5号館を出て

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 USA TODAY に我々日本人(東洋人)と欧米人の常識の違いがわかるおもしろい記事がありました。

 Sixty percent of adults can't digest milk (全人類でみると大人の60%がミルクを消化できない)

 このタイトルを見ると、日本人ならば「あたりまえじゃない」とか「もっと多くのヒトがミルクを飲めない」とか思うかもしれませんが、アメリカ人にとっては「そんなにたくさんのヒトがミルクを飲めないなんて、信じられない!」というニュアンスなのです。
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 (C) photoXpress

 ほとんどの哺乳類は子どもの時にはミルクを飲みます。もちろん、母乳です。ヒトを除くと、大人になってもミルクを飲む動物はいませんので、大人になるとミルクを分解する必要はありません。無駄なことはしないのが生物ですから、ほとんどの哺乳類ではミルクを飲み終わる時期を過ぎると、ミルクの糖成分である乳糖を分解する遺伝子の働きがとまってしまいます。もちろん、ヒトももともとはそうでした。今でも、人類の40%以下の割合の人だけが大人になっても乳糖を分解できませんする能力を持ち続けるのです。アメリカ原住民(インディアン)では大人になっても乳糖を分解できるヒトはほぼいません。アジア人では5%、アフリカやカリブの人々(黒人)は25%の大人が分解能力を持っています。一方、地中海沿岸に住むヒトの50%、北ヨーロッパではなんと90%の大人が乳糖を分解でき、中でもスウェーデン人はもっとも多いのだそうです。

 今までの説では、アフリカで誕生した人類がヨーロッパを北上してくると、どうしても太陽に当たる機会が減ってきますので、太陽を浴びることによって作られるビタミンDが欠乏してきたのですが、約1万年前に始まったと言われる牧畜で得られるようになったミルクを飲むことでビタミンDを摂取できるので、ミルクを飲んでもお腹をこわさないような遺伝子の変異(進化)が起こり、ヨーロッパではその変異を持ったヒトの子孫が多く生き残ってきたと考えられています。

 その変異がいつ頃、どこで起こったかについてはいろいろな説が出されていましたが、最新の PLoS Computational Biology に、その変異が7500年前頃に中央バルカンと中央ヨーロッパの間あたりで起こり、前ヨーロッパに広がっていったというコンピューターシミュレーションによる結果が出ています。

Itan Y, Powell A, Beaumont MA, Burger J, Thomas MG (2009) The Origins of Lactase Persistence in Europe. PLoS Comput Biol 5(8): e1000491. doi:10.1371/journal.pcbi.1000491
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 コンピューターシミュレーションの詳しい内容などは私は良くわかりませんが、この図の中で赤い中心のあたりで遺伝子の変異を持ったヒトが出現し、ヨーロッパに広がって行った様子が直感的に理解できます。

 もちろん他の遺跡資料などからの推測も合わせてなのだと思いますが、どうやらその変異を持ったヒトは牧畜をやっていた旧石器時代の古代人であり、そのヒト達の子孫が様々な場所に移り住むとともに大人においても乳糖耐性になる変異遺伝子をもったヒトが各地に増えていったものと考えられます。ただし、このシミュレーションによると(今まで考えられていたのとは異なり)ミルクの中にあるビタミンDをより必要とする高緯度地方でその遺伝子を持った人が特に有利に生き残って増えたということはなさそうだということを示しているようです(私は良くわかりませんが^^;)。

 いずれにしても、ヒトの集団遺伝学と、コンピューターシミュレーションと、考古学などを組み合わせて、おもしろい研究結果につながったものだと思います。


【余談】 乳糖耐性に関しては、拙著「進化から見た病気」にもちょっとだけ載っています(笑)。
by stochinai | 2009-08-31 21:09 | 生物学 | Comments(3)

昨日のtwitter

Mon, Aug 31


  • 00:43  今回の選挙では、前の選挙で散らかったゴミを掃除することには成功したものの、新しいゴミがたくさん出てきてしまったのではないかという危惧を覚えます。

  • 00:18  双子の白クマ赤ちゃん通信:一日の始まり②今日もまた大量の写真が・・・ http://oneclip.jp/rHNtff

Sun, Aug 30


  • 22:38  Link: 優秀な学生は修士までで逃げ散ってしまい、残るのはそのカネにつられて就職もできずにノコノコやってきたボンクラだらけ:大「脳」洋航海記 » Blog Archive »... http://tumblr.com/xnm2wgfp8

  • 14:29  http://twitpic.com/ftdiq - 投票してきました。 #tohyo (ガ島通信さん発案のタグ)

  • 11:43  ほとんどタダで作れるデスクトップの自然。問題はどこまでサステナブルかということですが、実験する価値はありそうです。 http://oneclip.jp/1rQCWP

  • 11:38  私は、二大政党よりは小党乱立のほうが性に合っています。船頭多くして船山に登るということになり、大胆な政策が実行できないという批判もあると思いますが、そもそも人が集まってできている世の中ってそういうふうに多様なものなのではないでしょうか。

  • 11:28  アルビノ・スカンク動画ですが、重たい。 http://oneclip.jp/wh8q6O


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by stochinai | 2009-08-31 13:36 | コンピューター・ネット | Comments(0)
 羊土社から新著を送っていただきました。ありがとうございました。
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やるべきことが見えてくる研究者の仕事術―プロフェッショナル根性論

 このブログを訪問くださっている方の大多数がすでにご存じではないかと思われる、あの島岡要さんの新刊です。島岡さんは「ハーバード大学医学部留学・独立日記」というブログでもおなじみの方で、もちろんすでにそこでもこの本のことが紹介されています。

 やるべきことが見えてくる研究者の仕事術

 島岡さんは、麻酔科医として勤務されていた方ですが、研究への情熱がさめやらず、アメリカへ渡り研究者として独立する道を選んだ方です。

 非常に残念なことですが、日本政府の高等教育および研究者育成政策のあまりにも明らかな失敗から、今の日本においては、日本の若い研究者やその卵の方の多くは、たとえ研究者になりたいと思っていてもいったいどのように勉強し、どのように研究し、どのようにキャリアを重ねていけば研究者になれるかということが、ほとんど見えないという状況に置かれているのだと思います。

 自分の回りにいる研究者を見渡してみても、その多くが本人すらどうして自分がこの業界で生き残ってこられたのかがわからないという状況の下、多くの若い研究者やその卵が自分の将来に対する自信を無くし、この業界に進むことすらあきらめてしまうという不幸も数多く見聞きします。そんな中で、医師という「安定した身分」を投げ打って、いわば裸一貫でアメリカに乗り込んでいき、研究者として独立していく様子がブログなどを通じて発信されていることが、どんなに日本の若い研究者や卵たちの励ましになっていることでしょうか。

 その島岡さんが自身をモデルとして蓄積してきた、研究者として生き残り成功するためのノウハウのエッセンスを凝縮したのがこの本と言えるでしょう。

 すべてのページに珠玉の言葉がちりばめられていて、読み進むのが惜しくなるほどですが、中身のおもしろさにひかれて、ぐんぐんと読ませられてしまいます。(あっという間に読めてしまうので、この値段はどうなのよ、と思ってしまう程です。笑)研究者を目指している若い人ならば、一日で読んでしまうことでしょうが、あちこちに付箋を付けておいて、時々引っ張り出しては読み直す座右の書にして欲しいと思います。

 私が通して読んでみて受けた感想は、「研究もビジネスなのだ」というきわめてストレートな印象です。世の中では「研究者」というものが、いわゆる「社会人」の対局にいるような存在として捉えられることも多く、その結果研究者は社会性がないとか、研究者はコミュニケーション能力がないとか言われて、いわゆる「社会人」とは別の存在とされてしまうようなことが往々にしてあります。その結果、研究者の卵たちは「研究を選ぶのか、社会を選ぶのか」という理不尽な選択を迫られるということにもなりかねません。

 しかし、島岡さんからのメッセージは、「研究だってビジネスだ」という、目から鱗が落ちるようなものです。そして、この本の中に書かれてあることは「研究というビジネスを成功させるためのノウハウ」です。つまり、この本は研究成功のためのマニュアル本と言ってもいいのかもしれません。

 この本の中に書かれてあることは、過去にもたくさんあったかもしれない「研究者を目指すための精神書」とは大きく隔たったもので、読んでみるとわかりますが、まずは自分が研究者向きなのかそうではないのかを問われます。好きならば自分の人生を賭けてもいいじゃないかというスタンスの類書もあるかと思いますが、本書では研究が得意じゃなかったら研究者になるべきではないと言っているように私は読めました。研究を始めた頃にそういうことをアドバイスしてくれる指導者や友人を見つけることはとても大事だ、と私も思います。
「好きなことを仕事にする」ことを進める意見がありますが、これは「強みがある場合にのみ」推奨されることです。
 自分が研究に強いことがわかったら、次に必要なのは研究ビジネスを成功させるための努力ということになるわけで、そこはビジネスの種類によらず普遍的な戦略・戦術があるのだと思います。

 そういう意味で、書かれていることの多くは驚くほど多くのビジネス書の内容と似ていると私は感じました。実は、私もかつてはビジネスのノウハウ本を読みあさった時期があります。その時に思っていたことは、研究だって社会の中に存在している限り、ビジネスに共通する進め方・攻略法があるに違いないという思いでした。この本の中ではそのことを明快に語ってくれています。
「自分が世界でトップになる」というマイクロマーケティングの手法は、研究者がグローバルは一流研究者となるためのローカルな第一歩を踏み出すキャリア戦略なのです。
 そして、そのビジネスを成功させるためのノウハウとして、「フィードバック力」「物語力」「プレゼンテーション力」「英語力」「発進力」などが次々と語られていきます。

 最後に書かれている「創造性」についての章が、多くの研究者が悩むところの「自分には天才のひらめきがないのではないか」という点に関して、創造などというものは科学の発展の中で必然的に到達する新たな地平にすぎず、きちんとした研究者なら誰だって手にすることのできるものなのだという、力強い励ましで締めくくられるのも、さわやかな読後感の理由のひとつかもしれません。

 ただしちょっと気になるのは、日本には島岡さんの「仕事術」が通じるような成熟した「研究者市場」があるのかどうかということです。島岡さんが自信を持ってこれだけのことを言えるのは、あくまでもアメリカという環境の中だけだとしたら、この本を読んで刺激された後輩達もその活躍する場をそこに求めなければならないということにならないかということが、最後に残った胸のつかえでした。
by stochinai | 2009-08-30 23:56 | 科学一般 | Comments(10)

Sat, Aug 29



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by stochinai | 2009-08-30 09:59 | コンピューター・ネット | Comments(0)
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 抹茶とミルクは合うんじゃないかと前から思っていました。

 最近は、おしゃれなチルドカップに入ったコーヒー飲料がコンビニやスーパーにも並んでいます。そこに、抹茶とミルクをブレンドした抹茶ミルクが登場するのは、私から見ると「当然のなりゆき」だったように思えます。実は、昨年から発売されていたということなのですが、寡聞にして私は知りませんでした。私が知らないだけなら問題はないのですが、おそらくいまいち知名度は上がっていなかったのかもしれません。

 そういうこともあってか、スターバックスとサントリー食品が「スターバックス ディスカバリーズ® 京都[抹茶ラテ]」のパッケージをリニューアルして、再発売することになりました。コンビニエンスストアのみでの限定販売ということで、スーパーには並びません。すでに東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城・静岡・山梨・長野・新潟では、25日の火曜日から売り出されているとのことですが、ここ北海道を含む残りの地域は9月8日までおあずけです。

 そんな中、ブログタイムスさんを通じて試飲をさせていただけるということで、北海道にいながら一足先に味わう機会を得ましたので、ご報告です。

 1週間ほど前に宅配便でなんと『スターバックス ディスカバリーズ® 京都[抹茶ラテ]』がドドーンと1ダース送られてきました。さすが、太っ腹!
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 たくさんを一人で飲んでもモニターにならないということで、現在までに私を含めて6名が試飲しました。

 そもそも抹茶というものは、茶筅で泡立てて飲むものですから、泡を見ながら飲んだほうが合っているような気がします。パッケージにも書いてありました。
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 せっかく振ったので、泡がどんな風か見てみたく思い、蓋をはぎ取ってみました。
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 いわゆるカフェラテの泡と比べると大粒すぎる気がしますが、もっともっともっと振ると良いのかもしれません。

 でも、この泡はいわゆる抹茶らしくておいしそうです。思わず、このままグイッと飲んでしまいました。
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 むしろ、この飲みかけの感じのほうがおいしそうかもしれません(笑)。
 
 さて本題のお味のほうですが、不思議なことに現時点までのところほとんどの人が同じような感想を持ったようです。

 多くの人はケースに付いているストローで飲みましたが、飲んだ方法によらずほとんどの人の第一印象は「ちょっと甘めかな?」のようです。我々、日本人はあの苦~い抹茶を飲んだことがある人が多いので、抹茶を飲む時あの「苦み」を想像してしまうので、苦みとのギャップからたとえ「ほんのりとした甘み」だとしても、思わず「甘い!」と感じてしまうのかもしれません。もちろん、よく冷えていると甘みもマイルドになります。

 一方、ちょっと疲れた時に飲むと、この甘さがなんとも言えない疲労回復感をもたらしてくれるという感想もありました。

 そして、たとえ最初は甘いと感じたとしても、飲み進むうちにその甘みがうるさくなくなってきた、というのも多くの人が持った印象のようです。いずれにしても、飲み終わりの後味は良く、実際にコンビニで買ってみたくなったとも言ってくれた人もいました。

 抹茶とミルクと少しの砂糖はとても良いハーモニーを生み出し、おいしい飲み物になるという結論になりました。

 あえて注文を付けるとすれば、もう少し甘みをおさえたバージョンがあっても良いかもしれないということと、ついでにさらに甘みをおさえた「ホット抹茶ラテ」仕様のものがあっても良いと思いました。北海道はもう秋の気配が漂い始めましたので、暖かい飲み物も需要が多くなります。そんな時に、飲んで暖まることのできる「抹茶ラテ」はかなり魅力的に思えます。

 また、味とは直接関係はないのですが、パッケージに描かれている京都の風景がとても素敵だと思いました。抹茶ですから、抹茶色のパッケージはあたりまえかもしれませんが、こののデザインは秀逸だと思いました。
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 そうしたら、なんとこの絵が壁紙として提供されているではありませんか。もう1種類と合わせて、こちらからダウンロードできます。(携帯の待ち受け画面もあるようです。)
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 秋の夜長、抹茶ラテを横に置き本などを読みながらチビチビと飲むのも良いかもしれません。
by stochinai | 2009-08-29 22:54 | その他 | Comments(0)

8月28日のtwitter

Fri, Aug 28


  • 20:05  Link: 大「脳」洋航海記 » Blog Archive » 企業が推進する「ニューロコンサルティング」「ニューロマーケティング」とやらは、現時点ではただの「神経商法」に過ぎない http://tumblr.com/xnm2vgnxz

  • 19:59  Migalooの尻尾 http://oneclip.jp/3ohrgH

  • 17:39  選挙速報のtwitterは、どこをフォローしておけば良いでしょうか?

  • 17:37  自殺者増加の記事:思いとどまった人を合わせると、この国ではどれだけの人が死にたく思っているのでしょうか。埼玉、東京、千葉、沖縄、山口が増加。減ったのは北海道、鳥取、長野、宮城。抜け出す方策が見えるか? http://oneclip.jp/NtyZIE

  • 15:21  しょこたん有人潜水調査船「しんかい6500」に搭乗:深海5351メートルに到達。すごい! http://oneclip.jp/u8sU7e

  • 15:04  これはいままでにないデザインですね。「サッポロ生ビール黒ラベル 東北ホップ100%」東北6県限定 http://oneclip.jp/7LDSEt

  • 14:26  素晴らしい。是非実現してもらいたいものです。 RT @enodon: 博士課程学生に「給与」年180万円 文科省概算要求へ http://ow.ly/lDQe

  • 14:24  香港の看護師(73%)医師(18%)のうち、新型インフルエンザワクチンの接種希望者は半数以下 http://oneclip.jp/om7Lxp

  • 14:21  あらら、やっぱり学位謝礼:北大医学研究科、情報科学研究科、歯学研究科の大学院の教授5人 http://oneclip.jp/BZiWO1

  • 14:18  アルビノのワニです。 http://oneclip.jp/8dOxbP

  • 12:12  スイカをむさぼり食べるモルモットたち。ちょっと怖い。:Piggin Out http://bit.ly/21r1J

  • 11:55  アルビノライオンとアルビノゴリラ(ライオンはちょっと怪しい気配が) http://oneclip.jp/om7LxK

  • 07:25  祝継続決定!双子の白クマ赤ちゃん通信:女に二言はある。(今回は親子3匹の姿が多く、楽しいいですよ。) http://oneclip.jp/JbX7Tr

  • 07:22  堆肥を作りましょう:4.生ゴミ堆肥で土作り http://tanegomi.com/archives/4131

  • 07:20  これは大ミス!:京都大学 成績確認システムで他の学生の成績が閲覧可能に!? http://bit.ly/AjMKM


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by stochinai | 2009-08-29 18:53 | コンピューター・ネット | Comments(0)

ブログの街 Blogopolis

 昨年、オンラインで町作りをして遊んでいましたが、町民が1000名になったのを機に町を出ました

 今はどんなふうになっているのか知りませんが、たとえバーチャルといえども、人口を増やし、交通網を整備し、安全を保ち、人々の雇用を確保するということはとても大変なことだったと記憶しています。(実は、それがつらくて、逃げ出したのでもありますが・・・・。笑)

 最近は、そういう遊びをする気分にはぜんぜんならないのですが、このページの右サイドバーにあるこんなグラフをクリックして、久しぶりにあの時の町作りを思い出してしまいました。
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 これをクリックするとTopHatenarのページに移動します。
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 このページには、サイドバーにあったグラフを大きくしたものがあって、購読者数やはてなブックマーク数などによるランキングが表示されます。

 それは前からそうだったのですが、よく見ると前にはなかったはずのカラフルな「地図」のようなものが、右のグラフの下に表示されています。

 それをクリックすると、おもしろいことが起こりました。GoogleEarthもどきの3Dの都市地図が開くのです。まずは島の輪郭だけが見えます。
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 やがて区画や道路らしきものが見えてきます。町名があるのもわかります。
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 どんどん拡大されていくとともに細かい町名も見えてきます。
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 まだ大学は見えてきません。
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 やがて見えてきた大学は、life、医療や教育に囲まれた一角にあることがわかります。
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 そして、その大学町の中に「5号館のつぶやき」町があることがようやくわかります。

 「5号館のつぶやき町」には結構大きな建物もいくつかあるのですが、その建物の名前はブログエントリーのタイトルであり、建物の大きさはどうやら「はてなブックマーク」をいただいた数に比例したものになっている気配です。

 時々、変な動きもしますが斜めから町を俯瞰することもできます。
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 何回も見るものでもないと思いますが、1回くらい動かしてみるとそれなりにおもしろいものです。

 ビジュアルブログ検索エンジン『Blogopolis』

 作者のブログがありまして、そこにこのソフトの仕様が書かれています。
Blogopolisとは

Blogopolisは、昨年6月に公開したはてなダイアリーの勢力地図『HatenarMaps』のコンセプトを継承したサイトです。HatenarMapsの初版は、1000ユーザ×5エントリーの土地から構成された「はてな村」の地図でしたが、Blogopolisは20万人超のユーザと30万件近くのエントリーを収容する「メガロポリス」です。

Blogopolisは、TopHatenarが収集している全ブログのデータ(はてなブックマークにおけるエントリー、ブックマーク数、ブックマークタグ、livedoor Reader購読者数)を活用して、3Dの都市景観を自動生成しています。

ブックマークエントリー
1つのブックマークエントリーが1つの建物(オフィスビル風)になります(ただし3users以上のエントリーに限定)。
ブックマーク数
土地の面積は、ブックマーク数に比例します。
ブックマークタグ
ブログに付けられたタグの累積をもとに、ブログをカテゴライズしています。
購読者数
購読者数の多いブログほど、ビルが高くなります(高層ビルに近くなります)。

Google Earth風のインタフェースで、全体像から拡大図に至るまで、3Dの都市空間を閲覧できます。Blogopolisは、日本のブログ界を文字通り「一望」できるサイトを目指しています。
 この方のアイディアとプログラミング力には心から敬服してしまいます。

 有名な方なんでしょうね。いつも、お世話になっております。
by stochinai | 2009-08-29 18:41 | コンピューター・ネット | Comments(0)
 Science誌の速報版、Science Expressに載っている論文です。

Published Online August 27, 2009
Science DOI: 10.1126/science.1177808
Science Express Index
REPORTS
Submitted on June 16, 2009
Accepted on August 14, 2009

Coat Variation in the Domestic Dog Is Governed by Variants in Three Genes

 著者はEdouard Cadieu 他たくさんの方々

 膨大な数のイヌの遺伝子を解析して、その毛のパターンを決める遺伝子を探したところ、基本的にたった3つの遺伝子の組み合わせで決まるという結果を示したものです。

 解説記事がBBC NEWSにあります。

 Variety of dogs' coats explained (イヌの毛がいろいろある理由が遺伝子レベルで解明された)

 このBBCの写真にあるように、イヌには短毛や長毛、柔らかい毛や堅い毛、ヒゲのような長い部分をもったものとそうでないものなどいろいろなパターンがあります。いろいろな犬種はありますが、基本的にこれらの性質の組み合わせくらいしか毛のパターンがないというふうにも言えます。

 著者達は、80品種に属する1000匹以上のイヌの遺伝子を解析して、毛の質と関係している遺伝子をさがしたところ、基本的に3つの遺伝子の型の組み合わせで決まっていることがわかりました。遺伝子は次の3つでした。

 RSPO2: Rスポンジン2
 FGF5: 繊維芽細胞増殖因子5
 KRT71: ケラチン71

 スポンジンと繊維芽細胞増殖因子は細胞を刺激するタンパク質で、ケラチンは毛の主成分のひとつです。要するに、これらの遺伝子が毛を作る細胞を活性化したり、毛そのものの質を変えることでイヌの毛のパターンが決まっているということのようです。

 論文自体(pdf)は速報なので図もないのですが、添付されている補足資料(pdf)に膨大なデータと図が載っています。

 その中に載っている図で、非常に印象深いのは、furnishedという言葉で表されている、おそらくイヌのヒゲのような毛の生え方を決めている「ある遺伝子」の型がヒゲのあるなしと、とても良く一致していることを示すこの図です。
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 上半分がヒゲのあるイヌの遺伝子パターンで、下がヒゲのないものです。

 これほどきれいではありませんが、長毛(上)と短毛(下)の遺伝子パターンです。
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 そして、ちょっと微妙ですが、安定した巻き毛(上)と巻き毛になったりならなかったりするイヌの遺伝子(下)の違いです。
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 これらの変異がどの遺伝子にあるかを調べた結果、上に挙げた3つの遺伝子の中にあり、その変異の仕方の組み合わせで、イヌの毛のパターンが決まっているのだ、というのがこの論文の結論です。

 遺伝子の型の組み合わせと毛の質の決まり方をまとめた表があります。上から、短毛、ワイヤ(針金状の堅い毛?)、ワイヤでカール、長毛、長毛でヒゲあり、カール、カールしてヒゲありの毛質ができる3つの遺伝子の組み合わせパターンがまとめられているものです。
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 イヌというのは、ヒトによって短期間に遺伝子変異が選択されてたくさんの遺伝的性質(形質)が固定化されて品種が作られたので、こういう解析にはもってこいの材料で次から次へと同じような論文が出ている印象があります。

 同じようにヒトの手で作られた、ブロッコリーやカリフラワー芽キャベツやケールなどを含むキャベツの仲間が、どのようにしてあんな形になったのかを決める遺伝子の変化もまちがいなくどこかの研究室で調べられているものと思います。そろそろ論文が出てくるかもしれませんね。
by stochinai | 2009-08-28 21:42 | 生物学 | Comments(0)

8月27日のtwitter

Thu, Aug 27



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by stochinai | 2009-08-28 14:58 | コンピューター・ネット | Comments(0)
 長野県でインフルエンザにかかっていた30代の男性が亡くなったそうです。ご冥福をお祈りします。

 先ほどの夜7時のNHK総合テレビ・ニュースでは、長野県で「若い男性患者」が亡くなった。インフルエンザ関連の死亡としては、「国内5例目」になった、というようなことを伝えた後、最後にこの男性患者には心臓病などの持病があったということが述べられていました。

 ニュースというものの宿命として、まず視聴者の注目を集めるためにキャッチーなリードから始めるということは仕方がないかもしれませんが、それにしても聞いている方としては、ひたすらにこちらの恐怖感をあおってから最後にちょっとだけ、これこれの理由で全員が危機的状況に追い込まれているわけではない、という流れの報道が多いことには飽き飽きしてきています。

 テレビやラジオのような媒体の場合には、もうしようがないのでこちらとしては耳や目をふさいでいれば良いのかもしれませんが、ネットや新聞のような文字媒体でも同じような手法がとられているように思われます。

 このニュース関連の、Googleのニュース検索の結果を見てみます。7時半ころの検索です。
長野の死亡例は5人目 新型インフル、最年少
47NEWS - ‎1 時間前‎

長野で30代男性死亡 新型インフル、国内5人目
中日新聞 - ‎3 時間前‎

新型インフル 県内初死亡者 北信の30代男性
信濃毎日新聞 - ‎4 時間前‎

新型インフル重症男性が死亡=30代肺炎併発、5人目-長野
時事通信 - ‎5 時間前‎

長野で新型インフル患者が死亡 30代男性、糖尿病などの持病
47NEWS - ‎5 時間前‎

新型インフル感染の30歳代男性死亡 長野
朝日新聞 - ‎5 時間前‎

新型インフル、2人目の重症患者 慢性心不全30代男性
信濃毎日新聞 - ‎10 時間前‎
 今日まで、インフルエンザに感染していた方のうち、亡くなったのは高齢で持病をお持ちの方が多かったので、多くの人はそれほど恐怖感を持っていないのだと思いますが、最近の報道では若い人や小児幼児の重症患者を必死で見つけては恐怖をあおるように報道しているように思えていました。

 一番下にある信濃毎日新聞がその傾向を引っぱっており、ことさらに「20日に県内で初めて新型インフルエンザの重症化が確認された千曲市の女性」のことを取り上げた上、今回亡くなった方とその女性には「かかわりがない」ことを敢えて書いてあります。

 多くの方はあまり気にしてもおられないかもしれませんが、インフルエンザの重症例について、今日はあっちで幼い子が、今日はこっちで中年女性が、という感じで報道されています。同じ検索結果から、そういうニュースをピックアップしてみます。
新型インフルエンザ:5歳女児が一時重症 /福島
毎日新聞 - ‎6 時間前‎

新型インフルエンザ:男児が重症化--都内初 /東京
毎日新聞 - ‎8 時間

新型インフル、都内で初の重症患者
読売新聞 - ‎9 時間前‎          (患者は4歳男児)
 こんな感じです。ニュースを受け取る我々としては、インフルエンザにかからないためにはどうしたらよいか、あるいはかかったらどのくらい危険なのか、またどういうふうに対処したらよいのかということを知りたいわけですが、報道する側としては「売り物」としてのニュースがどのくらいの人にショックを与えるかを競っているようにしか思えません。

 最近、twitterをやっていて感じるのですが、ニュースを転載する時にはニュースの見出しをそのまま使うのではなく、実際の内容をさらに的確に表すような見出しを新たに付けたり、適切な場所を抜き出して引用するようにしています。

 そう考えると、ニュースの見出しを作ったり、リードを書いたりしている「デスク」がニュース報道をダメにしているのかもしれないと思えてきます。ニュースを売るのがうまいデスクではなく、受け手側の立場を考えた報道をするデスクに入れ替えるだけでも、ずいぶんと印象が変わってくるのではないでしょうか。

 やってみませんか。新聞・放送局の皆さん。
by stochinai | 2009-08-27 20:01 | コミュニケーション | Comments(3)

日の暮の背中淋しき紅葉哉            小林一茶


by stochinai