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歌うダーウィン

 先日取り上げたようにNatureがブログを推奨しているので、今日はNatureがやっているBlogから話題をいただきましょう。

The Great Beyond : The Nature blog that rounds up science from around the world

 毎日、たくさんの記事が載るのですが、27日付で歌うダーウィンが登場しています。



 ブログ記事はこちらです。Songs about Science XV: You can’t fool the children of evolution - February 27, 2009

 歌っているのは Darwin & The Naked Apes というグループ名になっていますが、本当は違うみたいです。見ていただけるとわかるのですが、歌にも映像にもかなりお金をかけており、しっかりした音楽ビデオになっています。背景の映像もなかなかすごいです。

 主役は、ダーウィンというよりは、サンタクロースみたいですし、下の写真のように途中で一瞬どう見てもカール・マルクスになるなど、遊び心も満載でいろいろと仕掛けもあります。
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 お金を出しているのが、Giordano Bruno Foundationという、アンチ・キリスト教主義的人権団体だそうですが、彼らはドイツの祝祭日はキリスト関連のものが多すぎると主張していて、この歌「‘Evolutionstag’ (Evolution Day)」も、キリストが死んで天国へ帰る日ということで祝われる「昇天祭」を、「進化の日」と改名させるためのキャンペーンとして作られたと書いてありました。

 まあ、主張はともかく乗りの良い歌と映像は楽しめるものだと思います。

 このエントリーに最後には、すでに有名になった PCR song (最初の1曲)を始め、以下のような膨大なサイエンス・ソングがリンクされていますので、ごゆっくりお楽しみください。
Songs about science
Songs of science part II
Songs about science part III: geology
Songs about science part IV: GeekPop08
Songs about science part V: singing scientists
Songs about science part VI: ‘Don’t go messing with our telescope’
Songs about science VII: ‘It’s a long way from Amphioxus’
Songs about pseudo-science
Songs about science part VIII: the astrobiology rap
Songs about science IX: Rollin’ to the Future
Songs about science X: drilling’s killer songs
Songs about science XI: Charlie Darwin
Songs about science XII: Shubin’s song
Songs about science XIII: ‘This stuff is far!’
Songs about Science XIV – Nano vs Fire
 ダーウィンイヤー便乗商品(笑) 「進化から見た病気
by stochinai | 2009-02-28 18:25 | スマイル | Comments(1)
 例によって、ScienceDailyからです。英語でもShiitake(シータケ)と呼ばれるシイタケが、アメリカで消費されるキノコのうちで第3位にまでのぼりつめてとのことのようです。

 US Shiitake Market Mushrooming

 英語で爆発的人気になることをマッシュルーム(キノコ)というのだそうで、日本語だと「アメリカのシイタケ市場がキノコの形のように爆発的人気」と、まことにうまいタイトルがついています。

 味が好まれているということもあるのだそうですが、アメリカらしく健康食品としての人気のようです。「低カロリー、低グルコース、低ナトリウムに加えて、カリウム、リン、銅、亜鉛を多く含んでいることが評価されています。薬理作用として、血中のコレステロールを下げ、免疫システムを改善するとも言われています。

 シイタケの栽培は我々日本人にはおなじみの原木(ホダギ・ホデキ)によるもの以外に、オガクズでもやられているようですが、手間がかかる上に成長が遅いというのがアメリカ人農家の不満のようですが、今後も需要は増えると見込まれており、栽培農家は増える傾向とのことです。

 こちらが、Wikipediaからお借りしたオガクズで育っている「シイタケ」です。下の写真は、上の写真の24時間後の姿だそうです。
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 そんなに人気があるのならば、日本から美味しいやつを輸出してもよさそうな気もしますが、生のキノコをアメリカに持ち込むのは難しいのかもしれませんね。

 この記事で気になったのは、アメリカで食べられているキノコの1・2番はいったいなんなのかということです。ひとつはいわゆるマッシュルームと言われる白い white mushroom でしょうが、他には思いつきません。ご存じの方(アメリカ在住の方?)は、是非教えてください。

 関連記事

 Shiitake Mushrooms May Improve Human Immune Function, Especially If Grown On Old Oak Logs (July 1, 2008)  古いオークの原木で育てられたシイタケは免疫機能を改善する

 Chemical Analysis Of Mushrooms Shows Their Nutritional Benefits (Feb. 22, 2005)  化学分析からわかったシイタケの栄養成分
by stochinai | 2009-02-27 21:25 | 医療・健康 | Comments(8)
 先日書いたエントリー「セクハラを訴えたらパワハラを受け、あげくにクビにされる」には注目が集まりましたが、若い男性隊員が多い自衛隊の勤務には、その性的衝動を解消するためのなんらかのしくみが必要だというような論調の主張もあることを知り、慄然としました。

 被害者の女性自衛官に再度・再々度の被害を与え続けている自衛隊に対する世論の高まりに、さすがの自衛隊もまずいと思ったのか、加害者の自衛官も処分することにしたようです。

 北部航空隊、勤務場所で女性に性的行為をした3等空曹ら5人を懲戒 

 5人の処分にまぎれてではありますが、停職処分です。
 北部航空警戒管制団第45警戒群(現・第36警戒隊所属)の3等空曹(33)は、2006年9月2日、夜間勤務中に勤務場所で飲食し、基地内を自身の私有車で飲酒運転。さらに同年9月8日から9日の深夜、勤務先で飲酒した上、女性隊員を呼び出し性的な行為を行うなどの規律違反をした。このほかにも過去2 回、勤務中に飲酒した。停職60日。
 驚くべき規律違反の常習犯であることが示されたこの犯人の処分が、たったの停職60日です。

 被害者の女性自衛官は、事実上の免職です。

 こんなものが、「喧嘩両成敗」なわけはありません。ますます腹が立ってきました。

【追記】
 NHKテレビのローカルニュースでは、飲酒違反で60人が処分されたと言っています。ようするに、ほとんど全員ということでしょうか。こんな中で、勤務していた女性隊員はさぞかし怖かっただろうと思われます。
by stochinai | 2009-02-27 20:34 | 札幌・北海道 | Comments(1)
 どうしたらよいのか、と言われるとすぐに答がでるわけではありませんが、少なくとも今の社会の中で育ってきた子ども達に対して、社会全体が責任を持つという姿勢は必要だろうと思います。

 荒れる日本の中高生、「他人に暴力」10年で倍以上
 他人に暴力を振るったことがあると回答したのは中学生は31%、高校生では17%。1997年の前回調査はそれぞれ12%、7%でいずれも2倍以上に増えた。学校施設などの公共物を壊したことがあるとの回答は中高生とも15%前後で、ともに約5ポイント前回を上回った。

 同級生多数の爆殺図る、家一軒吹き飛ばす火薬…札幌の高1
 調べに対し、容疑を認め、「世の中が面白くないので自殺しようと思った。死ぬ前に、自分をバカにした連中を殺そうと思った」などと供述しているという。

 発表によると、男子生徒は2月6日、通っている高校の教室内で爆発させる目的で、有機過酸化物や黒色火薬の原料などを自宅に保管し、一部加工した疑い。

 爆弾の情報はインターネットのサイトなどを通じて入手していた。見つかった火薬類は、家を一軒吹き飛ばすほどの威力があるという。

 男子生徒は6日、同級生へ「みんなぶっ殺す」とという内容のメールを送ったとして、同署に逮捕されており、自宅の捜索で火薬類などが見つかった。
 この閉塞感漂う時代の中で、自分ひとりでできることは、自殺することとテロだけと思い詰めた、この札幌の高校生の気持ちがわかるような気がします。

 もっとも壊れているのは、日本という国なのではないでしょうか。

【追記】

 山口大に爆破予告電話、学生を逮捕
 **容疑者は容疑を認め、調べに対して、「爆破予告は自分の携帯電話でした。大学院に進むことが決まり、勉強が続くのが嫌になってストレスを晴らすためにやった」と供述しています。

by stochinai | 2009-02-26 19:31 | つぶやき | Comments(4)
 Natureに掲載が決まった論文については、論文を掲載した号が出版される当日まではマスコミ報道してはならないというルールは有名です。

 このことから、Natureは自分のところに掲載される論文についての情報の発表を禁じていると信じている人が多いと思います。私もそうだと思っていました。それで、ブログを推薦しているNatureのEditorial記事「ブログはいいぞ It's good to blog」をざっと流し読みした時にも、科学者が自分の出した論文について、解説したり読者と議論したりするのにブログが良いというような一般的な話かと思い、あまり真面目に読んでいなかったのですが、さきほど全文を読んで、ちょっと驚きました。

 なんと、Natureに掲載が決まった論文の内容について、出版前にブログで取り上げて解説したり、議論したりすることは禁止しないと宣言しているのです。

Editorial
Nature 457, 1058 (26 February 2009) | doi:10.1038/4571058a; Published online 25 February 2009

It's good to blog (ブログをすることはいいことだ)

More researchers should engage with the blogosphere, including authors of papers in press. (論文の印刷を待っている人を含め、もっとたくさんの科学者がブログの世界に関わるべきだ)

 私もちょっと誤解していたのですが、Natureは掲載前にその論文の研究成果を学会で発表したり、投稿前のプレプリントを個人サーバーやリポジトリで公開することを禁止していたことはない、のだそうです。
if Nature journalists or those from any other publication should hear results presented at a meeting, or find them on a preprint server, the findings are fair game for coverage — even if that coverage is ahead of the paper's publication. This is not considered a breaking of Nature's embargo. Nor is it a violation if scientists respond to journalists' queries in ensuring that the facts are correct — so long as they don't actively promote media coverage.
 とりあえず、私はNatureに掲載されるようなネタを持っておりませんので関係ありませんが(汗)、ここに書いていることはとても重要だと思います。

 ここでは、それが積極的にマスコミに売り込まれたということでない限り、印刷公表前にマスコミの取材を受けて、ある事象について科学的に正しいかどうかを答えたりすることが、たとえそれがNature掲載論文の内容に引っかかっていたとしても、それはNatureの印刷前公表禁止ポリシーに抵触しないということを公式に認められています。

 もちろん、掲載が決まった論文の内容がNatureに出るぞという情報とともに公表されることは厳に禁止されていることは、ご存じの通りです。
we ask that authors refrain from actively promoting their work to the media and public ahead of its publication.
 こうした文脈で、Natureが積極的にブログを勧めているということは、彼らがブログというものを学会における討論と同じように位置づけたという意味で重要なことかもしれません。

 ただし、そうは言ってもNatureにしょっちゅう論文が載るような人が、ブログをやるかどうかということは、また別問題のような気はしますが(笑)。
by stochinai | 2009-02-26 18:48 | コンピューター・ネット | Comments(4)
 白髪は典型的な老化症状のひとつですが、特に健康被害があるわけではありませんし、洋の東西を問わず知恵の象徴と考えられていることや、最近の染色技術の発達で比較的簡単に隠すことができることから、それほど深刻に語られることがないものです。しかし、もしもそれを阻止する方法が発見されれば、それは老化防止とつながるという期待も持たれていますので、話題になることも多いと思います。

 一昨日出た論文で、白髪の原因は過酸化水素(H2O2)だということが示されました。

Senile hair graying: H2O2-mediated oxidative stress affects human hair color by blunting methionine sulfoxide repair

The FASEB Journal article fj.08-125435. Published online February 23, 2009

 解説記事は、ScienceDaily の Why Hair Turns Gray Is No Longer A Gray Area: Our Hair Bleaches Itself As We Grow Older ScienceDaily (Feb. 24, 2009) が良いと思います。

 過酸化水素が白髪の原因と聞くと、髪を過酸化水素で脱色して「金髪」にすることを思い出します。これは、髪の色の原因となっているメラニンという色素が過酸化水素で酸化分解されて色が抜けるのですが、白髪の原因が過酸化水素だからといって、それによってメラニンが分解されているわけでは、もちろんありません。

 髪の毛を作る毛包という組織では、過酸化水素が常に作られているのだそうです。若いうちはその量が少ない(マイクロモル・レベル)ことと、それを水と酸素に分解するカタラーゼという酵素が活発に働いているので、問題は起こりません。もしも過酸化水素が分解されないと、メラニン色素を作る酵素であるチロシナーゼという酵素の中にあるメチオニンというアミノ酸が過酸化水素によって酸化されることで、酵素としての働きを失うことがわかりました。しかし、たとえそういう状況になっても、若いうちはチロシナーゼの中で酸化されたメチオニンから酸素を奪うことでチロシナーゼの働きを回復させる力を持ったMSRAという酵素とMSRBという酵素が毛包の中で働いており、ほとんど問題は起こらないようです。

 ところが、年をとって毛包の中で作られる過酸化水素の量が増える(ミリモル・レベル:1000倍!)と、カタラーゼやMSRA/B自身も酸化されてその活性を失ってしまい、結果としてチロシナーゼの働きを回復させることができなくなるという悪循環に陥って、一気に髪の色が失われるということになるというわけです。模式図をごらんください。
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 培養した毛包を使った実験では、メチオニンを添加することで作られた過酸化水素を減らすことができるというような結果も得られているそうで、毛包の中の過酸化水素を減らす方法が開発されたら、髪が白くなることを阻止できるかもしれないというようなことも書いてありました。

 そういう目で、古くから髪に良いと言われてきた海藻や卵・チーズ・レバーなどにメチオニンが多く含まれていることが気になりました。食物の一部として摂取されたメチオニンが、どのくらい毛包に届くのかははなはだ疑問ですが、これからの研究の展開によっては意外と無関係ではないことがわかったということになるかもしれません。

 今回の研究結果も、コラーゲンやヒアルロン酸などと同じように白髪予防にメチオニンを食べようという短絡的な話につながることを恐れますが、メチオニンというアミノ酸だけで白髪が防止できるのだとしたら、それはそれでなかなかおもしろい話だと思いました。

 メチオニン入りシャンプーならいいのかな~(?)という気もしますが、試してみて効かなかったとしても、当方は責任をとりませんので、悪しからず(笑)。
by stochinai | 2009-02-25 21:46 | 医療・健康 | Comments(2)

風邪にもビタミンD

 太陽に当たることで作られるビタミンDは骨の代謝に重要だということは古くから知られていましたが、ビタミンDが不足すると呼吸器系の疾患にかかりやすくなることを示す論文が発表されました。

 Association Between Serum 25-Hydroxyvitamin D Level and Upper Respiratory Tract Infection in the Third National Health and Nutrition Examination Survey

 全国調査で明らかになった血清中のヒドロキシ・ビタミンDと上気道の感染症の関係

 ARCH INTERN MED/VOL 169 (NO. 4), FEB 23, 2009 (pdf)

 解説記事は、SciAm.com の 60-Second Science Blog の Vitamin D deficiency linked to more colds and flu と、Physorg.com の Vitamin D deficiency may increase risk of colds, flu をご覧下さい。

 話は簡単で、ビタミンDが不足すると普通の人よりも36%気道感染にかかりやすくなり、それがぜんそくの人の場合にはビタミンが足りている人に比べ5倍感染しやすく、さらにCOPDと呼ばれる慢性閉塞性肺疾患を持っている人でも2倍感染しやすくなるという結果が得られた、ということです。つまり普通の人でも、1年に2回は風邪をひくのだそうですが、ビタミンD不足の場合にはもう1回余計に風邪をひき、ぜんそくやCOPD持ちの人だと1年に4-5回のところをビタミンDが不足しているともう1回風邪をひくという統計結果です。

 約19000人の血中のビタミンDレベルを測定すると同時に、ここ数日の間に咳を含む上気道の炎症(風邪)の症状があったかどうかを尋ねてまとめて作ったのが次のグラフです。
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 シーズンを問わず、血中のビタミンD濃度と、風邪をひかないという傾向が見事に相関してるという結果が得られています。

 ビタミンDが不足するとhCAP-18と呼ばれる抗菌作用を持ち免疫系を刺激する働きのあるペプチドの合成が下がることが知られており、ビタミンDによってそうした免疫系が活性化されることで、風邪をひきにくくなるのではないかと考えられています。

 かつて、ビタミンCが風邪の予防や治療に効果があると言われたこともありますが、今ではほとんど否定されているようです。一方、今度のビタミンDの働きはどうやら確からしい感じです。現在でも、ビタミンDは骨の健康のために平均的アメリカ人1日に200-600単位(IU)を取ることを推奨されていますが、今回の調査から明らかになった免疫系の活性化のためには、例えば1日に1000-2000単位を取るのが望ましいと主張する学者もいるようです。

 アメリカ人というのは、こういうデータが出るとすぐにサプリメントでなんとかしようとして、国中が沸き立つ傾向がありますので、この先ビタミンDブームが起こるのかもしれません。しかし、こうした時にすぐにビタミンDサプリメントに頼るのではなく、まずは適度に日光にあたることやビタミンDを多く含む魚をたくさん食べることを目指すべきでしょう。また、ビタミンDが不足すると風邪をひきやすいとしても、風邪の誘引は他にもたくさんありますので、総合的な防御を心がけることも必要です。

 こういう論文が出ても、「ビタミンDさえたくさん取っていれば、風邪やインフルエンザにかからない」、というような誤った結論に踊らされないように気をつけたいものです。不足するのは問題ですが、過剰にあれば大丈夫という結果はどこにもないのですから。
by stochinai | 2009-02-24 23:19 | 医療・健康 | Comments(1)

笑う植物

 これを見ると、植物も笑うと言っても違和感を感じないと思います。
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 全体を見ても、やはり笑っているとしか見えません。
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 これは先日もご紹介した、我が家のウツボカズラで、ウツボの蓋が開き始めたところです。

 こちらが、完全に蓋が開ききった状態です。
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 最初は、蓋が閉じているのですが、少しすき間が開いた後で、パカッと蓋が開きます。こちらが蓋がずれてきて窓があき、パカッと開く直前のものです。
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 蓋の部分を拡大してみると、こんな感じです。
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 頭の上に「ちょんまげ」のような突起とか、「下唇」のところに生えている2本(?)の「ヒゲ」とか、かなり動物的な雰囲気の漂う植物です。
by stochinai | 2009-02-23 21:06 | 趣味 | Comments(0)

朝日新聞読書欄

 昨日の朝日新聞の読書欄で紹介していただきました。
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 特にほめるでもなく、批判するでもなく、淡々とした紹介です。いちおう、「文庫・新書のおすすめ新刊」の欄なので、ほめていただいたということにしておいてください(笑)。
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 さすがに、大新聞の影響力は大きく、アマゾンのランキングには、はっきり出たように思われます。

 朝日新聞 書評オンライン

アマゾンで購入: 進化から見た病気 (ブルーバックス)

【参考】
 2月23日午後6時頃です。
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by stochinai | 2009-02-23 09:53 | その他 | Comments(0)
 自衛隊が事実上の解雇通知 札幌地裁で係争中の女性自衛官に(02/16 20:52)
 同僚からわいせつ行為を受けたなどとして、道内の航空自衛隊に所属する女性自衛官(22)が国に損害賠償を求めた訴訟で、原告の代理人弁護士が16日、記者会見し「女性が事実上の解雇通知を受けた」と明らかにした。
 これが日本を守る自衛隊の実態ということでしょうか。最初のセクハラ事件に関して空自千歳地方警務隊から書類送検を受けた地検も不起訴処分にしたということで警務隊および地検双方にも共犯の疑いもあり、そうなると日本という国ぐるみでセクハラを見逃し、パワハラを擁護したということになると言わざるを得ません。

 事件の概要は例えばこちらをご覧ください。

 女性自衛官人権訴訟で明らかになった自衛隊の実態

 被害者からの申し立てが中心なってはいますが、加害者および管理者(自衛隊)からの説明が極端に少ない以上、それをほぼ信じても良いと思っています。要するに、自衛隊内で発生したセクハラ事件を訴えでた女性自衛官に対して、組織ぐるみとも言える退職強要があり、組織内では問題の解決はないと思った原告がセクハラおよびパワハラに対する損害賠償訴訟を起こしたのですが、今度は自衛隊あるいは防衛省という組織として、現時点において説明することのできない理由(内定であるという理由で航空自衛隊はコメントを拒否しています)で、彼女の任用継続を拒否するという発表がされたということです。

 私は知らなかったのですが、自衛官は公務員でありながらその身分保障のない職業のようで、彼女の身分である「空士長の任用は2年ごとに更新される」という期限付き雇用だったそうです。このサイトではおなじみのポスドクや派遣社員を含め、「再任が可能な期限付き雇用」という身分が、雇用主に対して如何に弱い立場に置かれているかということを象徴的に示している事例だと思います。

 明らかに悪いことをした「犯人」がいて、それを訴えた人間が組織の「和」を乱すものとして排除されるというのは、伝統的な日本的組織には典型的に見られるパターンですが、それは決して許されるべきではないという立て前から、例えば大学などでは毎月のようにセクハラ・アカハラ(パワハラ)を理由とした懲戒免職が報告されるようになってきました。

 中には、それは本当にアカハラなのか?と思われるような事例がないわけでもありませんが、基本的に(そして時には必要以上に)弱い立場のものの立場にたった処分が行われるということで、とりあえずは良いのだと思います。もちろん、不当な処分があった場合には、それに対する訴えも認められなければなりません。

 そんな中で、今回の航空自衛隊=防衛省がとった対応はあまりにも古くさく、そんな組織の状態でこれからの日本の防衛を担うことを任せられるのかと、はなはだ疑問に思われるところです。かの自衛隊を心から愛する多母神さんのご意見も是非ともうかがいたいところです。(彼なら、自衛隊という組織を守るためには、どんな理不尽な要求でも上司の意見には従えと言いそうですが、それを言った時点で自衛隊は終わりだと私は思います。)

 女性自衛官は数が増えてきているようですがまだまだ少なく、それだけに非常に優秀な人が多いと聞きます。そういう優秀な女性自衛官の能力を発揮させて、本当の意味で日本と世界の平和を守ることに貢献してもらえるのであれば、現時点では明らかに違憲な自衛隊の存在というものを見直すこともあり得るかもしれませんが、こんなふうに組織ぐるみでセクハラ・パワハラを続けているような組織に日本の国民が守れるはずはありません。そんな自衛隊ならいりません。

 最後にこの被害者であり、再度被害者になりつつある女性自衛官が訴訟を起こした時の記者会見に送った声明の一部を引用させていただきます。ソースはこちらJANJANです。
 私は、私の人権と女性としての尊厳を取り戻すため、国と闘いたいと思います。3年前、自衛隊に入隊したころ、私は自衛隊に対する大きな期待と夢を持っていました。今でも私は自衛隊に期待をしております。それは、今後自衛隊が社会常識が通用する普通の組織となり、女性が安心して働ける職場になれるかどうかにかかっていると思います。

 最後に、私が立ち上がることで、同じ体験をされた方に勇気と希望を与えることができればと思います。
 自衛隊だけにとどまらず、日本という国全体に投げられた課題だと思います。
by stochinai | 2009-02-22 23:24 | つぶやき | Comments(12)

青鬼灯 秘かに育ち 居りにけり      中島たけし


by stochinai