5号館を出て

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 ヒトにも感染して死亡例もある恐ろしいH5N1ではなく、H5N2という型のせいであまり大騒ぎになっていない割には、すでに9万4千羽も人の手で殺されてしまった(処分と言うようです)、インフルエンザの疑いのある茨城のニワトリですが、どうやら感染元が推測されてきたようです。

 茨城県の養鶏場のニワトリから検出された高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N2型)の遺伝子の塩基配列が中米グアテマラの鶏で見つかったウイルスと97%一致する(共同)と発表されました。

 茨城とグアテマラに、どんなコネクションがあるのか興味深いです。

 グアテマラだと、ウイルスを運んだのが渡り鳥などという可能性はごくごく低いでしょうから、ペットまたは人間ということになるのだと思います。

 ググってみると、グアテマラから日本への輸入品としてはなんといってもコーヒーらしいですが、カメが結構入っているとの記述も見つかります。

 グァテマラクジャクガメなどというのも怪しいかもしれません。

 怪しいのがいましたね。コンゴウインコ。これは一匹数十万円から数百万円で売れると書いてあるので、密輸されているかもしれません。インコならトリインフルエンザに感染する可能性はかなり高いと思われます。

 いずれにせよ、人間の力で動物が強制的に移動させられている現代ですから、東南アジアや中国で猛威をふるっているH5N1型の恐ろしいウイルスが入ってくるのも時間の問題だと思われます。

 日本では、感染が発見された場合の対応が、かなり速やかであることは良くわかりましたが水際でくい止めることだけではなく、現地まで出かけていって制圧にきょうりょくするのが良いと思います。

 日本政府としては靖国のことなど忘れて、そういう地道な活動を続けていくことで、問題は解決することと思います。
by stochinai | 2005-06-30 20:19 | 生物学 | Comments(4)

母子の無理心中?

 一昨日の夕方、札幌で火事があって30歳の女性と、2歳と生まれたばかりの女の子ふたりが亡くなりました。

 報道では無理心中か(毎日)と書いていますが、なんともやりきれない思いです。

 このニュースを聞いた時に、20年近く前日本の景気が良かった頃の1987年に起こった母子家庭における母親の餓死事件を思い出しました。

 それに連なって、恐らくこの事件のことを知らないホリエモンがNHKのテレビに出て、「今の日本で餓死する人なんかいないじゃないですか」と言ったことも思い出します。

 今の日本でも、社会に見放されて餓死したり、幼い子を道連れに心中したりする人はたくさんいるのです。

 こういう人達を助けることのできない国に、たくさんの税金を払う価値があるんでしょうか。

 税金の話をすると、税調のお偉いさん(おそらくご自身はそれなりのお金持ちのように見えます)が、サラリーマンにがんばって税金を払ってもらわないとどうしようもない、などと言ったことを思い出してどんどん気分が悪くなります。

 あ~あ、という気分です。
by stochinai | 2005-06-30 17:08 | つぶやき | Comments(3)

Google は我々を裸にする

 この記事だけはしっかりと読んでおくべきだと思います。

巨大化する『Google』にひそむ危険性(Hotwired Japan)

 無料で何でも検索してくれるGoogleを使っていない人は少ないと思います。なぜ、Googleは便利なのかというと、あらゆるものをデータベース化しているからです。

 ネット検索だけだと思っているうちに、ニュースや図書館、美術館、あらゆる商品、店舗、地図、そしてなんと無料で提供してくれているメールの内容までもスキャンしてデータベース化しているとのことです。内容をマーケティングに利用しているとのこと。そこまでするか、という感じです。

 我が大学でも、ウィルススキャンと称してすべてのメールの内容がスキャンされています。まさかデータベース化していることはないでしょうが、それは必ずしも違法ではないかもしれず、技術的には今でも簡単にできてしまいます。民間会社では、当たり前のように「機密漏洩」防止に使っているはずです。

 最近、私もGoogleデスクトップ検索を導入しましたが、整理下手な私にはとても便利だと思うとともに、もしもこれが流出したら大変なことになると思いました。そして、流失していない可能性がないとも言えないところがなんとも恐いところです。

 普段は、便利なことが恐ろしいことと同じだということを思うことは少ないですが、世界中のクレジットカード情報も、日本の住民基本台帳の情報も、実はとっくの昔にグーグルデータベースにはいっていたのだと言われても、その可能性を否定できないほどに巨大化してしまったのが今のグーグルだと記事は警告しています。

 どうしましょう。
by stochinai | 2005-06-29 22:59 | コンピューター・ネット | Comments(3)
 裁判長の立場になって考えてみると、他の判決を出しにくかっただろうとは思います。しかし、おそらく被害者もこのこの判決を聞いて、すっきりとした気持ちにはなれなかっただろうと思いました。

 私も、林真須美さんが犯人である可能性は高いと思っています。しかし、被告側が全面否定のまま死刑宣告では、一件落着という気分にはとてもなれません。

 検察としては「動かぬ証拠」をつきつけるなり、犯人の良心に訴えるなりして公の場で「私が悪うございました」というところまで持っていってこそ、本当の解決だと思います。

 被害者の遺族、本人、家族の人々もまずは被告が罪を認めることを望んでいるはずです。その後でなければ、たとえ死刑にしても罪は償われたと思えないはずです。被害者の立場になってみるとまず必要なのは、被告に罪を認めさせることでしょう。

 ところが被告側は一審では無罪を主張しながら黙秘を通したにもかかわらず、死刑判決が出てしまいました。そのためかどうか、控訴審では一転して饒舌になり、無罪を主張したというところはいかにも裁判を技術で乗り越えようとする態度が見えます。

 こういうところは、我々だけではなくもっとも冷静なはずの裁判長の心証も悪くなったことが推測されます。そうでなければ、動機について「不明というほかない」という中途半端な状態のままで死刑判決を出すということは、なかなかできないのではないでしょうか。

 被告側は判決を不服として最高裁に上告しましたが、無罪と死刑求刑がぶつかり合ったままこのまま裁判を続けても被告側に有利な判決は期待できないと思います。

 この期におよんで被告が無罪になるためには、検察側の証拠を否定するだけでは全然ダメで、真犯人を指摘するようなことがない限り逆転は無理だと思われます。

 現時点で上がっている証拠から別の犯人の可能性を考えると、その「真犯人」は被告(あるいは被告ら)を犯人に仕立て上げるべくはめた人間が考えられます。被告らに恨みなどを持っていて、被告らを犯人にするために彼らの持っているヒ素化合物をカレーに混入させることができたならば、今回の事件のようなことは起こりえたかもしれません。

 でも、もしもそうならばそういう「容疑者」は被告らが推測できる存在のはずです。そういう人物は今までの裁判の中で出てきたのでしょうか。もし、出てきているのだとしたら警察は真剣に操作すべきだと思います。それは、被告の犯罪をさらに強く立証することにもなりますし、冤罪を起こさないリスク管理にもなるでしょう。

 もし、そういう可能性すら被告側から出されていないのだとしたら、他に犯人のいる可能性はかなり低いものと思われます。今回のようなケースでは、他の犯人を出さずに自分の犯行だけを否定するというのはかなり難しいことのように思われます。もしも、何らかの理由でその「真犯人」のことを語れないというようなことがあったとしても、それは死刑と比べるとかなり不自然な隠匿になってしまいますので、その可能性も低いと思われてしまいます。

 そう考えると、やはり被告が有罪であるという判断は正しいのだと思いますが、あの事件に対する量刑が死刑ではあまりにも軽すぎると感じます。

 死刑の次は無期懲役で、その次は懲役30年だそうです。無期といってもおそらく被告は生きて出所できることになる刑になりますので、裁判所としてもそれは出せない判決なのでしょう。

 結局のところ、被告も不満、被害者も不満の死刑しか出せないというのは、日本の法制度の欠陥なのではないかと、試験判決が出るたびに思います。しかも、その死刑判決も冤罪で破棄されることがあるというのはやっぱりまずいと思います。

 郵政民営化などよりもはるかに真剣に検討されるべき課題が、ここにもあるということです。
by stochinai | 2005-06-28 20:59 | つぶやき | Comments(10)

新手の思想調査ですね

 このニュースは、思わず読み間違いそうになりました。総務省が実名でのネット活用促す(共同)というのですが、我々一般のブログする人から匿名性をはぎ取るのは事実上無理です。

 だとすれば、真の狙いは「匿名性が低いとされるブログ(日記風サイト)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)を小中学校の教育で活用するよう求め、文部科学省などと具体策を詰める」というところにありそうな気がしてきます。

 つまり私には、子供達に日記を書かせて、日々何を考えているかを監視する道具として用いるために、ブログやSNSで遊ばせながら実名を使わせようということだと読めました。

 さらには、できるかどうかはさておき、このままだと企業や官庁の内部告発の温床になりそうなブログなどを早めに叩いておきたいという本音もあるのだと思います。

 また、この挑戦に対してネット社会がどのように反応するかも試されているのかもしれません。
by stochinai | 2005-06-27 18:01 | 教育 | Comments(13)

ミュージックバトン

 私のようなもののところにも、ミュージックバトンがまわってきました。あんなこと、こんなこと。どんなこと?さんからです。

 さて私、最近はあまりミュージカルな生活をしていないので、簡単にいきたいと思います。

1.コンピュータに入っている音楽の容量
 手元で起動中の3台のコンピューターにははいっていませんでした。いずれも、クラッシュあるいは機種交換の際に消去されたもので、入れたことがないというわけではありません。というわけで、ひょっとしたらと思って個人サーバーを調べてみましたらありました。

 6143.64メガバイト(6ギガも入っていたとは、びっくりです。)

2.今聴いている曲
 聞いていません。最近は年のせいで、脳の並列処理能力機能が低下していて、脳があまり音楽を要求しません。

3.最後に買ったCD
 これは、エントリーもたてましたが、「昭和歌謡ベスト30」100円!

4.よく聞く、または、思い入れがある5曲

 ① マル・ウォルドロンのオール・アローン (あんなこと、こんなこと。どんなこと?さんに啓発されました。)

 ② グランド・ファンク・レイルロードの「ハートブレイカー」 (または、シカゴ「長い夜」): 元気になりたい時に聞きます。
 
 ③ バッハ 「マタイ受難曲」 (または、「無伴奏チェロ組曲」): 長い時間、一つの雰囲気の曲を聴きたい時に全曲聞きます。

 ④ エリック・クラプトン 「アンプラグド」: トランキライザーです。

 ⑤ テレサ・テン 「時の流れに身をまかせ」: コメントなしです。

5..次にバトンを渡したい人

 これは困りましたが、私のところを訪問してくれる方でブログを持っていらっしゃる方で、幸運にもまだどこからもバトンを受け取っていない方に渡したいと思います。TBはしませんので、自主的にバトンを持っていってくださるとありがたいです。もちろん、持って行かれなくても私は落ち込んだりしませんので、ご心配なく(^^;)。

 花見月 さん
 riverparade さん
 winter-cosmos さん
 inoue0 さん
 Dr Blue さん (もう、受け取ってらっしゃいましたか?)
 そして、どなたでも勝手に持っていける予備のバトンを1本 (ご自由にどうぞ)

#このくらいで、勘弁してください(^^;)。

 riverparadeさんはバトンを持って行ってくださいました。
 続いて花見月さんも、ありがとうございます。
 blueさんもバトンを持っていっていただけたようですが、このサーバーとの相性が悪いらしいことと、さすがに大人気ということでたくさんバトンを渡されているようで、他のところからもらったバトンで義理(?)を果たされるとのことです。うちのバトンも一本減ったことにさせてもらいます(^^;)。
 winter-cosmos さんのところにも、どなたかからバトンが届いていたようで、「済み」とさせていただきます。
by stochinai | 2005-06-27 14:58 | つぶやき | Comments(19)
 余丁町さんのところで「「お世継ぎ問題、男系の男子でつなぐのには重大な意味がある」(竹内久美子)」というエントリーが出てしまいました。竹内さんという人はもともと問題の多い人ですが、生物学者を代表して話しますなどというふうに取られることが多い人なので、嫌々なのですがフォローするのが誠実な科学者の義務であると感じますので、取り上げさせてもらいます。

 竹内久美子さんは、京都大学の大学院で正式な動物行動学の研究経験を持った方で、非凡なる文才の持ち主であることは認めざるを得ないのですが、残念ながらあまりにもサービス精神が旺盛なのか、学問的には全然証明されていないことや、まだ結論の出ていないことでも、人の興味を引きそうな方へと断定的に議論を進める傾向の強い人で、まじめな(汗)生物学者としては非常に迷惑を感じることがままあります。しかし、女性でありながら、いわゆる「下ネタ系」が得意なこともあって、商業主義的には非常に良く活用されるようです。

 今回のエントリーに関しても、余丁町さんが書いているものを読むと非常に不安になりましたので原文に当たりたいと思い、生まれて初めて週刊文春なるものを買ってしまいました。本来ならば、竹内久美子さんに経費320円をを請求したいところでもありますが、まずは内容を検討してみたいと思って読んでみました。

 余丁町さんのサマリーは、以下のようになっています。(ほとんどエントリー全文の引用になってしまい、余丁町さんにはとても申し訳ないのですが、話の流れ上とりあえず引用させていただきます。問題があるようでしたら、後に削除します。)

(ここから引用)

 難しくてよくわからないが、こういうことらしい:

1.男系の男子でつなぐのは、男にしか存在しない性染色体、Yをほとんどそのままの状態で、代々男から男へと受け継がせるという重大な意味がある。

2.Y以外の染色体、つまり性染色体のXと常染色体の場合、ほとんどそのまま世代から世代へと受け継がれていくなどと云うことはあり得ない。

3.日本の皇室は世界一長い歴史をもっている。しかもそれはほとんど同じYでつながっているという奇跡に近いこと。

4.愛子様が皇位に付くのはとても結構だが、将来ご結婚される相手の男性は、旧宮家などの皇室タイプのYを持った方にすべきではないでしょうか。

5。もしくは清和源氏の流れか、桓武平氏の流れをくむ男性と。義経なんかはほとんど種馬状態だったから、子孫はいっぱい居るはず。全国一斉のY染色体調査をやってはどうか。

(引用ここまで)

 これをもとに議論するのは、やはりあまりにも危険だろうと思い、しぶしぶ近くの生協で週刊文春を入手してきました。

 問題の文は、読者からの質問に答えるという形式になっています。一読して、この質問自体がかなり不自然なもので「なぜY染色体の存在もわからなかった昔から男子皇族にお世継ぎを限っていたのでしょうか?」というものです。そもそも、天皇の男子継続の意味がY染色体と関連づけて語られると言うこと自体が、かなりすっとんきょうな発想であり「やらせ」のにおいがぷんぷんします。そして、その答えが、いきなりY染色体というものがそのままの状態で男から男へと受け継がれているということの「生物学的意味」と「天皇という地位の正統性」とがあたかも同義であるかのごとくに語られ始めるのです。

 この出発点自体に錯誤あるいは嘘がある以上、その後の文章は読むにももちろん検討するにも値しないものなのですが、この短い枕をなんとなく読み飛ばしあるいは意味不明のまま先へ読み進んでいくと、Y染色体の連続性と男系というものの社会的(あるいは生物学的)正統性というものが、意図的に同一視されている非常にミスリーディングな文が続きますので、読んでしまった以上コメントをつけざるを得ません。

 そもそもY染色体というものが非常に特殊な染色体であり、その上にはヒトの性質を決める可能性のある遺伝子がほとんど乗っていませんので、Y染色体が受け継がれるということには、子供の性を決定するという以外の意味はほとんどないのです。

 たとえ、なんらかの遺伝子が乗っていたとしても、特定の遺伝子を受け継ぐということに社会的存在(たとえば、皇族になるとか金持ちになるとか)「意味」などあるはずがありません。

 そして、男の子と女の子とどちらが男親(天皇)の遺伝子をよりたくさん受け継いでいるかというと、遺伝子のほとんどないY染色体ではなく、X染色体を受け継いだ女の子の方です。遺伝的により似ていることを「より正統である」とするならば、女の子の方が正統性が強いという議論も成り立ちます。Y染色体を受け継ぐことを「正統」というのは、男子が正統であるという前提にお墨付きを与える以上の意味はありません。

 そもそもY染色体を受け継ぐことに意味があるとするならば、それを受け継いでいない女性というものには男を産むと言うこと以外の天皇家的存在意義はないことになります。そんなむちゃくちゃな理論(意見、思いこみ、ジョーク)が、これだけ科学の発展した時代に「動物行動学研究者」の肩書きを持った人間の発言として本に載ってしまうということは、科学が間違った使われ方をしている典型的な事例だと思います。

 「どうして皇室は、いや皇室に限らず家系は普通、男系の男子でつなぐことになっているのでしょう。」という疑問に竹内久美子さんは答えて言います。「やはり直感ではないのか。父と息子の間には、何か特別な絆があるという。たとえば『息子よ、男どうしの話をしようじゃないか』『おまえが早く大人になって、一緒に酒を飲む日が楽しみだ』などというセリフをよく聞きます。でも、母と娘の間にそういうセリフがあるかというと・・・・・?」脱力しました。

 竹内久美子さんという方は、問題がある人だと思っていましたが、ひどい男女差別論者であるようです。某都知事と話が合うかもしれません。

 冗談か本気かわかりませんが、竹内久美子さんは皇太子のお嬢さんである愛子さんが、皇位につくことには反対しないが天皇と同じY染色体を持った男と結婚して次世代に皇室のY染色体を伝えて言って欲しいなどという、とてつもない「ご提言」をしています。この人にとっては、愛子さんは次の男の子(天皇)を産むための「中継ぎ役」に過ぎないようです。

 愛子さんには、竹内久美子を非難する権利があります。

 確かに、Y染色体が男系で受け継がれるということは生物学的事実です。逆に言うとY染色体の遺伝子を調べることで、男系の祖先子孫関係を類推することができます。もしも、皇室の男系がほんとうに意味のあることであり、それはY染色体を受け継いでいることだと主張なされるのであれば、本気で調べて見られることをお勧めします。そうして調べてみると実は皇室の系譜では、たった一つのY染色体が受け継がれてきたのではなかったという「事実」が発覚する可能性も非常に高いと思います。もしもそういうことが明らかになったとしたら、数百年前に起こったY染色体の断絶をどのように取り繕うのかじっくりと見させていただきたい気もします。

 その場合にはガラスの靴さながらに、天皇家のY染色体を持った人を探して「皇室タイプのYを持った男子の中から、人格にすぐれ(女性天皇)を愛し、むろん(女性天皇)をも愛する男子を選んでいただ」き、正しいY染色体を持った正統な天皇を産むための種馬になってもらう、ということになるのでしょうか。

 生物学的事実をちらばめ科学的な話をしていると見せかけて、非科学的なエピソードや嘘、思いこみなどをまぜて、単なるエンターテインメントとしても文を書くのは、ご自由なのですが、今回の話のような、政治的イッシューにもなりうる問題や、男女差別というような社会的な問題に、あたかも生物学的結論があるかのような話をするのはいい加減に止めていただきたいと思います。

 先日書いた優生論を主張される人々同様、この方にも生物学者の看板を下ろしていただくしかないと思います。また、それを利用する人々も同罪です。

 こんなものだまされないためにも、国民の多くが最低限の生物学リテラシーを持つ必要を強く感じます。
by stochinai | 2005-06-26 23:59 | 生物学 | Comments(10)

ウェブの力

 今日、見知らぬ方からメールをいただきました。

 まだブログに移行する前に勝手に自分のホームページに「ほぼ毎日エッセイ」である「今日のつぶやき」を書いていた頃の去年の6月18日の記事を読んでくださりメールを送っていただいたとのことです。もちろん、物好きに読みあさっていただいたわけではなく、検索で引っかかったとのことです。

 それだけでは何のことかわからないと思いますので、最近よくやる全文引用をしてみます。去年の6月も暑かったことを思い出しました。

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むし暑い
2004年06月18日(金)

 朝からまったく太陽が出ていないのに、気温はは27℃を越えたようです。むし暑いというのはこういう時に使う言葉でしょうか。

 突然ですが「目くじらを立てる」という言葉が気になってしまいました。

 目にクジラがいるのか?

 そういえばクジラの目って、しわだらけで優しい感じだったなあ。

 だけど、目くじらを立てるというのは、目が険しくなる様子だよなあ。

 う~ん、それとは違いそうだ。

 広辞苑によると「目の端。目角めかど。めくじり。」と書いてあります。とすれば、くじらは鯨とはなんの関係もない「くじり」の変化したもののようです。

 くじりは「く尻」だとすれば、目くじらは「目尻」となり、それを立てるというのは目尻をつり上げる様子であることが思い浮かんできます。

 大学に入った頃、いわゆる教養部で国語学かなんかを取った時に、似たような話をたくさん聞かされたような気がします。

 芽が出るの「芽」は、「萌え」の変化したものであるという話は、明るい春のイメージとともに脳に焼き付けられています。そういう話をしてくださった五十嵐三郎先生は、当時すでにおじいさんでしたから、もうとっくに亡くなられていることでしょう。彼が雑談のようにしてくれた語源の話は好きなテーマのひとつでした。

 英語だと、「目くじらをたてる」は not worth getting so mad 「そんなに腹を立てる価値はない」でいいそうです。

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 検索した言葉は「五十嵐三郎」だそうで、メールをくださったのは五十嵐先生のお孫さんでした。わざわざ、引っ張り出して読むほどの文ではないですが、血縁の方にとっては懐かしいものだったのかもしれません。こんなに時間が経った後でも読んでいただけるというのは、やはりウェブの特徴が良く出たエピソードだと思います。

 五十嵐先生はやはり亡くなられているとのことですが、このメールをいただいて私にはすべてが生き返ってきたような気持ちになりました。

 ありがとうございました。
by stochinai | 2005-06-25 17:44 | つぶやき | Comments(0)
 また、JANJANの今週の本棚に応募しました。うちの研究室でヤマトヒメミミズという動物の再生の研究をしているからというわけでもないのですが、絵本の書評に初挑戦してみました。「ミミズくんのにっき」という本です。

 あまりうまい書評にはなりませんでしたが、いちおうこちらにあります。
by stochinai | 2005-06-25 17:25 | つぶやき | Comments(1)

タニウツギとミズナ

 タニウツギのショッキングな赤です。
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 それに比べると、ミズナの花の清楚なこと。
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by stochinai | 2005-06-25 15:43 | 趣味 | Comments(3)

日の暮の背中淋しき紅葉哉            小林一茶


by stochinai