5号館を出て

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 今朝の朝日新聞に、おもしろい記事が載っていました。「『ウィキペディア』の不利益情報、楽天証券社内から削除」です。

 ウィキペディアについては、誰でもが編集できるから内容が信用できないとか、いや逆にそれだからこそどんどん修正が加わりアップデートが繰り返されるので信頼できるとか、いろいろな評価があります。私は、ある程度のリテラシーを持った人が使う限りはとても有益な情報ソースになるという「評価派」です。

 そのウィキペディアに「楽天証券」という項目があるようです。現代用語の基礎知識というようなものならいざ知らず、普通の百科事典に楽天証券などという項目が載るのはしばらく後のことになるでしょう(あるいは載らないでしょう)から、それだけでもウィキペディアの価値は高いと思います。

 さて、その項目の内容なのですが、どうやら楽天証券の内部の人間によって手が加えられ、楽天証券に不利な記述が削除されていたということが発覚しました。

 たとえ楽天証券の社員であれ社長であれ、ひとりのボランティアとしてウィキペディアの編集に参加することは可能ですし、責任ある編集をしているのであれば褒められるべき行為だと思います。しかし、それが楽天証券の汚点記事を削除するという行為であったならば、これは完全に情報のねつ造であり、場合によっては犯罪を構成するかもしれません。少なくとも倫理的には完全に黒の行為です。

 中途半端なITリテラシーしか持っていない人だと、インターネットの上で何かをしている時に、どこの端末からどのような行為をしているのかとか、場合によってはどのような内容のメールを出しているのかというようなことが「見えてしまう」ということに気がついていないかもしれません。今回の件も、ウィキペディアの当該箇所(同社への行政処分情報や同社が非常にサーバーダウンが激しいこと)を削除したのが、登録されている某氏であり楽天証券の内部にあるコンピューター端末から削除を行ったということがウィキペディア側に記録されていて、その情報が公開されていたために発覚したのです。

 おもしろいのは、この事件のことが件のウィキペディアの楽天証券の項目に書き加えられてしまっていることです。
ネット証券Blog2で指摘され、テクノバーン社の記事でもそのことをが取沙汰されたが、楽天証券に割り当てられているIPアドレスをソースアドレスとする端末(後に、楽天証券の従業員が社内から行ったものであるという調査結果が、楽天証券側から出された)からの投稿により、楽天証券に都合の悪い箇所が改変されているとの指摘があった。指摘されているのは、楽天証券とマーケットスピードの二つの記事である。なお、朝日新聞8月31日付朝刊(第2社会面)やITmediaでも、この件が報じられている。
 【追記2006年9月5日】9月5日現在、Wikipediaの当該項目には削除依頼がだされております。この引用文自体が、ITmedianewsからの盗用(コピペ)だったのではないかという疑惑が持ち上がったためのようです。負け惜しみではありませんが、こういう不幸な「事件」に速やかに対処してがんばっているところもWikipediaの良いところだと思います。【追記ここまで】

 これはすごいことだと思います。今までの百科事典やさまざまな情報ソースに、これほどの公開制・透明性を持つものがあったでしょうか。

 「インターネットにある情報は便所の落書きのようなものでまったく信用できない」などという意見が知識人と言われる方々の口から発せられることも多いのですが、今回の「事件」を見る限りにおいては、インターネットで提供される情報がいかに衆人監視の下にあって、間違いやねつ造があっても速やかに修正される可能性が高いことが証明されたエピソードになると思います。

 それとともに、ある程度の認証システムさえ持っていれば、インターネットでは、それほど徹底的に身元を隠すことができるものではないということも示されました。こうしたことがしっかりと教育されていけば、バカなことをするユーザーも減っていくと思われ、「インターネットでは人々が完全に匿名で活動できるので、すぐに炎上が起こってしまう無法地帯だ」などという安易な非難も消えていくのではないでしょうか。

 私には、今回の事件はインターネットの信頼性をグーンと上げてくれた「素晴らしい事件」だったと思えます。
by stochinai | 2006-08-31 23:01 | コンピューター・ネット | Comments(16)
 科学コミュニケーションブログ、K_Tachibana さんのところで教えてもらいました。国立大学の博士課程定員が、なんと51年ぶりに定員減となったとのことです。
 文科省によると、国立大の博士課程入学定員は56年度の2304人から年々増え続け、96年度には1万人を突破。2003年度以降は年100人前後の「微増」が続いていた。
 これは定員で見ているので、来年から博士課程の入学者が減少が始まるように思われるかもしれませんが、実は全国の大学院での博士課程への進学者数は2003年度をピークにすでに減少に転じているという事実があります。数字で見る博士課程修了後という「博士の行き方」サイトから引用させていただきます。このデータは国立大学のものだけではないと思いますが、博士課程定員の大多数は国立大学にありますので、傾向はそれほど違わないと思います。
 平成15年度の進学者数が18232人をピークにして、平成16年度は17944人、平成17年度17553人と徐々にではありますが、減少する傾向にはあるようです。

 理学に関しては一度、平成13年度に減少に転じておりますが、工学・理学とも、平成15年以降、再度、減少に転じているのが理解できると思います。
 ということで、実は学生が数年前から博士課程への進学を避けるようになっているという現実があるのです。私のまわりを見てみてもこの傾向は極めてはっきりと感じられるようになっており、さすがに定員割れとまではいかなくても、10年くらい前には定員の2倍もの進学者がいたことを考えると隔世の感があります。

 つまり、この数年のギャップの間には、博士課程の定員割れがあちこちの大学や研究科で起こっていたということを意味しています。大学教員として大学院に籍を置いてみると良くわかるのですが、大学院の定員割れというものは文科省から最低の評価を受けることとして、大学内でもっとも忌み嫌われていることのひとつです。

 私は何かというと、博士課程の定員を減らすべきだという意見を発してしまうのですが、大学の経営にたずさわっていらっしゃる方々には、定員減あるいは定員の不充足ということは、そのまま文科省からの運営交付金の減少すなわち大学経営の危機につながることに見えてしまうようで、いつも即座に却下されてしまいます。

 そういう状況であるにもかかわらず自ら定員減を選んだ大学院があるということは、もはやいかなる手を尽くしても定員を充足することはかなわないという敗北宣言だと思います。それが表に出てきたということは、全国のかなりの国立大学でも同様のことが起こり始めていると見るべきでしょう。

 しかし、博士課程に進学するということを選ぶ学生が減ったことを受けて、それを追認するように定員を削減するというのでは遅すぎるのです。

 ここは、思い切って希望者をはるかに下回るところまで定員を下げて、ある意味でのシビアな競争を課し、そのかわり博士課程に入学することができた者には、しっかりとした研究者になる訓練を行い、それに応えてくれた学生には少なくとも10年間くらいは安定して勤められる研究職を与えるというような状況になったら、状況は大きく変わると思います。

 前にも書いたと思いますが、もはや国立大学の理学部などでは修士は義務教育化しています。それはそれで良いと思いますが、その中から大学や研究所の後継者を育てるのが博士課程というふうに発想を変えてはどうでしょう。

 このまま進学希望学生の減少に引きずられるように、徐々に定員を減らしていくようなことを続けていくのでは、ただただ疲弊して死をまつのみだと思います。大学経営を考える皆さまには、ここらで発想を転換して、攻めの制度作りをお願いしたいと思います。
by stochinai | 2006-08-30 21:25 | 大学・高等教育 | Comments(8)

海底の二酸化炭素プール

 空気中の二酸化炭素を液体にして海底に沈めると、圧力でその状態が維持されるので封じ込めることができるという話しを聞いたことがあります。
CO2は水深2400メートルより深くでは液化して海底へ沈むため、地球温暖化対策の一案として深海底へ封じ込める技術が研究されている

 物理のことがよくわからない私は、ドライアイスと水の反応しか見たことがありませんので、そういう話をきいても今ひとつピンとこなかったものです。

 ところが、このたび海底で実際に液化した二酸化炭素の「プール」が発見されたというニュースをテレビでやっていました。各紙でも報道されているようです。
 沖縄県与那国島沖の水深1380メートルの海底で、液化した二酸化炭素(CO2)が閉じこめられた「プール」を、海洋研究開発機構のグループが有人潜水調査船「しんかい6500」を使って見つけた。CO2を分解する微生物が生息することも確かめた。
 驚くべきはこの「浅さ」で、事実は理論を越えていることがあっさりと証明されています。今回はプールの上に「蓋」ができていたために、二酸化炭素が浮かんでいかなかったようで、映像では「蓋」に穴を開けたところ中からモヤモヤと液化二酸化炭素が漏れて上に上がっていっていました。すごい映像です。

 このプールには液化メタンも含まれているようで、付近にはメタンや硫黄をエネルギー源として二酸化炭素を分解する微生物がいることもわかったということです。

 これはおもしろいですね。二酸化炭素を海底に封じ込めるだけではなく、それが微生物によって代謝されてしまうということになれば、生態系を見る目が変わってきてしまいます。

 ところで、朝日新聞では「メタンや硫黄をエネルギー源とし、CO2を分解する微生物」と書いていますが、二酸化炭素は本当に分解されるのでしょうか。読売では「二酸化炭素やメタンなどを取り込んで生きる微生物」となっていますし、フジサンケイビジネスでは「CO2とメタンをエネルギー源とする微生物」です。微生物は化学合成細菌だとすると、二酸化炭素を使って有機物を合成しているのではないかと思われますが、どなたか専門のかた、教えてください。ヘルプ。
by stochinai | 2006-08-29 21:20 | 科学一般 | Comments(8)

リュックサックのベッド

 うちには黒いネコの他に武蔵丸という名の長毛のネコがいます。数年前に、ダンボールにはいって雪の中に捨てられていたのを娘が拾ってきました。ヒマラヤンの雑種ではないかと思われます。

 私のリュックはジッパーが開いていると黒いネコが中に入りますし、倒れているとベッド代わりにされてしまうので、油断もスキもありません。

 今朝は久々にやられてしまいました。
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 急いでいたわけでもないので、放ったらかしておいたら、だんだん眠くなってきたみたいです。
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 さて、出かけようかなと思ったら熟睡してました。
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 起こすのもかわいそうになるくらい気持ちよさそうに寝てます。

 ネコの語源が寝子だって知ってました?
by stochinai | 2006-08-29 20:53 | スマイル | Comments(9)

東京日帰り出張

 札幌は朝晩めっきり涼しくなってきたのですが、まだ暑いと思われる東京へ日帰りで出張してきました。行きはなんとピカチュウのジャンボでした。月曜の朝の便ということで、ほぼ満席でした。
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 下北半島と思われるところの上空には、さすがに秋らしいうろこ雲が流れていました。
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 東京へ着いてみると、思ったほどは暑くありませんでした。神戸から来られた方は涼しいとおっしゃっていました。向こうはいまだに灼熱地獄だそうですから、日本も広いものです。

 昼休み時の丸の内界隈は、写真だけ見るとマンハッタンと同じですね。さすが、大都会です。
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 帰りは普通のジャンボでしたが、月曜日の夜の便ということでガラガラでした。
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 関係ないですが、ピカチュウ機ってたくさんあるんですね。
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by stochinai | 2006-08-28 22:12 | つぶやき | Comments(2)
 今日は年に一度の全学大停電の日です。街は北海道マラソンで盛り上がっていたのですが、大学はひっそりと静まりかえっていたはずです。

 夕方、停電が終わる頃に機械やサーバーがきちんと立ち上がるかどうかをチェックするために大学へ行って来ました。

 日曜日の夕方遅くに大学へ来るなどということはめったにないので、いつもと違う景色が目についたりします。これは、理学部旧館の北壁にはびこりつつあるツタです。しばらく見ないうちに、かなり立派に建物を覆い尽くしつつあります。中に研究室があったら、ここまで放置されることはないでしょうから、人がいなくなるというのも悪くないものです。
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 5号館に入ると停電ですから、真っ暗で外から差し込む自然光が芸術作品になってくれます。
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 数年前までは、全学停電というと病院などの特別な施設を除くと、文字通り停電になりますので建物に入ると暗いだけではなく驚くほど静かで、普段いかに電動設備の騒音に囲まれていたかということを認識させられたものですが、今日は建物の内外でたくさんの自家発電機が動いており、ひょっとすると普段よりも騒音が大きいのではないかと思われるほどでした。

 中断することのできない重要な研究が増えてきたということもあるのかもしれませんが、何があっても実験は中断しないという強い意志が感じられるとともに、どんなことがあっても研究を中断させるわけにはいかないという追いつめられた研究者の悲鳴のようにも聞こえる自家発電機のエンジンの音でした。

 学内のネットワークも動いておりませんので、たとえ電気は自家発電機でなんとか供給できたとしても、ネットが使えませんのでさすがに自家発電をしてまでオフィスワークをする先生はいないとみえて人の姿はほとんど見あたりませんでした。

 幸い、予定どおり停電は午後6時ちょっと前に終了し、機械やサーバーも順調に復旧してくれたようです。

 サーバーと言えば、昨日の夕刊に総務省がインターネット上の情報の真偽を自動判別するソフトの開発に乗り出すという記事(ネット情報「ウソ発見器」 総務省が開発へ)が出ていました。

 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士さんが「ネットまで政府の統制下に落ちようとしている~ネット情報のデマ率発見システム」というエントリーですでに取り上げておられますが、ネット上の情報の真偽を「お上」が判別してくれるなどということは余計なお世話以外の何ものでもありません。

 中国では、グーグルが中国政府に協力して「中国にとって間違った情報」を掲載している記事は検索結果に表示されないようになっているということですが、この総務省のソフトも結果的にはそれと近いことをしてくれることになります。

 総務省が構築を目指すシステムは、この選別をコンピューターで自動的にやらせるものだ。ネット情報のウソや間違いの「発見器」といえる。
 完成すれば、ある情報のデマ率を調べたり、ネットで検索するときに信頼性のある順番に表示したりできるという。「この情報はデマ率95%ですが表示しますか」などという注意表示もできるようになる。
 まあ実際できてからやってみればわかることなのですが、沖縄返還交渉問題で世界中が知っているように政府がウソを突き続けるこの国の政府の発表と、その政府のウソを告発するブログサイトのどちらの情報が正しいかということを、政府作成になるこの「ウソ発見器」にかけたらどうなるかなどということは、おそらく中学生にでも判断できることでしょう。

 開発の焦点は、インターネットのなかから信頼できる関連情報を見つけ出せるかどうかだ。そのために、知識を関連づけて書かれた内容の意味を正確に判定する技術や高度な自動翻訳技術などを編み出す必要がある。
 ちょっとしたインターネットリテラシーを持った人なら、こんな難しい問題をたった年間3億円くらいの予算でやろうということ自体が無理だということは即座にわかるはずです。

 それよりなにより、ヤメ記者さんがおっしゃるように「肝心なことは,ネット情報を政府が管理することの危険性だろう」という点も見逃すことができません。

 つまらないあるいは間違ったことに大切な税金を使うよりは、国民一人一人のインターネットリテラシーを上げるためにもっとたくさんの予算を注ぎ込むべきなのではないでしょうか。
by stochinai | 2006-08-27 23:56 | 大学・高等教育 | Comments(7)
 ハカラメ(葉から芽)植物と呼ばれる多肉植物を育てています。
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 育てていると言っても、水もあまりやらなくて良いし(というよりは、あまりやると良くない)、一枚の葉からたくさんの芽が出てきて、それが土に落ちて新しい植物体になってどんどん増え、リッチな気分になれるので気に入っています。この木(?)の根元にも勝手に落ちて育っている新しい子供達がたくさんいます。
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 すべての葉の縁に新しい芽がびっしりとついてフリルのように見えますが、よく見るとなんだか変です。新しい芽にしては複雑すぎるように思えるのです。いろいろと観察してみたら、わかりました。
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 なんと葉から子の芽が出ているだけではなく、その子から孫の芽が出ているのです。この調子でいったら、曾孫の芽が出る可能性があるかもしれません。

 それにしても、この繁殖力はすごいです。葉を裏から見たのが下の写真です。なかなか芸術的なフォルムをしています。
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 下の方が葉の付け根ですが、葉にあるギザギザの凹んだとkろに小さな卵形の「芽」ができて、そこから新しい植物体が生えてきます。先に葉がはえて、しばらくすると根も出てきます。

 この植物、私は自分で勝手にコダカラベンケイソウだと決めつけていますが、子宝草とかクローンコエとか呼ばれているものと同じものか近縁のものだと思います。

 メスだけで殖えるミステリークレイフィッシュもそうですが、こんな殖え方(無性生殖)ばかりをして、有性生殖をしないで長い年月が経つと、それぞれの株(クローン)が少しずつ違うものになっていく可能性があります。生物の「種(しゅ)」の定義のひとつに、(有性生殖をすることで)お互いに持っている遺伝子が混ぜ合わされる可能性を持った集団というものがありますが、その定義に従うと無性生殖だけをする生物は、1匹が1種になってしまいますので例外規定を設けなければなりません。

 とかく生物というものは一筋縄でいかないものですが、そこがまたおもしろいところです。
by stochinai | 2006-08-26 18:07 | 生物学 | Comments(12)

巨大パチンコ屋さん開店

 春から建設工事をやっていて、建物自体はずいぶん前からできていたのですが、ようやく本日開店になりました。午後3時からというのに、午前中からまわりで人や車がウロウロしています。
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 静かな住宅地に巨大パチンコやさんができるわけですから、当然のごとくに(ちょっとだけは)反対運動がありましたが、場所が高速道路沿いなので、騒音や自動車の増加などということはあまり反対の理由にもならず、いつの間にかできあがってしまったという感じです。

 場所は、私の家から歩いてほんの数分のところにある、札樽自動車道の伏古インターチェンジ横です。地図をみていただくとわかりますが、丘珠空港からそう遠くないところに、おそらく空港ターミナルを意識した建物を作ったのだと思います。
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 高速道路の下から伏古インターチェンジとパチンコ屋さんを入れたアングルで一枚写真を撮ってみました。
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 丘珠空港にあるターミナルビルよりも、はるかに空港ビルらしい雰囲気を漂わせていて、名前も空港ビルっぽいのが笑えます。

 最近は、テレビを見ているとパチンコ屋さんとサラ金のコマーシャルばかりが目立つような気がしますが、やはり両者ともに現金を動かす商売ということで不況にも負けない職種なのでしょう。私はもう30年間くらいパチンコなどというものはやったことがありませんが、何がこんなにもたくさんの人を惹きつけているのでしょうか。

 市営のギャンブルは法律で禁じられているはずなのに、どこのパチンコ屋さんでもすぐ近くに景品を現金に換える窓口が堂々と設けられています。取り締まる気がないのなら、法律も廃止してしまったらどうなのでしょう。

 警察の天下りの話や某国へ送金する現金の回収所になっているなどという話も良く聞きますが、賭博容疑で逮捕されたという話は聞いたことがありません。それに対して、ちっぽけなカジノ・バーなどは良く手入れをくらってますね。

 実は、お上が違法行為を見逃してくれている時ほど怖いのです。なぜならば、いつでも取り締まる理由があるのに、見逃しているだけだからです。科学研究費の不正使用問題にしても、まったく同じように「お上」は知っていたのだと思います。それが、「なんらかの理由」で摘発されていなかっただけなのですから、その気になったらいくらでも挙げることができてしまいます。

 このやり方では、それを見逃している人間は好意で見逃してくれているということもあるかもしれませんが、見逃すことが何らかの利益を生じさせている可能性も考えられます。そうだとすると、法を犯している方はもちろん悪いとしても、それを見逃している方がもっと悪いというケースもありそうな気がします。

 警察や文科省の中に、賭博や研究費の不正使用を見逃すことで、なんらかの利益を得ている人がいるかもしれないという見方も忘れてはならないと思います。

 さて、またグダグダとお上の悪口を書いてしまいましたので、お口直しに初秋の気配を感じさせてくれる夕日を掲載しておきます。
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 夜になると涼しくて、とっても良い季節だとしみじみ感じます。
by stochinai | 2006-08-25 22:07 | つぶやき | Comments(12)

大学院入試

 昨日と今日は大学院博士前期(いわゆる修士)課程と、博士後期課程(いわゆる博士)課程の大学院入学試験がありました。新しい組織になっての始めての大学院入試です。

 競争倍率からみるとあまり激戦ではないように見えますが、個々の受験生にとってみたら、合格するか不合格になるか二つに一つの結果で示されるストレスフルなステップです。

 合格発表までは1週間ありますが、発表が終わったら、それまではなかなか本気になって取り組めなかった卒業研究に本格的に取り組み、来春2月の発表会へ向けて追い込みをかけていかなければなりません。

 もしも、運良く大学院修士課程に合格したとしても、修士を卒業して就職することを考えているならば、修士1年生は今年中(数年前までは12月頃からでしたが、最近ははやいところは9月頃から)に始まる就職活動を開始しなければなりません。

 つまり、4年生の卒業研究が4月から始まったとしても、どうしてもこの8月の大学院入試へ向けての勉強がありますので、それほど研究に集中できません。また、9月から卒業研究を開始して、そのテーマを修士課程にまで持ち上げるとしても、来年の9月には就職活動が始まります。運良く、その翌春までに就職が決まれば良いですが、下手をすると夏を過ぎて秋まで就職活動が続きます。

 さらに運良く、そこで就職できたとしても、たった2年しかない修士課程に1年のブランクが空いてしまいます。つまり、修士の研究は正味1年なのです。卒業研究から継続したとしても、修士論文までの研究期間は1年半です。大学院入試や就職活動がなければ3年間ある研究期間のはずですが、正味はその半分の1年半しかないという現実をどう考えたらよいでしょう。

 大学院入試勉強も就職活動も重要なことですので、そのために研究ができなくなったとしても、優先順位を変えるわけにはいきません。つまり、修士の研究期間というのは4年から継続した人でも1年半、修士から新しい研究室に入った人にとっては1年しかないことを前提にしなければならないのです。

 素人に毛の生えた学生が、たった1年か1年半研究に費やしても得られる成果などたかがしれています。そうであるならば、修士の2年間あるいは卒業研究からの3年間、実りの少ない研究活動にすべてを捧げるよりは、より効率よく自分を育てる様々な活動に宛てたほうが長い人生にとって資することが多いかもしれません。

 修士の研究あるいは修士の教育について、研究中心から教育中心へとシフトさせることを本気で考えるべきだと感じます。内実をできるだけ温存するような制度いじりはそろそろやめて、大学院教育の内容の根本的変革が必要ではないでしょうか。
by stochinai | 2006-08-24 23:56 | 大学・高等教育 | Comments(8)

Gmailも一般公開

 昨日、Googleがワープロの使用権を一般公開したというエントリーを書いたところ、本日はあのGmailも一般公開されたというニュースが飛び込んできました。

 私はかなり前にGmailに関して否定的なエントリーを書いたことがあります。その時には、使ったことがなかったので憶測で書いたのですが、実をいうと今はユーザー登録をしていますので、もう少し具体的に書けます。

 先ほど、私が所属する動物学会とメールでやりとりしたものを、Gmailで表示させたところ本文を表示する画面の右に、医学書販売会社、研究職人材派遣会社、医学電子辞書、大学情報の日経進学ナビなどの広告が掲示されました。これは、差出人の所属などを含めたメールの内容に関連づけられているものに間違いないことは、すぐにわかります。

 もちろん人間が読んで宣伝をつけているわけではないのですが、機械が「読んで」内容を「解釈」しているということは、Googleも認めています。それは「Google 検索結果ページに表示される広告や、Google AdSense プログラムでウェブ上のコンテンツ ページに配信される広告と同じ仕組みで表示され」ているのだそうです。説明を引用します。

Gmail は技術ベースのプログラムで、広告および関連情報は完全に自動化されたプロセスで表示されます。Gmail では、AdSense プログラムと同じコンテキスト型広告配信技術を使用して、システムにより自動的に関連性の高い広告を抽出し配信しています。この技術により、電子メールや日々のニュースなどの動的に変化するコンテンツに関連した広告が表示されるようになっています。

広告や関連情報を表示する際に、電子メールの内容を人間がチェックすることはありません。
 つまり、メールの内容の文脈を解析しているということです。これが、メールに広告を付けるためだけに利用されている分には、ほとんど危険性はないと思われますが、もちろんメールユーザー全体の傾向などを解析するためにも使えますし、その目的に使っていないということはないでしょう。それは、Googleに限らず、先日書いたMicrosoft の Demographic Prediction でも、そうした手法を用いていると思われます。

 ただし、microsoftやGoogleといった大きな会社は、もしもそれが発覚した場合には倒産を覚悟しなければならないくらい非難されるでしょうから、個人を特定した情報利用をするとはとても思えませんので、多少は信頼してやっても良いかなと思っています。

 私が卒業生に推薦されてGmailを使い始めたのは、比較的最近のことですが、使ってみるとその便利さには捨てがたいものがあることがすぐにわかりました。

 もちろんどこからでも読み書きできるウェブメールとしても使えるのですが、普通のメーラーでpopダウンロードしたり、世界中どこからでも使えるsmtpサーバーが提供されていたりと、それだけでもかなり使い勝手が向上しそうです。しかも、Gmailに転送されてきたメールに、Gmailの中からもとのアドレスを使って返信したりすることもできるのです。

 さらに、貸してもらえるメールボックスの容量が8月23日現在では約2.7GBです。このくらいの大きさがあると、毎日どんなにメールをたくさん受け取っている人でも、3-4年分の全メールを削除せずに保存できます。つまり、普通の人だと一生分のメールを保存してもパンクしないようなサイズです。私も毎日受け取っている100通以上のメールをすべて転送して実験しているのですが、2ヶ月たってようやく6%が使われただけです。いずれにしても、容量を気にせずにあらゆるメールを転送できますので、ちょっと長めの外国旅行などの時などには重宝するはずです。

 このGmailは、日本では昨日までは招待制をとっており、誰かが紹介してくれないと利用できないしくみになっていました。私は外国の知らない人から招待してもらったのですが、ユーザーになる時に1名を招待する権利をもらいました。中味を読まれているみたいで気持ち悪いという人が多いので、つい最近まで招待する人がおらず持ち腐れになっていたのですが、先週末にようやくもらってくれる人に巡り会いました。

 しかし、今日からはそんな苦労がいらなくなりました。

これまで、Gmailは一般からのサービス申し込みを受け付けておらず、他のGmailユーザーからの招待を受けたユーザーのみ利用できる「招待制」を採用してきたが、23日からは日本のユーザーについて「登録制」による一般からの申し込みが可能となった。
 Googleでは、今後さらにサービスを充実させていくと言っているようです。このソフトの危険性も十分理解した上で、危険を避ける賢い使い方を心がけるならば、その可能性を利用することも悪くないソフトだと感じています。

 さて、あなたはどうしますか。申し込みサイトはこちらです。
by stochinai | 2006-08-23 21:55 | コンピューター・ネット | Comments(5)

今日二つ三つ朝顔の通り道          稲畑廣太郎


by stochinai