5号館を出て

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東海大地震に似ている新型インフルエンザ予想

 テレビなどで必要以上と思われるほど恐怖感をあおり立てるような報道をしている新型インフルエンザですが、このニュースを聞いていると、来るぞ来るぞと言っていながら、なかなか来ない東海・東南海地震の予知の話を思い出します。

 いずれも、科学者がこぞって「起こることはわかっている。問題はいつ起こるかだ」と言っているもので、科学的にはいずれ起こることは間違いないのだと思います。起こることが間違いなく、しかも予知がかなり難しいということにも共通点があり、いったん起こると急速に被害が広がるというところも似ています。

 だとしたら、我々がやるべきことはただ1つ、起こったらどうするのかということの対策を立てておくことで、それをやるのは政治の役割ということになるでしょう。国民全員に1万2千円を配るよりは、地震や新型インフルエンザ対策にでも使った方が良いのではないか、と今日も思ってしまいました。

 ただ、こういう対策に対して無限にお金をつぎ込むことはやはり正しいことではなく、起こらないあるいは数年以内に起こらない可能性も高いとしたら、そこにはつぎ込むべき適正な金額というものは自ずから決まってくるように思われます。もちろん、国の経済状態に依存して変わってくるものでもありましょう。

 私の個人的意見ですが、こういうものに対してもっとも効率の良い投資は、研究に対するものだと思います。地震の時も研究よりも「予知」にお金をかけすぎたのではないかと感じています。研究を中心に考えるならば、それほど莫大なお金をかけずとも地道に研究が継続できる組織を作っておけば、長いスパンでの対策になるでしょう。状況が変わって、地震やパンデミックが起こりる危険性が高まったら、その研究組織から速やかに警告が出てくるでしょう。

 今のように、大量の薬の備蓄や、被災対策用品の準備しておくというやり方では、使われなかった場合には時間とともに劣化して廃棄することも予想されますので、お金のつぎ込み方としてはあまり賢くないように思われます。

 それにしても、冷静に準備をするための態勢を求めるのがニュースの役割のような気がするのですが、NHKを始めパニック映画の予告編のようなニュースが多いのはどうにもいただけません。そうしたニュースを作る時には、科学者と科学コミュニケーターを参加させていただけくことを強くおすすめします。

 少なくとも必要以上の画像処理と、バックグランドミュージックはやめましょう。
Commented by こーた at 2008-11-24 17:35 x
現在の報道は、確かにやりすぎですね。冷静に考えると、スペイン風邪が起こった時と現代の医療レベルでは、各段に違います。スペイン風邪の死因のほとんどは細菌性肺炎のためだったとの研究もあることですし、お金の使いどころは考えてほしいところです。これでは、公共事業と一緒かそれ以下だと思います。
by stochinai | 2008-11-21 21:20 | 医療・健康 | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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