5号館を出て

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桜前線キャッチ

 今日もまた例の東京一日出張でした。ただし、今回は会議が2連発で、疲労困憊しながらようやく今日のうちに自宅にたどり着けました。

 会議の開始が1時だったので、その前に桜が満開だと聞いていた上野に行ってみました。駅のまわりにはあまり桜は見あたらなかったのですが、東京文化会館と国立西洋美術館の間を進んで行くと、生まれて初めてほんものの桜を見たような気がする光景に出会いました。
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 札幌にもソメイヨシノがないわけではないのですが、ほとんどがぽつりぽつりと単独で植えられています。他は葉も同時に出るヤマザクラが多いので、桜というものはそういうものだと刷り込まれています。この桜を見て春を迎えて育った人と、北海道の人間が春に対する感覚が違う理由が初めてわかったような気がしました。

 ソメイヨシノ文化とヤマザクラ文化では人種が異なるくらいの差があるといいう説も、ほんとうかもしれません。

 さらに進むと、話に聞いていた桜のトンネルです。素直に感動。
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 今日は金曜日ですから、仕事が終わって花見というのもピークなのでしょう。新入社員とおぼしき二人が場所取りに疲れていました。
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 猫も、お花見料理のお相伴。
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 北海道から南下して桜前線を捕まえた一瞬でした。

 そして今、また雪のちらつく札幌に戻り、あと1ヶ月以上、しばしば連休には間に合わない前線の到着をゆっくりと待つ北国の春が続きます。
by stochinai | 2006-03-31 23:43 | 札幌・北海道 | Comments(5)

何の事務局?

 保健管理センターの壁にあった掲示です。
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 光に弱く色落ちする塗料で書かれた文字だけが抜けている看板というものが良くありますけれども、いずれも秀逸なものになっていることが多いと思います。

 これは「ボール等を管理する事務局」の存在をうかがわせます。

 ここでは、バトミントンのシャトルコックは管理してくれるでしょうか。
by stochinai | 2006-03-30 20:54 | スマイル | Comments(3)

「いい話」のチェーン

 FIFTH EDITION palさんのところで聞いた「ちょっといい話」です。

 日韓ワールドカップの時の話だというのですが、ちっとも知りませんでした。

 子どもたちの教科書がマンガ本みたいになったという今朝のニュースを思い出しましたが、こういう「ちょっといい話」ならば小学生でも絵が無くても感動できると思います。

 三国志(?)徒然日記さんって、記者さんなんでしょうか。こんないい話、いままで新聞やメディアに載らなかったなんて信じられません。(私が知らなかっただけ?)

 涙もろい人はやられてしまいますので、一人でそっと読みましょう。
by stochinai | 2006-03-30 19:47 | つぶやき | Comments(5)

サイエンスウォーカー

 実物も読まずに否定的なことを書いたエントリーにご批判をいただきましたが、もっともだと思います。読んでコメントしなければならないとは思っていたのですが、探しに出るのもおっくうでした。

 札幌で販売されているHokkaidoWalkerに挟み込まれているかどうかは知りませんが、そんな私の姿勢を見透かすようにTokyoWalkerに挟み込まれたというScienceWalkerの全ページをスキャンして送ってくださった方がいらっしゃいまして(本当に、ありがとうございましたm(_._)m)、読んでみました。

 こちらにほとんどすべてのページの写真が出ています。文章は読んでも読まなくても、そんなに差はありませんので(笑)これで十分だと思います。

 確かにフリーペーパーの形にはなっていると思いましたが、映画の宣伝を除くとほとんどすべてがハイテク製品の紹介です。こういう内容ならコマーシャル料をかせげることは間違いないと思いますので、まさに無料で作れると感じました。逆にスポンサーが付きそうもないので、文科省がやるしかないと思わせることができるはずの「生物ネタ」がほとんど皆無なのも、(生物屋としては個人的に)気に入りませんでした(苦笑)。

 これでは、文科省が無料で製品のコマーシャルをするためにマガジンを作った、企業にとってのフリー(コマーシャル)ペーパーになっているのではないでしょうか。

 あまりお金のことばかり言いたくはありませんが、本来のフリーペーパーは企業が広告を載せてもらう代わりにお金を払ってくれるので、我々はただで手に入れることができるものです。このサイエンスウォーカーは税金という形で国民全員がお金を払ってくれたので、我々はただで手に入れることができるものです。原理は似ていますが、納税者は納得してくれるのでしょうか。

 ハイテク野菜工場や科学博物館、科学未来館や、オープンラボ、女子高校生夏の学校、理科大好きボランティア、科学オリンピックの記事などはどちらかというと地味にひっそりと載っているのですが、こちらを大々的に前面に押し出しておすすめデートコースの企画にしておけば、私は結構うれしかったのですが、、、。科学技術週間の広報ももっと詳しくても良かったのではないでしょうか。

 最後の2ページ(裏表紙)は、ちょっと異色なディスカバリーチャンネルDVDと新しいハイテク人工土壌の話なのですが、良く見るとこの2ページは広告でした。広告も出せるのなら、中の製品紹介をした会社からもがっぽりと広告料を取るべきだったとくやまれます。

 皮肉なことに私にはこの土壌改良材の宣伝がいちばん「へ~」な科学の話でした。

 ただで出版して欲しいとまでは言いませんが、お役所仕事と言われないためにも真剣に広告料収入を考えるべき企画だったと思います。同じことを民間にやらせたらタダでやるのではないでしょうか、そこに文科省主宰のイベントをどんどん乗せてもらって数百万円の広告料を支払うというのが、妥当な戦略だったと思います。

 実際にご覧になった方のご意見をお待ちします。

 すでに、いくつか感想が出ていますので、リンクしておきます。

話題の「サイエンスウォーカー」を入手!
サイエンスウォーカー
文部科学省さん、ごめんなさい。
デートは科学で攻略できるのか!?
Science Walker
脱力「Science Walker
06.03.28 晴れのち雨
むしろTechnology Walker?
「Science Walker」話題になってますねえ

【言わずもがなの追記】
 表紙に書いてある「デートで使える科学ネタ」を信じない方が良いと思います(笑)。信じて知ったかぶりに使ってしまったら、「致命傷」を受けること間違いありません。ここに書かれている最新のハイテク製品はおそらく企業秘密のかたまりでしょうから、それについてうんちくを傾けることができるようになったら「ホンモノ」です。これ1冊ではとてもムリ。
by stochinai | 2006-03-29 13:08 | 科学一般 | Comments(13)
 先ほど問題になったPSE法が、なんだか訳のわからない「運用」で、PSEマークの無い電気用品の中古品の販売を、とりあえずレンタルと見なすことで許容することになりました。

 そもそも、作った法律が運用で骨抜きにできるということなら、法律ってなんのためにあるのでしょう。また、骨抜きができるということは、逆に必要以上に強く運用することもできるということではないかと不安にもなります。

 我々の生活に関係の深い法案が、反対する力を失っている野党の目の前を通り過ぎてどんどんと成立していって、気が付いたら4月1日から施行や完全実施になるものが目白押しという状況なのかもしれません。

 そんなの知らなかったという、大きな声を結集することができたPSE法に関してはとりあえず妥協が成立したと見えますが、ここに来て考えようによってはもっと大きな問題が起こっていることを八国山だよりさんのブログで知りました。

 読売新聞くらいしかまともに取り上げていないというのも問題だと思うのですが、法律改正の影響によって、全国の小中学高校生の子どもを持つ親御さんにとっては大変な問題が持ち上がっているようです。「PTA安全互助会が存続の危機、改正保険業法の影響で」によると、「4月1日施行の改正保険業法の影響を受け、無認可共済が保険会社と同水準の管理体制が求められることになったため」「児童・生徒が事故などに遭った場合に備え、事前に集めた負担金を見舞金として支払うPTAの「安全互助会」が存続の危機に立たされている」というのです。このままでは「長年続いた子供たちの事故保障制度が途絶える可能性もある」というのです。
 全国高等学校PTA連合会(約240万人)によると、50団体のうち3分の2以上の道府県市で安全互助会を運営。小・中学生の保護者対象の日本PTA全国協議会(約1000万人)も61団体の大半が制度化しているという。負担金は、年間1人数十円~数百円程度で、給付金も各団体で異なる。

 全国普及の先駆けとして1973年に結成された大阪府立高等学校安全互助会(約12万人)の場合、入学時に1人600円の負担金を徴収。昨年度は382件の事故に1762万円を給付しており、設立から今年1月までの給付総額は5億342万円。基金の残高は約1億4000万円。

 この運営に待ったをかけたのが、保険業法の改正。マルチ商法のような形で掛け金を集める無認可共済対策のため、保険金額が少額であっても参入条件として原則、株式会社か相互会社にしたうえで、最低資本金1000万円や供託金1000万円などを義務づけた。2年の経過措置期間があり、団体が4月1日の施行日までに公益法人になっていれば適用は免れるが、法人化された団体は、高校が全体の4分の1程度、小中は数団体という。

 つまりほとんどの小中高の互助会は違法状態になり、廃止の憂き目にあうのです。

 どこの学校にも年間何百円かを納めておくと事故があった時などに補助金が分配される互助会があります。そうした素晴らしい相互扶助体制が「マルチ商法のような形で掛け金を集める無認可共済対策」のために改正された法律によって違法つまり禁止されてしまうということはどういうことでしょうか。

 これは角を矯めて牛を殺すというような生易しい問題ではなく、廉価な相互扶助保険体制を破壊して、それに依存していた小中学生を民間の保険会社に囲い込むための策謀としか思えないと言うと、またお前は過激なことを言うと叱られるのでしょうか。

 そもそもこの互助会制度は義務教育においては貧富の差無く、事故に対する備えが持てるようにという趣旨で行われているものだと思います。それを破壊して、みんなが大きな保険会社に入ればいいじゃないかというような乱暴なやり方が、「民間にできることは民間に」とか「痛みをこらえて」という改革の狙いなのでしょうか。

 法律があるのだから従いなさいという前に、法律を作り運用するのは人間であって欲しいと思います。

 PSE法で示されたように、この国の法律は運用次第で骨抜きにできるもののようですから、この法律改正によっても小中学校の安全互助会だけは例外として扱うこともできるのではないでしょうか。

 文部科学大臣そして総理大臣、なんとかしてください。 
by stochinai | 2006-03-28 20:43 | 教育 | Comments(3)

トリビアの泉から電話

 ますます電話相談室みたいになってきました。

 トリビアの泉の制作をしている部署から電話で、奇妙な**行動を示す動物についての問い合わせがありました。多少、誤解もあるようなので訂正しながら説明するとともに、もっともっとすごい**行動をする動物がたくさんいますよ、と話して煙に巻いて終了。

#テレビ番組の企画を漏らすわけにはいかないでしょうから伏せ字にしてありますが、もう繰り返し使われたまさにトリビアのお話です。後は、どこまで映像で迫れるかということでしょうが、本気でやろとしたらBBCかNHKのようなが総力で取材しないと無理かもしれません。

 この程度(5分~10分)で、こちらが特に調査もしないでお答えできることならいつでもどうぞです。

 今は、お試し期間なので無料ですが、将来的には有料のコンサルティングにしていきたいサービスのひとつですね。もちろん、非営利の市民の方からのお問い合わせには無料での回答を続けます。

 北大の首脳部の皆さまへ: ハードな製品の企業化も結構ですが、大学にはこうした利益につながりうるソフトな資源がたくさんあることも記憶に留めておいていただけると幸いです。
by stochinai | 2006-03-28 13:57 | 生物学 | Comments(2)
 こちらは、ホンモノの朝日新聞の記事なのですが、内容的には下の記事と似た雰囲気を漂わせており、今の時代の「報道」においては「事実」も「虚構」もそんなに変わらないことを証明しているようです。

 この記事の内容をそのまま信じていいと思いますか。
重大犯罪の増加がわずかだったのに対し、盗難で逮捕される16歳未満も26%増えているといい、同紙はiPodの盗難の急増が背景にあると伝えている。

by stochinai | 2006-03-28 13:33 | スマイル | Comments(0)
 こうした記事が、冗談とは思えないくらい今の政局は戯画化しているということなんでしょうが、、、。

 虚構新聞、快調です。
by stochinai | 2006-03-28 13:01 | スマイル | Comments(0)

札幌にニホンイタチ

 今日の昼頃、札幌市民の方から電話がありました。

 電話は最初、大学の事務にはいったそうなのですが、どこへ回したら良いものかわからず私のところへ転送されてきたものです。いつも、何かわけのわからない質問の時には私のところへ回される傾向があります。困った時には彼に頼もうをと思われていることは悪いことではないのでしょうが、しばしば私の手に余ることがあります。というよりは、手に負えない質問の方が多いようなものです。

 今日の質問も、かなり苦手なもののひとつでした。札幌の南にある山がちな地域に藤野というところがあります。そこに「昨年暮ころから庭先の雀などにパンくずを与えている土間に現れ、そのうちいなくなると思っていましたが現在でもときどき姿を現」す哺乳類がいるというのです。ついては、それが何に教えて欲しいと頼まれました。

 北海道では昔ミンクの養殖が盛んだった時期がありました。今ではほとんどなくなったようなのですが、当時に逃げ出したミンクが野生化してカワウソと見間違えられたりする「事件」はたびたび起こっているので、多分ミンクではないかと思ってそう答えたのですが写真があるというので、とりあえずそれをメールで送ってもらうことになりました。良い時代になったものです。

 そうして送られてきた写真がこれです。
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 かわいいのです。ミンクはどちらかというと凶悪な顔をしているので、どうも違うかなと思ったのですが、悲しいことに素人のできることはせいぜいネットで画像検索するくらいです。

 ネット検索の結果、ミンクというよりはテンかイタチではないかという仮の判断が出せましたが、もちろん結論など出せるわけもありませんので専門家おふたりにメールで問い合わせを出してみました。

 3時間半ほどして返事が来ました。専門家のうちの一人が、もっと専門の方に尋ねてくれた結果、あっさりと結論が出ました。
写真は、「(ニホン)イタチ」ですね。この上品な顔つきは、アメリカミンクではないと思います。顔の黒色と口の周りの白毛はニホンイタチの特徴です。

 もともとニホンイタチは北海道にはいなかったらしいのですが、明治初期に函館にはいって以降、全道に分布を広げたということですので、札幌にいるのは決して不思議なことではないようです。

 それにしても、こんなにかわいいお客さんが庭先に来てくれるのはうれしいですね。
by stochinai | 2006-03-28 02:40 | 生物学 | Comments(6)
 いつも文句ばかり言っているので、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いということで、政府や文科省およびその下にぶら下がる各種の独立行政法人や国立大学法人のやることに対して、私が評価することを拒否しているのではないかと思っている方がいるかもしれませんが、決してそんなことはないということを示す、絶好のチャンスが訪れました。

 今朝の朝日新聞の記事「ノーベル賞論文もネット公開 日本の学術雑誌52誌から3万本」にあるように、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が、日本で発行された学術雑誌のうち重要度の高いものを選んで創刊号から電子化し、無料で公開するJournal@rchiveという取り組みは本当に素晴らしいプロジェクトだと思います。

 午前0時を過ぎて27日になっていますので、すでにアクセスが可能になっておりますので、是非ごらんいただきたいのですが、最新の学術雑誌を見るのとはまたひと味違った楽しさを感じることができます。ジャーナル一覧のページに、いくつかの雑誌の紹介記事がありますが、こうしたことができるのもアーカイブの良いところだと思います。今後、特定の日本人研究者の紹介記事などが出てくると、かなり有益な科学コミュニケーションになることが確信できました。是非ともご検討ください。

 今ではほとんど見られなくなった日本語の学術論文もあり、科学史的な見地からだけではなく専門家以外の方でも学術論文に直接触れる興奮を味わえるのではないかと思います。現在、公開中の日本語のものは次のものです。
季刊 理論経済学
産業医学
植物學雜誌
東京化學會誌
東京數學物理學會記事
日本化學雜誌
日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
氣象集誌

 植物学雑誌があるのに私も投稿(英語でしたが)したことのある動物学雑誌がないのは残念なのですが、今回の52誌を皮切りに5年後までに500誌を電子化する予定だということですので、期待したいところです。

 読売新聞によれば、「科学技術振興機構は30~50億円を投入、5年後までに500誌の電子化を進める予定」とあります。昨日、「たった」7000万円のことで目くじらを立てた私ですが、このプロジェクトに関しては50億円と言わずに100億円でも200億円でもつぎ込んでも損はないと思います。道路や建物などだとそのくらいのお金をつぎこんでも、たいしたものもできませんし耐用年数もたかがしれています。それに対して、電子化された原著論文の価値は無限に続くどころか、時間が経てばたつほど価値が上がるのです。

 さらに、インターネットを通じて世界中からアクセスができるということですので、日本語の論文はさておき、今まで海外で注目されていなかった論文が再評価されるというようなことも多くなると思います。

 大学の紀要などは各大学がHUSCAPのような機関リポジトリがやり、全国的な学会誌などに関してはこのJSTのJournal@rchiveで分業しながら電子化すれば、過去100年くらいにわたって国内で行われてきた(論文化された)科学のいとなみのすべてが世界からアクセス可能になるのです。つまり、Google(Scholar)などでも引っかかるようになるのです。素晴らしいことではありませんか。
 
by stochinai | 2006-03-27 01:01 | 科学一般 | Comments(2)

日の暮の背中淋しき紅葉哉            小林一茶


by stochinai