5号館を出て

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 今朝の朝日新聞に、教育再生会議の提言についての特集記事が載っていました。しばらく前から、あちこちで報道されていたことなので内容的には特にニュースというほどのことでもないのですが、朝日の記事によると旧7帝大(いまだにこの呼び方が残っているということが、いかに文部科学省の大学政策が旧制度を温存しながらの、形ばかりのものであるかの証明みたいなものです)と、東工大や一橋大など「90年代に大学院の定員を増やした大学」(いわゆる大学院重点化されたところという意味だと思います)では、この方針を数値目標として「外科手術」すると言っているようです。

 こういう重点化された大学院では、すでにある数の大学院生は外部から入学してきております。東大などは、学部定員より大学院定員が1割ほど多いので、すでに何割かの学生は他大学出身者によって占められているものと思われます。こういう大学にとっては、身内からの大学院進学を3割以下にするということは、痛くもかゆくもないかもしれません。逆に、選ぶ大学院側が学生に対してより優位に立って「選抜」することを可能にさせるという意味において、今でさえも弱い立場にいる大学院生をより弱い立場に置くのではないかという危惧を抱かせます。

 今は、卒業研究で入った研究室でそのまま大学院へと進学する学生が大多数なのですが、大学院の入試というものはどこでも大学入試ほど「厳正」に行われているわけではないという事情もあって、「情」というものもありますから特に大きな理由がない限り、大学院進学を断られるというケースは少ないのではないかと思います。それが、内部からの進学者は3割以内ということに制限されると、3人に1人しか同じ研究室で進学することはできなくなり、そこに大きな競争が生じることになるかもしれません。

 また大学院生も、学術振興会の研究員に採用されて有給になるという道もあるのですが、その選考過程において、かなり「研究業績」が評価されるという事情(噂?)もあって、4年生の卒業研究からひとつの研究室で同じ研究を続けた場合と、途中でそれが変わる場合とでは、大きなハンディが生じるという事情もありますので、同じ研究室で進学できる人と、他大学へ移ってまったく新しい研究を開始した人では、大きな格差が生じてしまう可能性があります。

 そうなってくると、同じ研究室の大学院へ進学できるかできないかということは、その先の研究者としてのキャリアにとって、最初のセレクションとして機能する恐れが出てくると思います。大学院入試を大学入試並みに厳格にしない限り、この段階で同じ研究室に残れるかどうかが、指導教員の「判断」というようなあいまいなもので決まることになると、それは新たなアカハラの火種になるとともに、研究室に残れるか残れないかのサバイバルゲームが、学生同士の無用な軋轢を生みそうで不安にもなります。

 さらには、研究室の教員の力の差によって、自校出身者を入学させることのできる研究室と、それができない研究室などという悲劇も出てくるかもしれません。

 そうした現場での混乱というものを、きっちりと調査・想定して、混乱なく実施するためのインフラを整えた上で提案していただくのならば、基本的に学生がいろいろな研究室で学ぶということは良いことなので原則的には歓迎したい気分がないわけではありません。もし、本気でやるのであれば、「例外なしに」他校に進学した学生には返還免除の奨学金を与えるとか、自校で進学した学生は博士課程の学振研究員にはなれないとか、誰の目にもはっきりとわかるルールが必要だと思います。

 今でも、研究室を変わらないと学振PDは与えないと言いながらも、特別に優秀で特別な理由がある場合には認められる「例外」もあるなどということがあると聞きます。文部行政の下でこのようなことが起こっているということがあると、結局今回の提案も一部の「有力教員」の研究室は制約から逃れられるなどということになるのではないかという不信感も感じます。

 それとともに、有力大学はこの制度を「活用」して、一人勝ちの状況をさらに先へ進めて、格差がどんどん広がっていくような危惧が感じられるのですが、実は今回の提案も大学院を整理・再編するための政府の方針のひとつとして、はじめからそのつもりだということならばこうした危惧や反対意見はすれ違いということになりそうですね。
by stochinai | 2007-04-30 23:59 | 大学・高等教育 | Comments(12)
 我がビデオ師匠であるkumaさんのサジェスチョン「ところで2倍速の加工のとこで、もう1,2回おなじ加工の操作をやると、4倍速8倍速のスローモーションになりますよ」に従って、作ってみました。

 2倍、8倍、32倍のスピードダウンをしたロケット打ち上げの動画です。



 このくらいスピードを落とすと、打ち上がる時にまっすぐに進んでいないことも良くわかり、なんとなく「科学的解析」になってくるのが、おもしろいですね。だんだん、はまりそうです。
by stochinai | 2007-04-30 23:40 | 教育 | Comments(2)
 お待たせいたしました。ロケット打ち上げシーンの動画の編集ができました。

 ロケットの打ち上げということで、ついついカメラを90度傾けて撮影してしまったのですが、普通に再生すると横向きになってしまいます。

 昨日はそれでヘルプを出したのですが、コメントをいただいたCoSTEP教員のkumaさんが、昨年暮れに行った公開講義「ビデオ基礎講座」を思い出しました。その時には、WindowsにタダでついてくるWindowsムービーメーカーでここまでできる、という編集の仕方を教えていただいたのですが、ひょっとしたらと思いごそごそといじっていたら、出来ました!

 そこで、早速YouTubeとこのエキサイトで提供しているドガログに登録しましたので、お知らせいたします。

 まずは、ドガログです。いままで使ったことがないので、どうなりますか。 



 最初に子どもたちのカウントダウンのあと、打ち上げられるロケットの後、4枚の打ち上げシーンが連続します(実は、2枚の繰り返し^^;)。その後に、2分の1倍速で再生した「スローモーション」画面が2枚続いて終了です。あっという間ですので、繰り返しお楽しみ下さい(笑)。

 ついでに、YouTube(エキサイトには貼り付けられません)のアドレスもお知らせしておきます。比べてみてください(汗)。
by stochinai | 2007-04-29 23:36 | 教育 | Comments(5)

飛んだ!

 朝から晴れわたりました。ここが会場の北海道大学学術交流会館です。
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 入り口の看板、よくよく見るとガラスに、向かいの本部の建物と撮影している私も映っていたりします(^^;)。
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 9時半頃から、続々と人が集まり始めました。
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 昨日の夜からは想像もつかないくらいの熱気あふれる会場です。
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 永田先生に続いて、植松さんが子供たちを励ます講演をしてくれました。
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 永田・植松共同作品ともいえるカムイロケットのホンモノも運び込まれました。
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 子供たちは一所懸命にロケットを作りました。できあがり、林立するロケット群!
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 発射グラウンドまで移動して、ランチャーに装着されたロケットです。
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 そして、発射!180基のロケットが次々と北海道の青空に突き刺さっていきました。
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 これは150番目くらいに打ち上げられたものなので、まわりもちょっと緊張感が薄らいできていますが、上がるたびに大歓声でした。

 ちょっと風が強く、何基かは樹木に引っかかったり、行方不明になってしまったようですが、どの子も大満足のロケット発射でした。

#実は、発射の瞬間のAVIムービーも撮れているのですが、横向きだったり、長すぎたりで、このままではお見せできません。どなたかフリーの編集ソフトでこれを直す方法をご存じでしたら、教えてください。

#さて、これから「打ち上げ」です。
by stochinai | 2007-04-28 17:43 | 札幌・北海道 | Comments(2)

明日の準備

 連休初日となる明日、いよいよ「発明の日記念イベント」があります。

 会場となる学術交流会館で、準備作業とともにロケットの組み立てリハーサルをやらせてもらいました。これが私の作ったロケットAlpha III Modelです。中にはパラシュートも折り畳まれて入っており、モーターと呼ばれる火薬を挿入すればいつでも発射OKです。これで、地上90-100mも飛び上がるとのことですから、すごいものだと思います。明日が楽しみです!
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 指導係の学生さんたちの作ったロケットを並べて、ロケット組み立て会場は準備完了。
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 ほぼ準備が終わって、明日を迎えるばかりの人気のない受け付けです。明日は人でごった返すことでしょう。嵐の前の静けさですね。
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 晴れ男の私は天気については全然心配していなかったのですが、予想通り天気予報は「晴れ」です。聞くところによると、総監督のSalsaさんの息子さんも晴れ男なのだそうですし、講師の永田先生の予定表には、ずっと前から「天気晴れ」と書き込んであるそうです。これでは晴れないわけにはいかないでしょう。

 天気も良いし、北海道圏の方は春の北大を散歩するついでに、是非ともいらしてください。無料です!

 では、明日会場でお会いしましょう。
by stochinai | 2007-04-27 22:06 | 教育 | Comments(14)
 高校生にお金を渡して、プロ野球にいかせず、大学を出る時に逆指名させるなどというルール破りや、逆指名して入団してくれた選手に裏金を渡していたり、球団の言うことを聞いてくれた高校野球チームの監督にもお金が渡っていたなどということは、すべてが掟破りの犯罪的行為であることは間違いなく、いくらでも叩いて欲しいと思うのですが、ここ数日はなんだか風向きが変だと感じます。

 あちこちの高校から堰を切ったように、野球部の選手が特待生としてはいっていたので、高野連を脱退したり、甲子園大会の出場を辞退するなどというニュースが毎日のように報道されています。

 そもそも日本国民の10人に8-9人は、野球であろうが他のスポーツであろうが高校や大学に特待生制度というものがあり、優秀なスポーツ選手がその技能で入学できたり、授業料が免除されたり、奨学金がもらえたりするのは当たり前だと思っているのではないでしょうか。

 私の中学生時代を思い出してみても、野球部の花形選手は同級生たちが高校入試のことを考え始める頃になってもぜんぜん勉強せず、「俺は**高校に野球特待生で入るから勉強はいいの」と豪語していたことが記憶にあります。

 その頃から、勉強ができなくてもスポーツで秀でていれば、それなりに明るい未来があるのだという選択肢があることは、うらやましくもあり、また良いことだと思っていました。

 それが、いつの頃からか高校野球憲章(?)などというものができており、野球特待生が禁止されていたということは、先週になるまでちっとも知りませんでした。

 テニスやサッカー、バレーボール、それに最近はゴルフなどでも、普通に特待生があるという話を聞いていたこともあり、まさか野球だけが禁止されていたなどということは夢にも思っていませんでした。それに、はっきりとした記憶があるわけではありませんが、最近も野球特待生として高校や大学にはいったやつがいるという話を聞いていたようにも思えるのです。少なくとも、野球はだめなんだという話はまったく知りませんでした。

 それが、いったいどういうことなんでしょうか。あっちからもこっちからも、「許されていないはずの野球特待生が、うちにもいたので甲子園を辞退したい」というような声が上がってきています。

 なぜ、誰も守っていないような憲章を持ち続けていたのかということも不思議ですが、おそらく、誰も守っていないということをみんなが知っていながら、何十年も見て見ぬふりをしてきたのだろうと推測されます。

 そして、なぜ今なのかということも理解できませんが、いきなり現実を建前に合わせようとしています。みんなが知っていたことを、知らなかったこととして演技をしているだけだと思うのですが、そこで被害を被るのは現場にいる高校生なのではないでしょうか。

 いったい、今の日本の大人は何をやっているのでしょうか。自分たちが過去何十年もやってきたモラル違反をここで精算するために、自分たちが責任を取るのではなく、彼らに利用された高校生たちに被害を与えつつ幕を引こうとしています。

 もう、この国には倫理というものはありませんね。特に、組織の上に立つものに倫理がありません。こんなことでは、どんな犯罪が起こったとしても「やっぱり」という反応をせざるを得ません。

 唯一の正しい解決法は、野球憲章なるものの廃止と、特待生などをすべて白日のもとにさらけ出すことのはずです。

 まあ、やらないのでしょうけど。
by stochinai | 2007-04-26 22:22 | 教育 | Comments(2)
 うちの大学(北海道大学)の話なので、知らんぷりをするわけにもいかないので、記録のために書いておきます。

 私は同じ大学にいながら、この先生が誰なのかはまったく知りません。報道によれば50歳代後半ということですので、ひょっとしたら顔見知りである可能性は否定できませんが、ほんとうに知りません。停職1ヶ月ということなので、今か突然一ヶ月休講になった先生ということで、学生にはすぐ知られてしまうでしょう。

 今のところ、北海道新聞がもっとも詳しい記事を書いているようです。

 北大教授が300万円流用 架空発注など、停職1カ月(04/25 14:26)
 北大によると、教授は札幌市内の特定の実験物品納入業者に架空の物品を発注した。その上で、代金の九割に当たる百六十八万円を「寄付金」として教授に戻させていた。
 これは、かなり悪質かもしれません。業者も1割のリベートを取っているようなので、こちらも黒ですね。このお金を何に使ったのかが、大問題だと思いますが、そこは明らかにした上で処分をどうするのかを決めたのでしょうか。私としては停職1ヶ月はかなり軽い処分だと思いますので、このお金を「正しい」目的(つまり研究・教育)に使ったのだと信じたいところですが、もしも記事にあるように「全額返還した」から罰を軽くしたというのなら、北大当局も「共犯」と言われても反論できない気がします。
 また、研究室の学生にいったんアルバイト代を渡した上でその全額百三十一万円を返還させ、学生の旅費や学会参加費に流用した。
 これに関しては、私は同情的です。当時、大学院生を学会などで発表させようとしたら、このようにお金を捻出することは、少なくとも北大では広く行われていたと思います。これが処罰の対象になるのだとしたら、全教員の90%くらいを処分しないとフェアではないのではないかというふうに感じます。新聞にはとんでもないことというニュアンスで書かれているものの、北大当局としてはこの点に関しては情状酌量したというのならば、納得できますが。
 また、カラ出張で五万円を不正受給し、私的に着服していた。
 本当に私的に着服していたのなら、問題外です。懲戒免職にして欲しいところです。
 昨年五月に大学に不正を告発する投書があり、大学が調査を進めていた。教授はすぐに事実を認め、業者側が受け取った分を含めて返還した。
 これは、最近ここで話題になっているアカハラと関係がある内部告発であるようなにおいを感じます。告発されると言うことは、先生と学生あるいはポスドクとの人間関係がかなりまずかったことを意味しているような気がします。
 北大は再発防止策として本年度から納品・受付センター(職員十四人)を新設した。その上で、納品時にセンターの職員が教官の発注書と納品される現物を確認して受け渡す仕組みにした。
 これは要するに取り締まりを厳しくするという対策ですが、もう一方で根元的に教員が不正をせずとも充分な教育・研究ができる体制を保証するのが正しい管理の仕方だと思うのですが、そういう意味での対策については何も書かれていませんし、実際に大学で何が行われているのかということを説明する義務が大学にはあると思います。

 副学長談話の「これまでは教官を信頼し、不正をしようと思えばできる仕組みだった」というのは、ちょっとひっかりますね。これからは、教員を信頼することをやめるとも取れますが、ほんとうにそれで大学がうまくいくものでしょうか。角を矯めて牛を殺すようなことにならないことを望みますが、すでに牛は死んでいるという説も出ていることを最後に書き留めておくことにします。
by stochinai | 2007-04-25 23:12 | 大学・高等教育 | Comments(4)

頭を冷やして早春便り

 数日前から議論が続いている、大学院進学、研究室選び、研究教育指導、就職、ポスドク、研究室ボス(PI)の責任などなどに関しては、ここを含めてあちこちで書かれたブログエントリーや、それにつけられたコメントをご覧いただければ、かなり充実した議論が交わされていることがわかります。

 現段階では、あえてまとめることはしないでおきますが、ここに寄せられたトラックバックをたどったり、さらにそこからトラックバック先をたどっていくことによって、大きく分けてふたつの代表的な意見を見つけることができます。学生・大学院生・ポスドクの自己責任論と、研究室の責任者の教育責任論は、こうした議論の時には常に出てくる議論で、どちらも間違ったことではないと思います。

 ただし、なぜ今こうした古くからある問題が大きくクローズアップされるのかというと、それは今までにない大人数の大学院生と博士・ポスドクが生み出されていることと、それを吸収する受け皿について社会の側も学生の側もどうしたら良いのかとまどっているということがあるのだと思います。

 こうなる原因を作った、過去の教育政策を批判することは比較的簡単なことなのですが、批判したところで今ここにいる多数の博士・ポスドクと、続々と誕生している大学院生の問題が解決するわけではありません。どうしたら解決するのかについては、政府機関にも動いてもらわなくてはならないこともあり、短時間で解決するものとは思われませんので、息の長い議論を続けていきたいと思います。


 というわけで、ちょっと頭を冷やすためにも、札幌の「早春便り」をお届けします。

 昨日は最高気温が18℃という初夏並みの気温だったせいか、我が家のモクレン(マグノリア)の花芽もどんどん膨らみ、今朝はついに花びらがのぞき始めました。
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 スイセンも真っ盛りです。
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 地面に目をやると、秋から雪の下に放置されていたホオズキの袋が、葉脈だけになっているのを見つけました。なかなか芸術的です。
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 最後は、今年遊ぼうと密かに狙っている生ゴミ植物園の主役たちです。左から右回りに、ダイコン、キャベツ、ミズナ、ハクサイです。
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 見つかると捨てられるので、こっそり(?)育てています(^^;)。
by stochinai | 2007-04-25 21:51 | 札幌・北海道 | Comments(5)
 4月18日は発明の日なのだそうです。エジソンの生まれた日かなにかかというと、そんなことは全然なく、現在の特許法の前身でる専売特許条例というものが交付されたのが4月18日(なんと1885年)であるのを記念して、1954年に制定されたということですが、私も今年になるまで知りませんでした。

 なぜ今年、知ることになったかというと、特許庁と北海道経済産業局が主催する、「発明の日」記念事業『特許ってなに?おもしろ発明・体感フェア2007』というものにかかわることになったからです。
日時: 2007年4月28日(土)10:00 16:00
会場: 北大学術交流会館 および JR 札幌駅西口コンコース
対象:主に小学生とその保護者
入場無料
 発明の日から10日も経っていますけれども、今週の土曜日4月28日に、北海道大学学術交流会館とJR札幌駅西口イベント広場および北大の陸上競技場を会場に行われることになっています。そのイベントの大きなパートをこ~すてっぱ~であるSalsaさんが運営する、科学技術コミュニケーション工房スペースタイムがお世話することになり、まさに私は助っ人(SKET)としてそのお手伝いをさせていただきます。

 私が関係しているところは、学術交流会館で行われる実験屋台めぐりと、そこで作ったモデルロケットを陸上競技場でなんと180機打ち上げるという壮大なプログラムです。その他にも「スチロールペーパーで作ったグライダーの滑空距離コンテスト」や地元企業が出展する「オヤジのモノづくり自慢コーナー」「知的財産についてやさしく紹介した絵本の読み聞かせ」や、ニセグッチやニセカルチェなどが出てくるのではないかと思われる「模倣品パネル&模倣品の展示」があるそうですが、当日までなにが起こるか私も知りません。

 ちょっとだけ知っている、実験屋台は若い科学技術コミュニケーターたちが、自分たちのオリジナル屋台作品を準備して、次のような企画で展示し、子供たちに実験・体験をしてもらおうということになっているようです。

 ・高吸水性ポリマー
    ご存じM姫さまの科学マジック屋台
 ・映画の発明
    パラパラマンガから、短編映画作成までをやらせてもらえるかも
 ・太陽電池の発明
    さて太陽電池でなにが動くか光るかお楽しみ
 ・合成洗剤のしくみ
    仲が悪い代表の*と*の性質を持つ洗剤の謎が解けます
 ・セメントの発明
    実際にセメントを固めてもらいます
 ・ダイナマイトとノーベル
    ニトログリセリンの爆発実験はありません。ノーベルってどんな人?

 残念ながら、今回の大目玉である手作りモデルロケットの発射実験は定員180名がすでに飽和していて参加はできませんが、作成現場と打ち上げ実験の見学はできます。このロケット実験の指導をしてくださるのが、ななななな~んと北海道が誇るカムイロケット・コンビである工学研究院の永田先生と、カムイスペースワークス社長の植松さんというのですから、こんな豪華な実習はありません。植松さんについては、私が約1年前にこのブログで「ローテク・ロケットの素晴らしさ」というエントリーを書いておりますので、是非ともお読み下さい。胸が熱くなります。

 当日は、そのカムイロケットの実物も展示される予定になっていますけれども、子供たちが作って打ち上げるロケットは、原理的にはカムイロケットと同じものだというところも熱くなる理由のひとつかもしれません。Alpha III Model Rocketを作って飛ばせるとは、なんて幸せな子供たちでしょう。
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 180人もの子供がロケットを飛ばすのですから、10年後にはそのうち何人かは間違いなく北大の工学部に進学してくること請け合いです。

 私も小学生の頃に、近くの悪ガキと一緒に、アルミニウムで「ロケット」本体を作り、当時中学生が着ていた学生服の詰め襟のセルロイド(爆薬になる)を燃料にして飛ばしたことを思い出しました。ほとんどの実験はロケットが崩壊して失敗してしまいましたし、危険だということで学校から禁止令が出て、それ以降はできなくなりましたが、その当時から子供たちに対する科学教育がきちんとやられていたら、今の日本には何十人ものノーベル賞学者が出ていたはずです。

 まあ、その頃は日本全体が貧乏で、「科学で飯が食えるか」という時代でしたが、今は違います。日本中の子供たちに、科学のおもしろさを味わってもらえると日本は変わると思います。

 まあ、小難しい教育論はさておき、当日は安全に注意しながら、思いいっきり楽しんでもらいたいと思います。もちろん、大人の方もいらしてください。
by stochinai | 2007-04-24 21:55 | 教育 | Comments(2)
 高校の頃は、定期試験の前の日には朝まで眠らずに勉強したことが良くありました。寝てしまうとせっかく記憶したことを忘れてしまいそうな気がして、寝るとヤバイような気がしていたのだと思います。

 明日、研究室のゼミで紹介する論文や参考資料を読んだり、パワーポイントを作ったりしているうちに夜も更けてしまいました。とても、万全の準備ができたとは言い難いのですが、いかんせん高校生のような体力はもう残っておらず、度胸とハッタリが身に付いてしまっているばかりに、緊張感も続きません。

 1日を締めくくるために、ここに戻ってまいりました。

 さて、今朝からちょっと気にはなっていたのですが、普段に比べるとアクセスが倍以上になっているようです。忍者ツールズによる12時までのPVが、4800とキリの良い数字になっています。このブログにおける、今までのPV記録が1月29日の4065ですから、それを軽く越えてしまったことになります。

 最近は「なかのひと」ではしゃいでいて、ちょっとお灸をすえられたりもしましたが、まさか「なかのひと」ネタでそんなにアクセスが増えるわけはないと思っていたら、昨夜書いた「大学院生は利用され使い捨てられているのか」へのアクセスが原因のようです。これは、私が書いたというよりは、うすっぺら日記さんのエントリー「学生がその後どうなるのか」をご紹介させていただいただけなのに、これだけアクセスが跳ね上がるということは、決して喜んで良い状況だとは思えません。大学・大学院に大きな問題があるということに共感される方が多いということではないでしょうか。

 そう言えば、1月29日のアクセス増は『「親たたき」としての給食費未納問題』だったと思います。あれも、小学校の給食費問題が騒ぎになるという「不幸な事態」を取り上げたものでした。

 私のところでは、教育問題や大学・大学院問題(それも不幸な問題)を取り上げるとアクセスが上がる傾向があるのは、そういうことに関心を持っておられるかたが、時々チェックしていただいているということでしょうか。

 たくさんの方々に読んでいただいていることは、大変にありがたいことなのですが、グダグダとつぶやいているだけで、社会的力になるような実際的な提言がなかなかできないことに逆に恥ずかしくなってくるのも、また正直なところです。

 しかし、私ができなくてもブログの世界(blogosphere)には、たくさんの論客がいて勇気づけられます。これを書くためにうすっぺら日記さんの記事を覗きにいったら、重要なトラックバックがふたつついておりました。昨日のエントリーにちょっとでも興味を持たれたのだとしたら、ぜひともこちらへも読んでみてください。

 個人の努力を簒奪する日本という国2
 ドクター問題その後(5):学生の未来に関心のない指導教員、そしてアカハラ

 特に、後者の大「脳」洋航海記さんのエントリーは力作です。アカハラをどうやったら阻止できるのかという提言もあります。そうそう簡単に、「学生に優しく、教員に厳しい」提言が受け入れられるとは思えませんが、学生・院生からこうした要求が出てくることが続いたならば、大学としても変わらなければならないと考える人が増えてくると思います。

 大学の主役は、学生・大学院生なのですから、在学中でも自分の不利益になるかもしれないなどということを考えることなしに、堂々と意見を言える環境を用意することが我々教員の責任だとは感じているのですが、なかなか実現できずに申し訳ありません。

 それまでは、あらゆる隠れ蓑を駆使しつつ、横暴な人間や所業を暴いていくことも決して卑怯なことだとは思いません。お手伝いできることがあったら、協力させてもらいます。
by stochinai | 2007-04-23 23:58 | 大学・高等教育 | Comments(15)

今日二つ三つ朝顔の通り道          稲畑廣太郎


by stochinai