カテゴリ:科学一般
- 学会のポスターセッション主催者への公開レター(一部改訂)[ 2012-05-09 19:16 ]
- 昔、カセットテープというものがあった[ 2012-04-29 23:24 ]
- メディアの中の生命科学と生命科学用語のあり方[ 2012-03-05 19:11 ]
- そこそこの科学者の叫び[ 2012-02-23 19:48 ]
- リアルタイム線量測定システムによる福島県内の空間線量率測定公開始まる[ 2012-02-21 19:59 ]
- 機械の名前[ 2012-02-10 20:15 ]
- 2011年に取り下げられた論文トップ5[ 2011-12-28 22:56 ]
- 自力で放射能汚染地図を作った木村真三さん講演[ 2011-11-02 19:25 ]
- ポスターの作り方[ 2011-09-30 20:36 ]
- デジタル・マガジン[ 2011-09-18 22:16 ]
学会のポスターセッション主催者への公開レター(一部改訂)
最近はどこの学会でもポスターセッションが多くなりました。

photo credit: Sean Munson via photo pin cc
デザイナーのCOLIN PURRINGTONさんは科学系の学会で発表ポスターをどのようにデザインするかという講演をした時に、これはポスターセッションを主催する側にもいろいろと考えてもらわなくてはダメだとおもったらしく、ブログでポスターセッションのオーガナイザーへの公開レターを書いています。
Open letter to poster session organizers
そこで、彼は8つの提案をしているのですが、これはポスターセッションをどのように運営するかというだけではなく、ポスターを作って参加する側にもためになるアイディアがあると思いましたので、ここで紹介させていただくことにしました。超訳です(笑)。
学会のポスターをどうやってデザインするかという彼による解説もこちらにありますので、ぜひ参考にしてください。
Designing conference posters
ポスター発表のやり方については、ここでも過去に2度ほど紹介してありますので、そちらも参照してください。
ポスター発表のための10の簡単なルール
ポスターの作り方
さて、いよいよ本題のポスター主催者への提言です。
1.ポスターにどんな美的センスが必要かとか、どんなお客さん向けにつくるかとか、語数制限などのガイドラインを示してください。
学会案内のウェブページにはポスターのサイズや参加締め切り日ばかりではなく、ポスターの作り方についての指示もあるべきでしょう。たとえば、ポスターは800語以内で作りましょうとか、他の分野の科学者向けにつくりましょうとか書いてあったら、積極的に参加したくなるのではないでしょうか。もし語数制限を「あまり多くの語数はやめましょう」と書いたら、多くのポスターデザイナー(外国にはそういうプロもたくさんいるのでしょうね)は「5000語位以内のことだな」と思うものです。
2.「良いポスター」とはどんなものかの実例を示してください。
科学者は他の人のポスターを見て学ぶので、時には負の連鎖を生んでしまいます。インターネットでもかまいませんので、こういうのが良いポスターなのだ、と宣言してください。
3.ネット上にはポスターの作り方に関する多数のアドバイスがありますので、そのリンク集を作って会員に示してください。
抽象的なことを言っても会員には伝わりません。具体的なリンクを示しましょう。著者のページにもあるように「良いポスター」と「悪いポスター」をサイトに貼って示しておいてください。
たとえば、これが問題の多いポスターの見本です。(と私が思ったものです。著者はおそらく「普通の」ポスターの見本として示しておりあちこちにポスター作成のコツなどもメモしていますが、彼がいうところの論文をただポスターに移動したというパターンのものです。文字数が多すぎるとか、図や表が小さすぎるということは、すぐに気がつきます。)

著者が悪いポスターの見本と言って作ったものは、こちらでした。確かに読むのもつらそうですが(笑)、これも意外とよく見かけるパターンですね。

そして、例えばこちらが良いポスターのデザイン例です。

特に説明もいらなさそうなくらいだと思います。いずれもこのブログの著者のページに貼ってあるものです。
4.テンプレートを配ったりしないでください。
参加者に良いポスターを作ってもらいたいからといって、パワーポイントのテンプレートを配って使うように指示したりしないでください。そもそもパワーポイントはポスターを作るためのソフトウェアではありませんし、持っていない人もいます。そして最悪なことには会場中に同じようなポスターが並んでしまうことを想像してみてください。
5.参加者にロゴやバナーを作るように指示しないでください。
ブランドを示したからといって、ポスターの中身が良くなるわけではなく、紙面が狭くなるだけです。また、全体のデザインを壊すこともしばしばです。もし、なにかやりたいのだったら、参加者に無料のTシャツを配ったり、ペッタンコシールで「なんちゃってタトゥー」でもつけてもらいましょう。
6.ポスターに要旨を書かせるなどということは絶対にやめてください。
ポスターは論文と違って要旨を必要とするほど長大なものではありません。要旨は要旨集に入れて、めぼしいポスターを探すために使うものです。
7.ポスター賞があるのなら、審査基準を予めウェブサイトで公表しておいてください。
最近はポスター賞がはやっていますが、参加者には予め評価基準を示しておきましょう。「ベストポスターには賞が与えられます」ではいけません。それから、お願いですからデザイン的にどうなの、というような溢れんばかりの文字とデータ(図)が満載のポスターに賞を与えないでください。今後のポスターセッションはそんなポスターばかりになってしまいます。ですから、どういう基準でベストポスター賞を選ぶのかを前もって参加者に伝えておく必要があるのです。
8.はがきサイズに縮小したポスターをステッカーにして参加者の胸に貼っておいてもらいましょう。
会期中ずっとそのステッカーを胸に張っておくと、それぞれの人が発表ポスターと関連付けられて認識されるのは、素晴らしいアイディアではないでしょうか。(補足すると、このくらい縮小しても「良いポスター」はもとの情報が伝わってくるものです。逆に悪いポスターは、何がなんだかわからなくなるので、実際に自分でポスターを作る時にも、極端に縮小してみると、ポスターのデザインが適切かどうかが浮き彫りになるので、おすすめです。)
というわけで、科学者ではないデザイナーの思い入れが強すぎると感じられる部分がないわけではありませんが、ポスターセッションを主催する側だけではなく、ポスターを作って参加する側にもいろいろと示唆的なことが書かれていると思いました。
今度の学会の前に、思い出して実践してみませんか?

デザイナーのCOLIN PURRINGTONさんは科学系の学会で発表ポスターをどのようにデザインするかという講演をした時に、これはポスターセッションを主催する側にもいろいろと考えてもらわなくてはダメだとおもったらしく、ブログでポスターセッションのオーガナイザーへの公開レターを書いています。
Open letter to poster session organizers
そこで、彼は8つの提案をしているのですが、これはポスターセッションをどのように運営するかというだけではなく、ポスターを作って参加する側にもためになるアイディアがあると思いましたので、ここで紹介させていただくことにしました。超訳です(笑)。
学会のポスターをどうやってデザインするかという彼による解説もこちらにありますので、ぜひ参考にしてください。
Designing conference posters
ポスター発表のやり方については、ここでも過去に2度ほど紹介してありますので、そちらも参照してください。
ポスター発表のための10の簡単なルール
ポスターの作り方
さて、いよいよ本題のポスター主催者への提言です。
1.ポスターにどんな美的センスが必要かとか、どんなお客さん向けにつくるかとか、語数制限などのガイドラインを示してください。
学会案内のウェブページにはポスターのサイズや参加締め切り日ばかりではなく、ポスターの作り方についての指示もあるべきでしょう。たとえば、ポスターは800語以内で作りましょうとか、他の分野の科学者向けにつくりましょうとか書いてあったら、積極的に参加したくなるのではないでしょうか。もし語数制限を「あまり多くの語数はやめましょう」と書いたら、多くのポスターデザイナー(外国にはそういうプロもたくさんいるのでしょうね)は「5000語位以内のことだな」と思うものです。
2.「良いポスター」とはどんなものかの実例を示してください。
科学者は他の人のポスターを見て学ぶので、時には負の連鎖を生んでしまいます。インターネットでもかまいませんので、こういうのが良いポスターなのだ、と宣言してください。
3.ネット上にはポスターの作り方に関する多数のアドバイスがありますので、そのリンク集を作って会員に示してください。
抽象的なことを言っても会員には伝わりません。具体的なリンクを示しましょう。著者のページにもあるように「良いポスター」と「悪いポスター」をサイトに貼って示しておいてください。
たとえば、これが問題の多いポスターの見本です。(と私が思ったものです。著者はおそらく「普通の」ポスターの見本として示しておりあちこちにポスター作成のコツなどもメモしていますが、彼がいうところの論文をただポスターに移動したというパターンのものです。文字数が多すぎるとか、図や表が小さすぎるということは、すぐに気がつきます。)



4.テンプレートを配ったりしないでください。
参加者に良いポスターを作ってもらいたいからといって、パワーポイントのテンプレートを配って使うように指示したりしないでください。そもそもパワーポイントはポスターを作るためのソフトウェアではありませんし、持っていない人もいます。そして最悪なことには会場中に同じようなポスターが並んでしまうことを想像してみてください。
5.参加者にロゴやバナーを作るように指示しないでください。
ブランドを示したからといって、ポスターの中身が良くなるわけではなく、紙面が狭くなるだけです。また、全体のデザインを壊すこともしばしばです。もし、なにかやりたいのだったら、参加者に無料のTシャツを配ったり、ペッタンコシールで「なんちゃってタトゥー」でもつけてもらいましょう。
6.ポスターに要旨を書かせるなどということは絶対にやめてください。
ポスターは論文と違って要旨を必要とするほど長大なものではありません。要旨は要旨集に入れて、めぼしいポスターを探すために使うものです。
7.ポスター賞があるのなら、審査基準を予めウェブサイトで公表しておいてください。
最近はポスター賞がはやっていますが、参加者には予め評価基準を示しておきましょう。「ベストポスターには賞が与えられます」ではいけません。それから、お願いですからデザイン的にどうなの、というような溢れんばかりの文字とデータ(図)が満載のポスターに賞を与えないでください。今後のポスターセッションはそんなポスターばかりになってしまいます。ですから、どういう基準でベストポスター賞を選ぶのかを前もって参加者に伝えておく必要があるのです。
8.はがきサイズに縮小したポスターをステッカーにして参加者の胸に貼っておいてもらいましょう。
会期中ずっとそのステッカーを胸に張っておくと、それぞれの人が発表ポスターと関連付けられて認識されるのは、素晴らしいアイディアではないでしょうか。(補足すると、このくらい縮小しても「良いポスター」はもとの情報が伝わってくるものです。逆に悪いポスターは、何がなんだかわからなくなるので、実際に自分でポスターを作る時にも、極端に縮小してみると、ポスターのデザインが適切かどうかが浮き彫りになるので、おすすめです。)
というわけで、科学者ではないデザイナーの思い入れが強すぎると感じられる部分がないわけではありませんが、ポスターセッションを主催する側だけではなく、ポスターを作って参加する側にもいろいろと示唆的なことが書かれていると思いました。
今度の学会の前に、思い出して実践してみませんか?
昔、カセットテープというものがあった
カズオ・イシグロのこの本が出た時に、今時の若い人の中には表紙の写真がなんだかわからない人がいるかもしれないという風に思った記憶があります。

それが6年前のことですが、昨日部屋の整理をしていた時に未開封のものが出てきました。カセットテープです。「わたしを離さないで」の表紙もカセットテープで、小説の中でも重要な小道具となって出てきます。

最近ではカセットテープを再生するオーディオ装置を手に入れることすら難しくなってきましたが、一時期は老若男女を問わない音楽シーンに欠くことのできない記憶媒体として世界中の多くの個人の手元に行き渡っていたはずです。しかし、私がこのテープを購入したのがいつのことか記憶はありませんが、2000年よりも後ということはないはずです。
カセットテープが出まわる前には、オープンリールのテープを使っていましたが、大きいのとテープを巻き取り始めを毎回手作業でやらなければならないなど、使い方がやっかいだったので一部「オーディオ・マニア」以外にはあまり受け入れられませんでした。ところが、このカセットテープの出現により録音および演奏が非常に簡単になりました。
基本的な使われ方は、LPレコードをまるまるダビングして聞く、あるいは個人でいろいろな曲を組み合わせて録音したオリジナルののコンピレーションアルバムを作り聞いて楽しむ、あるいは誰かにプレゼントするというものが多かったと思います。さらに、録音済みのカセットを新しいカセットへとダビング(複製)することも良く行われていたので、それが一台の機械でできるカセットデッキが2台付いたダブルカセットのラジカセが一世を風靡したのもその頃です。ほぼ同時期に室外を移動しながらカセットを聞くことのできるウォークマンも大ヒットし、このカセットの販売元であるSONYが時代を制覇していました。
そうしたユーザーの行動パターンを象徴するようにカセット(往復録音)の録音時間もLPの片面の録音時間に合わせて細かく多種類が販売されていたことも思い出しました。

その証拠もここにあります(笑)。SONYには7種類あったのですね。
ともかくカセットテープの時代はウォークマンの時代であり、SONYの時代だったような気がします。その後、SONYもリーダーの一人となってMDの時代を作ろうとしたのですが、結局すぐに出てきたiPodに完膚なきまでに叩き潰され、いまや会社の存続さえもが心配される事態に至っているのはご存知のとおりです。
アナログのLPからデジタルのCDへの転換もあっという間に起こりました。カセットはLPの時代とCDの時代を生き延びてきましたが、腕時計くらいの大きさの 16G iPod nanoに4000曲が録音できるほど集積度を上げたメモリーを記憶媒体としたiPod型の音楽プレーヤーの時代にはあまりにも大きすぎる上にカセット1つに20曲程度しか録音できないメディアを交換する手間を考えると、勝負にならないことは明らかすぎます。
この未使用のテープが発掘されてきたことが示すように、私は現在はテープを使っていませんが、数百本の録音済みカセットがあり、その処分を開始しました。基本的にどこかのオリジナル音源があるものはすべて廃棄します。自分で録音した「生」のものはとりあえずは保存しておきますが、いずれそれを聞くためのハードウェアがなくなることを考えると頭が痛いことです。
また、数はそれほど多くありませんがカセットの形で販売されたアルバムもあります。

しかし、これなどもiTUnes storeで9ドル99セントで買えることを考えると、個人で保存する必要はもうないのかも知れないと思う、今日この頃なのでした。


カセットテープが出まわる前には、オープンリールのテープを使っていましたが、大きいのとテープを巻き取り始めを毎回手作業でやらなければならないなど、使い方がやっかいだったので一部「オーディオ・マニア」以外にはあまり受け入れられませんでした。ところが、このカセットテープの出現により録音および演奏が非常に簡単になりました。
基本的な使われ方は、LPレコードをまるまるダビングして聞く、あるいは個人でいろいろな曲を組み合わせて録音したオリジナルののコンピレーションアルバムを作り聞いて楽しむ、あるいは誰かにプレゼントするというものが多かったと思います。さらに、録音済みのカセットを新しいカセットへとダビング(複製)することも良く行われていたので、それが一台の機械でできるカセットデッキが2台付いたダブルカセットのラジカセが一世を風靡したのもその頃です。ほぼ同時期に室外を移動しながらカセットを聞くことのできるウォークマンも大ヒットし、このカセットの販売元であるSONYが時代を制覇していました。
そうしたユーザーの行動パターンを象徴するようにカセット(往復録音)の録音時間もLPの片面の録音時間に合わせて細かく多種類が販売されていたことも思い出しました。

ともかくカセットテープの時代はウォークマンの時代であり、SONYの時代だったような気がします。その後、SONYもリーダーの一人となってMDの時代を作ろうとしたのですが、結局すぐに出てきたiPodに完膚なきまでに叩き潰され、いまや会社の存続さえもが心配される事態に至っているのはご存知のとおりです。
アナログのLPからデジタルのCDへの転換もあっという間に起こりました。カセットはLPの時代とCDの時代を生き延びてきましたが、腕時計くらいの大きさの 16G iPod nanoに4000曲が録音できるほど集積度を上げたメモリーを記憶媒体としたiPod型の音楽プレーヤーの時代にはあまりにも大きすぎる上にカセット1つに20曲程度しか録音できないメディアを交換する手間を考えると、勝負にならないことは明らかすぎます。
この未使用のテープが発掘されてきたことが示すように、私は現在はテープを使っていませんが、数百本の録音済みカセットがあり、その処分を開始しました。基本的にどこかのオリジナル音源があるものはすべて廃棄します。自分で録音した「生」のものはとりあえずは保存しておきますが、いずれそれを聞くためのハードウェアがなくなることを考えると頭が痛いことです。
また、数はそれほど多くありませんがカセットの形で販売されたアルバムもあります。

メディアの中の生命科学と生命科学用語のあり方
知る人ぞ知る「白楽ロックビル先生」から、ご高著の謹呈をいただきました。私のようなものの存在を意識していただけるだけでも畏れ多いのに、最新刊までもいただけるとはお茶の水大学の方に三拝九拝しております。
『メディアの中の生命科学と生命科学用語のあり方 バイオ政治学第3巻』

しかも、この本なかなか手に入りにくいもののようで、頂いたものには値段もついておりませんでした。ということは、当然ながらアマゾンや楽天を検索しても出てこないものです。
こんなに素晴らしい本が普通の流通経路で手に入らないということは、日本の科学および科学コミュニケーション業界にとっては大変な損失になると思うのですが、どうしても欲しいという方には、細いながらもチャンネルはあいているようです。
白楽先生の「バイオ政治学」ホームページを見ると、「訪文堂書店からのみ入手できます。ウェブサイトには映画ポスターなどが商品とされていますが、『メディアの中の生命科学と生命科学用語のあり方 バイオ政治学 第3巻』を扱っています。お問い合わせください。E-mail : service@houbundou.net TEL 042-311-1840、FAX 042-311-1846」と書かれています。
確かに訪文堂書店のホームページに行っても、先生の本を扱っているという気配が感じられません。映画関連の商品を扱っている、かなりコアな書店さんのようです。
この不思議な出版物(下に書かれているように、ISBNもありませんので「本」と呼ぶのも微妙なところがあります。情報を転載します。
私はひたすらおもしろがって読んでいるところですが、一部の方にとっては喉から手が出るほど欲しいものではないかと思います。大学それも女子大で教えておられるということも関係あるのか、生命科学関係の講義のネタとなるような情報が満載と考えることもできる素敵な「本」です。
内容にはそこかしこにウェブサイトのアドレスがありますが、これがまた短縮アドレスにもなっておらず、間違いなく打ち込むことは不可能と思われるようなとてつもなく長いものが多いのも、一部のオタク関係者の挑戦欲を呷りそうにも思えます。ソフトカバーの232ページには情報がぎっしりとつまっていますので、私としてはこれは電子書籍として出版して欲しかったと思っております。
いずれにしても、これだけの力作の出版物の値段が気になっております。頂いたものは非売品で値段がついていないとしても、問い合わせたらいったい「いくら」と言われるのでしょうか?
あなたなら、いくらの値段をつけますか、と言われそうで恐くもありますが・・・。
『メディアの中の生命科学と生命科学用語のあり方 バイオ政治学第3巻』

こんなに素晴らしい本が普通の流通経路で手に入らないということは、日本の科学および科学コミュニケーション業界にとっては大変な損失になると思うのですが、どうしても欲しいという方には、細いながらもチャンネルはあいているようです。
白楽先生の「バイオ政治学」ホームページを見ると、「訪文堂書店からのみ入手できます。ウェブサイトには映画ポスターなどが商品とされていますが、『メディアの中の生命科学と生命科学用語のあり方 バイオ政治学 第3巻』を扱っています。お問い合わせください。E-mail : service@houbundou.net TEL 042-311-1840、FAX 042-311-1846」と書かれています。
確かに訪文堂書店のホームページに行っても、先生の本を扱っているという気配が感じられません。映画関連の商品を扱っている、かなりコアな書店さんのようです。
この不思議な出版物(下に書かれているように、ISBNもありませんので「本」と呼ぶのも微妙なところがあります。情報を転載します。
『メディアの中の生命科学と生命科学用語のあり方 バイオ政治学第3巻』内容説明にあるように、「メディアがどのように生命科学と生命科学者を描いているか」を、「生命科学者」の視点から書いているというものの、私のようなそこいらの「生命科学者」が普通にフォローできる「新聞」の世界を遥かに越えて、「映画」「テレビ」「イラスト」「マンガ」「コンピュータゲーム」において「生命科学」と「生命科学者」がどのように扱われているかが、縦横無尽に描かれています。
著者 : 白楽ロックビルと白楽研究室
分類 : 科学社会学、生命科学、メディア学
出版社 : 松李軒
出版年 : 2012年2月23日
ページ数 : 232
内容 : メディアが生命科学と生命科学者のイメージを大衆に伝えている。長年、実験生命科学を研究してきた生命科学者が、生命科学者の視点から、メディアがどのように生命科学と生命科学者を描いているかを「バイオ政治学」的に思索的に記述した。メディアは「新聞」「映画」「テレビ」「イラスト」「マンガ」「コンピュータゲーム」を扱っている。さらに、最近命名された「コンピュータゲーム」由来の生命科学用語をはじめ、日本語・日本文化由来のタンパク質用語を多数収集し、それらが生命科学そのものを歪めないか、生命科学と社会との関係を歪めないかの視点で、生命科学用語のあり方を論じた。〈ソフトカバー〉
読者 : 科学メディア関係者。「新聞」「映画」「テレビ」「イラスト」「マンガ」「コンピュータゲーム」制作者および関係者。生命科学者。科学政策の政府職員。「科学社会学、生命科学、メディア学、国語学」の学部生・大学院生・大学教員・研究者。科学コミュニケータ。一般人。
ISBN : なし
私はひたすらおもしろがって読んでいるところですが、一部の方にとっては喉から手が出るほど欲しいものではないかと思います。大学それも女子大で教えておられるということも関係あるのか、生命科学関係の講義のネタとなるような情報が満載と考えることもできる素敵な「本」です。
内容にはそこかしこにウェブサイトのアドレスがありますが、これがまた短縮アドレスにもなっておらず、間違いなく打ち込むことは不可能と思われるようなとてつもなく長いものが多いのも、一部のオタク関係者の挑戦欲を呷りそうにも思えます。ソフトカバーの232ページには情報がぎっしりとつまっていますので、私としてはこれは電子書籍として出版して欲しかったと思っております。
いずれにしても、これだけの力作の出版物の値段が気になっております。頂いたものは非売品で値段がついていないとしても、問い合わせたらいったい「いくら」と言われるのでしょうか?
あなたなら、いくらの値段をつけますか、と言われそうで恐くもありますが・・・。
そこそこの科学者の叫び
The Scientistにオピニオンとして、研究費申請をはねられた研究者の意見が載っていました。

著者はイタリアの研究者で、ヨーロッパの研究費に応募して、審査の最終段階まで行ったらしいのですが、研究費の審査員が「あなたの申請研究は興味深く、著者は論文もよく出しているし、研究計画も良く書けているけれども、申請は不採択です」という理由が、彼が「良い研究者」だけれども「傑出した研究者」ではないからということでした。最近はいつもこんな調子で研究費がはねられているようです。
もっともノーベル賞(医学・物理・化学)の選考理由となるような重要な論文でも、そのうち30%は研究費をもらっていないというデータもあるのだそうです(John P. A. Ioannidis in Nature 477,529–531 2011)から、驚くべきことでもないのかもしれません。
それよりも著者を落ち込ませたのは、ある大学院生に彼の研究室で博士課程の研究をやらないかと誘ったのを、そんなことをやっていても将来お金を稼げるようにならなさそうだから遠慮しますと言われたことだったと書いてあります。
ヨーロッパでもアメリカでも、最近の日本と同じように研究者養成システムと研究費の配分システムがうまく機能していなくなっているのは、基本的にそちらへまわるお金がなくなってきているという経済状況が背景にあるのだと思います。その結果、まさに「傑出した研究者」にしか研究費が届かなくなっているという状況があります。それでいいのでしょうか。研究費をもらった「傑出した研究者」は順調に研究を続けることができるかもしれませんが、研究費をもらえない研究者は十分な研究を続けられなくなる結果、現時点において傑出していなくても次の世代に出てくるであろう研究が挫折してしまうというようなことも多くなることが予想されます。これはマズイのではないでしょうか。
さらに研究費をもらうためには、申請書に「これは面白い研究です」とだけかいてもだめで、その研究が「どんなに人の役に立つか」ということを強調しなければならない時代になりました。研究が終わった時には、どういうことができるようになっていると言わなければならないのです。もちろん、研究計画はしっかりしていなければならず、その成果も予想されていなければなりませんが、2006年のノーベル賞を取ったRNA干渉などは研究の失敗から出たきた「ひょうたんからコマ」のようなものだったわけで、もちろん研究計画書に書かれていなかったものだということを思い出してください。
最近は世界的傾向として、高学歴と高収入が必ずしも一致しなくなってきており、大学院の博士(後期)課程へ進学することをためらう学生も多くなってきているようで、これでは科学の発展が維持できなくなる可能性もあります。こんなことではいけないと、著者が提案する「より良い研究費配分システムの提案」を以下に要約してみます。

(C)photoXpress
1) 研究室の力を均等化することを考えて欲しい
これは、プロ野球のドラフト制度のようなことをイメージすれば良いのではないかと思いますが、強いものがその力を発揮してより強くなったのでは、正常な競争が起こらず業界全体がダメになってしまうので、研究者の世界でも、研究所や研究グループや研究者個人の力を均等化するように研究費を配分することも考えてみてはどうかということです。もし、研究申請書が同じくらいのレベルだったら、より恵まれていない研究所、研究グループに研究費を配分するようにして欲しいと言っています。これは、なるほどと思います。
2) 個人的なバイアスを避ける審査をして欲しい
審査員を選べるというところまではいかなくても、この人には審査をして欲しくないと拒否できるシステムが欲しい。これは最近は、論文の審査システムではだいぶ浸透してきていると思います。
3) 最高のポイントを取った申請書ではなくそこそこのポイントのものに研究費配分を
「傑出した研究者」の書く申請書は高いポイントを獲得する可能性が高いけれども、研究費はそうした最高のポイントを取ったものではなく、その下の「そこそこ良い」ポイントをとったものに配分してはどうだろうか。「若手」にだけ与えられる研究費があるように、「そこそこ良い」研究者にだけ与えられる研究費があっても良いのではないだろうか。
4) 研究環境も考慮して欲しい
後進国や弱小大学などで研究をしている人々は、少ない研究費、貧弱な設備、そして少ない研究者など研究環境にハンディを持っている場合がほとんどです。そういうところで行われた研究と、先進国の有名大学や研究所でたくさんの研究費を使い、最新の設備を使ってたくさんの研究者によって行われた研究成果を比較するのはフェアなことでしょうか。もちろん、先進国の中でも研究環境には大きな格差がありますが、いずれにせよ劣悪な環境で良い研究をしている研究者にこそ研究費を優先的に配分すべきではないでしょうか。
5) 申請書はシンプルに
長~い申請書を書かせるのはやめましょう。そして、研究は研究計画の中心部分だけで判断するようにしてほしいものです。
とイタリア人研究者でナポリとフィラデルフィアに研究室を持つ著者が嘆いています。こういう文章を読んでいると、もはやこういう問題に国境がなくなったことを強く感じます。
研究の世界はすでにグローバル化が終わっているということかもしれません。グローバルに改善が起こってくれるといいのですが・・・。

もっともノーベル賞(医学・物理・化学)の選考理由となるような重要な論文でも、そのうち30%は研究費をもらっていないというデータもあるのだそうです(John P. A. Ioannidis in Nature 477,529–531 2011)から、驚くべきことでもないのかもしれません。
それよりも著者を落ち込ませたのは、ある大学院生に彼の研究室で博士課程の研究をやらないかと誘ったのを、そんなことをやっていても将来お金を稼げるようにならなさそうだから遠慮しますと言われたことだったと書いてあります。
ヨーロッパでもアメリカでも、最近の日本と同じように研究者養成システムと研究費の配分システムがうまく機能していなくなっているのは、基本的にそちらへまわるお金がなくなってきているという経済状況が背景にあるのだと思います。その結果、まさに「傑出した研究者」にしか研究費が届かなくなっているという状況があります。それでいいのでしょうか。研究費をもらった「傑出した研究者」は順調に研究を続けることができるかもしれませんが、研究費をもらえない研究者は十分な研究を続けられなくなる結果、現時点において傑出していなくても次の世代に出てくるであろう研究が挫折してしまうというようなことも多くなることが予想されます。これはマズイのではないでしょうか。
さらに研究費をもらうためには、申請書に「これは面白い研究です」とだけかいてもだめで、その研究が「どんなに人の役に立つか」ということを強調しなければならない時代になりました。研究が終わった時には、どういうことができるようになっていると言わなければならないのです。もちろん、研究計画はしっかりしていなければならず、その成果も予想されていなければなりませんが、2006年のノーベル賞を取ったRNA干渉などは研究の失敗から出たきた「ひょうたんからコマ」のようなものだったわけで、もちろん研究計画書に書かれていなかったものだということを思い出してください。
最近は世界的傾向として、高学歴と高収入が必ずしも一致しなくなってきており、大学院の博士(後期)課程へ進学することをためらう学生も多くなってきているようで、これでは科学の発展が維持できなくなる可能性もあります。こんなことではいけないと、著者が提案する「より良い研究費配分システムの提案」を以下に要約してみます。

1) 研究室の力を均等化することを考えて欲しい
これは、プロ野球のドラフト制度のようなことをイメージすれば良いのではないかと思いますが、強いものがその力を発揮してより強くなったのでは、正常な競争が起こらず業界全体がダメになってしまうので、研究者の世界でも、研究所や研究グループや研究者個人の力を均等化するように研究費を配分することも考えてみてはどうかということです。もし、研究申請書が同じくらいのレベルだったら、より恵まれていない研究所、研究グループに研究費を配分するようにして欲しいと言っています。これは、なるほどと思います。
2) 個人的なバイアスを避ける審査をして欲しい
審査員を選べるというところまではいかなくても、この人には審査をして欲しくないと拒否できるシステムが欲しい。これは最近は、論文の審査システムではだいぶ浸透してきていると思います。
3) 最高のポイントを取った申請書ではなくそこそこのポイントのものに研究費配分を
「傑出した研究者」の書く申請書は高いポイントを獲得する可能性が高いけれども、研究費はそうした最高のポイントを取ったものではなく、その下の「そこそこ良い」ポイントをとったものに配分してはどうだろうか。「若手」にだけ与えられる研究費があるように、「そこそこ良い」研究者にだけ与えられる研究費があっても良いのではないだろうか。
4) 研究環境も考慮して欲しい
後進国や弱小大学などで研究をしている人々は、少ない研究費、貧弱な設備、そして少ない研究者など研究環境にハンディを持っている場合がほとんどです。そういうところで行われた研究と、先進国の有名大学や研究所でたくさんの研究費を使い、最新の設備を使ってたくさんの研究者によって行われた研究成果を比較するのはフェアなことでしょうか。もちろん、先進国の中でも研究環境には大きな格差がありますが、いずれにせよ劣悪な環境で良い研究をしている研究者にこそ研究費を優先的に配分すべきではないでしょうか。
5) 申請書はシンプルに
長~い申請書を書かせるのはやめましょう。そして、研究は研究計画の中心部分だけで判断するようにしてほしいものです。
とイタリア人研究者でナポリとフィラデルフィアに研究室を持つ著者が嘆いています。こういう文章を読んでいると、もはやこういう問題に国境がなくなったことを強く感じます。
研究の世界はすでにグローバル化が終わっているということかもしれません。グローバルに改善が起こってくれるといいのですが・・・。
リアルタイム線量測定システムによる福島県内の空間線量率測定公開始まる
文科省のプレスリリースです。
リアルタイム線量測定システムによる福島県内の空間線量率の リアルタイム測定結果の公開について(pdfファイル)

(クリックすると飛びます。)

2700台設置されたほとんどは低線量の場所にあるのですが、少数しか設置されていない浪江町とか飯舘村の記録を見ると、かなり恐怖を感じさせられます。
ご自分で見られるのが良いと思いますが、いくつかクリップしておきます。浪江には3台、飯舘には4台しかありません。こちらは、飯舘にある相馬農業高校飯舘校の測定器です。

測定を開始したばかりですが、表示画面の上限ギリギリの2.814μSv/hです。
次は浪江にある町立津島中学校です。

相馬農業飯館校と似たような感じです。
ところがそこから1Kmほど西にある浪江高等学校津島校ではグラフが見えません。

値は8.851μSv/hでグラフの表示を倍以上振りきれているのです。
どこを見ても値は安定しているようなので、当面このモニタリングポストが役に立つようなことが起こらないことを祈るだけです。
大きな町には何十台何百台もあるのですが、ほとんどのところは非常に低い値を示しています。こんなのを設置するより、住民全員に小型のサーベイメーターでも配布したほうが役に立ちそうな気もしますが、もしもまた原発で異常事態が起こった場合には、これが役に立つことになるのですね。
新しい設備ができて、「よかった、よかった」と素直にならないのがつらいところです。
リアルタイム線量測定システムによる福島県内の空間線量率の リアルタイム測定結果の公開について(pdfファイル)

このシステムは、昨年 11 月から装置の設置作業を進めてきたところですが、今般、概ね機器の外観写真も添付されています。
設置が完了したことから、本日から、上記の URL にて公開を開始いたします。(測定機器や
ホームページ等の詳細については別添の通り)
なお、現時点で設置場所の調整を行っている箇所が約 30 箇所ありますが、引き続き設置
作業を早急に進め、設置完了したものから順次、上記の URL にて公表を行ってまいります。
上記のページには、文部科学省放射線モニタリング情報のホームページ
(http://radioactivity.mext.go.jp/ja/ )のリンクからもアクセスできます。

ご自分で見られるのが良いと思いますが、いくつかクリップしておきます。浪江には3台、飯舘には4台しかありません。こちらは、飯舘にある相馬農業高校飯舘校の測定器です。

次は浪江にある町立津島中学校です。

ところがそこから1Kmほど西にある浪江高等学校津島校ではグラフが見えません。

どこを見ても値は安定しているようなので、当面このモニタリングポストが役に立つようなことが起こらないことを祈るだけです。
大きな町には何十台何百台もあるのですが、ほとんどのところは非常に低い値を示しています。こんなのを設置するより、住民全員に小型のサーベイメーターでも配布したほうが役に立ちそうな気もしますが、もしもまた原発で異常事態が起こった場合には、これが役に立つことになるのですね。
新しい設備ができて、「よかった、よかった」と素直にならないのがつらいところです。
機械の名前
今日、修士論文の発表会があって、博士、卒業研究と続いてきた卒業関連行事がいちおう一区切りとなりました。
そのせいか、まだ早い時間なのに5号館の5階から学生がひとりもいなくなってしまいました。人のいなくなった実験室に置かれた実験機器を眺めていると、ほとんどのものが番号と組み合わせた「名前」を持っていることを再認識します。

また、改めて写真に撮ってみると、ほとんどどの機械の名前なのか判断することが難しいこともわかります。

基本的に値段の高い機械の名前はレタリング・デザインもしっかりしています。

反対に安い機械のものは、プリンターで打ち出したような安易なフォントが使われているものもあります。

薬の名前もいい加減なものが多いですが、これらの機械の名前もかなりいい加減に付けられているように思もえます。

番号だけでいさぎよく付けられた名前のものは「高級機」が多い傾向があります。

こういう名前を考えたのは技術者の方でしょうか、それとも営業の方なのでしょうか。

意外と技術や営業などといった区別のない「町工場」のようなところで作られたものも多いのかもしれません。

家庭で使う電気製品などと比べると、だいたい数倍から十数倍の値段が付いていると感じることの多い実験機器ですが、1台ずつ手作りで作られているのではないかという現場のことを考えると、値段が高いと断じることはできません。

何百台も売れれば大ヒットというような世界で付けられた機器の名前を付けた方にとっては、どれも特別の思い入れのある一台に違いありません。

そんなことを考えていると、一台一台に人の「思い」が込められているのが感じられてきました。
たまには、人気のないところで機械と向かい合うのもいいものです。
そのせいか、まだ早い時間なのに5号館の5階から学生がひとりもいなくなってしまいました。人のいなくなった実験室に置かれた実験機器を眺めていると、ほとんどのものが番号と組み合わせた「名前」を持っていることを再認識します。










たまには、人気のないところで機械と向かい合うのもいいものです。
2011年に取り下げられた論文トップ5
年度末には、今年の10大ニュースとかヒット曲トップ10とか、今年の重要な出来事を振り返る企画が多くなるのですが、こちらはあまり楽しくない話題かもしれませんが、Scientific American のニュースで「今年、科学の専門誌で取り下げられた重要論文」というタイトルの記事がありましたので、ご紹介します。

まあ、論文の取り下げ自体はそれほど珍しいことではなく、著者たちによってすでに発表された論文に間違いが発見されたなどという理由で有名雑誌でも何百という論文が取り下げられています。
しかし、発表された時にマスコミを賑わせるような事件や大発見として、その内容が社会的に広まり、場合によっては多くの人の行動に影響を与えるようなインパクトを持った論文が取り下げられるということになる場合には、、「間違ってました」では済まない影響が論文の取下げ後も社会的影響を与え続けることがあります。
有名な所では、The Lancet という医学系ではとても権威のある雑誌に1998年に掲載された論文で、麻疹とおたふく風邪と風疹の3種混合ワクチンの投与によって自閉症が起こるということが発表された時は大変でした。この論文はデータの捏造や研究過程での倫理違反が明らかになって2010年に取り下げられたのですが、最初の論文発表以降に激減したワクチンの投与率が下がったまま、いまだに回復していません。
Nature, Science や Cell といったシングル・ワード・タイトルの雑誌でも、論文の取り下げはしょっちゅうあるのです。そして、取り下げ論文の著者も多くの場合大きなダメージを受けるものです。研究者生命が絶たれることも珍しくありません。
カール・セーガンが「すごい発見にはすごい証拠が必要だ」と言っていたにもかかわらず、その基準を満たせずに取り下げられた「すごい論文」のトップ5が選ばれています。
第5位 ロサンゼルスのマリファナ配布所周辺では犯罪が減る
RANDコーポレーションというのは非営利で社会問題などを分析する研究所らしいのですが、そこで出した報告書にロサンゼルスにある医療用マリファナの配布所の周辺では犯罪が少し減るということが書かれていたそうです。犯罪が減ったのは、配布所の近辺には監視カメラがたくさんあるからだろうという考察をしています。
ところがそれを見て、ロサンゼルス市の弁護士事務所が、「それは全く逆だ」と激怒して調べたところ、RANDコーポレーションが解析に使ったのは、CrimeReports.comというウェブで公開されているデータで、そこにはロサンゼルス警察のデータが含まれていないということがわかりました。
このお粗末な顛末で、今年の10月にRANDは報告書を取り下げることになりました。
第4位 チョウがカギムシと出会って恋に落ち、イモムシ型幼虫が進化した
これは2009年にPNASに載って、一時は大騒ぎになった論文ですが、「チョウの幼虫は、カギムシのような動物との交雑によってチョウの発生過程に取り込まれた」という珍説にほとんどの進化生物学・進化発生学者は動じませんでした。PNAS論文は正式にはまだ取り下げられていませんが、著者が今年の1月にSymbiosisという雑誌に掲載した同じ主張を繰り返した補足論文は、今年の11月には消えてしまっているそうです。
PNASの論文を紹介したLynn Margulisが先頃亡くなったので、これはもうこのままウヤムヤになるかもしれません。
第3位 虫垂炎(盲腸炎)を手術ではなく抗生物質で治す
これはなんとなくありえてもいいような気がするのですが、2009年に Journal of Gastrointestinal Surgery という雑誌に載ったインドの研究者による「急性虫垂炎の保存療法」という論文ですが、今年の10月に取り下げられました。2010年にイタリアの外科医が彼らの論文の危険性や手法の問題点を指摘する論文を同誌に掲載したのですが、インドの原著者達は強く反論できなかったようです。
調べてみると彼らの論文は1995年と2000年に出ている論文からの盗用が多数発見されたことを主な理由に取り下げられてしまいました。
第2位 ゴミが犯罪と差別を生む
Scienceの2011年4月号に載ったオランダの社会心理学者の論文ですが、ほとんどが捏造だったということがわかり、11月に取り下げられました。著者の Diederik Stapel はニューヨーク・タイムズにもしょっちゅう名前の出てくる有名人だったようですが、今までに少なくとも30本以上の論文でデータの捏造をしていたことが発覚し、オランダの Tilburg University という大学では研究を差し止められたということです。
Stapel は他にも「美をうたった広告を見ると女性が自分を醜く感じるので、広告は成功する」とか、「保守政治は偽善に陥る」とかの有名な説(らしいです)を唱えているのですが、それらも同じような捏造による「空想」だということになるかもしれませんね。
そうなったら、その説を受け売りしていた人たちはいったい・・・・。
そして、いよいよ最後です。
第1位 慢性過労症候群はウイルスが引き起こす
これはびっくりしました。ずいぶん前に私はこの説を優秀な医学研究者から聞かされて、半信半疑ながらも「科学的事実」だと長いこと信じていたからです。そして2009年の10月のScienceに原因のウイルスが xenotropic murine leukemia virus-related virus (XMRV) と特定されたという論文が出たので、これで決まったかと思ったものです。
しかしレトロウイルスの専門家たちが激しく反撃したにもかかわらず、原著者たちが論文の取り下げを拒否したことから、サイエンス誌も7月に編集者からの疑問を提出しました。他の研究者たちは誰も慢性疲労症候群の患者からXMRVを検出できなかったからです。
原著者たちは9月に論文データの一部がサンプルのコンタミに由来するものとして取り下げ(訂正)を行いましたが。Science誌はつい最近の12月23日に論文の全面取り下げを断行しました。
その間、原著者の一人が9月に研究所を解雇された後、11月にはカリフォルニアでコンピューターデータ、設備・機材などの窃盗の罪で逮捕されるという騒ぎになっています。
サイエンス誌ではデータの捏造の調査もしているということです。
というわけで、今年の最大の取り下げ事件はこれに決定ということになりました。論文の取り下げは良くあることとは言え、世界的な話題になるような有名雑誌に載った大発見は常に厳しい批判の目に晒されていますから、遅かれ早かれ暴かれて研究者生命を失いかねない傷を負うものです。
それほど有名じゃない雑誌に出たものだと発覚の確率は下がるかもしれませんが、例えばこんなブログでデータの不正を監視している人もいますから、安心(?)はできません。
Abnormal Science Blog
その中で指摘されている、データの使い回しの例と言われるものをご覧ください。1箇所くらいなら間違いということもあるでしょうが、同じ研究者の論文で何度も繰り返されていることが指摘されたら、不正を疑われても仕方がないと思います。
Matsubara lab in Japan: Anything goes? (part 3)

Matsubara lab in Japan: Breathtaking reuse of Western and Northern blot bands

壁に耳あり、障子に目あり、研究の世界も厳しいものです。

しかし、発表された時にマスコミを賑わせるような事件や大発見として、その内容が社会的に広まり、場合によっては多くの人の行動に影響を与えるようなインパクトを持った論文が取り下げられるということになる場合には、、「間違ってました」では済まない影響が論文の取下げ後も社会的影響を与え続けることがあります。
有名な所では、The Lancet という医学系ではとても権威のある雑誌に1998年に掲載された論文で、麻疹とおたふく風邪と風疹の3種混合ワクチンの投与によって自閉症が起こるということが発表された時は大変でした。この論文はデータの捏造や研究過程での倫理違反が明らかになって2010年に取り下げられたのですが、最初の論文発表以降に激減したワクチンの投与率が下がったまま、いまだに回復していません。
Nature, Science や Cell といったシングル・ワード・タイトルの雑誌でも、論文の取り下げはしょっちゅうあるのです。そして、取り下げ論文の著者も多くの場合大きなダメージを受けるものです。研究者生命が絶たれることも珍しくありません。
カール・セーガンが「すごい発見にはすごい証拠が必要だ」と言っていたにもかかわらず、その基準を満たせずに取り下げられた「すごい論文」のトップ5が選ばれています。
第5位 ロサンゼルスのマリファナ配布所周辺では犯罪が減る
RANDコーポレーションというのは非営利で社会問題などを分析する研究所らしいのですが、そこで出した報告書にロサンゼルスにある医療用マリファナの配布所の周辺では犯罪が少し減るということが書かれていたそうです。犯罪が減ったのは、配布所の近辺には監視カメラがたくさんあるからだろうという考察をしています。
ところがそれを見て、ロサンゼルス市の弁護士事務所が、「それは全く逆だ」と激怒して調べたところ、RANDコーポレーションが解析に使ったのは、CrimeReports.comというウェブで公開されているデータで、そこにはロサンゼルス警察のデータが含まれていないということがわかりました。
このお粗末な顛末で、今年の10月にRANDは報告書を取り下げることになりました。
第4位 チョウがカギムシと出会って恋に落ち、イモムシ型幼虫が進化した
これは2009年にPNASに載って、一時は大騒ぎになった論文ですが、「チョウの幼虫は、カギムシのような動物との交雑によってチョウの発生過程に取り込まれた」という珍説にほとんどの進化生物学・進化発生学者は動じませんでした。PNAS論文は正式にはまだ取り下げられていませんが、著者が今年の1月にSymbiosisという雑誌に掲載した同じ主張を繰り返した補足論文は、今年の11月には消えてしまっているそうです。
PNASの論文を紹介したLynn Margulisが先頃亡くなったので、これはもうこのままウヤムヤになるかもしれません。
第3位 虫垂炎(盲腸炎)を手術ではなく抗生物質で治す
これはなんとなくありえてもいいような気がするのですが、2009年に Journal of Gastrointestinal Surgery という雑誌に載ったインドの研究者による「急性虫垂炎の保存療法」という論文ですが、今年の10月に取り下げられました。2010年にイタリアの外科医が彼らの論文の危険性や手法の問題点を指摘する論文を同誌に掲載したのですが、インドの原著者達は強く反論できなかったようです。
調べてみると彼らの論文は1995年と2000年に出ている論文からの盗用が多数発見されたことを主な理由に取り下げられてしまいました。
第2位 ゴミが犯罪と差別を生む
Scienceの2011年4月号に載ったオランダの社会心理学者の論文ですが、ほとんどが捏造だったということがわかり、11月に取り下げられました。著者の Diederik Stapel はニューヨーク・タイムズにもしょっちゅう名前の出てくる有名人だったようですが、今までに少なくとも30本以上の論文でデータの捏造をしていたことが発覚し、オランダの Tilburg University という大学では研究を差し止められたということです。
Stapel は他にも「美をうたった広告を見ると女性が自分を醜く感じるので、広告は成功する」とか、「保守政治は偽善に陥る」とかの有名な説(らしいです)を唱えているのですが、それらも同じような捏造による「空想」だということになるかもしれませんね。
そうなったら、その説を受け売りしていた人たちはいったい・・・・。
そして、いよいよ最後です。
第1位 慢性過労症候群はウイルスが引き起こす
これはびっくりしました。ずいぶん前に私はこの説を優秀な医学研究者から聞かされて、半信半疑ながらも「科学的事実」だと長いこと信じていたからです。そして2009年の10月のScienceに原因のウイルスが xenotropic murine leukemia virus-related virus (XMRV) と特定されたという論文が出たので、これで決まったかと思ったものです。
しかしレトロウイルスの専門家たちが激しく反撃したにもかかわらず、原著者たちが論文の取り下げを拒否したことから、サイエンス誌も7月に編集者からの疑問を提出しました。他の研究者たちは誰も慢性疲労症候群の患者からXMRVを検出できなかったからです。
原著者たちは9月に論文データの一部がサンプルのコンタミに由来するものとして取り下げ(訂正)を行いましたが。Science誌はつい最近の12月23日に論文の全面取り下げを断行しました。
その間、原著者の一人が9月に研究所を解雇された後、11月にはカリフォルニアでコンピューターデータ、設備・機材などの窃盗の罪で逮捕されるという騒ぎになっています。
サイエンス誌ではデータの捏造の調査もしているということです。
というわけで、今年の最大の取り下げ事件はこれに決定ということになりました。論文の取り下げは良くあることとは言え、世界的な話題になるような有名雑誌に載った大発見は常に厳しい批判の目に晒されていますから、遅かれ早かれ暴かれて研究者生命を失いかねない傷を負うものです。
それほど有名じゃない雑誌に出たものだと発覚の確率は下がるかもしれませんが、例えばこんなブログでデータの不正を監視している人もいますから、安心(?)はできません。
Abnormal Science Blog
その中で指摘されている、データの使い回しの例と言われるものをご覧ください。1箇所くらいなら間違いということもあるでしょうが、同じ研究者の論文で何度も繰り返されていることが指摘されたら、不正を疑われても仕方がないと思います。
Matsubara lab in Japan: Anything goes? (part 3)

Matsubara lab in Japan: Breathtaking reuse of Western and Northern blot bands

自力で放射能汚染地図を作った木村真三さん講演

5号館のつぶやき : NHK教育テレビ「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月~」
今でもYouTubeで、細切れになってはいるものの番組は見れるようです。
その木村さんは、福島の原発事故が起こった後、すぐに汚染調査に乗り出すのですが、当時在職中の労働安全衛生総合研究所で「自主調査禁止」を命ぜられたため、すぐに辞職して調査を続けたという強者です。そのあたりの事情が、今朝日新聞に連載中の「プロメテウスの罠」の最初の頃に載っていた「研究者の辞表」に詳しく書かれていました。(さすがに朝日新聞もすべてのブログに削除依頼は出していないようで、今ならたとえば、ここなどで記事が読めるようです。)
その後、彼の生活を心配していたのですが、一時期この北海道大学の医学部で彼を引き受けてくれる太っ腹の教授の研究室に所属していたと聞きました。もちろん、その間彼に会ったこともないのですが、さすがにここまで有名になってしまうときちんとした受け皿も出てくるもので、8月頃から獨協医大の准教授に転身されたということです。
巡りめぐって札幌市医師会が厚別区支部創立20周年記念として「市民公開講座『原発事故と放射線障害』-内部被ばくと健 康 こどもたちの未来のためにも-」を開催することになり、なんとその中に木村真三さんの講演もあるというではないですか。

この参加申込書に氏名・性別・年齢・参加人数などを書いて、医療機関窓口に出すか、あるいはそれをFAXすればよいということなので、参加希望の方はまず札幌市医師会のホームページから、チラシのpdfファイルをダウンロードして、それを印刷した参加申込書に書きこんで、FAXされるのがもっとも簡単ではないでしょうか。
pdfチラシはこちら
場所が厚別のシェラトンホテル札幌という立派なところですが、入場は無料です。ホテル近くに託児所もあるそうです。興味のある方は日曜日の午後1時から5時くらいまで、充実した時間を過ごされるのも良いかと思います。
木村さんの講演だけではなく、コンサドーレの曽田元選手のトークと北海道がんセンター院長の西尾先生の講演もなかなか濃いものではないかと思われます。
ポスターの作り方
学会が終わってしまって,タイミングとしては悪いのですが,今日のThe Scientist Dailyに再掲されていた記事が目に止まりました。(元記事は9月1日に出ていたようです。)
Poster Perfect
By Edyta Zielinska
How to drive home your science with a visually pleasing poster
こちらは先週の動物学会大会のポスター会場です。

上記の記事に掲載されていたポスター会場がこちらです。

ポスター発表はもはや国際標準の発表スタイルというわけです。
こういうことをすぐにマニュアル化する彼の国では,ポスターの作り方についての記事や本やポスターなどが繰り返し出てきます。この記事のそういうもののひとつで,読んでみるとどれも同じようなことを言っているのですが,読むたびに「なるほど」と思うのは,ついついポスターを作る時には忘れてしまうからなのですね。
というわけで,思い出すためのTipsがいろいろと出てきます。
おもしろいのは,ここに名前とアドレスを書くとそういうTipsをポスターにしたものをダウンロードできるアドレスを教えてくれるというものです。

送られてきたアドレスにあったのがこれ1枚だけというのも笑えます。

読めてしまうと営業妨害になるので,読めないくらい縮小しておきました。書いてあることは「人目をひくようにしろ」とか,「タイトルや要旨はできるだけ短く」とか「結論は目立つ上の方に書け」とか,わりとよく言われることが書いてありますが,それが有名な先生の言葉としてかかれているところがこのポスターの「売り」のようです。
最後にイタリアの先生の言葉,「ジョンレノンのイマジンは3分くらいの長さの曲だけど,イマジンが演奏される時間と同じくらいあなたのポスターを読んでもらえると思うか」が異色でした。
この記事の最後には,このポスターをもらえるアドレスのほかに参考になるサイトが載っているのですが,ちょっとびっくりしたのは,ポスターを作るための専用ソフトがあることでした。
PosterGenius™
10分間で最高のポスターができますと書いてありますが,学会前で追い詰められた大学院生には悪魔のささやきですね。通常価格が199ドルのところ,今なら139ドルだそうです。さらに,学生ならば49ドルで買えるようですし。お試し版のダウンロードもありますので,試してみてはいかがでしょうか。
こちらはポスターデザインの講義スライドです。
Scientific Poster Design
こちらは毎週アップデートされているポスター作成法専門のブログです。
Better Posters
こうして日夜,人目をひく努力をしている欧米のポスター発表者に負けないようなものを作るためには,いろいろな努力をしなければ生き残れません。
たとえば,最近はスマートフォンの持ち主が多くなってきていますから,ポスターの中にQRコードを埋め込んで,読み込むと図の説明が出たり,インターネットサイトへ誘導して動物の鳴き声や関連動画が出たりというようなことも,だんだんと普通になってくるのかもしれません。
日本人ならば国際学会で日本的なものを出せば目を引けるというようなことも,だんだんと効き目が薄くなってきている今日この頃,ポスター発表のスタイルにも日々研鑽が必要になっています。
ただし,文字は大きく少なく,図表も太く大きく,説明は簡潔に,などというあたりは永遠の真理のようです。
ここにもなかなか良くまとまった記事があります。
Designing conference posters
リンクも充実しているので,是非参照してください。
そして,次のポスターセッションこそは大成功させてください。
Poster Perfect
By Edyta Zielinska
How to drive home your science with a visually pleasing poster
こちらは先週の動物学会大会のポスター会場です。


こういうことをすぐにマニュアル化する彼の国では,ポスターの作り方についての記事や本やポスターなどが繰り返し出てきます。この記事のそういうもののひとつで,読んでみるとどれも同じようなことを言っているのですが,読むたびに「なるほど」と思うのは,ついついポスターを作る時には忘れてしまうからなのですね。
というわけで,思い出すためのTipsがいろいろと出てきます。
おもしろいのは,ここに名前とアドレスを書くとそういうTipsをポスターにしたものをダウンロードできるアドレスを教えてくれるというものです。


最後にイタリアの先生の言葉,「ジョンレノンのイマジンは3分くらいの長さの曲だけど,イマジンが演奏される時間と同じくらいあなたのポスターを読んでもらえると思うか」が異色でした。
この記事の最後には,このポスターをもらえるアドレスのほかに参考になるサイトが載っているのですが,ちょっとびっくりしたのは,ポスターを作るための専用ソフトがあることでした。
PosterGenius™
10分間で最高のポスターができますと書いてありますが,学会前で追い詰められた大学院生には悪魔のささやきですね。通常価格が199ドルのところ,今なら139ドルだそうです。さらに,学生ならば49ドルで買えるようですし。お試し版のダウンロードもありますので,試してみてはいかがでしょうか。
こちらはポスターデザインの講義スライドです。
Scientific Poster Design
こちらは毎週アップデートされているポスター作成法専門のブログです。
Better Posters
こうして日夜,人目をひく努力をしている欧米のポスター発表者に負けないようなものを作るためには,いろいろな努力をしなければ生き残れません。
たとえば,最近はスマートフォンの持ち主が多くなってきていますから,ポスターの中にQRコードを埋め込んで,読み込むと図の説明が出たり,インターネットサイトへ誘導して動物の鳴き声や関連動画が出たりというようなことも,だんだんと普通になってくるのかもしれません。
日本人ならば国際学会で日本的なものを出せば目を引けるというようなことも,だんだんと効き目が薄くなってきている今日この頃,ポスター発表のスタイルにも日々研鑽が必要になっています。
ただし,文字は大きく少なく,図表も太く大きく,説明は簡潔に,などというあたりは永遠の真理のようです。
ここにもなかなか良くまとまった記事があります。
Designing conference posters
リンクも充実しているので,是非参照してください。
そして,次のポスターセッションこそは大成功させてください。
デジタル・マガジン
大学ではほとんどすべての学術雑誌をデジタルのpdfファイルで読むようになった今日この頃です。個人的にも定期購読している雑誌があります。昨年,特別号が無料で公開されていて,その直後の特別セールで1年分12冊が12ドルで購読できるという時期があったので申し込んだSmithsonian Magazineです。Zinioというシステムで配本されています。
ダウンロードした本はiPadの中の本棚に蓄積されます。

今月号では,特集記事があるので,表紙もタジ・マハールでした。

さすがに,本格的な電子書籍なので,記事の中に動画へのリンクがあったりします。

これは見開きページなのですが,中央上方に黒い動画ボタンがあるのがわかると思います。クリックすると,全画面を使った見事な動画が始まります。

9月号にはラッコの特集もありました。

こちらは写真集へのリンクがあり,可愛い親子写真や

哺乳瓶でミルクを飲む赤ちゃんの写真などがあります。

動画や写真集は,紙媒体の雑誌には載っていないものですから,せっかくデジタル雑誌にするなら,これくらいのことはやってほしい気がします。
もう一つは,紙の時代から購読を続けているサイエンティフィック・アメリカンです。こちらはアメリカ国内では 年12冊で72%引きになって年間$19.95ですが,国外では30ドルです。でも今なら2千2・3百円です。

和訳された日経サイエンス誌は,1冊が1400円,年間購読しても12冊で15,372円ですから,まったく競争になりません。
残念ながら,こちらはデジタル雑誌といっても単なるpdfファイルによる配本なので,持ち運びやコピーなどには便利なのですが,紙にはない「企画」があるわけではありません。でも,iPadですから,小さなコラムの記事なども拡大して読むことができるのは,老眼の人間にはありがたいものです。

今月号には,先頃ウェブで公開されていた「ニセ科学とは何か」というコラム記事も載っていました。

値段を破格に下げることと,紙にはない企画を盛り込むことで,デジタル雑誌には限りない未来があると思うのですが,残念ながらどうも日本ではそちらへの動きが鈍そうですね。
ダウンロードした本はiPadの中の本棚に蓄積されます。







もう一つは,紙の時代から購読を続けているサイエンティフィック・アメリカンです。こちらはアメリカ国内では 年12冊で72%引きになって年間$19.95ですが,国外では30ドルです。でも今なら2千2・3百円です。

残念ながら,こちらはデジタル雑誌といっても単なるpdfファイルによる配本なので,持ち運びやコピーなどには便利なのですが,紙にはない「企画」があるわけではありません。でも,iPadですから,小さなコラムの記事なども拡大して読むことができるのは,老眼の人間にはありがたいものです。


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