5号館を出て

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じわりBSE問題

 つい先頃まで、アメリカから輸入することになる牛肉に関しては、アメリカの要求に応じ、すべての食用牛をBSE検査する「全頭検査」を改め、生後20カ月齢以下の若い牛を検査対象から外すことなどが食品安全委員会で決まったばかりですが、これは行けると思ったのか、「米国政府の担当官は12日都内で会見し、牛海綿状脳症(BSE)の検査対象を生後30カ月齢以上に引き上げるよう求める意見書を食品安全委員会に提出したことを明らかにした」とのことです。

 一方、北海道では毎週のようにBSE牛が発見されています。

 北海道で17頭目のBSE牛

 これは、今までになく若く54カ月齢でした。なんと、2000年9月生まれ。

 北海道の108カ月齢の乳牛がBSE 国内16例目

 これは、すごい老齢。1996年生まれです。

 15頭目のBSE感染は、1996年8月生まれでした。

 というわけで、いままでは1996年くらい生まれのウシが多かったのですが、1996年8月1日の肉骨粉等牛由来飼料全面使用禁止のかなり後の、2000年生まれのウシでBSEの確定診断が出ているのは気持ち悪いですね。

 54カ月齢の牛で、体がふるえ、立てなくなるといった症状が出ていたそうです。30カ月例と54カ月例って、そんなに違わない気がするんですけど、20カ月例と30カ月例はもっと違わないという意見もあるのかもしれません。

 食品安全委員会はどうするんでしょう。
# by stochinai | 2005-04-13 21:33 | 生物学 | Comments(0)
 あきれてばかりもいられない、恐ろしいニュースです。

 アメリカのオハイオ州シンシナティにあるメリディアン・バイオサイエンス社が、あろうことは悪性のインフルエンザウイルスを世界各地に誤配したと、WHOが警告を発しました。

 ウィルス標本は、同定試験サンプルとして配布したものの中に紛れ込んでいたとのことですが、1957─58年に世界で流行した「アジア風邪」のものです。そのインフルエンザでは、米国で7万人、日本でも7000人以上が死亡しています。

 特に恐ろしいのは1970年代以降にはこのウイルスはほとんど消滅したと考えられているので、それ以降に産まれたヒトには免疫がないということです。そんなところへ、ウイルスが放されたら当時に近い流行が起こっても不思議はありません。医学のレベルや衛生状態が違いますので、何万人もの死者が出るとは思いませんが、厳重に注意する必要があると思います。

 研究用に保存しておいたということはわかるのですが、原爆並みの殺人力をもったウイルスがこんなにあっけなく保存庫から外へ出てしまったということは、遅かれ早かれ起こる事故だったと思われます。

 このウイルスを意図的に戦争やテロに使うことというも考えられますので、核爆弾なみの管理が必要だったのではないでしょうか。

 ウイルス標本の配布先は、米国とカナダを始め、ヨーロッパやアジア、中東、南米など世界18カ国、約4000施設ということですので、間違いなく日本にも入ってきていることと思います。

 情報を隠さないことと、迅速に処理することを望みます。>厚生労働省どの

追記:9時のNHKテレビニュースによると、国内で受け取った機関は9ヶ所だそうです。
# by stochinai | 2005-04-13 16:57 | 生物学 | Comments(0)

理科リテラシー

 ばかぼん父さんのエントリー洞窟で4人の中学生が亡くなった。には考えさせられました。

  ばかぼん父さんは叱ります。

> まるで、何もしないのに有毒ガスが溜まっていたかのような対応だが、
> 実際の原因はたき火の不完全燃焼による一酸化炭素中毒だよ。

 子ども達が自分たちで作り出した一酸化炭素によって死んだということを表に出さないように気を配ってたのだと思いますが、報道でも防空壕の中に始めから一酸化炭素があったか、あるいは一酸化炭素がどこからともなくわいて出てきたかのような言い方で説明されていることが多かったと思います。

 段ボールや木くずを燃やした跡が発見されているので、原因は子ども達が自分で作ったということになるのでしょう。ただ、もちろんこれは自殺ではなく事故なので、それはたいへんに気の毒なことだと思います。

 しかし、木や紙や炭などが不完全燃焼すると一酸化炭素が発生して中毒になるなどということは、小学校の理科で習っておくべきことだと思います。まさか、新しい指導要領のせいでそれが消えてしまったなどということはないのでしょうね。

 また昨今ならば、練炭による自殺がしょっちゅう報道されていますので、そうしたこととの関係で子ども達に注意を喚起しておくことも必要でしょう。

 燃焼が起こると、酸素がなくなって生物が生きていけなくなること、火も燃えなくなること、さらには酸素が不足してくると起こる不完全燃焼という現象によって、一酸化炭素という猛毒ガスができることは、小中学生にもできるだけ早い時期に教えなければいけないと思います。

 ばかぼん父さんがおっしゃるように「身も蓋もない言い方だが、中学生の「無知」が命を自ら捨てることになった」のは事実と言わざるを得ないと思います。

 科学技術が発達し地球環境が破壊されつつあるこの時代は、理科の知識なしには生活していくことのできない「危険な世界」になっていることをしっかりと認識しなければならないと思います。

 地球の環境を破壊しても、すぐに死んでしまうことはありませんが、一酸化炭素に関する知識がなければ、今回の事故のようにたちまちのうちに死んでしまうのです。死にたい人は理科の知識を持って練炭を使うのかも知りませんが、死にたくない人も理科の知識がなければ死を避けることもできません。

 4人もの未来ある子ども達の命をあっという間に失ってしまった今回の事故に関しては、「生きる力」をつけるはずのゆとり教育がまったく機能していなかったということで、文科省にも厳しく反省してもらいたいと思います。

 その上で、今さかんに言われ始めている教育の見直しが、単なる知識満載型への教育への揺り戻しで良いのかどうか、敢えて言わなくてもその前にやるべきことが、たくさんあるのはわかっていただきたいと思います。
# by stochinai | 2005-04-12 16:13 | 教育 | Comments(5)

日の暮の背中淋しき紅葉哉            小林一茶


by stochinai