5号館を出て

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cat in a backpack

 今朝、大学へ行こうとデイパックに手をかけようとしたら、なんだか様子が変です。
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 スキを見せるとネコがバッグの中のものを引っ張り出して遊ぶので、いつもはジッパーを閉めておくのですが、コンピューターを出してメールをチェックしているスキに侵入されてしまいました。
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 中に入れたままジッパーを閉じても、騒いだりしないのでこのまま大学へ行けるかもしれませんが、さすがにそれは勘弁ねということで、出たがらずに抵抗するネコを強制排除しました。
by stochinai | 2006-02-28 21:05 | スマイル | Comments(5)
 一昨日、北海道大学でも前期の2次試験が行われました。今年は「ゆとり教育」の教育指導要領で教育されてきた高校生の第一陣が入試に挑んでいます。

 当然のことながら大学入試は、教育指導要領で検定を受けた教科書を学んでいれば解答できる問題で作られますので、今年の問題は昨年度までとは大幅に違うことが予想されます。

 旧帝大を初めとする主要大学の入試は公開されておりますので、もちろん北海道大学のものもあります。ちなみに生物はここにあります。

 私達は教員でございますと偉そうな顔をしておりますが、今になってこうして問題を見てみると生物でさえ満点を取ることはかなり難しそうに思われます。ましてや、他の教科だと受験生よりもダメなものが多いでしょう。かろうじて英語くらいは勝てるかもしれないと思いますが、それとて怪しいものです。

 この生物の問題に対しての正解や講評がでております。

 こちらは河合塾のものです。

 「新過程になって易しくなった」と言っています。「生態および系統・進化の出題はなかった。遺伝及び神経と行動については、前期は5年連続の出題となった」ということまで書かれると、出題する先生はつらいですね。

 問題ごとの難易度は、1番2番4番が易、3番が普通だそうです。

 こちらは代々木ゼミナールのものです。

 分量はやや多いものの、難易度は昨年に比較してやや易化したと言っています。

 問題ごとの難易度は、1番3番4番が標準、2番がやや易だそうです。

 代々木ゼミの「合格アドバイス」には、「昨年も、今年も、少し易しい問題が目立ちますが、しっかりとした基礎力がなければ解けない」と書いてあり、入試に対する批評としてはおおむね良い評価だといえるでしょう。

 受験生もお疲れさまでしたが、採点の先生方もほんとうにお疲れさまです。

 さて、もうしばらくするとこの問題で合格した学生達がキャンパスにあふれかえる春になります。彼らを迎え入れる大学側では2006年問題の幕開けとなりますので、ちょっとばかり戦々恐々といったところです。

 さらに、理学部では今年から自分の得意な理科の試験の点数を重点配分するという企画が始まりましたので、その結果もどうなるか気になるところです。さらにもっと気になるのは、得意の科目が物理であれ、化学・生物・地学であれ、いったん合格が決まると理学部では全員がミックスされて、分野なし状態に置かれることになっています。つまり、その後の進学先は1年半後に本人の志望および学業成績により振り分けられることになっています。

 得意科目選抜合格者数と学科に進学できる数がかなりおもしろいアンバランス状態になっているので、どうなるかかなり心配なのですが、動き出してしまったものはなるようにしかななりません。下の図を参照してください。
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 理学部に合格された学生さんには、そのあたりをしっかりと把握した上で大学生活をスタートされることをお願いしておきたいと思います。
by stochinai | 2006-02-27 22:27 | 生物学 | Comments(0)
 今日は日曜日なのに、朝から大学で会議で公用のお仕事でした。疲れてます。

 さて、先日「ナメクジウオよりもホヤの方が脊椎動物に近い」という、Natureの論文紹介記事を書きましたが、こういう記事にはあまりコメントがつかないので気にもしておりませんでしたが、下記ながら気になっていたことがありました。

 実は、京都大学の佐藤矩行さんが切り開いた研究分野が花を咲かせた結果、日本には若い人を中心としたホヤの研究者がたくさんいらっしゃいます。佐藤研では発生学が伝統的な研究分野ですが、進化学の研究者もたくさん輩出しています。にもかかわらず、先日の論文にはそういう方々の研究成果がほとんど引用されていなかったのです。私は単純に、あまり関連した論文が出ていないのかと思っておりました。

 ところが、その佐藤研の出身者のおひとりで、しばらく前まで北大にいらっしゃったKさん(読み進むとどなたかがわかりますので、別にイニシャルにする必要もないのですが)から、丁寧なコメントのメールをいただきました。

 そのメールの中で、昨年の動物学会の奨励賞を授与されたKさん(ここでどなたにもわかりますね)が、ご自身のホヤ研究の中間総括「ホヤにおける遺伝子発現制御と遺伝子進化に関する研究」を書かれていることを、指摘されました。(実は恥ずかしながら、私は昨年のうちに読んでおりました。)

 その中に、先日紹介した論文と同じような議論がすでになされております。
6.遺伝子ファミリーと脊索動物の系統関係
 ホヤなどの尾索動物とナメクジウオ(頭索動物)は脊椎動物にもっとも近縁な無脊椎動物と考えられ、脊椎動物と同じ脊索動物門に分類されている。では、ホヤとナメクジウオのどちらが脊椎動物により近縁なのだろうか。一般的にはナメクジウオの方がより脊椎動物に近縁と考えられているようである。しかし、そのことを明瞭にサポートする分子系統学的な研究結果は、実はこれまであまり報告されていない。私は筋肉アクチンと視物質オプシンのそれぞれについて、他の無脊椎動物にはない、脊椎動物型のアイソフォームがホヤに存在することを示した3,4,21,32)。このことは、ホヤの筋肉や光受容器と脊椎動物の器官との相同性を示唆するとともに、ホヤ類と脊椎動物との近縁性を分子レベルで明確に示したものである。分子系統学的解析の結果は、ホヤの筋肉アクチンと視物質オプシンはどちらも、ナメクジウオのものよりも脊椎動物のものに近いことを明瞭に示している21,33,34,35)。カドヘリンファミリーも、ナメクジウオにはない脊椎動物型の分子がホヤに存在しているようである36)。しかし、この問題に対するより確かな答えを得るためには、ホヤとナメクジウオ、それぞれのゲノムがコードする情報を幅広く比較する必要があるだろう。

 そう言えば、良く思い出してみると私はKさんや奥さんのRKさん(私のところでポスドクをやっていたことがある方です)から、「実はナメクジウオよりもホヤの方が脊椎動物に近い可能性は高い」というお話を、何回か聞かされていたような気がします。

 それにもかかわらず、私というものはそうした先行研究(上の総説の中に引用文献があります)のことは、すっかり無視して、ミーハー的にNatureの外国人論文をもてはやしてしまっていたというわけです。

 すでにブログでも何回か書いたことがありますが、研究に関して日本人はかなりオリジナリティの高い研究をしているのです。それにもかかわらず、おいしいところはしばしば外国人にさらわれてしまっている現実があります。

 そんなことに、ひょっとしたら私も手を貸してしまっているのだとしたら、誠にお恥ずかしいかぎりです。

 Nature論文の著者達には、引用不足の論文がありますよと教えてやるべきなのかもしれませんね。

 というわけで、ちょっとだけ恥ずかしいですが書かないともっと恥ずかしいご報告でした。
by stochinai | 2006-02-26 19:21 | 生物学 | Comments(5)

シカのプリオン病

 BSEにほはとんど無関心なのかと思っていましたが、アメリカの研究者がアメリカのシカ(deerシカ、elkヘラジカ)の間で広がっている慢性的消耗病(chronic wasting disease: CWD)がプリオンによる伝染性の病気であることを示す論文を発表しています。オンラインでは1月26日に発表になっていたようですが、新しいScience誌に発表になりました。

Science 24 February 2006:
Vol. 311. no. 5764, p. 1117

Prions in Skeletal Muscles of Deer with Chronic Wasting Disease
Rachel C. Angers, Shawn R. Browning, Tanya S. Seward, Christina J. Sigurdson, Michael W. Miller, Edward A. Hoover, Glenn C. Telling


 病気になった野生のシカの筋肉と脳・脊髄(中枢神経)からとった抽出物を、シカのプリオン遺伝子も持つように改変したマウスの脳に注射する実験をしたところ、どちらの抽出物を注射されたマウスもプリオン病(ウシのBSEやヒトのCJD)になったという実験です。

 もちろん正常なシカの抽出物を注射されたマウスには何の症状も出ませんでした。

 この実験は、野生のシカの筋肉の中にたまったプリオンが、ヒトを含む他の動物の体内に入った場合には、ウシならBSE、ヒトならCJDになるという可能性を示す実験です。

 ただし、食物として口から摂取した場合には危険性はかなり低くなりますが、良く食べるシカの筋肉部分を食肉加工する間に、なんらかの事故で体内にはいる危険性はあることに注意を呼び掛けています。

 北海道でも増えすぎたエゾシカを食べようという動きがありますが、この消耗病についての研究もしておいた方が良さそうです。

 BSEのウシは危険部位が中枢神経系に限られていたのに対して、シカの場合には中枢神経だけではなく筋肉にもプリオンがたまるということで、筋肉も危険部位になるという論文です。
by stochinai | 2006-02-25 14:53 | 生物学 | Comments(9)

ジュラシック・ビーバー

 今週号のScience(24 February 2006 Vol 311, Issue 5764)の表紙には、鼻のとがったビーバーのような生き物の絵が描かれています。

 説明によると、ジュラ紀中期(1億6400万年前頃)にいた水棲哺乳類で、その化石が中国から出たとのことです。

 かなり完全なものが取れたようで、わかりやすいために表紙のような絵が描かれたのでしょう。

 陸上には恐竜がうようよしていたので、水中に逃げ込んだのでしょうか?

Science 24 February 2006:
Vol. 311. no. 5764, pp. 1123 - 1127
A Swimming Mammaliaform from the Middle Jurassic and Ecomorphological Diversification of Early Mammals
Qiang Ji, Zhe-Xi Luo, Chong-Xi Yuan, Alan R. Tabrum

by stochinai | 2006-02-25 14:24 | 生物学 | Comments(0)
 さて、いよいよ明日は2次入学試験の前期日程の日です。

 受験生にとっては、オリンピックどころではないでしょうが、今朝の女子フィギュアは予想通りの結果とは言え、くだらないニュースの多い今の日本にほっとする話題を提供してくれました。

 それにしても、予想通りの結果になったというところは、やはり彼女らの実力がマスコミが煽っていた他の競技のものとは一味違うことを示していたと思います。特に、荒川靜香さんという人の度胸はすごいと思いました。もちろん、たゆまぬ練習に裏付けられた自信があってのことだとは思いますが、大舞台であそこまでクールになれるのは、練習と慣れだけでは片づけられない天性の素質のようなものもあったと思われます。

 私は、ウォッチしていたわけではないのですが、テレビで何度も何度も流される最近の彼女を見ていると、彼女のスケートはフィギュアとはいっても、いわゆるダンスのような美を中心に成り立つものではなく、徹底して肉体を鍛え上げることによって達成させる完全なアスレチックであると感じさせられていました。氷の上だけではなく、陸(?)の上での筋トレや柔軟体操を一所懸命やっている姿は、まさに体育会系の発汗トレーニングそのものでした。

 そのようにして仕上げられていった彼女のスケートは、スピードを競いあう競技スケートと同じように、相手が目の前にいようがいまいが「客観的に」自分のレベルを判断できるものになっていたのではないでしょうか。

 スピードスケートなどのように、タイムを競いあう競技であるならば、たった一人で練習していたとしても、その時間によって自分が世界で何位くらいにいるかは判断できます。おそらく、彼女は練習をする中で、その実感を感じていたのではないでしょうか。それが、彼女に落ち着きを与えた要因のひとつだと思います。

 単純に順位だけを問題にするのであれば、当日の相手の出来不出来を見るまでは、心落ち着かないでしょうし、見たら見たでまた心が揺れ動くのではないでしょうか。順位ばかりを気にしていては自分を磨くことなどできないことは容易に想像がつきます。

 話を受験の戻します。少子化の影響と大学の増設で、大学入学はどんどん易しくなってきています。良く学生の知的レベルが下がっていることが問題になりますが、合否ギリギリのラインで合格する人は、場合によっては不合格になってもおかしくありません。そこは、順位だけが人の運命を支配する領域です。

 一方、合否ラインのはるか上、上位の成績で合格する人は、どんなことがあろうと合格は動かない領域にいます。そういう人は、落ち着いて入試に臨むことができるでしょう。つまり、荒川靜香さんと同じような心境になれるのではないでしょうか。

 もちろん、どんなに良い成績で合格したとしても金メダルはもらえませんが、それまでに鍛えてきた自分の実力を出すことができたら、限りない満足感が得られるはずです。

 一方、準備が足りないと思っている人も、ひょっとしたら競争相手の不調により合格できるかもしれません。

 いずれの場合も自分の実力が出せる精神と肉体の状態を維持していなければ、自分が獲得可能な最高の結果は望めません。逆に、変な期待をして実力以上の結果を望んだりしなければ、結果はどうなったとしても何も悔やむことはありません。まだまだこれから何度でもやり直しができますし、不合格になるということは合格していたら決して経験できなかった道を与えられることでもあるのです。

 今日の荒川靜香さんを見習って、クールに美しく試験に臨んでください。

 ファイト!
by stochinai | 2006-02-24 21:37 | 大学・高等教育 | Comments(6)
 今日オンラインで公開されたnatureにおもしろい論文が載っています。

 我々が使っている動物進化の教科書には、ナメクジウオがヤツメウナギなどの円口類の祖先であろうと書いてあります。また、カンブリアにはピカイアというナメクジウオに良く似た動物がいたようで、それが脊椎動物の祖先ではないかと書かれています。ナメクジウオが円口類になって、それがサメ・エイなどの軟骨魚類へと進化したというお話は、かなり広範に信じられています。(私も信じていました。)

 さらに元をたどると、ウニやヒトデなどの棘皮動物がもっとも祖先型に近く、その仲間にエラが発達してギボシムシのような半索動物が進化し、それに脊髄と脊索ができてホヤになり、さらに分節化した筋肉(体節)ができてナメクジウオのような動物になったと、多くの本に書かれています。

 私も調子に乗って、講義ではナメクジウオに脳(目)と吸盤のような口が進化するとヤツメウナギが簡単にできあがるなどと話したりしています。

 DNAの塩基配列を比較するという最近の研究によって、実は棘皮動物とギボシムシはホヤ・ナメクジウオ・脊椎動物とはちょっと違うグループに分けられると言われるようにはなりましたが、基本的な進化ルートはそんなに変わらないと思われてきたのです。

 ところが、nature の news and views に、以下のような「ナメクジウオにご注意」という記事が載りました。
Evolution: Careful with that amphioxus
The textbook tale of vertebrate origins is brought into question by phylogenetic analyses of new genomic data. But the amphioxus, long viewed as a precursor to fish, remains a central character in events.
Henry Gee
Nature 439, 923-924 (23 February 2006)

 新しいデータによると、実は棘皮動物とナメクジウオが近いグループで、ホヤと脊椎動物がもう一つのグループに入り、この二つのグループは進化のかなり初期に分かれていたのではないかというのです。

 この論文の原典も同じ号のnatureに載っています。
Tunicates and not cephalochordates are the closest living relatives of vertebrates
Frédéric Delsuc, Henner Brinkmann, Daniel Chourrout and Hervé Philippe
Nature 439, 965-968 (23 February 2006)

 「ナメクジウオではなくてホヤのほうが脊椎動物に近い」というタイトルの論文です。著者らはあまり研究されてこなかったオタマボヤの1種Oikopleura dioicaで146個もの遺伝子DNAの塩基配列を調べ、それを他の動物と比較してみたところ、オタマボヤは他のホヤ類ととともに脊椎動物とグループを作り、それまで脊椎動物に近いと言われていたナメクジウオと棘皮動物(ウニ・ヒトデ)が(ホヤ+脊椎動物)と分かれたところにグループを作るという系統樹ができあがってしまったということです。

 実は、ホヤと脊椎動物がOlfactoreというグループの動物にまとめられるという説もあるのだそうで、今回の論文はその説の強い証拠となるということでしょうか。形から見ると、オタマボヤはオタマジャクシのような形をしていますし、大人になると岩に付着して生活するホヤも幼生の時にはオタマジャクシ形をして泳ぎ回りますので、それが脊椎動物と近縁だと言ってもそれほど違和感はありません。

 ただし、ナメクジウオはまさにサカナの形をしていますので、そういう意味ではどうしても脊椎動物との類縁関係を捨て去ることはできません。

 この論文で比較されている円口類を含む脊椎動物は8種類です。ホヤも4種類あります。それに対して、棘皮動物はウニが1種類、ナメクジウオも1種類ですので、比較するという点からみるとどうしても片手落ちの感はぬぐえません。

 というわけで、なかなかおもしろい仮説だと思うのですが、今後よりたくさんの種類のナメクジウオと棘皮動物(ウニ・ヒトデ)の遺伝子を解析した上で、同じようにたくさんの遺伝子を同時に比較するという研究がどうしても欲しいというのが正直な感想です。

 著者達もそのことはわかっているようで、論文の最後は次のような決まり文句で結ばれております。
The comparative analysis of available tunicate and vertebrate genomes with the upcoming amphioxus and sea-urchin genome sequences will be particularly valuable for understanding the evolution of new gene systems and structures involved in early vertebrate development.

 どんな論文を書いた時にも使える締めくくりですので、学生のみなさんはメモしておきましょう(^^;)。
by stochinai | 2006-02-23 22:15 | 生物学 | Comments(4)

迷惑メールの配送制御

 あまりのスパムメールの多さに、北海道大学のメールサーバーを管理する情報基盤センターがついに根本での制御に乗り出すとのことです。

 毎日、北大に出入りするメールが約16万通だそうですが、そのうちの20%くらいがスパムメールなのだそうですが、実感と一致する値です。

 私も自分のメーラーで迷惑メールの振り分けをやっていますが、アドレスについてそれが信頼できるかどうかということと、ヘッダーおよび本文に迷惑ワードが含まれているかどうかといった原始的な判断しかできません。

 アドレスについては、毎日のように新しいアドレスが作られており、信頼できないアドレスから複数回送られて来るという間抜けなスパムしか振り分けられません。

 また、キーワードについてはうかつに登録してあるものが部分一致で認識されたり、「変態」が登録されていたりすると「カエルの変態」がはじかれたり、「生殖器の異常」が「生殖器」ではじかれたりするような可能性がありますので、生物学用語には難しいものがあります。ましてや英語だともっと微妙なことになります。

 というわけで、アドレスやキーワードによるチェックはきわめて不完全ですので、結局せっかく振り分けられた迷惑メールフォルダーをチェックするという間抜けなことをやっている毎日です。

 一方、大学でメールを使っている人のうち、かなり多くの人がメールの振り分けをすることすらできないというレベルのリテラシーだと思いますので、不満がたまっていたことは想像に難くありません。ついにメールサーバーを管理する専門家によって、ヘッダー解析に基づいた受信(および発信)制限が行われることになったというわけだと思います。

 ウイルスメールに関しては本文の「検閲」をやっている大学のサーバーですが、スパムに関しては本文はチェックしないとのことです。チェックの方法としては、以下のルールが示されています。
・メール発信元がDNS(Domain Name Server)に登録されていない場合
・迷惑メール発信元としての件数が多い組織(主に海外のプロバイダー)からの場合
・学外からの発信でありながら、学内からの発信を装っている場合
・学内からの発信でありながら、学外からの発信を装っている場合
・必須である設定を行わず、初期設定のまま運用しているメールサーバを経由する場合
・その他、メールヘッダーに特徴を有する場合

 最初と最後の判断がちょっと微妙かもしれませんね。個人のコンピューターをsmtpサーバーにしている方などのメールがはじかれてしまうかもしれません。というわけで「本来届くはずのメールが届かない、などの不具合がありましたら、hines@iic.hokudai.ac.jpまでお問い合わせ下さい」との注意があります。実施は3月1日からですので、北大に宛てたメールがどうも届いていないようだということがありましたら、調べてみてください。明らかなスパムメールは消去するとのことですが、「迷惑メールと判断したメールについて配送を行わずに保管」すると言っていますので、ユニーク(1通だけ)のメールでしたら回復できることができる可能性はあると思います。

 さらに、以下のドメインとIPアドレスから送られてきたものは配送しないそうです。ブラック・リストですので、ご参考までに曝しておくことにします。

apol.com.tw
irvnca.pacbell.net
irvnca.sbcglobal.net
mailyes.net
rev.dyxnet.com
spamsrv1.hn.org

58.180.*.*
61.56.*.*
61.232.*.*
61.233.*.*
61.236.*.*
125.187.*.*
202.171.*.*
218.81.*.*
218.233.*.*
211.94.*.*
221.212.*.*
222.161.*.*
222.171.*.*

 でも、いくらコストが安いからといってあの膨大なスパムメールで利益を得ている人(業者)がいるとはとても信じられません。まさか、人が迷惑しているのを見て楽しんでいるというわけでもないのでしょうから、どうしてなくならないのか不思議でなりません。

 それとも、思わず反応してしまう人がいるということなのでしょうか?

【追記】
 sapporokoyaさんが、この件に関連して解説記事を書いてくださいました。是非とも、参照してください。
by stochinai | 2006-02-22 22:24 | コンピューター・ネット | Comments(9)

東京一日出張

 今日は朝から東京へ日帰りで会議のために出張していました。チケットは一週間前に取ったのですが、今の時期は天候が不安定なことも多いため、少し早めの千歳発9時半のANA機でした。最近はJALは避けています。トラブルが多いだけではなく、機体が汚なかったり、なんだか乗務員なども元気がないような気がして、不安なのです。

 会議場は東京のど真ん中、東京駅の目の前丸の内です。少し早く着いたので八重洲ブックセンターでブルーバックスの販売状況をチェック。八重洲口を大回りして、表に出ました。
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 途中で見た証券会社のディスプレイです。ライブドアの表示が痛々しい。
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 会議場です。
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 会議が終わって外に出ると、こんなに小さかったという感じの東京駅が。
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 お上りさんということで、駅のドームを撮影。
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 帰り着いた札幌は、異様に暖かいとは言えやはりまだ雪の下でした。
by stochinai | 2006-02-21 23:58 | つぶやき | Comments(0)

小学生に対する検閲

 日本国憲法を引用します。
第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 オコジョさんのお子さんが小学校を卒業するのだそうです。まずはおめでとうございます。ところが、それに関連したエントリーの内容はかなり深刻なものでした。

 お子さん達の小学校生活最後の大きな作業のひとつである卒業文集の内容に、教師が手を入れていると怒っていらっしゃるのです。私も卒業生や修士学生のポスターや論文に手を入れますが、同じことで怒られるのであれば私も同罪とおそるおそる読み進むと、私も腹が立ってきました。
漢字が間違ってるとか文法が間違ってるってのを直すのは、当然だと思う。しっかし、表現を無理やり変えさせる、しかもそのまま掲載したら本人が「将来後悔するから」と称して変更を迫るというのはなんなんだ。

うちの子は学芸会のことをテーマにしたんだけど、そのなかで「先生にセリフが棒読みだといわれて不愉快だった」と書いたところ、削除しろといわれた。さらに、劇に取り組み始めたころはみんな乗り気じゃなかったが、だんだん練習を重ねてうまくなっていくのを見て、みんなそれなりにがんばってると思ったと書いたところ、その段落を丸ごと書き直せと言われ、原稿を赤でけされてしまったのだ。いったい上記の内容のどこに、本人が将来後悔するようなことがあるのか、全く理解に苦しむ。

話はこれだけではなくて、文集委員の児童がつくった学年の何でもランキングの一部内容がふさわしくないとの校長チェックにより、変更させられてしまったのだ。おかげで子どもは「もともとめんどかった文集づくりにますますやる気でなくなった」そうだ。ちなみに、不適切なランキングは「将来大酒飲みそうな人」や「ナルシスト」などで、これもどこが不適切なのか不明。

(かなり大々的に引用してしまってすみません。オコジョさん著作権法違反で訴えないでくださいね。m(_._)m)

 私も卒業文集を作った記憶がありますけれども、教師に手を入れられた記憶などありません。子ども達で作った編集委員会が一所懸命「ガリ版刷り」をした記憶と、出来上がったなんとも粗末なホチキス止めの文集だけはなんとなく記憶があります。

 だいたい、そこに何が書いてあろうが将来読み直すことなどほとんどありませんし、読み直してバカなことが書いてあったからといってどうだというのでしょう。私の場合は、高校生の頃まで保存していたかどうかも怪しいです。

 明らかにこれは子ども達のためを思った行為ではなく、教員や校長がどこか上の方(教育委員会や都知事)からクレームを付けられないがための保身行為以外のなにものでもないでしょう。

 しかも、昨今のダメ教師論の中に出てくるのは、こうした検閲行為をするような教員ではなくて、逆にそういうことをせずにのびのびと子どもの自由にさせている教員のほうなのではないでしょうか。いわく、子どもをしっかりと管理できないダメ教員と。

 どっちがダメ教員なんでしょうね。そして、そうした検閲教員に良い点数を付ける教育委員会ってなんなんでしょう。

 一方、そもそもその検閲教員達は自分たちが検閲という憲法違反を犯しているということにすら気がついていないという可能性があることを示唆するブログ・エントリーを発見しました。

 雑感練習帳さんの、「検閲を知らない子どもたち」です。

 某集まりで大学生と懇談したおり、何げなく権威主義体制の国の話になって「そういう国では、新聞やテレビも検閲されて、本当のことを書けないんだよ」と話したらば。

 「検閲ってなんですか?」と聞かれてしまった。

 要するに「検閲」という単語の意味が不明、ってことらしいのだ。

 そうなると、大学生になるまでに検閲などということは習ってこなかったという先生達がいる可能性もありそうです。知らないわけですので、悪気もなく小学生達が誤った判断をしてしまった証拠が文集に残ってしまわないようにと親心でやったことなのかもしれませんね。(絶対に違うとおもいますけど)

 意味がわからないことが書いてある憲法なら変えようと言われても、どっちでもいいやということになるのかもしれませんね。

 憲法を理解できない大学生や、憲法を守らない小学校の先生がいる国ってかなりやばくないですか。
by stochinai | 2006-02-20 21:55 | 教育 | Comments(12)

ふと咲けば山茶花の散りはじめかな        平井照敏


by stochinai