5号館を出て

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CoSTEP開講式

 いよいよ明日は、CoSTEPの開講式です。

 いちおう、式場およびパーティ会場の準備は終わりました。あとは本番を待つばかりです。プログラムはこちらにあります。

 ある意味では、こんなに小さなプログラムにすぎないCoSTEPの開講式に、文科省の科学技術振興調整費室からと北大からは総長にじきじきにお越し頂き、祝辞を頂けるということは、やはり何かすごいことが始まるのかもしれないという予感のようなものは感じられます。

 そして、科学技術の現場である高エネルギー加速器研究機構の機構長の戸塚さん、および理研のゲノム科学総合研究センターのセンター長の榊さんからも、ビデオレター形式の祝辞も頂ける予定になっています。

 さらに首尾良く進むと、毎日新聞科学部の記者としてその世界では超有名人の元村さんと、私としては個人的な感慨も深いNHKサイエンスZEROの眞鍋かをりさんとアナウンサーの熊倉さんのビデオレター祝辞も届けられる予定です。

 ほんの一時間ほどの開講式ですが、祝辞の後にはCoSTEPを立ち上げた張本人である杉さま(本人は4さまと読んで欲しいとおっしゃっていますが)のキックオフ・レクチャーで試合開始です。さらには、およびすでに動き出しつつあるラジオ番組制作の予告編も流される予定です。

 この開講式そのものが、CoSTEPの予告編になっていると言えるかもしれません。

 いちおう、怠りなく準備はしているつもりですが、当日は何が起こるかわからないというのもまた新しい旅立ちの良い思い出作りにはなるでしょう。

 開講式とガイダンスが終わったら、ワインと茶菓の小さなパーティで、みんな新人のスタッフと受講生がゴチャゴチャと混ざり合いながら、新しい出発を喜び合いたいと思います。

 では明日、理学部講堂で会いましょう!
by stochinai | 2005-09-30 22:16 | CoSTEP | Comments(2)
 北海道ではいわゆる「恵庭OL殺人事件」として有名な事件の控訴審の判決が、今日札幌高裁で出されました。1審判決を追認、被告の控訴棄却(毎日)ということです。

 昨日の段階までは、マスコミ各社も控訴棄却と無罪のどちらも五分五分の可能性というような報道が出ていたようなのですが、意外とあっさりと控訴棄却になりました。

 全国紙の毎日新聞でさえ「決定的な直接証拠や自白がないため、複数の状況証拠の評価が裁判の争点になった」と書いています。それにもかかわらず、裁判長は一審の判決を全面的に支持しました。

 弁護団は、即座に上告状を提出したとのことですが、当然でしょう。

 事件を丁寧に追い続けている北海道のBNNニュースによると、事件の概要と裁判の経過は次のようになっています。

 事件の被害者となった苫小牧市在住のOL・橋向香さん(当時24)は、平成12年3月17日午前8時20分頃、恵庭市北島の市道脇で焼死体となって発見され、同年5月23日、道警は橋向さんの同僚で日本通運札幌東支店キリンビール千歳工場構内課に勤務する大越美奈子容疑者(当時29)を逮捕した。

 検察側は裁判で大越被告と犯行を結び付ける直接証拠を示すことはできなかったが、15年3月26日、札幌地裁の遠藤和正裁判長は「被告人単独で被害者を殺害、死体を焼損したことは、合理的な疑いを挟む余地なく認定できる」と、懲役16年(求刑・懲役18年)の判決を言い渡した。

 捜査段階から一貫して無実を主張していた被告は、1審判決を不服とし、即日、札幌高裁に控訴。13回に及んだ控訴審は5月24日の公判で結審した。

 長島裁判長は1審・札幌地裁判決を支持し控訴を棄却した。


 殺人事件をめぐる裁判で、直接証拠がないのに殺人の認定がされてしまうということはとても恐ろしいことだと思います。それにもかかわらず、裁判長の論理は「直接証拠がなければ有罪認定をできないという考えは、(被告人の)自白を偏重することになりかねない」と直接証拠がないことを認めた上で、殺人犯と断定したのです。おかしいと思います。

 ここには非常に丁寧な、事件といままでの裁判の追跡記録があります。普通の常識を持って読めば、少なくとも被告人が犯人ではないかもしれないという疑念がわいてくるのではないでしょうか。

 控訴審では、死体鑑定で有名な上野正彦元東京都監察医務院院長が証人として出廷しており、彼は「(橋向さんの遺体は)陰部が開脚状態で炭化が激しく、暴行の事実を隠すためかなと私は考えた。ご遺体が発見された時に開脚していたことからして、暴行殺人事件を視野に鑑定しなければならない。判決では10リットルの灯油で焼却していると言っているが、検査データからして結論が飛躍している」と証言しています。

 長島裁判長は判決公判で「積雪時期の戸外での性犯罪は考えにくい」と指摘しています。しかし、北海道に生まれ育ったものの感覚からすると、戸外ではなく車内での性犯罪と殺人は積雪とは関係なく起こりうることだと思います。

 一方で被告の「社宅にあった(10リットルのポリタンクに入った)灯油が500ミリリットル足りなかった」と主張する検察側は、この500ミリリットルの灯油で遺品を焼却したと主張しており、裁判所もそれを認定しました。しかし、そうなると死体を焼却した灯油の出所が不明になりますが、それでも被告人が10リットルの灯油で被害者を焼いたという検察側の主張を裁判所が認定しています。

 このように、控訴審では裁判所はことごとく検察の主張を追認しており、非常に不自然に思われます。あたかも裁判長は、弁護団に感情的恨みでもあるというような印象すら受けます。

 刑事裁判の原則である「疑わしきは罰せず」はどこにいってしまったのでしょうか。

 殺人事件のような重大な犯罪が、直接証拠なしに認定されるということは裁判の信頼性を大きく損なうことと言わざるを得ません。たとえ被告人が犯人であっても、証拠がない場合にはそれを罰することができないというのが法治国家というものでしょう。

 それとも、日本は法治国家ではないということなのでしょうか。

 非常に困惑させれられる判決です。
by stochinai | 2005-09-29 23:11 | 札幌・北海道 | Comments(0)
 朝晩は急速に冷え込みが進み、天気予報では朝霜の注意がされる季節になりました。天高く馬肥ゆる秋でもありますが、野外パーティはよほど運の良い日の昼間しかできなくなっています。

 しばらく静まりかえっていたキャンパスにも学生が帰ってきて、すべりこみで今シーズン最後のジンパ(ジンギスカン・パーティ)が行われる季節でもあります。10月3日からの授業開始を前に、学生達も必至なのでしょう。

 ことしも豊漁で、脂の乗った大型のサンマが安く買えます。ジンパに変わってサンマ焼きパーティ(サンパ)をやっているグループもちらほら見かけられます。発砲スチロールのトロ箱ごと買い込んで大々的にやったグループもあったようです。

 しかし、学生諸君!火と生もの(サンマの頭、内臓、骨)の始末だけは適切にやってくれないと困ります。

 どうやら土曜日(結果から考えると、あるいは23日かもしれません)に理学部内でサンマを調理して外でサンマ・パーティをやったグループがあったらしく、放置されたサンマの部品がとんでもない臭いを発していたようです。事務室と学生実験室のある4階のゴミ箱周辺が、漁村のような香ばしいを通り越して、くさや製造所の内部のような臭いにつつまれておりました。臭いは火曜日になっても消えず、営繕係のSさんが出動して学生のロッカーを一つずつあけて(死体でもないかと)点検するという騒ぎになりました。

 たしかに、イヌかあるいはヒトの死体でもあるのではないかと言われても、そうかもしれないと思わせられる強烈な臭いでした。

 月曜日にはサカナの生ゴミはすでになかったのですが、ゴミ箱周辺と近くの絨毯がものすごい臭いの源であることが確認されたので、ともかく死体騒動はおさまりました。

 サンマの処置なんかしたことがない学生集団が犯人ではないかと推測されております。

 気を付けてください。

 そうこうしているうちに、昨日火曜日の早朝5時半頃には理学部のゴミ箱が炎上して、消防車がかけつけるという騒ぎがあったようです。
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 大学へ出てきてみると、サンマの腐敗臭と火事の焦げた臭いが混ざった臭いが建物内にも充満して、ひどいことになっていました。

 そちらはどうやら月曜日の夜にジンパをやったグループが、火の始末をいい加減にしたままゴミ置き場に祭りの後を捨てていったことが原因のぼやだったと見られています。

 こちらは火の後始末なんかしたことのない学生集団が犯人ではないかと推測されています。

 気を付けてください。

 大学生あるいは大学院生にもなって、生ゴミの処理や火の後始末ができないようではいけません。卒業させませんよ。

 ほんとうに気を付けてください。大学燃やしたら、卒業できないくらいでは済みません。
by stochinai | 2005-09-28 20:18 | 大学・高等教育 | Comments(1)

グーグルの誕生日

 黒影さんのとこからクリップ。

 今日はグーグルの7歳のお誕生日なのだそうです。今日だけのケーキ・グーグルを見たい方は、お早めにアクセスを!!!
by stochinai | 2005-09-27 22:19 | コンピューター・ネット | Comments(1)

中国地方の国立大学

  中国地方の国立大学法人といえば、山口大学・ 広島大学・岡山大学・島根大学・鳥取大学だそうです。

 私の知り合いもいる大学が多いのですが、 中国地方の国立大学に証拠保全が実施されたというニュースがフラスコさん経由で入ってきました。

 「国立大学法人への著作権侵害の疑いによる証拠保全の実施は、本件が初めてのケース」なのだそうです。

 我々のまわりでも、この件に関してはルーズな対応が散見されます。フラスコさんは「どこの国立大学法人か知りませんが、民度の低さを露呈してしまったみっともない事件だと思います」と手厳しいです。正論なのですが、厳しいです。

 BSAによると「本件は、BSAが組織内違法コピー問題解決のために設置している情報提供窓口(フリーダイヤル、Eメール、BSAホームページ)への情報提供がきっかけで、大学内で違法にコピーされたソフトウェアが使用されている可能性が発覚しました。

 寄せられた情報の正確性を確認のうえ、大学内において著作権侵害の可能性が高いと判断。その後、BSAメンバー企業が大学に事実確認も含めて再三の通知ならびに面談を申し入れたにもかかわらず、誠意ある対応が得られませんでした。そのため、やむを得ずBSAメンバー企業が裁判所に著作権侵害に伴う証拠保全の申し立てを行い、今回それが認められ証拠保手続きの実施に至りました」ということなので、弁解の余地はないと思います。

 おそらく数日以内には、大学名も明らかにされるでしょう。

 悲しいことですが、そういう大学から淘汰されてしまうのではないかという恐れを感じるのが昨今の状況です。
by stochinai | 2005-09-27 22:11 | コンピューター・ネット | Comments(3)
 来週つくばで開かれる日本動物学会第76回大会に参加します。うちの研究室からは、4名が発表することになっていて私は何もしない「監督および懇親会係」で、のんびりと付いていこうと思っていました。

 ところが、世の中そうそううまくはいかないものです。初日の午後にある本部企画の公開シンポジウムで発表する予定になっていたTさんが外国出張に出てしまうということで、急遽ピンチヒッターを立てなければならなくなり、なんとよりにもよって私に白羽の矢が立ってしまいました。

 ご指名は動物学会の事務局長であるNさんですので、もちろん断ることなどできるはずもないのですが、「ほんとうに私でいいんでしょうか。後悔しませんか」と念を押した上でお引き受けすることになりました。もちろんNさんのご指名ですので、一所懸命務めさせていただきますが力不足はどうぞあらかじめ、ご覚悟をお願いいたします。

 このシンポジウム「主体である研究者は何をなすべきか -電子ジャーナル時代を迎えて-」は、SPARC/JAPAN連続セミナ-「電子ジャ-ナル時代の学術情報流通を考える」 第5回を兼ねるということも後で知りました。いままでに行われてきたセミナーはなかなかおもしろそうなものです。

第1回 「Natureの歴史、今、未来を語る-Nature の編集方針」
第2回 「電子投稿査読システムとは何か-今、日本で使えるシステム」
第3回 「オ-プンアクセスの理念と実践-研究者・図書館・学術誌」
第4回 「電子ジャ-ナルをどう作成し、どう公開するか-学協会、企業の試み」

 これらの後を受けてのセミナーですから、連続して参加されている方々はかなりのレベルに到達していることが予想されます。(怖いな~)

 もちろん私も当事者の1人として、電子ジャーナル時代のいま論文とどのようにつきあうべきかを常日頃考えています。このブログでも、図書館、電子ジャーナル、フリーアクセス、市民と科学などに関連したエントリーも書いたりしています。

 図書館もいらない?
 ハスカップ(北海道大学学術成果コレクション)
 今なぜe−learningなのか?
 宿主の行動を支配する寄生虫(小泉さんは選挙民の行動を支配したのか)
 市民と科学者が対等に参加する新しいコミュニティをつくるブログ

 第5回 「主体である研究者は何をすべきか-電子ジャ-ナル時代を迎えて」では、電子ジャーナル時代とはいったいどんなものなのかを整理し直す講演を出発点に「学術情報を生産し、発信し、また受け手としてある研究者の方々に、流通の担い手であるという自らが何をすべきかをお考え頂」きたいということが提案されています。

 最初の企画では、「研究情報の双方向流通コミュニテイー<ユーザーでありプロバイダである研究者>」「インパクトファクターを正しく理解する:その定義と誤用」「機関リポジトリと大学図書館」という3つの講演が予定されていましたが、最初の講演がキャンセルされることとなりました。そこで私が何を話せるのかということで、本日タイトルを出せというメールが届きましたので、5分間ほど考えて「インターネット時代の研究者と論文 - アクセス、投稿、公開 -」というタイトルで話題提供させていただくことにしました。

 現場の研究者として、コミュニティのインフラを構築すべく「物質・材料の専門研究機関として,同分野の情報を整理・統合・発信する研究者向けポータルサイトを立ち上げる計画を進めている」というTさんの発表の穴を埋めることなど私にはとてもできないのですが、いちおう「現場にいる研究者」として、電子ジャーナルや図書館とどのようにつきあっているのかという報告をさせていただきたいと思っております。主催者側からは、こちらに訊きたいことというリストを頂いているので、基本的にはそれにお答えするという形を取りながらも、少しでもお役に立つ話ができれば幸いです。

 言われるまでもなく、私たちの「研究生活」はもはやそれとの関わり合いなくしてはまったく成立しないほどインターネットというインフラに依存しています。

 私の専門的興味との関係が大きいのかもしれませんが、もう数年来専門雑誌に掲載される論文は、電子ジャーナルへのアクセス以外の方法で読むことはほとんどまったくと良いくらいなくなってしまいました。

 私のいる大学は比較的大きな総合大学なので、図書館が一括契約している電子ジャーナルの数は膨大なものです。本日現在で、なんと13347種類の雑誌がオンラインで全文読めるようになっています。ほんの数年前までは、毎週のように図書館にほんの10数種類の雑誌を眺めに行くということが研究生活の中で大きな割合を占めていたものが、今では研究室を出ることなく何十種類もの閲覧ができてしまうのです。このことによって、自分で超高価な学術雑誌を購読することなど夢のまた夢という、私のような貧乏研究者にとっては信じられないくらいジャーナルへのアクセシビリティが上がりました。

 論文の投稿や査読もインターネットの利用によって、時間やコストが極端に軽減されてきています。旧来のように紙に印刷された論文は投稿する我々がそのコストを負担することが多いので、研究費に重くのしかかってきます。値段に大きく影響するカラー印刷に関しては、ウェブで公開するpdfファイルはカラーでも無料というケースがありますので、同じ論文でも紙印刷はモノクロで、ウェブファイルはフルカラーでというケースも多くなってきています。ちょっと前までは考えられなかった離れ業です。

 このような変化について書き出すと、キリがなくなります。

 インターネットが我々の研究生活に与える影響を改めて考える機会はそれほどないものですが、今回はせっかく良いチャンスを与えていただいたので、少し時間をかけてNさん、Hさんに頂いた宿題を反芻しながら、発表までにはもう少し掘り下げてみたいと思います。

 今日はイントロということで、これにて失礼いたします。
by stochinai | 2005-09-27 21:44 | つぶやき | Comments(0)

Googleの魔術にやられる

 メディア探求さんのところで、気になる話を見つけました。「画像の『超整理法』(Picasa2)」です。

 私は、今まで名前も聞いたこともないソフトでしたが、「大西さんに触発されて、googleが買収した画像管理ソフト『Picasa2』を使ってみた」という書き出しで興奮気味に書かれています。googleが買収して、改良して無料配布を始めたということのようです。

 出したのがgoogleです。あのgoogleが、自分のコンピューターの中にある、すべての画像を管理してくれてしまうのです。創造するだけで、そりゃスゴイものに違いないと思いました。

 というわけで、連休前に書かれたこの記事がずーーーーーーっと気になっていました。

 メディア探求さんのエントリーに書かれた「視覚に訴えるインターフェイスや抜群の操作性で、単なる画像ビューワーとしてもすばらしいのだが、googleらしいのは、パソコン内に保存されているあらゆる画像を勝手にかき集めて、一括管理してくれること。パソコンの奥の方に隠したまま保存したことも忘れていたような恥ずかしい画像も発掘される」というくだりを読むと、googleデスクトップを試してみた時に感じた衝撃を思い出します。

 googleデスクトップは、忘れていたファイルもすべて発掘してくれるすごいやつでしたが、所詮文字情報しか集めてはくれませんでした。

 今の時代のコンピューターには膨大な数の画像が入っています。デジタルカメラの画像ファイルくらいはなんとなくオーガナイズして保存している人も多いでしょうが、メールで送られてきたもの、ダウンロードしたもの、ウェブ画像を保存したもの、ワードやパワーポイントで使用した画像やムービーファイルなど、どこに何があるかわからなくなっている「画像」ファイルはどうやって探し出したら良いのか悩んでいる人は多いと思います。あきらめている人のほうが多いかも知れません。

 しかし、どんなに小さいサムネイルでも、画像はタイトルではなく画像の状態で見せられるといっぺんに記憶がよみがえるもの。Picasa2は、そうした画像をすべて探し出して、時系列で並べたサムネイル・データベースとして見せてくれるのです。しかも、今ではすべてが日本語化されています。

 去年の末にまだ完全には日本語化されていなかった頃のレビューがここにあります。

 誘惑に抵抗できずに、Picasa2への扉を開いてしまいました。

 「時系列」で「すべて」を羅列するということがこれほどのインパクトを与えるということは一度体験して見なければ想像できないと思います。

 もちろん例によって、このすごさは恐ろしさと裏腹の感情を生みます。

 この検索力は、自分のコンピューターの中に封じ込められている限りは超便利なツールになってくれるのだと思いますが、ひとたびネットを通じて外部へと公開されて世界中の画像が一括管理されるようになったらどうなってしまうのかという恐怖感を覚えることもまた事実です。

 この感覚はひょっとすると、原子力という力を封じ込めて使おうとする原子力発電に対して感じるものと似ているのかもしれません。あまりにも強力に便利さを提供してくれる技術がもし暴走してしまった時にはどうなってしまうのだろうかという恐れです。

 これほどのパワーを我々がほんとうに制御しきれるのかという不安です。

 自動車や飛行機というハードウェアが出てきた時に人々が感じた恐れと、今我々がソフトウェアに対して感じている恐れは同じようなものなのかもしれません。

 単なる杞憂に終わることを心から願ってはいますけれども、便利すぎるツールの出現に警戒する動物としての自分の感覚は大事にしてやりたいと思っています。
by stochinai | 2005-09-26 21:45 | コンピューター・ネット | Comments(4)

たそがれから夕焼けへ

 日が落ちる前に流れる雲の写真を撮っておきました。ポプラ並木の上に縞状の雲がきれいです。
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 そうこうしているうちに、その雲が西へ流れたのでしょうか、札幌への放送アンテナが林立する手稲山の上に流れる雲が赤く色づいて、見事な夕焼けになりました。
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 このあと、CoSTEPのメンバーが勢揃いして初の懇親パーティがありました。いよいよ、来週の開講式へ向けてラスト・スパートです。
by stochinai | 2005-09-26 20:56 | つぶやき | Comments(0)

北大の小話

 FIFTH EDITION さんから、質問のTBを頂きました。『北大伝説を見つけたんですが、本当ですか?』って。どこで見つけたのかというと riverparade さんによれば『信じられないが本当だ』という掲示板にあるらしいです。

>北大の小話

 北海道に大学があるということだけでも、いらしたことのない人には笑っちゃうことなのかもしれませんね。

>思わず笑ってしまう話

 とおっしゃいますが、ほとんどは本当の話にちょっとした尾ヒレがついたくらいのもので、こちらにしてみると「それって、変ですか?」という程度のものです。

 できる限り、コメントつけてみます。

>演習林で熊を飼っている 

 そういうことも一時的にはあったと思います。私が大学に入る頃までは、札幌駅のそばの札幌中心街ともいえる場所にある北大植物園ではヒグマが2頭飼われていたと記憶しています。1頭に減ってしまったころのある日、オリに手を入れた小学生の手を食べてしまってから飼育が中止されました。

 そう言えばその頃、あの南極に置き去りにされて冬を生き延びた樺太犬のタローとジローのうちの一匹(ジロー?タロ)も植物園で飼育されていました。

 私が聞いたのは番犬ではなく、各家庭に番熊がいるという話ですが、昔中山峠には犬小屋にはいって小熊が飼われていたのを記憶していますが、小学生の私はその番熊に襲われた記憶があります。大きくなったら家族もやられちゃいます。

>馬に乗って登下校する根性獣医学生がいるらしい。

 さすがに下宿で馬をつなぐ場所がないのでれはいないでしょうが、北大の馬術部は結構有名で、お正月には馬で北海道神宮に初詣をしていたように思います。昔は馬場が獣医学部の隣にありましたので、そんな話も信じやすいです。

>道路で鹿を轢くと罰金を科せられる。

 罰金はありませんが、鹿が増えすぎたので道路では毎日のように鹿がひかれているのは事実でしょう。

>農学部3年実習で吹雪の時のための訓練を一年に一度行っている 

 農学部3年生以外でも、毎年何回かは視界2メートルくらいの吹雪の中を登下校する実践をやらされます。

>熊保険があるらしい。 

 生命保険と障害保険でカバーされます。

>水道も電気も通じていない付属研究所宿舎がある。

 水道はない方が普通だと思います。普通にわき水を使っています。電気はどうでしょう。なくても不思議のない場所はたくさんあります。

>獣医学部では、週に2回ほど牛乳が無料提供される。 

 私も昔飲んでいました。無料ではなかったですが、たぶん農学部畜産学科が作っていたものだと思いますが、週に2回ではなく毎日配達されていたはずです。あまりのおいしさ、あまりの人気に応えきれなくなり、全学販売を中止したはずです。おそらく、今でも一部でおいしい思いをしている人たちがいるに違いありません。その他、ワインやチーズ、ジャガイモ、トウモロコシ、リンゴなどなど各種の農畜産物の学内販売が時折あります。しかし、我々のところまで回ってこないのがふま~んです。

>冬になると樺太から流氷づたいに白熊やトドがやってくる。

 シロクマはきたことがないかもしれませんが、トドは普通にやってきます。事実です。

>(稀にロシア嬢が流氷に乗って体を売りにやって来ることもある)

 はははは、稚内や小樽にはたくさんのロシア嬢が飲み屋さんなどにいますね。札幌の奥座敷、定山渓のビューホテルではロシアン・ショーと中国雑伎団が交代で出ています。

>北方領土で日本の携帯電話を使うことが出来る。(これはマジ説あり)

 これは不思議ではないのではないでしょうか。ニセコの山頂とかでも大丈夫ということで、最近は高い山の登山に携帯電話は必携品と聞いたことがあります。

>足寄のカントリーサインはムネオだ。

 う~ん。これは真っ赤なウソですね。なんだったっけ?「歌うキタキツネ」(わかる人は北海道通)かもしれません。

>極寒の朝、北大構内で寒さに耐えられなかったスズメがのポプラ並木の
>枝から地面に落ちていることがある。

 ポプラ並木といわず、札幌市内いたるところでスズメが落ちているという噂は聞きますが、見たことはないです。

>今でも夏休みに砂金を採って学費の足しにしている人がいる。

 数千円レベルの砂金はがんばれば誰にでも取れるという話ですが、コンビニのレジをしていたほうが実入りが良いと思います。自力で学費を稼いで払っている学生の話は伝説でしか聞いたことがありません。今は学費が高すぎてバイトでは無理なのだと思います。

>極寒の地域出身者には、最低気温に合わせて学費を割り引きしている。

 札幌より寒いところから来ている学生はあまりいないので、こういう制度があっても恩恵にあずかる学生は少ないでしょう。最近では、台風や地震の被災者に対する割引があるようです。

>「つらら」を使った犯罪が多い。

 昔、つららで人を殺すと凶器が出ないので完全犯罪ができるという漫画(赤胴鈴の助?)を見たことがありますが、北海道ではつららで人を殺しても春まで凶器が融けないし、指紋がくっきりと残るので、あまりはやっていないようです。

>クラーク像の周辺に野良ペンギンがいる。

 野良キタキツネがいます。ペンギンは北極にはいないので、おそらくそのペンギンは円山動物園から逃げ出した南半球生まれのフンボルトペンギンだと思われます。

>北大生協の人は、いつでも食堂で余ったカニとメロンを食べている。

 それって変ですか?余ったら食べますよ。そう言えば、学生のころ生協のおばちゃんに余ったおかずをもらったことがあります。

 工学部と理学部の間にある大野池のほとりでは、生協主催で牛を丸ごと焼いて売っていることは時々あります。

>白いご飯にバターと牛乳をかけて食べる習慣が一部の寮生にある。

 北海道の牛乳は濃厚でバターの味がするので、同時にかけてもあまり意味はありません。バターと醤油を熱々のご飯にかけて食べるのは北海道生まれの我々には日常の朝ご飯ですが、それが何か?

>ロシア人が立ち寄る港町の中学校では、英語以外にロシア語も必修科目で
>あ里北大教育学部が教育実習で苦労する。

 まあ苦労しても必要ならがんばっていきまっしょい。我々も教わりましたよ。「千葉水郷(スパシーボ)」とか「オーチン、ハラショー」とか、「ダスビダーニヤ」とか。意味はよくわかりませんが、ソ連(昔のロシア)が北海道を占領して進駐軍が来たら、とりあえずこの3つを叫んでニコニコしろと学長の訓辞がありました。

>理学部付属厚岸臨海実験所ではオーロラの観測記録がある。

 札幌でも見えることありますよ。空が赤くなるオーロラ。厚岸で見えても不思議はありません。さらに北にある、今は閉鎖になった流氷観測施設では毎年のように観測されていたのではないでしょうか。

・・・・・・

 う~ん、でもこんなのって日本中にありますよね。
by stochinai | 2005-09-25 18:31 | 札幌・北海道 | Comments(15)
 壊れる前に…さんからのニュースです。

 中国製のマイクロソフト・オフィス互換ソフトが9月12日16時から、100日間に限り同社ホームページと一万近くの提携サイトから無料でダウンロード(个人版免费下载)できるようになっているようです。問題はダウンロード速度の遅さですね。

 金山というソフト会社が作ったこのソフトはWPS Office 2005といって、MSオフィス互換のワード、パワーポイント、エクセルが入っています。

 見た目はマイクロソフト製品そっくりですし、メッセージは中国語(漢字)なので、日本人なら結構使えるかもしれません。でも、これだけそっくりだと訴えられるのも時間の問題という気もします。今のうちにダウンロードしておくと、お宝になるかもしれません。

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 ソフトのスペックなどの説明もおもしろいです。

 软件平台:适用于简体中文 Win98/Me Win2000/XP家庭版/专业版
 (OSのことですね。)
 软件大小:15M
 (ソフトのサイズかな。)
 下载需时:ADSL少于1分钟/ ISDN少于10分钟/拨号上网需要 25分钟左右
 (ダウンロード時間でしょう。)

 ダウンロードの条件に「本软件仅限个人用户个人目的使用。禁止用于生产经营或其他用途」と書いてありますが、このソフトウェアの使用は私人が私的に使うことだけに制限します。生産や経営やその他の目的に使うことを禁止します、というような意味でしょうか。こういうのを見ると、中国は近い国だと感じます。

 中国では20元で売り出されるそうですが、1元が15円としても300円とは破格に安いです。日本でこの値段で売り出されたら私はすぐに買いたいのですが、出るでしょうか。

 現時点における中国の問題はネット環境かもしれません。今、ダウンロードを試みているのですが、転送速度が最高で50KB/秒出るかでないかという電話並みの速度しか出ませんので、挫折しそうです。

 ネットワーク環境はさておき、これからソフト分野でも中国を無視できなくなってきますね。

 どうする、ニッポン!

追記:壊れる前に…さんのところに「キングソフトは日本法人を立ち上げていて」と書かれているので、さっそくのぞいてみたらなんとそこではInternet Security 2006という聞いたことのあるようなソフトが先着100万本のフリーダウンロードサービス中でした。う~ん。あなどれないですよ、これは。
by stochinai | 2005-09-24 18:05 | コンピューター・ネット | Comments(4)

ふと咲けば山茶花の散りはじめかな        平井照敏


by stochinai