5号館を出て

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 今日は日本の中央部は雨が降っていたりしたようですが、出発地の九州と到着地の北海道は良い天気でした。

 2時過ぎに札幌着いたのですが、いままで北海道大学の正門の写真を撮ったことがなかったことに気がついたので、意味もなく撮してみました。
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 福岡も酷暑という感じではありませんでしたが、さすがに札幌の初夏はさわやかです。

 研究室に着いて新着論文をチェックしていたら、PLoS COMPUTATIONAL BIOLOGY に、「良いポスター発表をするための10の簡単なルール」という論説が載っていました。すでに、ポスター発表を終わった人には「何をいまさら」と思われてしまうかもしれませんが、学会を思い出しながら読んでみました。

 今回の学会でも素晴らしいポスターもたくさんありましたが、明らかに読んで欲しくないオーラを出しているポスター、パワーポイントやワードのページを並べただけのポスターなどもたくさんあり、やはり発表するならば発表する人と、読んでくれる人の両方のためになるものであって欲しいと思います。この論説に書いてあることは、ごくごく当然のことばかりですが、改めて整理しておくのは悪くないと思いますので、余計なお世話ですがメモしておきます。

 「ポスターというものは、あなたの研究のスナップショットであり、それを前にして他の研究者とディスカッションをするためにある。もしも、ポスターの前にあなたがいないとしても、それを見た人をもっと知りたいという気にさせなければならない。」

 それでは、効果的なポスター発表をするための10の簡単なルールを見ていきましょう。抄訳というよりは、意味を抽出したつもりです。

Rule 1: Define the Purpose 目的をはっきりさせよう

 研究の目的ではなく、そのポスターを見た人にどうして欲しいのかという目的です。議論をして欲しいのか、何かを教えたいのか、共同研究者を探すのか、ともかくなんのためのポスターを作るのかを考えよう。

Rule 2: Sell Your Work in Ten Seconds 10秒で売り込め

 自分の研究を売り込むためのポスターですが、あなたに与えられているのはエレベーターの中でたまたま乗り合わせた人に自分を注目させるのと同じくらいの時間です。研究を始めるにあたっての疑問はなんなのかについて、単純明快に書いておきましょう。

Rule 3: The Title Is Important タイトルはとても重要

 人はプログラムに載ったタイトルしか見てこないものです。タイトルには、Rule 2 で書いた疑問、研究の目的、そして何かわかったのかということが示されていると良いでしょう。いろんな人がいますので、そういう人に向けたタイトルは新聞記事の見出しと同じように、短く、シャープで、ぐっと惹きつけるものにしましょう。

Rule 4: Poster Acceptance Means Nothing ポスターを出したからといって安心しない

 ポスター発表は、ほとんどの学会で無審査で受け入れられますので、発表しただけでは、それが学問的に認められたわけでもなんでもないということを自覚しておきましょう。

Rule 5: Many of the Rules for Writing a Good Paper Apply to Posters, Too ポスターといえども論文を書くのと同じ決まりがある

 見に来る人がどういう人かはっきりと自覚して、レベルに合わせたポスターにしましょう。専門家ばかりではない人も来るのならば、論文の要旨と同じように研究の動機、仮説、結果、結論をはっきりと書いておきましょう。

Rule 6: Good Posters Have Unique Features Not Pertinent to Papers ポスターには論文とはまったく異なる作り方をしなければならない面もある

 論文に比べると分量が圧倒的に少ないのですが、内容を精選してしかも言いたいことや論理の流れは論文と同じように維持されていなければなりません。ポスターはちょっと離れて眺めるものですが、研究者がグッと前に出てくることができるものでもあります。ポスター発表のうち、記録として残るのはタイトルと要旨くらいで、後は忘れ去られるものですから、時には論文では書けないような大胆なことを言うことも許されます。そうした特徴を生かして、ポスター発表を活用しましょう。

Rule 7: Layout and Format Are Critical レイアウトやデザインが決定的

 キース・リチャード(知ってますか?)がもし良い画家は、キャンバスを埋め尽くすように描いたりはしない。自分の音楽でも沈黙の部分が大切だ、というようなことを言っているそうです。ポスターにも空白を残しておきましょう。見る人の目の動きを誘導するような、矢印や番号などの工夫も必要です。他の人のポスターを見て、いろいろなことを学びましょう。そして、決して24ポイント以下の大きさの文字を使ってはいけません。

Rule 8: Content Is Important, but Keep It Concise もちろん中味は重要なのですが、簡潔に表現しましょう

 ともかく文字数を減らして、図やグラフに置き換える努力をしましょう。ひとつのグラフは何百もの単語に匹敵する情報を与えます。図はパッと見てもわかるし、詳しく見ようとおもったら詳しい情報も得られるように描かれているのがベストです。要旨のあとに、簡潔明瞭な結論があるのも、人目を引きます。

Rule 9: Posters Should Have Your Personality ポスターには自分の個性を

 伝統的に無味乾燥な論文と違い、ポスターには自分の個性を出すようにしましょう。見た人が「ン」と思って寄ってきて、あなたと話したがるようなものにしましょう。そこから、共同研究が始まることも多いのです。ポスターの上に自分の顔写真を貼っておくのもいいでしょう。趣味や興味を書いたりすることも許されます。

Rule 10: The Impact of a Poster Happens Both During and After the Poster Session ポスターの効果はポスターセッションの間だけではなく、後になって出てくる

 ポスターセッションの間は、「お客さん」を引き寄せる努力をしましょう。ひとりが興味をもってくれると、どんどん人が寄ってきます。だからといって、うるさくつきまとわずに、静かに読んでもらいましょう。そして、アイコンタクトを忘れずに。

 ポスターセッションで知り合いになった人が、あなたに連絡しやすい工夫をしましょう。論文やポスターのコピーを配ったり、あなた自身の自己紹介になるウェブサイトを教えるのも良いでしょう。連絡先を教えてくれたお客さんへ、アフターサービスすることもできるでしょう。

 お客さんというのは、ポスターの中味よりも「あなた」を覚えているものです。それを忘れずに印象に残るような対応をしましょう。

 ちょっと、日本の学会と違う雰囲気もあるみたいですが、いろいろと役に立つことが書いてあると思います。まあ、ポスターセッションに限らず、より良い科学コミュニケーションをするためのルールは、意外と民間企業のマーケティングに似ているということが良くわかると思います。

 こういう才能が磨かれていけば、大学院やポスドクで科学研究をしていても、どこにでも出ていけるつぶしの利く人材になれるような気がします。

 こういうところから、職業の壁が壊れていってくれると良いのですが、、、。
by stochinai | 2007-05-31 21:37 | 札幌・北海道 | Comments(0)
 去年から、推奨されていたのですが、今年の学会では発表用のポスターと、口頭発表のスライドはすべて英語で書くことが求められるようになりました。ポスターに関しては、外国の方がいらしたら英語で説明することを求められています。もちろん、口頭発表もシンポジウムはすべてが英語で発表及び質疑応答することになっていましたし、ワークショップにも聴衆の中に外国の方がいらしたら、基本的に英語で発表・質疑応答をすることになっていました。

 ポスターとスライドを英語化する件に関しては、比較的抵抗も少なく受け入れられているようにおもいました。

 問題は、英語による発表と質疑応答です。前にも書いたかもしれませんが、日本人の研究者にも外国人と区別がつかないくらいの発音だけではなく、ウィットや口語表現を苦もなく駆使する人が出てきており、それは一昔前とは比べものならないくらいです。また、老練な研究者の方々の中には、発音などはかなり怪しいとしても、その度胸と発表内容で完璧にコミュニケーションができる方も、いらっしゃいます。そういう方々にとっては、おそらく日本語であろうが英語であろうが、自分の言いたいことはすべて言えているように思われますし、何の問題も感じておられないのかもしれません。

 しかし、まだまだ大多数の日本人研究者にとって、英語で発表することの壁は高いと感じられるものでした。特に気になったのは、ほぼ完璧に言いたいことが伝わってくる発表をやられた方が、質疑応答になったとたんにコミュニケーションブレークダウン状態になって、質問されていることすら把握できず、持ち時間がなくなるまで I don't know を繰り返すだけということがかなり見受けられたことでした。

 外国の方に、流暢な native English でまくしたてられてそのような状態になる場合には仕方がないとも思えるのですが、日本人同士でお互いに通じない英語でがんばりあっている状況は、後で聞くと笑い話になるかもしればせんが、その場に居合わせた場合には頭を抱えてしまう以外にありません。しかも、その場にたったひとりの外国人すらいないこともあったようです。

 もともと英語が標準言語である科学の世界で、国内学会をも含めて国際化を標榜すること自体は、決して悪いことだとは思いません。しかし、我々の語学力を冷静に考えるならば、あまり無理をせず、学会発表の質疑応答(時には口頭発表)に日本語を混ぜることをタブーにまでしてしまうことは、せっかくの学会という学問の交流の場の実質を殺いでしまうことになることもあると思います。

 基本的に、英語に収束させていくという方針を持ちつつも、その場その場で日本語がボロボロと出てきてしまうことが許される包容力のある学会運営をやっても良いのではないかと思いました。

 もちろん、緊急避難として日本語を使ってしまう場合には、どうしても伝えたい研究の中味があることを期待するのですが、、、、。
by stochinai | 2007-05-30 23:59 | 科学一般 | Comments(3)

学会2日目

 学会2日目の夜は懇親会があります。国際会議場と2階の渡り廊下でつながった福岡サンパレスなので、今日もまた学会場から一歩も外に出ずに一日が終わってしまうと思ったので、昼休みに会議場の裏にある港に行ってみました。
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 なんと、ここが博多港発祥の地なのだそうで、記念碑がありました。
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 こちらは遊覧船のある観光港という感じです。
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 夜は、いかにもロマンチックなところになりそうな雰囲気です。
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 向こうに見える大きな船は、韓国航路のものでしょうか。
by stochinai | 2007-05-29 23:59 | つぶやき | Comments(6)
 福岡です。学会が始まりました。講演、ポスターセッション、ランチョンセミナー、ミニ集会、企業展示と会場内で約10時間、そして飲みニュケーションで会場外で4-5時間と、余裕がないまま今日も暮れました。

 帰ってきてみると、松岡農水大臣とZARDの坂井泉水死亡のニュース。どちらも自殺のようだと報道されていますが、本人達から理由について語られることは絶対にないことだけは間違いなく、今の時代というものがいわゆる「弱者」だけではなく、現職の大臣や、一時は「負けないで」と若者を応援する側にいたはずの人間までもが、こういうかたちで「決着」をつけざるを得ないところに追い込まれてしまう、ものすごい社会になってしまっていることを感じさせてくれる象徴的な日になりました。

 この件に関しては、私が語る必要がないほどに良質な評論がブログスフェアに満ちあふれています。

 さて、寝る前の日課として「なかのひと」をチェックしていて、とんでもないことが起こっていることに気が付きました。

 5月7日に『「なかのひと」に外国組織登場』として、以下3つの組織からのアクセスが記録されるようになったことを報告しました。
******** ******** National Laboratory
National Institutes of Health
*** ***** National Laboratory
 その後も、ずっと外国からのアクセスはこの3つだけだと思っていたのですが、昨日くらいから他の外国組織が出てきたような気がしていました。

 今日になって、いきなりduke.edu(デューク大学)から60以上のアクセスが報告され、よく見ると他にもたくさんの大学や研究機関からのアクセスがたくさん記録されていることがわかりました。このブログが、この2-3日で急に世界的に認知されたということも考えにくいので、おそらくシステムの方で、eduドメインなどを繰り込んだのだと思いますが、それにしてもアメリカのほとんどの有名大学を含めたすごいリストになりました。

 ちょっと気持ちいいので、転載します。今度はあまりにもたくさんあるので、伏せ字は必要ないと思います。アクセス数も、驚くほどたくさん記録されています。

 世界のみなさん。よろしくお願いします(^^)V。
alaska.edu
arizona.edu
brandeis.edu
Brookhaven National Laboratory
California Institute of Technology
cmu.edu
colorado.edu
Columbia University
csun.edu
duke.edu
emory.edu
fsu.edu
Harvard University
iupui.edu
jhmi.edu
jhsph.edu
ksu.edu
Lawrence Berkeley National Laboratory
lehigh.edu
ljcrf.edu
Massachusetts Institute of Technology
miami.edu
msstate.edu
musc.edu
National Institutes of Health
ncsu.edu
northwestern.edu
nyu.edu
Oak Ridge National Laboratory
ohio-state.edu
Oregon State University
rice.edu
rockefeller.edu
rpi.edu
rutgers.edu
salk.edu
Stanford University
sunysb.edu
swarthmore.edu
tmc.edu
uc.edu
uchicago.edu
uci.edu
UCLA
ucsb.edu
ucsc.edu
ucsd.edu
ucsf.edu
ufl.edu
uiuc.edu
umass.edu
umd.edu
umdnj.edu
umich.edu
University of California, Berkeley
University of Hawaii
University of Oregon
University of Washington
unl.edu
unmc.edu
upenn.edu
usc.edu
usd.edu
utah.edu
uwyo.edu
virginia.edu
wisc.edu
World Intellectual Property Organization
wsu.edu
Yale University

by stochinai | 2007-05-28 23:50 | コンピューター・ネット | Comments(4)

博多入り

 明日から福岡国際会議場で開かれる学会に備えて、福岡に着きました。いつもならANAを使う私なのですが、今回はなんとなくJALを予約していました。だからどうしたというわけではないのですが、今日は羽田発を中心にANA便は大変なことになっていたことを、夜になってから知りました。千歳-福岡便に影響があったかどうかは不明です。

 日本列島上空は雲が多く、下界はあまり見えませんでしたが、隠岐の島です。手前端の赤茶けた部分が空港のようです。
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 乗る時には気が付かなかったのですが、降りてみるとなんと乗ってきたのはタマゴッチ機だったのでした。
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 ホテルは、博多の隣の祇園にあります。博多・祇園と言えば、祇園山笠ですね。さすがに、こんな地図までがあります。山笠のひとつであるかき山(舁き山)の運行経路だそうです。
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 見ると、出発点の櫛田神社がすぐ近くにあるようなので、行ってみることにしました。

 さすがに、立派な神社です。
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 楼門の点状を見上げると恵方盤があり、今年の干支が亥なので恵方は北北西であることが示されています。
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 境内にはまだ骨組みしかできあがっていない飾り山笠がそびえていました。
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 できあがると、こんなふうになるらしいです。
 1000年以上前の歴史記念物があちこちにさりげなくあるのを見ると、大陸からの人や文化は、このあたりを通ってどんどん入ってきたことが実感を持って納得できますね。

 樹齢が1200年を越えるといわれる天然記念物の大銀杏です。金属のパイプであちこちを支えられていますが、見たところとても元気そうでした。
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 今日の福岡は30℃を越えたということですが、海からの風のせいかそれほど暑いとは感じられませんでした。

 さて、明日からは真面目に勉強してきます。
by stochinai | 2007-05-27 23:37 | つぶやき | Comments(0)
 前回、3月24日に行われた第11回 「あなたは記憶を信じられますか?」を、いちおうペンギンカフェの第1ステージの最後ということにしてあったのですが、本日第11回のペンギンカフェが行われることになっています。タイトルは、「養蜂家“を”研究する?」で、なんと今は横須賀にいるペンギンカフェの創始者であるヴォルテール君が秘書(?)のconyさんを引き連れてやってくるとのことです。カフェの案内文を貼っておきます。
 今回は人文地理学の研究をされている柚洞(ゆほら)さんをお招きします。柚洞さんの研究テーマは「養蜂家」。蜂の研究ではなく、蜂を飼っている人の研究です。
 養蜂家や蜂を追いかけると、そこには日本経済が見えてくるとのこと。知らないことだらけの養蜂の世界を伺います。ご自分でも蜂を飼っているという柚洞さんの研究者人生のエピソードもお楽しみに。
 ということで、今回もまた「これがサイエンスカフェなのか?」という内容になりそうで楽しみです。

 私はというと、明後日から福岡で学会があるので、明日から出張ということになります。木曜日に帰ってくることになるので、留守の間にもほったらかしても良いように、植物・動物を飼育人不在モードにセットする作業を、昨日・今日とゴソゴソやっておりました。基本的には動物は絶食、植物は水をたっぷりやって放置というモードなのですが、食欲旺盛で放っておくとすぐに共食いを始めるミステリークレイフィッシュにだけは、水草(カモンバ)を少し多めに購入しておきました。

 ホームセンターで買ったのですが、その時おもしろいものを発見して、衝動的に買ってしまいました。
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 オールインワン・カブトエビ飼育セットだそうです。税込みで848円でした。箱の裏に書いてある育て方を見ると、いかにも簡単そうに書いてありますが、子供の時になんどこういうマンガにだまされたことか!
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 中を開けてみると、水槽と説明文の他に怪しげな袋が4つあります。
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 左から「ウッドチップ」「カブトエビのエサ」「カブトエビのたまご」「カブトエビの栄養」と並んでいます。卵がえらいたくさんあると思ったら、実はほとんどが砂のようでして、卵は10個くらいしか入っていなさそうでした。
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 おそらく、右側の奥「カブトエビの栄養」のふくろに書いてある「ちゅう・・・たべたりしないで」の「た」のところにある黄色くて丸いものがそうだと思います。

 いずれにしても、実験開始は学会後の再来週になりそうです。ネットで調べてみると、孵化率は悪い、死亡率は高い、寿命も短いということで、あまり期待できなさそうですが、「生きた化石飼育セット」ですからね。楽しみです。
by stochinai | 2007-05-26 16:11 | つぶやき | Comments(9)

「なかのひと」5週間

 なかのひとを設置してから5週間ほどたちました。今のところひたすらにデータが蓄積されているようです。先ほどまでの集計ですが、アクセスしてきた延べドメイン数が18752になりました。

 本日までにアクセスしてきた、総ドメイン数は825に達しています。1回しかアクセスのないドメインも354あるのですが、10回以上アクセスのあるところも183ドメインあります。もちろん、ダントツは国立北海道大学の4926ですが、東大・京大も1000近くあり、東北大・理研が500くらいと続きます、後は筑波大、阪大、九大と続きますが、その次が農水省**会議というところです。さらに、宇都宮大学、島根大学の次がNational Institutes of Healthとなっていて、なかなかおもしろいです。1日1回以上のアクセスがあるのを「常連さん」とするとだいたい100くらいのドメイン(組織)がお得意さんになってくださっているようです。

 どういう方がアクセスしているかは知るよしもありませんが、政府関係機関のネットワークからのアクセスも結構あります。順不同でならべてみます。もちろん1回しかアクセスのないところもありますが、300回以上アクセスしてくださっている「組織」もあります。
気象庁
金融庁
防衛庁
総務省
宮内庁
特許庁
文部科学省
農林水産省
厚生労働省
総務省
国土交通省
環境省
農林水産省
国土交通省
文部科学省
財務省
参議院
会計検査院
衆議院
内閣法制局
造幣局
 大学という名前のついているドメインは239あります(ひとつは大學ですが)。研究所という名前のついているドメインは、明らかに民間のもの含めて34、新聞社が8社、放送関係が4社あります。新聞と放送は1日1回あるいは2日に1回アクセスしているところが意外とあります。

 さて、これから何が推測できるのでしょうか。基本的に、何もはっきりしたことは言えないというのが結論ですが、高等教育と研究に関連したほとんど組織から、なんらかのアクセスがあるということはそれなりの意味を持っているのかもしれません。もちろん、公式な仕事の一部としてアクセスしている例はほとんどないと思いますが、いろいろな組織の「なかのひと」が勉学の場あるいは職場のネットワークからアクセスしていただいているということは、ここでなされる高等教育と研究に関する議論が、それらの議論に直接関係のある人々に情報として拡散していくことが期待できるという希望を感じさせるものだと思います。(さらに、自宅などから民間プロバイダーを経由してアクセスしていただいている関係者の方もおられることと思います。)

 一方、実は「なかのひと」に乗ってこない大多数の皆さんが、大学や研究とはほとんど関係のない「普通の方々」なのだと思います。ということは、逆にここが高等教育や研究関係者と普通の方々が交流すること場にもなれるのではないかという希望も持てます。

 これからの大学や研究者は、政府や財界の方ばかり向いていたのでは、ジリ貧になっていくだけだと思っています。ひとりでも多くの「普通の人々」に大学や研究の存在意義を認めてもらうことによって、その存在を認めてもらうという方向が絶対に必要な時代になりつつあるのだと思います。

 普段は交流する機会があまりない人間が、時空や組織の壁を越えて議論できる場となりうるのだとしたら、ブログなどというちっぽけなメディアも意外と捨てたものではないのかもしれません。

 元木さんが考えておられることも、そういうことはないかと思いました。
by stochinai | 2007-05-25 23:51 | コンピューター・ネット | Comments(1)
 先日、元木さんが書かれた「今日の朝日新聞朝刊の中村桂子さんの「私の視点」について」について、私が引用しながら「バイオ系の大型予算の決まり方 【追記あり 補足を読んでください】」というエントリーを書いた後、すぐに元木さんが「補足しておきます」という記事で補足してくださいました。今回のことは、元木さんにとっては、こんなことは昔から時々書いているので「何気なく書いたら結構反響があってそれはそれで驚き」だったようです。というわけで、元木さんが昔から書かれているバイオ関連カテゴリの記事を全部読まれたいという方は、こちらをクリックしてみてください。

 すると、今日の時点においては最初にすごいエントリー「中村桂子さんからのコメントとそれに対する返答」が出てきます。なんと「今日の朝日新聞朝刊の中村桂子さんの「私の視点」について」に対して、中村さんご自身が長いコメントを寄せられ、それに対して答えるかたちで元木さんが、超長い(笑)エントリーを立てられたということです。これがまたまた、とても興味深く整然と書かれており、その長さにもかかわらず非常にすっきりと読めます。

 最後に書かれた注釈から、このエントリーが飲み会の後に終電で帰ってこられた後に書かれたものであるということがわかるのですが、とてもそうは思えませんでした。それは、この件について元木さんが常日頃から繰り返し深く考えられ、自分のお考えがまとまっていることを意味しているものだと思います。ともかく、日本で科学研究にかかわっているすべての人間が目を通しておくべき内容だと思います。

 内容についてはともかく読んでいただきたいということだけなのですが、私はこうして非常に内容があって有意義がやりとりがブログというメディアの上で公開されつつ行われるということに、大きな感銘を受けています。元木さんもおっしゃっています。
このブログなんて僕がその場その場で思ったことを書き散らしているだけのしょぼいサイトなわけだけど、時々こうやって有意義(と僕が勝手に思っているだけだけど)な意見交換ができたりして、しかもそれがメール交換という個人的なやり取りではない形でできて、「あぁ、良い世の中になった」ということである。新聞の紙面では絶対に不可能なことであり、また、新聞という制限のあるフィールドからブログという事実上無制限の場に意見交換の場を転換できることが素晴らしいと思う。
 中村さんもコメントの中で、新聞では「1200字しかないので、細かいことが書けなかった」とおっしゃっていますが、新聞で始まった議論がこうしてネットで継続されるということこそが、ネットの力を示していると思います。

 内容に関してはあまりの力強さと、多岐にわたる議論がありますので、また機会がありましたら、改めて考えてみたいと思います。

 ともかく、中村さんの登場でネットという、議論をする場としてはある意味で「陰」の雰囲気を持っているようにも思われているところが、急に明るくなったような気がします。

 ただし、現時点では私のサイトでのコメントを除くと、一方の意見がちょっと強いように思われます。そこで、反対やあるいはちょっと違う側(行政など)からの意見をもった方々が、似たような規模で登場していただけると理想的だと思います。

 「ネットでも議論ができる」から、「ネットだからこそ、ここまで議論ができる」という状況になるとうれしいのですが。
by stochinai | 2007-05-25 12:50 | 科学一般 | Comments(2)
 脊椎動物にも、意外とたくさんメスだけで繁殖する単為発生の例が見られます。ところが、現在までのところ、脊椎動物のうちヒトを含む哺乳類となぜかエイやサメを含む軟骨魚類で単為発生が報告されていませんでした。

 昨年の暮れに、動物園で飼われていたコモドオオトカゲの生んだ卵が、受精することなしに単為発生したことが話題になりましたが、今度はサメです。正式に、論文が発表されました。
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 フロリダで捕獲された3匹の未成熟なメスのシュモクザメ(hammerhead shark)が、ネブラスカ州の動物園で3年ほど飼育されているうちに、卵を産み、それが発生して1匹のメスのサメが育ったのが2001年のことです。残念ながらそのサメは他のサカナに襲われて死んでしまったということですが、死んでも遺伝子は調べられますので、マイクロサテライトという遺伝子を調べることで3匹の親のメスを調べたところ、この子と同じ遺伝子を持ったメスが1匹見つかりました。

 おまけに、サメは我々と同じように遺伝子(ゲノム)を2セット持っているので、普通の有性生殖をして生まれたと思われる3匹のメスでは、調べた4つの遺伝子の多くが、それぞれのオス親とメス親からもらった異なる遺伝子のペア(ヘテロ)になっていたのですが、驚いたことにその子の遺伝子は、すべてが同じ遺伝子がペア(ホモ)になっていたのです。
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 この結果から、この子の母親は124,187,107,304という遺伝子をすべて持っているCM2であることと、そのメスが生んだ卵が成熟する時に遺伝子(染色体)のペアが二つに分かれる2回の細胞分裂(減数分裂)を行うのですが、この子はその減数分裂が終わった後で同じ染色体のペア同士が元に戻って、遺伝子(染色体)のペアを作り直してから発生したということがわかります。さらに、この子がメスだったことから、このサメの性決定方式がヒトなどと同じメスがXX、オスがXYであるということもわかりました。

 哺乳類では、この減数分裂が起こる時にメスの染色体(遺伝子)に変化(インプリンティング)が起こるので、オスの染色体(遺伝子)が精子によって持ち込まれないと発生できないために単為発生はできないと考えられています。というわけで、可能性はかなり低いのですが、この研究はマウスで行われたものなので、マウス以外の哺乳類でも可能性が完全にないと証明されたわけではありません。(マウスだって、系統によってはあり得ると思います。)

 というわけで、この調子でいったら、いずれ哺乳類の単為発生も発見されそうな気がしています。(ヒトはXY型の性決定方式なので、処女マリアの子だと言われているキリストはオスなので、この例は生物学的には・・・・・・・)
by stochinai | 2007-05-24 23:33 | 生物学 | Comments(2)

シーラカンスが釣れた

 一昨日のナショナルジオグラフィックニュースで、インドネシアで漁師がシーラカンスを釣ったというニュースを配信していました。
 ちょうど昨日、大学院生向きの「新・自然史科学」の講義で、脊椎動物が上陸する話をしたのでタイミング的には良かったのですが、この写真を見せるのを忘れてしまいました。

 アフリカのマダガスカル近海と、このあたりの海では、種が違う2種類のシーラカンスがいて、時々獲れるみたいですが、さすがに「生きた化石」の代表選手ですから、常にニュースになるようです。

 ネットを探すと、水中で泳いでいるシーラカンスの映像もあります。一度、ごらんください。
 
  Coelacanth (Latimeria chalumnae)
by stochinai | 2007-05-24 22:30 | 生物学 | Comments(2)

風わたり泥も乾きて春の草             嵐雪


by stochinai