5号館を出て

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自衛隊が我々に銃を向けたら

 今月20日から、北海道根室にある陸上自衛隊矢臼別演習場で、在沖縄の米海兵隊が実弾射撃訓練をすることになっています。今日のニュースで武器が北海道に上陸する様子を伝えていました。この訓練自体は1997年から行われてきたものですが、今年から訓練公開と大隊長のブリーフィング(記者会見や地元説明会)を行わないことになったそうです。

 もともと沖縄でやっていた実弾射撃訓練を北海道でやるようになったのは、沖縄だけに負担を与えてはいけないという理由からだったと記憶しています。沖縄の負担を軽くするということ自体は賛成なのですが、我々日本人にとって負担であるアメリカ軍の実弾者源訓練などというものはないに越したことはないので、本来は止めて欲しいものです。

 今まで、アメリカ軍が演習に対する説明や演習の公開をしてきたのは、地元の反対に対する説明責任を果たそうとする行為で、必要なものだったと思うのですが、説明会や公開に参加する人の多くがマスコミを除くと演習に反対する人が多かったので、アメリカ軍としても嫌になってきたのだろうということは想像に難くありません。しかし、嫌だからといって止めていいものと悪いものがあります。人を殺す戦争をするための訓練をしたいのなら、反対する人々を説得する義務はあるはずです。

 今日のニュースでむき出しの155ミリりゅう弾砲などが北海道に上陸するのを見ていると、これがもし我々に向けられるようなことがあったら、この国を制圧することなど簡単だろうと思いました。

 そう考えると、それに近い装備を持って日本中に展開している自衛隊こそが、日本国民にとってはもっとも恐ろしい武装勢力だというこがを改めて認識されます。

 それというのも、例の航空自衛隊の事実上の大将である多母神さんの「事件」があったからです。

 もちろん、ご本人がおっしゃるように「言論の自由」がありますから、彼が何を考えようと何を発言しようと自由なのですが、国家公務員は憲法を遵守する義務があるとその憲法に書いてあります。過去から一貫して、アメリカを中心とした連合国の戦争処理が間違っていると発言し、憲法を否定している人が、どうして世界でも有数の武力を誇る自衛隊の最高責任者になってしまうのでしょうか。憲法が国家公務員として不適当であると言っている人を、あえてその職に任命した安倍元総理大臣の責任は、倫理的にだけではなく法的にも問われなくてはならないと思います。

 優秀な軍隊というものは、命令一下指揮に従い行動するものです。もしも日本の航空自衛隊が軍隊として優秀であり、あのような考え方を持っている人がその気になって航空自衛隊に命令を下して動かしたならば、日本という国を制圧するのはとても簡単なことだと思います。そう考えると、自衛隊の存在というものが北朝鮮からの攻撃などというよりもはるかに現実味を帯びた恐怖の対象になります。

 軍隊という両刃の刃を動かすために考え出されたものが、文民統制というものだと思うのですが、それが機能していないこの国の危うさに背筋が寒くなる思いをします。

 根室市の港におろされた米軍の武器を見ていると、その恐怖が現実感を伴って感じられます。
by stochinai | 2008-11-16 23:41 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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