5号館を出て

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 今春の入学者数が定員割れとなった私立の4年生大学は、全体の約半数の47.1%だったとあちこちで報道されています。定員の半数割れを起こした大学も29校あったようで、来年は間違いなく5割を越えることになるでしょう。とは言っても平均的に落ち込んでいるわけではなく、地域と大学規模に従って「選別と集中」が起こっています。

 イザ・ニュース
 学生数の規模や地域における人気の格差は拡大している。定員800人以上の大学の総志願者数が約6万7000人増えた一方で、800人未満は約2万8000人減り、大規模な大学に人気が集中する傾向が浮き彫りになった。地域別にみると、定員に占める入学者の割合を示す「定員充足率」が110%を超えたのは東京のみ。北海道、北関東、甲信越、北陸、中国、四国、九州の7地域は100%を割った。
 そんなニュースなどどこ吹く風で、今日は関西の小学生が、サイエンスキャンプin北海道の最終日として研究室を訪問してくれました。

 このプログラムのお手伝いももう4回目となりますが、今回はキャンプの最終日ということもあって、いつものように私の講義と研究室見学以外に、子ども達一人一人にキャンプの総括プレゼンテーションをしてもらうという企画もありましたので、ちょっと忙しく大変だったようですが、子ども達は一所懸命準備をして、がんばってくれました。

 大学の学生実験室で、プレゼンテーションの準備をする子ども達です。
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 トイレに行っている子もいましたが、総勢24名。大学で学習する子ども達を見るのは、なかなか新鮮な感覚でした。

 彼らが大学の受験をすることになるのは早くても6年後から8年後になります。その頃には、おそらく国立大学でも定員割れを起こすところが出てくることになっているかもしれません。夏には関西から北海道までサイエンスキャンプに参加できるような小学校生活を送ることができる環境にいるこの子たちは、その頃売り手市場で好きな大学に楽々と進学できるようになっているような気もします。

 その時に、大学は受動的に受験生に選ばれることを待っているだけでは済まなくなっているでしょう。国立大学もいくつか整理統合されているかもしれません。

 たった数年後、この国の高等教育をどうするかという展望をしっかりと持った政策を我々は持っているでしょうか。

 激変はすぐ目の前にまで迫っています。子ども達の未来を考えるとともに、大学の未来も具体的に検討しなければならない時期にきていると思います。
by stochinai | 2008-07-31 21:23 | 大学・高等教育 | Comments(3)

 ブレンディ 香るブラックの試用報告、第2弾です。

 いわゆる「トクホ」に指定されている食品・飲料を長期間飲んだり、食べたりした経験はいままでなかったので、いわば人体実験中(笑)という感じなのですが、冷蔵庫を開けると常にこれが冷えているというのは、なんともリッチな感じがしていいものです。

 職場の冷蔵庫にも冷えているのを、出してきました。
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 背景にあるのは、先日のザ・マジックアワーの時に撮った写真を壁紙にしたディスプレイ、横にあるのはひとつ前のエントリーで取り上げた染料・薬用植物フォーラム2008のチラシと、いかにもやらせっぽい写真ですが、スナップショットでもない限り、写真などというものはすべてがやらせなので許してください(^^;)。

 さてこのブレンディですが、中抜きもありますが、飲み始めて2週間ほどになります。もしも目に見えて痩せ始めたということになれば、それは「事件」となりますが、幸か不幸かまだそれほどの実感はありません(笑)。しかし、いくつか気の付いたことがあります。

 まず第一に、甘いものやアルコール系の飲料と違って、飲み過ぎるということが考えにくい飲み物だということです。喉が渇いた時には飲みたくなりますし、グビグビと飲むのですが、不思議なことにあっさりと乾きが癒されるとともに、満足感があります。甘いものやアルコール系の飲料は、飲むことによってさらに喉が渇くように「処方(?)」されているのか、いつまでも飲み続けたくなるという「副作用」が感じられます。このブレンディにはそれがほとんど感じられないのです。

 それと、食事の前に1杯飲んでおくと食事の量が減るような気がします。昔、「水ダイエット」というのがあって、食事の前にたくさん(1杯ではなくできるだけたくさん)水を飲んでおくと、食事がお腹にはいらないので減量できるというものだったと思いますが、それに近い効果が得られるのではないでしょうか。

 生物学者である私には、どうもこれを多少飲んだところで、お腹の脂肪がどんどん代謝されて減っていくということが信じられないのですが、食前に飲んで食事量抑制効果と相乗作用させると、かなり有効なダイエットになるような気はしました。

 前回、ビールをすべてブレンディに代えたら痩せるかもしれないと書きましたが、私に限ってはもちろんそんなことは実行できるはずもなく、ビールも濃いお酒も量は変わっていないと思います。

 食事の量もそのまま、お酒の量もそのままだけれども、ブレンディ香るブラックさえ飲んでいれば、脂肪がたまらないという夢のようなことが本当にあるのだったらすごいと思いますが、これを飲むことで脂肪コンシャスになり、脂肪の摂取量を気にするようになれば、それはそれで意外と肥満抑制の効果は得られそうに思います。

 特定保健用食品はもちろん医薬品ではないので、逆に劇的な効果を持っていると困るわけです。しかし、実験の結果から明らかな効果があると厚労省が認めているということを認識しながらそれを購入し摂取するという、人々の心理こそがその人を痩せさせてくれる原動力なのではないかと思います。

 もし、そうだとするとタダでもらった「棚ぼた」の場合には、効果が薄いのかもしれないと思いながら、今日もまた何倍目かを飲んでいる私なのでした。
by stochinai | 2008-07-30 20:03 | コンピューター・ネット | Comments(0)
 CoSTEPの第2期修了生で、染織家という素晴らしい肩書きを持つ角さんが、昨日ひょっこり訪ねてこられました。そういえば、このところ天然染料や薬になる植物の話といったサイエンスカフェや展示会の案内ポスターなどをあちこちで見かけます。

 聞けば、角さんが理事長をしておられる特定非営利活動法人アースネットワークが、なんと3年間ものロングランでイベント「天然の色展と共同製作ワークショップ」を実施中とのことでした(ポスターのpdfファイルはこちら)。
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 そして、8月2日から14日までは、札幌・小樽・当別・名寄など北海道各地で「染料・薬用植物フォーラム2008」が開催されるということで、直前で大忙しのところをわざわざお声をかけてくださったということです。

 このフォーラムはテーマが染料・薬用植物ときわめて焦点のはっきりしたものですので、某サステナビリティ・ウィークよりも、狙いがわかりやすいと思います。

 絶滅危惧種となっている「紫草」を人為栽培により復活させ、その根である紫根を使って染め物をした話をうかがっただけでも、かなりワクワクさせていただきました。薬や染料のもとになる植物を中心に、その利用法や保全などへと話が展開するところは、まさにサイエンスコミュニケーションの最前線という気もして、角さんがなぜCoSTEPで学ぼうと思ったのか、非常に良くわかる気がします。

 ともあれ非常に貴重で興味深いイベントが目白押しという気がしますので、是非ともチェックしておいてください。

 下にフォーラムの日程表を転載しておきます。あくまでも本日時点での転載ですので、出かける方はここを再チェックしてください。ただ残念なことに、この時期は他にもたくさんのイベントが重なる時期で、8月8日には来年から本格的に始まる教員免許更新の試行予備講習会で1日つぶれ、翌9日は動物学会北海道支部大会がありますので、私自身の参加は厳しいところですが、盛会を心から祈っております。

染料・薬用植物フォーラム2008

8月2日(土)
        13:00~14:30 サイエンスカフェ(北海道薬科大学ラウンジ)
        14:40~16:40 実技:アロマセラピー製剤の実習と薬用植物園見学
8月4日(日)~6日(水)
        10:00~18:00 鑑賞:南部紫根染展覧会:小樽市公会堂
8月7日(木)
        10:00~12:00 見学:北海道立衛生研究所薬用植物園 
        13:00~14:30 植物顔料ワークショップ:北海道大学遠友学舎 
        15:00~17:00 見学:北海道立アイヌ総合センター資料展示室
8月8日(金)
        10:00~12:00 北海道医療大学薬学部附属薬草園の見学
        13:00~16:00 紫雲膏の講義と紫雲膏作り体験実習
        18:00~19:30 サイエンスカフェ「染料・繊維・薬用植物のふしぎ」(仮題)、紀伊国屋書店札幌本店1階インナーガーデン
8月9日(土)
        9:30~11:30 NDPC大会:NDPC会員の実践報告、北海道大学理学部大講堂
        13:00~17:30 染料&薬用植物シンポジウム 北大理学部大講堂
        18:00~20:00 交流会、北海道大学ファカルティハウス“エンレイソウ”
8月10日(日)
        12:30~15:30 名寄市立大学、講義と染色演示実験
        16:00~18:00 (独) 医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター圃場見学
        19:00~21:00 交流会、名寄市サンピラー温泉ホテル
8月8日(金)~14日(木)
        染料・生薬・植物関係書籍・DVD・資料展示販売 紀伊国屋書店札幌本店2階イベントスペース

 角さんのブログ「山の手コラム」にも、関連情報がたくさんありますので、是非ともごらんください。
by stochinai | 2008-07-30 19:10 | CoSTEP | Comments(1)
 昨夜の記事だと思いますが、決して喜ぶべきニュースではないと思います。

 毎日jp: 大学人件費:05年度比6.8%減 目標超える削減ペース

 先日も書いたように、法人化以降、国立大学の運営交付金は毎年1%ずつ削減されています。運営交付金には人件費も含まれていますので、1%ずつ運営交付金が削減されても、従来どおりの運営(教育と研究)を続けようとすると、人件費の削減がもっとも効果的ということになります。北海道大学の場合だと教職員が約4000名いますので、あまりにも雑な計算ではありますが、毎年40人ずつ辞めても補充しなければ、それは達成されます。

 しかし、10年で1割400名の人員削減というのは、想像しただけでも寒くなります。

 平成19年度に出た北海道大学の報告書によると、18年度の教員数が2144名で。職員数が1954名となっています。16年度は教員数2166名、職員数1888名となっているので、教員は22名減っていますが、職員は大量に増えてすらいます。しかし、ここでは常勤と非常勤(あるいは任期付き)が区別されていませんので、常勤が非常勤に置き換わっている可能性があります。

 上記の記事では、「国立大学法人と四つの大学共同利用機関法人の常勤職員の07年度人件費は9361億8000万円で、05年度人件費の予算額(9967億9000万円)を6.8%(606億1000万円)下回ったことが、文部科学省のまとめでわかった」となっています。「06年度比では1.3%減」とも書かれていますので、05年から06年に5%以上の削減が達成されたことになります。

 一方、非常勤職員などの人件費は、なんと06年度比で「16.8%(308億9000万円)の大幅増」ということですので、常勤職員を減らして非常勤で置き換えている実態が露骨にわかります。となると、北大の場合も職員は常勤が非常勤になることで増員を達成しているのかもしれないと思えてきます。(実際、まわりを見渡してみると、そういう感じはあります。)

 しかし、こんなふうに運営交付金を減らされても、それを上回る節約ができてしまうのだとしたら、たとえそれが血のにじむような努力と、常勤教職員の首切りによって達成されていたとしても、財務省などから見るとまだ余力があると見えるに違いありません。

 ひょっとすると、先日の来年度の運営交付金3%削減案というのはこうした実態から導き出された結論なのかもしれないという気もしてきました。記事にも、文科省の不安げなコメントが載っています。
 また、政府は09年度予算で国立大運営費交付金の削減幅を年3%に拡大しようとしているが、文科省は「削減目標を超過しているから『もっと削ってよい』とみるのは妥当でない」としている。
 個人レベルや研究室レベルでは、入ってくるお金がなくなったらなんとかやりくりして支出を抑えようと努力しますが、それは結局個人や研究室の活動の低下につながります。もしも、いままで大学が必要以上に無駄をしていて、それを節約した結果こんなに節約できたということならば歓迎されるべきだと思いますが、教育・研究活動を低下させつつの節約だったとしたら、かなり絶望的な状況に思えます。(どこかで、犠牲になっている部分が必ずあるはずです。)

 常勤教職員を減らして非常勤教職員に置き換えていくことで、最低限(見た目?)の教育サービスは守ることはできるのかもしれませんが、次世代を担う研究者や大学を良くしたいという若い職員の安定した受け皿がなくなっていくのだとしたら、この先大学はどんどん細っていくだけになってしまいます。

 このニュースを読んで、空腹のあまり自分の足を食べてしまうというタコの逸話を思い出しました(生物学的には疑問な話だと思いますが)。もはや大学は、タコになってしまったのでしょうか。
by stochinai | 2008-07-29 18:16 | 大学・高等教育 | Comments(42)

ザ・マジックアワー

 三谷幸喜監督の同名の映画は、昔からの映画ファンにしかわからない張りぼてでできた楽屋落ち満載のものでしたが、マジックアワーは間違いなく存在し、私のようなド素人にもそこそこの写真を撮らせてくれます。

 今日の札幌は曇天、最高気温も21.4℃で、朝は肌寒いくらいに感じた不思議な天気の1日でしたが、そんな日にこそマジックアワーが訪れるもののようです。

 午後7時半頃、5号館から北西方向にある石狩湾の方を見ると、まさに日没直後のグッドタイミング。
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 映画の画面を想像していただきますと、まずモノクロームで映画が始まります。引いた画像からだんだんと太陽が沈んだ方向へとカメラが寄っていきます。

 それにつれて段々と画面に色が付いてきて、最後に画面全体が真っ赤に染まるという場面を想定してみました。客席に座っているお客さんの顔も、みんな真っ赤に染まります。
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 まさに、ザ・マジックアワーです。

*今日は、壁紙にも使えるちょっとだけ大きめの画像をサービスさせていただきました(^^)。
by stochinai | 2008-07-28 21:03 | 札幌・北海道 | Comments(1)

 ちょっと強めの風が吹いているのですが、日差しは強く完全に真夏の一日でした。こんな日には、太陽の下でピザとビールというのが最高です。

 というわけで、体験キャンペーンでいただいたプレゼントチケットでピザーラのこだわりのピザを届けてもらいました。これが、プレゼントチケットです。
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 実はいままでピザーラのピザを頼んだことがなかったので、そもそも私の家が配達地域なのかという不安もあったのですが、こちらを検索してみると無事に最寄りのピザーラが見つかりました。

 電話をかけて約30分、熱々のピザが届きました。
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 お願いしたのは、こだわりのピザシリーズの中で、もっとも気になったルッコラとイタリア産プロシュートのサラダピザです。

 こだわりシリーズでは、小麦の表皮も胚芽も全て粉にした全粒粉を使ったこだわりの生地に、厳選した具材を乗せたということが売りになっています。ご覧のように、イタリア産の生ハムであるプロシュートとルッコラは、ピザと別に配送されており食べる直前にご自分でどうぞ、という趣向です。

 さっそく蓋をあけてみたところが、これです。
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 食感と味わいを楽しんでいただくためにこんがりと薄く焼きましたという、説明通り焦げ目のついたおいしそうな「半完成品」です。

 これに、プロシュートとルッコラを乗せ、オリーブオイルをかけると完成です。これが、私の「作品?」です。
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 お好みで香草と唐辛子をかけていただきます。食べ始めは焦げたチーズが、ちょっと塩辛いかなという気もしたのですが、食べ進むにつれてこのくらいが適当なのかもと思えてきます。全粒粉の生地の歯ごたえはカリカリでもなくフカフカでもなく、私の好みの感じでした。

 これでMサイズが2730円というのは冷静に考えると高くはないのかもしれませんが、ちょっと贅沢な食事になりますね。でも、汗をかいたあとでビールを飲みながら食べるピザは夏の昼下がりには最高でした。

 これだけのものを230円(差額)でいただけたのですから、今日は何も言うことはありません。大満足です。

 ごちそうさまでした!
by stochinai | 2008-07-27 23:35 | その他 | Comments(0)

クジラを追って半世紀

 ずいぶん前に一冊の本をいただいていたのですが、なかなか読めずにいました。先日の、名古屋往復に読もうと思っていたのですが、読破できませんでした。今日までかかってようやく読了です。
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 大隅清治著
  クジラを追って半世紀 - 新捕鯨時代への提言 -

               なか見検索はこちら

 230ページほどの本ですが、最後に20ページもの文献リストがついており、一般向けの本であるにもかかわらず、著者自らが「学者」であることを強く意識していることがわかります。

 敗戦直前に大学にはいり、ひょんなことからクジラの研究をすることになった著者の研究人生が、そのまま戦後の日本の捕鯨の歴史と完全に重なっており、現場にいた証人が語る日本の捕鯨および鯨類研究の「航海日誌」とでも呼べる、貴重な記録です。丁寧に記載された何十人もの登場人物の名前は、我々第三者には単なる符号以上の意味を持ちませんが、それぞれの方々がそれを目にした時、著者とのつながりを思い起こさせてくれるメモとなっているはずです。

 なぜクジラの研究者になったのかを語る部分では、あっけないほどに成り行きでそうなったことが告白され、それにもかかわらずその後50年もクジラ一筋の研究を続けて来られたという経緯は、外の人にはわかりにくいことかもしれませんが、同じ動物学研究を続けてきた私も、自分のことを振り返ったり、まわりを見渡したりしてみても、意外とそういういきさつを持って、一生涯あることを研究し続けるという人が多いことを実感しています。研究者って、そういうものなのかもしれません。

 本の内容で動物学研究について書かれたところは少ないのですが、「クジラの処女懐胎?」や、「私のマッコウクジラ研究」は、とても興味深く読ませていただきました。特に、最後に近いところで登場する「先祖返りをしたイルカ」のところは、私が最近標榜している進化発生学に関係が深いところで、私も講義でたびたび取り上げている話題でもあり、またネタをふくらませることができたという収穫もありました。

 私が子どもの頃は、肝油や龍田揚げ、ベーコンなどでさんざんクジラにはお世話になっており、栄養失調にならずにすんだのもクジラのおかげだったかもしれません。小学校の頃に何度も見せられた、クジラは捨てるところのない究極の動物性資源であるという図は今でも覚えています。それが、乱獲による資源の急激な減少と、国際的管理の失敗による迷走、さらにはその後に起こるクジラ愛護運動によって、今や水産業としてのクジラは壊滅的状況にあります。

 著者である大隅さんは、科学者の目から見て、冷静に乱獲を反省しておられますが、同様に科学者の目から、クジラ資源が回復していることや、その状況の中での感情的な反捕鯨運動への批判をしています。そして、明言して書かれてはいないものの、国際政治や日本の政治が混乱を極め、正しいクジラ資源の利用がされていないことにも歯がゆい思いをされていることははっきりと伝わってきます。

 大隅さんが考えておられるように、国際的な協力体制の下、科学者を中心にクジラ資源を科学的にコントロールすることができれば、乱獲もまた必要以上の「保護」も避けられるのかもしれませんが、今やクジラ問題は生物学を越えた国際政治問題になってしまっているのだと思います。

 そんな中で、私が子どもの頃にも言われていた「クジラの海洋牧場計画」には、本気で期待したいと思いました。クジラが家畜化できたならば、ウシと同じような存在になり、反捕鯨勢力も強くは反対できないはずですから、是非とも本気で研究をしていただきたいものです。

 大隅さんが、研究一筋の方だということは、この本の中で家族のことに触れたところが、奥様について書かれたたった2カ所であるところからも、うかがい知ることができます。あるいは、とても照れ屋なのかもしれません。私が、この本を読みたいと思った動機のひとつであるお嬢さんのことについての記述がまったくなかったというところは、逆に微笑ましくも思えました。

 実は、そのお嬢さんとは誰あろう、あの仙台通信さんなのです。(献本、ありがとうございました。)

 また、文献リストを見ると、1957年までは木村清治さんだったものが、1958年から大隅清治さんになっています。リストの最後に、さりげなく「3, 結婚に伴い、1958年に「木村」から「大隅」に改姓した」と書いてありました。

 ある生物学者の波瀾万丈の一代記なのですが、まだ終わっていません。
私の最大の望みは、新しい、持続的で、日本型の捕鯨の創造である。それが実現するまでは、死ぬに死ねないのが今の心境である。

参考: 大隅典子の仙台通信 『クジラを追って半世紀ー新捕鯨時代への提言』
by stochinai | 2008-07-26 18:22 | 生物学 | Comments(1)
 コンピューターの世界はもともと工学系ですから、日本の工学系の学会の常識がコンピューターの世界の常識になっていることが多いです。私は、基礎生物系なので英語のcomputerをカタカナで表記する時には、工学系で標準とされるコンピュータではなく、コンピューターと書かないと、落ち着かない気持になります。

 コンピューターやプリンターのマニュアルでは、コンピューターはコンピュータ、プリンターはプリンタと表記されておりますが、それは日本の工学系の学会で決めた表記法なのだと聞いたことがあります。しかし、コンピューター関連のものがこれだけ社会に浸透してくると、もはやコンピューターはコンピュータになってしまうのではないかというあきらめの気持になりかけていたところなのですが、マイクロソフトが本日、英断とも言える発表をしています。

 マイクロソフト製品ならびにサービスにおける外来語カタカナ用語末尾の長音表記の変更について~ 新しい長音表記ルールに順次移行 ~
 これまでマイクロソフトでは、外来語カタカナ用語末尾の長音処理に関しては、JIS 用語や学術用語に規定されていない用語について、「2音の用語は長音符号を付け、3音以上の用語の場合は(長音符号を)省くことを “原則” とする」主旨の規定に則した表記ルールを採用していました。しかしながら、コンピューターの普及が進み、技術進歩とともに過去のハードウェアおよびソフトウェアの制約が解消されつつある現状を受け、今後は、より自然な発音に近い表記を採用します。
 この文章だけを読むと、ン?という感じですが以下の変更例を見ると、たちどころにわかります。
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 今までも私は、頑固にコンピューターと表記をしてきましたが、意外とすでにあちこちのメーカーも普通の表記をするようになってきていたらしいです。
 採用ルールは新聞・雑誌やTVで原則とされているほか、同業界内の多くのメーカーで採用されており、ユーザーフレンドリーです。
 そうなんですよね、だれのための表記なのかを考えたら、当然のこととは言え、マイクロソフトの決断を歓迎したいと思います。

 ゼロックスやコニカミノルタ、リコーなども賛同しているようなので、今後一気に変わるのではないでしょうか。
by stochinai | 2008-07-25 19:19 | コンピューター・ネット | Comments(4)
 山田ズーニーの大人の進路教室、藤井さんの最終回のポッドキャストがリリースされています。

 第二十二章 「研究」を仕事にしますか?
Lesson85 文系か?理系か?決められなかった 7月3日 放送済み

Lesson86 研究を仕事にする 7月10日 放送済み

Lesson87 妻として母として、そして自分のやりたいことをやるための転職 7月17日 放送済み

Lesson88 文系理系の橋渡しをしたい 7月24日 放送済み
 今回の話で私の印象に残ったのは、(言葉は正確ではありませんが)将来、子どもに向かって、「自分はあなたを育てることで、何かを我慢したことなどないばかりか、あなたと一緒に成長することができた」、というようなことをおっしゃっていた言葉です。これは単なるポジティブ思考というだけではなく、そういう気分になれないのであれば、とても子育てなんてできないだろうなあと感じました。

 これは、大学における教育についても同じようなことが言えて、研究者の中には「教育などをやっている時間があったら、1分でも長く研究をしたい」と、教育に対してきわめてネガティブな意見を持っている人もいますが、「学生を教育することで、自分も成長できる」という意見をお持ちの方もいらっしゃいます。学生にとって、どちらの先生の教育を受けたいと思うかは明らかだと思います。

 藤井さんのお子さんも、きっと藤井さんに育てられて良かったと思うことでしょう。
by stochinai | 2008-07-25 13:20 | 科学一般 | Comments(1)

 【体脂肪が気になる方に・・・ブレンディ 香るブラックをサンプリングプレゼント!】というコピーにおもわず引き寄せられて、迷わず応募してしまいました。

 届いてびっくり、こんなにたくさんいただけるとは思っていませんでした。サクラもビックリ「何コレ?」
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ブレンディ 香るブラック 1L
280mlあたり、熱量 23kcal /たんぱく質 0.9g /脂質 0g /炭水化物 6.3g /ナトリウム 60-120mg
関与成分:コーヒー豆マンノオリゴ糖(マンノビオースとして)3.0g
※本品は1日摂取目安量(280ml)あたりカフェインを120mg含有します。
 これがなんと1ダース。12リットルです。これだけ全部飲んだら、絶対痩せると思いました。

 「飲み方: お食事の際に、1日280mlを目安にそのままお召し上がりください。」

 そうですか。このペースで飲むと、これだけあっても2ヶ月はもたないことになります。これは、今流行のトクホ(特定保健用食品)の許可を厚生労働省から取得していて、「お腹の脂肪を減少させる効果が実験的に証明されている製品」なのです。出張が間にはいったりして、毎日飲み続けているわけではないのですが、12週間飲み続けれると効果が出ることになっています。

 もちろん、薬ではないのですから、おいしくないと意味がありません。私はブレンディのレギュラー・コーヒーは好きで良く飲んでいるのですが、このブレンディもレギュラーコーヒーに負けない良い香りと味わいがあります。微糖タイプはほんのり甘いということですが、私のいただいたブラックはもちろん無糖なのですが、ほんのりとした「甘味」が感じられます。これは、健康成分と考えられているマンノオリゴ糖(マンノビオース)の味なのかもしれませんが、砂糖で甘味を加えてしまうと感じることができなくなるくらい微妙な甘味で、なかなか良い感じです。

 12リットル飲むまでにどのくらい痩せるか楽しみなことです。もしも、ほんとうに痩せたらご報告したいと思いますが、甘いドリンクを飲んでいる人ならばそれをこれに代えると確実に痩せるはずですが、私はもともと甘いドリンクはあまり飲まないので・・・。

 そうか、もしもビールをすべてこれに代えることができたら、痩せますね。(できるのか?)
by stochinai | 2008-07-25 12:46 | コンピューター・ネット | Comments(0)

ふと咲けば山茶花の散りはじめかな        平井照敏


by stochinai