなZoobornsというサイトからウォンバットの赤ちゃんがお母さんの袋から出てきたという記事を紹介しました。

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 ミナミケバナウォンバットという種らしいのですが、オーストラリアの有袋類です。オーストラリアの有袋類が次々と報告されたのは哺乳類動物学の黄金時代のひとつだったのではないかと思い、この動物についての古典的図版などを探してみようと思い、BHL(Biodiversity Heritage Library)を探してみました。

 こちらがBHLのホームページです。

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 ここからさらに flickr のページに飛ぶと大量の古典的図版画像にたどり着けます。

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 ここからウォンバットの図版を探し出しました。ここにあります。1863年発行のオーストラリアの哺乳類という本の中です。

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 有袋類が並んでいますが、最初の数枚がウォンバットです。2枚めの図がこちらです。

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 どうやら上の赤ちゃんのご先祖様のようですね。ミナミケバナウォンバット。


18. ON THE IDENTITY OF THE HAIRY-NOSED WOMBAT (PHASCOLOMYS LASIORHINUS, GOULD) WITH THE BKOAD-FRONTED WOMBAT (P. LATIFRONS, OWEN), WITH FURTHER OBSERVATIONS ON THE SEVERAL SPECIES OF THIS GENUS
By: Murie, James
Type: Article
In: Proceedings of the Zoological Society of London.
Volume: 1865
Date: 1865
Publication info: London :Academic Press, [etc.],1833-1965.

 その中に描かれた図もダウンロードできます。

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 現在、動物園でほそぼそと生きながらえているウォンバットも貴重ですが、それが最初に世界に紹介された論文に簡単にアクセスできるのですから、まったくいい時代になったものだと思います。

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 世界中の古典的論文はすべてこうしてデジタル化して無料公開するというのが正しい人類遺産の共有の仕方だと思います。

 本当に素晴らしい!








by STOCHINAI | 2017-10-31 22:29 | 生物学 | Comments(0)
 北海道らしい涼しく明るい朝になりました。玄関前のブライダルベールの花もこの夏で一番と思えるくらいたくさんの花が開いていました。

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 いろいろと雑用や書類作成の締切が近づいてきているため、日曜日でいい天気だというのにかなりこもりっきりの一日となりました。

 それでもネットがあると世界のニュースからは切断されることがないので、相変わらずファイターズが負け続けていることとか、ホリエモン・ロケットが失敗したこととかもリアルタイムでチェックしていました。

 それでも夜になって気がついたこのBBCニュースにはちょっとビックリさせられました。

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 イギリス・ランカシャーの男性がサクランボの種を3粒噛み砕いて食べたために青酸中毒になり、病院に搬送されたというニュースです。(事件が起こったのは、今月の17日のことだそうです。)

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 普通の人はサクランボの種は噛まずに吐き出しますので、それを噛み砕いてさらに飲み込むというのは珍しいケースだと思いますが、この男性はなんとなく興味があったので噛んでみたというのです。それも、たった3粒のことです。噛んだ時にはアーモンドみたいだと思ったそうですが、3つ飲み込んだ後で突然からだがだるくなり気分が悪くなったということ、すぐにネットで調べてこれは中毒かもしれないと思い、奥さんに病院に運んでもらいました。

 病院ではすぐにこれは青酸中毒ということがわかったそうで、解毒剤を処方され事なきをえました。

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 サクランボの種はアミグダリンという物質を含んでおり、それが消化管内で青酸に変わり、中毒を引き起こします。ひどい時には死に至ることも知られているそうです。

 ネットで調べてみると昨年の春に「サクランボの種を5粒食べると死ぬかもしれない」という議論が巻き起こっていたようですが、中国の医師が「体重60キロの成人が中毒症状を起こすには2.4キログラムのサクランボの種を食べる必要がある」と説明して否定している記事が見つかりました。

 サクランボの種類にもよるのかもしませんが、今回の事故を考えると5粒のサクランボの種でも噛み砕いて飲み込むことはやはり生命の危険を招く可能性がある危険な行為なのかもしれないと思われます。

 北海道にもたくさんあるイチイ(オンコ)の実に関しても、樹皮などに強い毒性が指摘されております。私も子供の頃にたくさん実を食べた記憶がありますが、種をガリガリと噛んだことはありません。ひょっとすると、こちらに関してもガリガリと噛むと生命の危険性があるかもしれませんので、身近にいる子供さんなどが食べているところなどを見かけたらちょっと注意してあげるのがよいと思います。

 身の回りには危険がいっぱいですね。







by STOCHINAI | 2017-07-30 21:54 | 生物学 | Comments(0)
 今日も一日曇り時々雨という天気でしたが、花は蜜や花粉を出しているようで、ハチは大忙しでした。

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 シャクナゲの花はマルハナバチ(セイヨウオオマルハナバチ?)に大人気です。

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 天気がすぐれないので、私の屋外作業は最小限となり、写真も少なくなりました。というわけでもないのですが、おもしろいニュースをご紹介します。あちこちで出ているのですが、これはBBCの科学ニュースです。


 両生類は恐竜などの爬虫類よりも先に地球上に現れていますが、現存のカエルやサンショウウオなどはごく最近になって進化してきたことは以前から知られていました。

 遺伝子を比較することで現存のカエルのほとんどのものが、いずれもごく最近(6600万年前以降)になって急速に進化してきたらしいことが示されました。

 上の記事の元ネタとなっているのがこちらのPNASの最新論文です。


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 この論文の中にあるカエルの系統図を引用します。

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 大きな図なのでわかりにくいかもしれませんが、左側に系統樹、右側にカエルの絵が書いてあります。系統樹の中の右よりのあたりに赤い点線がありますが、これが6600万年前のいわゆる中生代白亜紀と新生代古第三紀の境目にあたるK-Pg境界と言われるもので、現存のカエルのほとんどがこのポイントの後に分岐して出現してきていることが示されています。

 ご存知の方はご存知だと思うのですが、この6600万年前(6500万年~6700万年前)というのは恐竜が絶滅する原因となった巨大隕石が地球に衝突するという大事件が起こった時です。その時にできた巨大なクレーターは今でもユカタン半島に残っています(そのイメージ図がこちらで、これはBBCの記事からの引用です)。

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 両生類は恐竜よりもはるかに古くから地球にいたのですが、恐竜の時代には我々哺乳類の祖先と同様、両生類もあまり繁栄することはできなかったようです。それが恐竜がいなくなったことが直接原因かどうかわかりませんが、恐竜がいなくなる原因となった地球環境の大きな変化と恐竜という捕食者がいなくなったことこととが相まってカエルやサンショウウオそして我々の祖先の哺乳類そして恐竜の子孫の鳥類が繁栄する今の地球になってきたということのようです。

 最近の論文は一般の方向けに短い「論文の意義」を載せているものも出てきていますが、この論文にもありましたので引用しておきます。このくらいの英文なら高校生でも十分に理解できると思いますので、あえて解説しないでおきます。

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 論文にここまで解説されていると、科学コミュニケーターの出番はなくなるのではないかという気もしますが、BBCやScienceDailyの記事のレベルにまでしようとするとやはり科学ライターの存在は必要となります。

 そしてBBCのニュースにも載っていたアカメアマガエルの写真(下図)のような、話の本筋には関係がないけれども記事を人の目をひくデザインに仕上げるのもまたそういう人たちの仕事です。

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 科学者と市民をつなげる人の層はまだまだ厚くても、いろいろなレベルでその媒介をする余地のある領域だと思います。

 がんばりましょう。








by STOCHINAI | 2017-07-04 22:21 | 生物学 | Comments(0)
 北海道のキツネは俗にキタキツネと呼ばれることが多いですが、アカギツネ(Vulpes vulpes schrencki)の亜種なのだだそうです。情報はWikipediaからですが、写真もWikipediaからお借りしました。

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 北海道大学の増田先生を中心とする研究グループが新しい論文で、札幌市内および近郊に生息するキツネの集団構造を解析していました。

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 最近は少し少なくなってきたのですが、キタキツネは北大構内にも住んでいますが、ほぼ札幌中の住宅地のどこでも見られます。その集団がどういう遺伝子を持っているのかを調べるとその集団の交配の状況がわかります。

 著者らは2002年から2014年の間に交通事故死した578個体のキツネの死体を入手して遺伝子を調べました。北海道のキツネはエキノコックスに感染していることがあるので、まずはサンプルを取るために70%アルコールにつけた筋肉を70℃で3日間処理することでエキノコックスの卵を殺してから解析するというところが北海道のキツネ研究らしいところです(笑)。

 結果は極めて明快でした。

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 キツネの集団はJRの函館本線の北側集団と南側集団に分断され、さらに南側集団は豊平川の西と東でくっきりと三分されていると言って良い結果です。臆病なキツネは鉄道や太い川を越えるのは嫌なのかもしれません。

 さて、今日はおそらく今年になってはじめてほとんどマイナスの気温が記録されなかった一日だったと思います。

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 毎正時に記録されている気温はマイナスだと青、プラスだと緑の点で表されています。実は記録上は午前0時24分にマイナス0.2℃の最低気温が記録されているらしいのですが、ほぼそれは無視しても良いくらいプラスの一日となり、この時間になってもそれが続いています。

 これはチャンスということで昼頃に玄関前のカーポートの下とドアまでのアプローチのインターロッキングの部分にあった氷を除去してしまいました。

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 まわりはまだ結構厚い氷が張っていますが、カーポートの下だけはなんとかきれいになりました。

 そこから玄関までも処理しました。

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 この後、チラチラと雪が降ったりもしたのですが、積もることはなかったです。

 この先遅かれ早かれどうせ解ける氷や雪を無理やり割って処理するのは年寄りの証拠だと思っていましたが、どうやら自分もそういう領域に入ったということかもしれません(笑)。







by STOCHINAI | 2017-02-12 21:20 | 生物学 | Comments(0)

岡田節人先生没

 何年も前からあまり体調がすぐれないという話を聞いていたので、いつ訃報が来ても不思議はないとは思っていたのですが、やはりいざ届いてみるとショックなものです。(記事はもっとも充実している朝日コムから引用させていただきます。)

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 岡田先生のすごいところは、生物学だけじゃなかったところではないかと思い出します。クラシック音楽に対する造詣の深さや、麻雀が大好きというところや、洋服のセンスや京大へスポーツカーで通っていたという話など、いろんなポイントで誰もがかなわないと思ってしまうところがあり、研究者でもこれだけ恰好よく生きることができることを身をもって見せていただいたことは、我々後進にとってとても大きなロールモデルとなってくれていました。

 Googleの画像検索で岡田節人を検索してみると、これまたなかなかいいのです。

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 ほとんどが節人さんご本人の写真ですが、紙細工があったり、南伸坊との対談本があったり、ノーベル賞の田中さんと並んでいるものがあったり、同じくノーベル賞の増川さんや、今は亡き笹井さんが出てきたりと、節人さんの日本の学術文化全体への影響の大きさがぱっと見でもわかります。

 最近は身体もあまり自由に動かなかったのではないかと思われますので、ここからごゆっくりとお休みになられることをお祈りいたしております。

 さて札幌の様子ですが、昨日久方ぶりに真冬日を脱したのですが、今日また真冬日に戻ってしまいました。とは言っても最高気温はほぼ0℃と言っていい0.3℃でして。最低気温はそこそこ寒いですが、この最高気温なら道路の雪も解けます。

 朝の光もまぶしく部屋に差し込み、幻想的な影絵を見せてくれました。

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 こちらは昼過ぎに通りかかった、日本一おいしい回転寿司のトリトン伏古店です。

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 前のトリトンをご存知の方は右側の建物がトリトンだったはずだが、と不思議に思われるかもしれませんが、このトリトンは道をはさんで南側に引っ越したのであります。

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 そして旧トリトンは「ごはん屋 うお福」になっています。

 右奥に道を挟んだトリトンの新店舗が見えると思います。

 このあたりもグルメ街としてどんどん変わっているようです。







by STOCHINAI | 2017-01-17 21:11 | 生物学 | Comments(0)

原稿締切過ぎ

 実は昨日が締切の原稿を抱えていました。昨日一日頑張ったのですができませんで、編集者にお詫びのメールを書いて今日も一日原稿書きでした。インフルエンザさえなければ先週、余裕のうちに仕上げられる予定だったのですが、やはりギリギリの予定はなにが起こるかわかりません。完全敗北となりました。

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 というわけで、昨日今日と原稿三昧だったので、わかる人にはすぐわかるプリンターのパネル部分が上の写真です。

 昨日メールを出して、今日中には送りますと約束してあったので、そこそこがんばりましてなんとかギリギリ間に合いました。

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 ふと階下を見下ろすとマッチ売りの少女のように、暖かそうな室内を感じさせる窓の光です。

 この時、外の気温はマイナス6℃くらいでした。

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 窓を開けて写真を撮ってみましたが、長くは窓を開けていられません。

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 寒いです。

 明日の朝はマイナス8℃になるようです。

 さて、年賀状をどうするか・・・。






by STOCHINAI | 2016-12-27 21:48 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai