5号館を出て

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雪は降る

 今年に入ってから、何回大雪が降ったでしょうか。昨日2回、今日も2回除雪をしました。最近の降雪の特徴は、長い時間降り続けることで、除雪後数時間もするとほとんど除雪した意味がなくなるくらいにまた積もります。

 除雪とは直接に関係がないのかもしれませんが、北国に住む人間には民間・公務員を問わず、冬になると寒冷地手当というものが給与に上乗せされていたものです。昔は「石炭手当て」と呼ばれており、本当に冬に買う石炭代に相当するものが世帯を基準に手当てされていたようです。

 今でもあるにはあるのですが、過去形で書いたのは最近になってそれがどんどん減額されて来ており、最終的には廃止したいというのが雇用側の考えのようだからです。

 最近では石炭などを使っている家庭はほとんどないと思いますが、我が家が今の家に引っ越して来る前の家には骨董ものとはいえ「ペチカ」という、石炭を燃料にした暖房器具がありましたが、石炭代がひどく高かった記憶があります。今、もし石炭だけで冬季の家庭暖房をまかなおうとすると、とんでもない高額なものになってしまうはずです。そもそも、石炭を手に入れることさえ難しい時代です。

 今はほとんどの家が灯油を使っていると思いますが、今年の冬はガソリンと同じように灯油も高騰しており、安かった時にくらべると5割くらい高いのです。さらに雪が多く、排雪する場所がないので灯油で融かすことが多くなっているので、そちらでも灯油を使うことになります。

 とうわけで、大雪が降り除雪するたびに大変だし、灯油も使うしということで寒冷地手当の廃止のことを思い出すというわけです。

 寒冷地手当の廃止の理由のひとつには、暑い地域で夏に冷房を使わなければならない地域には熱帯手当などというものがないということがあげられています。しかし、石炭手当てが当たり前のこととされていた頃には、夏になっても冷房をする家庭などありませんでした。

 確かに現実問題として、夏には冷房のためにかなりの光熱費を使う家庭が多くなっているとは思います。南の方では、北海道などにくらべると冷房に必要な光熱費が多いことは事実でしょう。

 そういう状況の中で、冷房手当を創設するか暖房手当を廃止するか、というような声が出てきたのでしょうか。経費削減の流れの中で、寒冷地手当の廃止という方向性が打ち出されてきたのだと思います。

 私は裁量労働制を取っているサラリーマンなので、大雪の日には大学へ行く時間を1時間遅らせて除雪するということができるのですが、朝除雪をしているとおもしろい現象を見ることができます。

 札幌だけのことなのかもしれませんが、各家庭で除雪をしている主なメンバーは主婦と老人なのです。もっとも力があるはずの中年のご主人が会社へ出勤する前に早起きして除雪している家庭がないわけではありませんが、非常に少ないという印象です。

 お父さんは、除雪されていない家から、朝も早い時間に雪に埋まりながらも歩いてあるいは自動車で出勤してしまいます。そして、学校へ通う子供もほとんど同じように学校へ行ってしまいます。そこで、家に残された専業主婦の方と退職されたご老人が、長い時間をかけて除雪を行っているという家が多いようです。

 まあ、会社で酷使されているお父さんが家庭のことであまりエネルギーを使ってしまうことができない現状はわからないでもないですが、若者がほとんど除雪に貢献しないという状況は情けないと思います。小学校や中学校・高校では大雪の日は開始時間を1時間くらい遅らせても、除雪してから登校させるということを指導しても良いのではないでしょうか。ギリギリまで寝ていて、遅刻すると言いながら飛び出していく子供の姿は正しくないなあ、といつも思っています。(とは言っても、我が家でも娘達に除雪をしつけることには失敗してしまいましたので、私が除雪をすることになっているのですが、、、。)

 雪というものは、春になると融けるものなので、それほど一所懸命に除雪しなくても良いのではとも思うのですが、主要道路はかなりしっかりと除雪されて夏と同じような交通量を保証できるようになっているようです。産業のありようもそれくらいしっかりと除雪することを前提に成り立っているようなところがあるのでしょうが、やはり突発的な大雪には完全に負けてしまっていると思います。

 とするならば、雪の降る雪にはすんなりとそれを受け入れて、あらゆる社会活動を低下させて、エネルギーの使用量も経済活動も落としてしまうという選択もあり得るのではないでしょうか。そうすれば、寒冷地手当などはなくても大丈夫かもしれません。同じように、南の人も夏になったら、エネルギー使用量も経済活動も落としてしまってはどうでしょうか。そうすれば、冷房の使用量も減らせて地球温暖化の減速にも貢献できると思います。
# by stochinai | 2005-01-10 00:58 | つぶやき | Comments(0)

本当の指導者

 今朝の朝日新聞経済欄に出ていた連続記事「未来を語る(7)」に気持ちの良い発言がたくさん出ていました。「若者に希望はあるか」という問いかけに、世界最小の歯車を作ったことで有名な樹研工業の社長、松浦元男さんが答えて「心配無用、潜在力高い」というタイトルのついたインタビューが出ています。

 その歯車はあまりに小さすぎて、まだ使ってくれる会社がないというようなことを聞いた記憶がありますが、売れるか売れないかとか、もとが取れるか取れないかとか、そんなこととは無縁に仕事や開発をやらせてくれる楽しくやりがいのある会社のようです。

 「今の若者は能力が高い。僕らが5年かけて覚えたことを1年で覚えてしまう。ただ彼らの身の回りには情報があふれ、どうしたらいいか決められないだけだ。僕ら年寄りの役割は、彼らが潜在能力を発揮するためのチャンスと動機を与えること。」

 この会社の採用は、先着順で無試験なのだそうです。年寄りが自分たちの基準で、面接や試験をやったって何もわからないどころか、かえって大切な人材を落としてしまうことを心配しているとのこと。10分や20分の面接なんかやっても何もわからない。人の真価を理解するには1年から2年かかると、なんとも心の広い人です。

 社員には会社のクレジットカードと携帯電話を持たせて、好きなだけ使わせているのだそうです。そこまで信頼されると、確かに悪いことはできないでしょう。何から何まで、今の「常識」と反対のことをやって成功しているようです。

 「人の仕事をチェックしようとすれば、チェックする人をチェックする人が必要になる。自己責任でやる方が効率的だ」と、大学を含め今や日本中で行われている業績評価の欠点についても見事に突いています。競争や業績評価をする際に、もっとも問題となる「評価する人間のチェック」のことまで考えての上での判断ですから、単なる能天気親父ではないようです。

 評価する人間や組織をきちんと評価するという、とても大切なことを日本の多くの組織ではまったく行っていません。前にとある学会で開かれたお役人と語る会で、私が文科省の人に科研費の審査員を審査してはどうかと質問した時、その人は即座に「そのようなことをするつもりはありません!」と、きっぱり言い放ったことを今でもはっきりと覚えています。文科省周辺で行われている競争や評価というものがかなり危ないものであることは、どうやら官僚側でもわかっているらしく、この発言は「つつくと危険」ということを言っているのだと確信しました。

 リストラに対しては「会社を辞めさせられた社員、取引を打ち切られた企業の社員はそんな仕打ちをした会社の製品を二度と買わなくなる」と、冷静です。

 定年に対しても「作る理由がない。毎日顔をつきあわせて働いてきた仲間は兄弟のようなものだ。還暦の日に失業なんてむごい」と、人間的です。

 こういう会社が繁栄しているのは、とてもうれしいことです。

 今ではとても珍しいと言われてしまうでしょうが、おそらく20年くらい前までは日本の会社のほとんどが、この社長さんと同じような経営方針を採っていたと思います。それが、不景気とグローバリゼーションのダブルパンチの中で次々とアメリカ的(?)経営方針(競争と評価と差別、リストラ)を採用して今日に至ったというわけなのでしょう。

 この社長さんを見ていると、フリーターやニートと呼ばれる人たちを生んだのが、それをもっとも嫌悪している現代の主な会社経営者や政府そのものだと思えてきました。そうだとすると、彼らは単にしっぺ返しを受けているだけということなりますね。
# by stochinai | 2005-01-08 18:18 | 教育 | Comments(0)

さざんか満開

 2年がかりで丹精したサザンカが、お正月頃から次々と咲いています。

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# by stochinai | 2005-01-08 15:51 | 趣味 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai